ラーメン&つけ麺食べ歩き
梅もと
(東京都 豊島区)

店名 梅もと(うめもと)
住所等 東京都豊島区雑司ヶ谷3-7-10 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年6月下旬 ねぎ豚らあめん 700円



〜梅もと〜

(各写真はクリックで拡大します)




池袋駅から明治通りを南へ徒歩約10分、
鬼子母神西参道商店街の入口です。
右手に見える大通りが明治通り。






てくてくと歩く事約2分、
商店街を抜ける頃にお店が見えてきます。
都電荒川線の鬼子母神駅からは徒歩2分ほど。
JR目白駅からは約10分かな。






年季の入った店構え。
「かけそば、替玉無限、500円」の文字が。
わずか500円で麺食べ放題とは・・・びっくり(゚Д゚)。






営業時間です。






入口すぐにカウンター四席。
奥に座敷があります。






券売機制です。
「つけめん」は1玉から10玉(!)まで同額700円。
地球盛り、銀河盛り、宇宙盛り、ビッグバーン盛り、ブラックホール盛り・・・と
ネーミングもユニーク(´Д`)。






民家っぽさの残る客席は、まるで自宅のような気取らない雰囲気。
座敷へ上がる際は靴をビニール袋に入れて手元へ。






卓上のメニュー。
既に創業30年以上のようですな。










2005年6月下旬 ねぎ豚らあめん 700円



うむむ・・・絶妙にライト&チープな庶民派のお味ですね。
親しみや懐かしさ、情緒を感じる味と言うか、
下町の「もんじゃ焼き」「お好み焼き」などにも通じるテイスト・・・を感じます。

お店の店構えや雰囲気とも見事に一致する「味」。

同額のまま麺の量が何倍にも増やせる
究極のコストパフォーマンスメニューもあります。









すっきりした透明感のあるスープはやや薄めのコク。
そうめんのツユに甘味と油を足したイメージが近い・・・かな?






微妙にふやけたような優しい口当たりの麺。
空気を含んだような柔らかさがあり、モフモフとすする感じ。






非常に美味しい「豚」肉ですね。
脂身はトローリととろけ、赤身はホクホクと繊維に沿ってほぐれる。
クドくないのに抜群にジューシーな旨味を内包。






すぐお隣りの「鬼子母神」。
うっそうとした木立に囲まれ荘厳な静寂が包みます。
参道の欅並木は樹齢300〜400年とか。
まるで周囲とは「空気」が違っている感じ・・・。






元録年間の創業と言う鬼子母神の川口屋さん。
江戸時代から続く工芸品「ススキみみずく」を売っています。

むぅ・・・随分と懐かしい駄菓子が並んでいますな。
一説によると都内「最古」の駄菓子屋さんとか・・・。




2005年6月下旬 ねぎ豚らあめん 700円

都心の隠れ家的なロケーションと風情のある佇まい、そして麺の超大盛りメニューで有名なお店。
池袋駅から明治通りをてくてくと新宿方向へ歩いてゆくと「鬼子母神西参道商店街」の入口に出くわす。その車一台がやっと通れる程度の道幅の路地を入ると、地元の皆さん御用達と言う感じの小さな商店街があり、さらに2分ほど歩くと驚くほどの静寂に包まれた木立深い一画に足を踏み入れることになる。そこが「鬼子母神」だ。
都電の駅には「きしぼじん」と書かれているが、ご本尊は「きしもじん」と発音する。緑豊かな欅(けやき)の参道、樹齢600年余の巨大な公孫樹(銀杏)、木漏れ日にあふれる広い境内、ひっそりと佇む古い井戸、歴史のありそうな駄菓子屋さん、などなど、この一帯だけは漂う「空気」感が明らかに違っているように感じる。

その境内のすぐ脇に「梅もと」はある。池袋駅や目白駅からも徒歩10分ほどだが、都電荒川線の鬼子母神駅からなら徒歩2分ほどだろうか。
お店は手前が狭めのカウンター、奥が座敷席となっている。「つけめん」は1玉から10玉まで同額700円、「かけそば」は替玉無限、500円・・・・と書かれている。大食いの人にとっては、ある意味「天与」とも言える、「究極」のコストパフォーマンスであろう。

登場したラーメンは、漆黒の器に盛り付けられ、どことなく「そば」っぽい佇まいだ。
一口スープを飲んでみると・・・表面にはツルツルする油が浮いているが、スープそのものは何ともクリアーな味わいであり、割と甘めで、醤油のキレが目立つ感じである。鶏ガラや豚骨に昆布等のダシと言うことらしいのだが、とにかく動物系のコクが薄い感じで、なんとも透明度の高い味わいだ。例えるなら、あっさりした「そうめん」のツユから魚節系を取り去り、甘味と油を足したイメージが近い・・・だろうか。表面に浮く油が口当たり、味、ともに存在感が大きく感じられるものの、白髪ネギやショウガの風味が「サッパリ」「アッサリ」路線に拍車をかけている。
コッテリした重めの「家系」や「背脂系」とは180度逆のベクトルであり、また素材を大量に投入し一分の隙もなく仔細に作り込んだような「厳選素材系」路線のラーメンとも明確に異なるスープだ。

麺は・・・もっさりと器の中に盛り付けられ、まるでソファに深々と腰を沈め、うたた寝をしているようなイメージである。
気分良く寝ているところを起こしてしまうようで、ちょっと申し訳ない気持ちになりながら、一つかみ持ち上げてみると、意外に長めで、水分を大量に含んだような動きの重さがあり、すすってみると微妙にふやけたような優しい口当たりの麺だ。
プリプリするようなハリは感じられず、空気を含んだような柔らかさがあり、歯応えはモチモチとかシコシコではなく、「モフモフ」とする感じになる。昨今の自家製麺のお店で時折感じるような、妙な緊迫感を持った主張の強い麺ではなく、安心して対峙できると言うか、やや間延びしたような特有の緩さのある「のんびり」とした性格の麺だと思う。
白髪ネギは「シャキシャキ」と言うよりも、「ジャクジャク」する歯触りで、麺の食感との相性と言う意味ではいかがかと思うが、鮮度がありながらも強すぎない芳香で風味は良い。

チャーシューは包丁の跡がないので、切り分けた後に煮込んでいるようだが、これがボリュームもある上に、非常に美味しかった。
赤身と脂身の配分のバランスも抜群で、口の中で脂身はトローリととろけ、赤身はホクホクと繊維に沿ってほぐれる。香りが飛ばされて旨味だけが残った醤油による味付けも抜群、上手に脂っぽさが落とされ、クドくないにもかかわらずジューシーな肉汁があふれ出るほど肉の旨味に満ちて、まさしく絶品であった。ネギの芳香が加わるとさらに美味しく感じられ、ネギは麺のためと言うよりも、この豚肉を一層引き立てるための存在・・・と感じられた。

食べ終わってお店を出ると、化学調味料の後味が舌先にチラチラと感じられる・・・。こちらのラーメン、例えるなら高級な洋菓子ではなく、良い意味で「駄菓子っぽさ」があると言うか・・・・親しみや懐かしさを感じてしまう昔の「ブリキのおもちゃ」のような、絶妙にライト&チープな庶民派の味わいだと思う。何と言うか・・・昨今のラーメンブームの「競争に晒(さら)されていない」味、とも表現できるかも知れない。
私が食べ終わる頃、付近にある専門学校の学生とおぼしき集団がやって来て、奥の座敷席に陣取り、つけめんの「地球盛」などを頼んで楽しそうにワイワイやっているのを見ると、何となく下町の路地にある「もんじゃ焼き屋さん」や「お好み焼き屋さん」の「ノリ」とダブるものを感じてしまう。カウンター越しに聞こえる店主さんの言葉使いなども「いなせ」と言うか、実に「下町チック」な感じだ。「ラーメン」という「縦」のくくりではなく、むしろ「下町の味」という「横」のくくりで表現したくなるお店である。

実は、こちらの「梅もと」では、以前に浜塩めんやつけめんも食べた事があるし、ねぎ豚も今回で3度目だ。そしていつも感じるのは・・・食が欧米化してしまう以前の・・・昔の小柄でやせた日本人の体格と言うか、その頃の「食」を強く意識させられる味・・・と言うことだろうか。コッテリした動物系や脂肪に頼らない、炭水化物系の素朴な味わいが残されているイメージなのだ。

そういう意味では、この悠久の歴史を刻み続ける鬼子母神の周辺の静寂感、空気感、情緒感と・・・・見事なまでに「同化」しているラーメンと言える気がする。
こちらのお店のすぐ近くに、同じく老舗の「宝軒」がある訳だが・・・この周辺一帯は、ちょっとしたタイムスリップゾーンの趣きを感じてしまう。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)










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