ラーメン&つけ麺食べ歩き
渡なべ
(東京都 新宿区)

店名 渡なべ(わたなべ)
住所等 東京都新宿区高田馬場2-1-4 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2004年5月中旬 ラーメン 800円 



〜渡なべ〜

(各写真はクリックで拡大します)




高田馬場メインストリートから
一本入った路地にお店は面しています。






うーん、料亭っぽい雰囲気がいいですな。
入口のドアはいつも開けられていますね。






渋い看板です。
「渡辺」と書かず「渡なべ」と書かれています。






券売機。
こりゃまた、シンプルなメニューですなぁ。
「らーめん」を購入。






店内は薄暗く、ちょっと隠れ家的でいい雰囲気。
厨房のステンレス機器の輝きがオブジェのようですな。
とても落ち着いた大人の空間です。










2004年5月中旬 らーめん 800円



なんとも、これほど「自己の深い世界」を
持つラーメンは他にないですねぇ。
自分というものをしっかりと語りかけて来ます。

今でこそインスパイア系が増えていますが、
当初は、渡なべ氏以外では誰も思いつけなかった味でしょう。










あまりに暗いのでフラッシュ!
(周囲の方、すみません。)
これは貴重な一枚ですぞ。






【動画】(約2.3MB)

「渡なべ」の麺上げ&盛付けシーン。

限られたスペースでとても上手な湯切りです。
武蔵系列の湯切りが「動」とすれば、
渡なべの湯切りは「静」ですな。

店内はとても居心地が良く、
ソフィスティケイトされた接客も最高です。




2004年5月中旬 らーめん 800円 


開店当初から比べると明らかに魚出汁が控えめになってきていると思う。以前は、お店の10m位手前から煮干の匂いがビンビン漂って来ていたが、最近は店内まで入らないとあまり感じられない。
それでも実際にスープを飲めば、一口目から明確に「独特の世界」へと連れて行ってくれる。まさに周囲にシャッターが下ろされ、外界と隔離された別世界が現出する。日常の味覚の世界から、異次元へ「ワープ」する感覚である。

このラーメンは強引である。自信に満ちている。完璧な独自のフィロソフィを持っていることを明確に伝えてくる。
薄暗い店内でこの味に浸っていると、うかうかしていると、独特な「渡なべ」ワールドに、完膚なきまでに説得され、すっかり洗脳されてしまいそうである。
まさに、この味に「耽る」(ふける)という感覚。五感が、身酔し、心酔する感覚・・・・。
作り手の非凡な才能により、肯定され尽くした、揺るがない味・・・・。

豚骨はしっかり出ているが臭みが全くないため意識しづらい。
器の中は煮干やカツオ節などの魚系の風味がブラックホールなみの重力を伴って、分厚く、ゆっくりと、濃密に、うずまいている。その後方には塩味が予備軍として控えている。
栗の渋皮の様な煮干の独特な渋味が不思議にも心地よく感じられてしまう、大人の味の見事なスープである。

麺は思いのほか太さがあるストレート、ふくよかな丸みのある断面で、中華麺というよりは、乾麺のウドンのような独特の生粉っぽさがある。
チャーシューは大振りのバラ肉、きれいな地層のようなサシの入り方をしている。臭みが全くなく肉の味だけが残っていて、脂肪の部分までもが抜群にうまい。

メンマはとても巨大で、厚みもあり、トロミをまとってスープと完璧に同一の方向性で味が付いている。メンマというより竹の子の煮物料理のような印象で、単なる箸休めなどではなく、ほぼ麺と同程度の存在感を放っている。
上に載る九条ネギと笹切りの白ネギが、粘度のあるスープに、鮮度のある香りと、程よい清涼感を加えている。

全体として、銀座や赤坂あたりの高級料亭や高級クラブで供されるような、大人の、高級な、独特な、「誂え感」(あつらえかん)を漂わせている逸品料理という感じだ。

ラーメンは800円から、お店はカウンター8席程度で、照明はぎりぎりまで暗く落としてある。BGMには落ち着いたジャズが流れている。
極めてプライベートな雰囲気が色濃いお店の造り込み。それがまたこのラーメンと一対一で「向き合う」のに一役買っている。


(麺は完食。スープは8割飲んだ。)











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