ラーメン&つけ麺食べ歩き
ZUND−BAR
(神奈川県 厚木市)

店名 ZUND-BAR(ずんどばー)
住所等 神奈川県厚木市七沢1954-1 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2006年8月上旬 塩らーめん(あっさり) 750円
           醤油らーめん(こってり) 750円



〜ZUND・BAR その1〜



お店に到着しました。
保養地のようなこの一帯は「七沢温泉」郷です。
お店は川を隔てて旅館「七沢荘」の隣。






駐車場で車を降りると、さすがに空気が美味しいです。
右奥に見える道路が出入口、右手の木々の下に小川が流れています。






黒ずくめの一軒家。
もともとは温泉旅館だった建物を改築したとか・・・。
8月の炎天下、蝉がミーン、ミーンと賑やかに鳴いておりますた。






営業時間と定休日。






店頭のメニュー。
「夏茄涼麺」は季節限定メニュー。






店内も黒ずくめで、ウッディな内装。
中央を横切るステンレスのカウンターが鈍く光り、
カクテルグラスのオブジェが並びます。






卓上のメニューです。
「塩らーめん(あっさり)」と「醤油らーめん(こってり)」を注文。






メニューの裏側です。
「寸胴」+「BAR」のコンセプトどおり、
アルコール類が充実。










2006年8月上旬 塩らーめん(あっさり) 750円
(この写真はクリックで拡大します)



うーん、この味・・・・まさに、「中村屋」「AFURI」の系譜ですね。

サイドメニューに餃子や炒飯が似合う「中華」ではなく、
確かに「カクテル」や「デザート」との組合せがピッタリ来る一杯です。

ギラギラと光り輝くメタリックな
ステンレスの器は好みが分かれそうに思います。









塩スープは「あっさり」を選択。
柔らかな甘味があり、「口に優しく触れる」・・・・と言う表現が良く似合いそうな、
本当に「あっさり&繊細系」のフェザータッチのスープ。






ストレートの細麺は割と「芯」が残って感じられ、しっかりとした食感。
すする際にワシワシ感があり、意外にも「しなやか」「滑らか」さは少なめでつ。
「ノド越し」よりも「歯応え」にウェイトを置いた「噛んで」食べるタイプ。




2006年8月上旬 塩らーめん(あっさり) 750円

ご存知、神奈川の有名ラーメン店。
同じ神奈川の有名店「中村屋」店主の実兄が開いた店として2001年の創業当初から注目されていたお店だが、ラーメンの美味しさに加え、山里の「温泉郷」にあると言う立地の珍しさもウケて、一層、話題性が膨らんだ面もあるようだ。
しかし、実際に訪問してみると、国道246号から車で10分ほどで到着する場所にあり、さほど山の中に入るという事はない。近隣には民家や建物も並んでいて、この一帯はどこかしら拓かれた「保養地」のような雰囲気を受ける。

店名は「寸胴」+「BAR」の造語で、ツヤ消しの黒で塗りつぶされた店舗は、元は温泉旅館だった建物を改築したものだと言う。
写真ではかなり大きな建物に見えていたのだが、目の前にすると想像していたよりも一回り小さく思えた。駐車場もやたらと広大なスペースを想像していたが、実際には店頭は10数台ほどで、少し小高くなった丘の上に第二駐車場がある。
入店すると、店内も黒ずくめでウッディな内装、中央を横切るステンレスのカウンターが鈍く光り、カクテルグラスのオブジェが並ぶなど、「BAR」の演出がなされている。

塩ラーメンはステンレスの丼で登場した。
以前に「中村屋」でも同じ経験をしたが、ステンレスの器で「汁物」を食べると、歯の表面に微弱電流が流れるような・・・・金属イオン独特の「キンキン」する感じを受ける。カレーなどならステンレス皿でも良いが、私的には、やはりラーメンの器としては磁器製が好きだ。
ちなみに、スープ素材は、ゲンコツ、鶏ガラ、昆布、魚介などらしいのだが、スープの仕込み水には、水道水ではなく、この地で湧き出る丹沢山系阿夫利山の伏流水(地下水)を使っていると言う。
と言うより、むしろ・・・・スープ作りのために、この天然水(軟水)を豊富に使いたくて、この地を選んでお店を建てたと言う経緯があるらしい。

スープを一口飲んでみると・・・・「あー・・・そうそう、この味だよなぁ・・・」という、ちょっと懐かしい気持ちが脳裏に浮かび上がる。こちらのスープを飲んで、すぐに姉妹店の「AFURI」(渋谷区)のスープの味を鮮明に思い出したのだ。
私はこちらの「ZUND−BAR」は初訪問だが、都内にある「AFURI」は10回位食べているが、ちょうど2年前を最後に食べていなかった。2年のブランクを経て「この味」と再会した訳だが、記憶しているスープの味と「寸分」違わないように思えた。

味を「あっさり」指定にしたため、表面の香味油が少ないこともあるが、「口に優しく触れる」・・・・と言う表現が似合いそうな、本当に「あっさり&繊細系」のフェザータッチのスープである。
塩ダレの利かせ方もやや抑えて感じられ、「ジワッ・・・・ジワジワッ・・・・」と、味の立ち上がりがとても「ゆっくり」で、旨味自体も実に「穏やか」「柔らかく」まとめられている。
素材の中では、昆布の味わいがやや目立って利いているようで、この辺りも「AFURI」と同じだと思う。

ただ、もう少し油の滑らかさが欲しいのと、砂糖なのかどうか、やや「甘味」が付けられており、繊細な「塩スープ」の常套手段として、多少この甘味に頼っている感じも受ける。甘味が入ると、甘味と塩味の「綱引き」で箸が進みやすくなり、しかも口当たりが良くなるので、美味しいと感じやすくなるのだ。
また、スープが薄味で繊細、上品にまとまっているのは良いし、私も普段は薄味好きなのだが、やはり、これだけ「うだるように」暑い夏の日だと・・・・汗をかいて体が塩分を失うので、さすがにもう少し塩気を効かせて欲しい気がした。

一方の麺は、細麺ストレートなのだが、意図的にやや硬めに仕上げられているようで、結構「芯」が残って感じられ、しっかりとした食感である。
細麺にもかかわらず、すする際にワシワシ感があり、意外にも「しなやか」「滑らか」なタイプではない。おそらくは、ある程度「噛んで」食べるタイプを狙っているように思え、ノド越しよりも歯応えにウェイトを置いているようだ。
実際に噛んでみると、小麦粉の風味が湧き立ち、なかなか美味しいし、塩のミネラル感とも良くマッチしている。

チャーシューは、「ホクホク」する口当たりで、「しっとり」とジューシーで美味しい。味玉は丁寧に味が染み込んでいるが、やや大人しい印象。
細切りのメンマは丁寧に戻された感じで、「ポリポリ」しながらも繊維自体は「しっとり」とした口当たり。繊維感に「乱れ」が一切なく、均一でフラットな食感に、きれいに足並みが統一されている。メンマを食べていて鷹の爪のような辛味を感じたが、これはスープの隠し味として浮いていたものがメンマと一緒に口に入ったようだ。
また、どこからか・・・・極微細に柚子の香りがするような気がしたが・・・・私の丼からではなく、おそらくは他の客の頼んだ「ゆずらーめん」の匂いが流れてきたのだろう。

食べ終えての感想としては・・・・こちらの「ZUND−BAR」のラーメン・・・・水菜がホウレン草に変わるなど、姉妹店の「AFURI」と全く同じではないにしろ、私には、まさに「瓜二つ」の味と思えた。
そう言う意味では、場所が違っても、作る人が違っても、味のブレがない訳で、さすがだと感心してしまう。

ただ、その一方で、私は3年前に「AFURI」でこの味を初めて体験し、その時は「今までにない全く新しい味だな」と衝撃を受けたのだが・・・・しかし、逆に今になって味わうと、むしろ「3年前に流行していた味・・・・」という懐かしい印象が先に立って感じられてしまう・・・・。この独特なスタイルの味に、普段、他店ではあまりお目にかからないからだろうか・・・・。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)




↓続きあり






〜ZUND・BAR その2〜



ステンレスのテーブルにステンレスの箸立て。
白いカーテンとの組合せがスタイリッシュ。






二階部分まで「吹き抜け」になった天井。
ウッディな黒い梁を巡る、シルバーのエアコン配管がオブジェのようです。






お店の脇の木立の中をサラサラ・・・・と流れる小川。
木陰もあるので涼むのに良いかも・・・。
ヽ(´ー`)ノ










同上日 醤油らーめん(こってり) 750円
(この写真はクリックで拡大します)



スープの赤みが増す「醤油ラーメン」。
どうやら「素ダレ」以外は塩ラーメンと同一のようです。

醤油ダレにより、柔らかながらも明瞭な味の輪郭のある「スープ」になるものの、
「麺」の味自体は塩スープの方がピュアに楽しめる感じ・・・かな。

改めて食べてみると、中村屋ブラザーズ以外、
他のどのお店とも似ていない非常に「独自色」の強い味の構成ですね。

ステンレスの器がその傾向をさらに強調する感じ・・・。









醤油スープは「こってり」を選択。
増えた「鶏油」のせいか、口当たりに「滑らかさ」と「厚み」が出る感じで、
ふっくらと「ふくらみ」のある味になって感じられる。






ストレートの細麺とは言え、すすり心地は、「モソモソッ、ボソボソッ・・・」と感じられ、
あまり「プリプリ、ポヨポヨ」と明るく活発な感じは少ない食味。
「噛んで」食べる事を狙ったような・・・「歯応え」と「麺の味」にウェイトを置いたような麺。




同上日 醤油らーめん(こってり) 750円

続けて醤油ラーメンを「こってり」で食す。
実は、この「醤油ラーメン」+「こってり」は、去年、「中村屋」で大感激した組合せなので、今回訪問の「本命メニュー」でもあったのだ。

しかし、今回、昼の1時と言う・・・・「真夏の炎天下」に訪問してしまった事に加え、こちらのお店・・・・真夏の灼熱の太陽光を100%吸収するには理想ともいえる「真っ黒の外装」なのである。
しかも、中は二階部分まで吹き抜けになっているため、天井がやたらと高く、頭上の空間が広すぎてエアコンの効きがあまり良くない。
さらに、これが一番の理由だが、運悪く、薄いカーテン越しに直射日光が差し込む「窓際」の席に座ってしまったため、おそらく店内で最も「HOT」なスポットで過ごすことになってしまった。結果として、最初の塩ラーメンを食べた時点で、「外」からの暑さと、ラーメンによる「体内」からの熱さで、いつしか滝のように汗が噴き出し、あまりの暑さにじっとしていられなくなってしまった。
そのため、非常に楽しみにして訪問したにもかかわらず、二杯目の醤油ラーメンは、あまり腰を据えて食べる事ができなかった。

「醤油ラーメン」は、麺も、具も、おそらくはスープも・・・・「塩ラーメン」と同一のもので、どうやら「素ダレ」だけが変わるようだ。
まず、スープは・・・・醤油ダレが入ったことで、塩よりも味の輪郭が明瞭になって感じられた。そして「こってり」にしたことで「香味油」が増えたせいか、先の塩スープ(あっさり)と比べると、こんがりとする芳ばしさがあり、口当たりが「滑らか」で「厚み」があると言うか・・・カドが丸く感じられるスープになっている。また、鶏油の旨味が増えたせいか、味わいも「ふくらみ」のある味になって感じられた。

また、塩スープと同様に、醤油スープにもややはっきりとした「甘味」が感じられる。しかし、この程度であれば、さほど気になる人は少ないだろう。
ただ、これは塩スープも同様だったのだが・・・・後味に「カツオ節」から出たと思われる独特な「渋ったさ」が舌に残るのが少し気になった。おそらくはカツオ節を引き上げるタイミングが他店よりゆっくり目なのだと思う。

麺は、スープに「鶏油」が増えた分、すすり心地が滑らかになるかと思ったが、実際にはやはり「モソモソッ、ボソボソッ・・・」と感じられ、あまり「プリプリ、ポヨポヨ」と明るく活発に動く感じではない。
やはり、ストレートの細麺とは言え、「しなやか」「滑らか」なノド越しを重視したタイプではなく、ある程度「噛んで」食べるタイプを狙っているように思え、「歯応え」と「麺の味」にウェイトを置いている麺のようである。
しかし、「塩」と異なり、こちらのスープは醤油の醸造風味が加わる分、麺の小麦粉風味がややマスクされてしまう印象で、麺自体の「ピュアな味」と言う点では、塩スープの方が純粋に楽しめた。

食べ終えての印象としては・・・・・今回、私のコンディションが良くなかったせいだと思うが、「こってり」指定にもかかわらず、去年「中村屋」で感動したような、鶏油の芳醇な旨味やスープの艶やかなコク・・・・はさほど感じられず、全体の量感と言うか、パンチが控えめなイメージを受けた。かなりの汗をかいてしまい、体が塩分を求めたのか、やや薄味に感じられたこともある。
やはり、「無化調&繊細系」路線のラーメンは、自分自身のコンディションも含めて、よほど「すべてのバランス」が良く噛み合わないと・・・・・なかなかその「持ち味」や「真価」を発揮できないなぁと思った。

そしてもう一つ感じた事は・・・・過去に私が食べたお店の限りでは、「ZUND-BAR」、「AFURI」、「HEY-ZO」・・・・この三店の味は、確かに良く似ていてはっきりとした「共通レシピ」を感じる。同様に、「中村屋」も同じような「共通項」を感じる。
しかし、逆に、これらの四店のラーメンは、他のどのお店のラーメンとも似ていない要素を多々含んでいる感じで・・・・非常に「独自路線」の強い味のスタイルになっていると感じられた。
実際、人気店にもかかわらず、この独特な「味の組み立て」スタイル・・・・そのフォロワーやインスパイア系のお店を、なぜか他ではあまり見かけない気がする。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)










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