ラーメン&つけ麺食べ歩き
兎に角
(千葉県 松戸市)

店名 ラーメンつけ麺 兎に角(とにかく)
住所等 千葉県松戸市根本472-5
     ↓ (2007年7月移転)
千葉県松戸市根本462 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年12月中旬 つけ麺 650円



〜兎に角〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店に到着しました。
松戸駅から徒歩3分ほど。






まっ白い看板が斬新ですね。
店頭左半分のガラス内が製麺スペース。
待ち客用のベンチと暖房があります。






店内はカウンター形式です。
後方の壁にコート掛けのハンガーがあって便利。
スタッフはお二人でした。






メニューです。
「つけ麺」を普通盛りでオーダーしますた。
デザートは月変わりのようです。






営業時間と定休日。
年末年始のお知らせも挟まれています。










2005年12月中旬 つけ麺 650円



一見、「がっつり太麺」+「特濃つけ汁」の
定番スタイルながら・・・
食べてみると意外に個性的で、
エキセントリックな造り込みである事が判ります。

随所に店主さんの「こだわり」「差異化」が感じられ、
特に麺の口当たりと味、つけ汁の節類の使われ方がユニーク。
チャーシューも燻製しているようです。









コッテリとした油が浮くつけ汁。
穏やかな動物系ダシを背景に、魚節の風味が強烈。
辛味や甘味は少なく、酸味と塩気が効いています。






自家製の太麺は、噛み締めると行儀良くモチモチして、
しっかりと反発力もあり、玉子の風味がうっすらと香るもの。
後味的に、天然ニガリか何かのような・・・微細な苦味を感じる。






ややヌルヌルと粘膜をまとったような表面が
良く滑る、なまめかしい特有のすすり心地を生み出し、
トロンと口に乗って、ツルーーッ・・・と歯の上を滑空する感じ。






スープ割をして頂いたところ。
動物系の旨味がぐっと増え、魚節の生臭さが気にならなくなり、
まったりとした口当たりと飲み心地になる。




2005年12月中旬 つけ麺 650円

2005年7月の創業だが、既に松戸の人気店の一つに数えられている自家製麺のお店。
店頭に立つと真っ白な看板に「兎に角」の文字、そして縦長のノレンがなかなかユニークである。店頭左半分のガラス内に製麺機が置かれ麺打ちスペースとなっている。待ち客用のベンチと暖房まで置かれてあるのは親切だ。店内は奥へ長く、カウンター席のみとなっている。店内には玉子の良い風味が感じられ、おそらくは玉子を沢山使った自家製麺を茹でているせいだと思われた。

登場したつけ麺、まずは汁に浸けずに麺だけを食べてみると・・・・ややヌルヌルと粘膜をまとったような表面になっていて、この水膜が潤滑剤のようになり、トロンとした口当たりの後、ツルーーッ・・・と歯の上を滑空する感じ。こう言うヌメリのような水膜をまとった麺は、大量の麺を茹で続けると、釜の茹で湯が「糊化」して起きると言われている。それでもここまではっきりとヌメる麺は珍しく、慣れないとちょっと戸惑う気もするが、良く滑る、なまめかしい特有のすすり心地を生み出しているとも言える。

口に入った麺は重みがあり、噛み締めると行儀良くモチモチとしてしっかりと反発力もあり、玉子の風味がうっすらと香り、小麦が密度良く詰まっている感じだ。ただ、数回噛んだところで、微細なエグ味と言うか、かすかな苦味のようなものが感じられ・・・・ちょっと意外な気がした。最初は麺に練り込まれた塩分かと思ったが、塩の味と言うよりも・・・・最近スーパーなどでも見かける「天然にがり」か何かのような味・・・・のようにも思える。
ちなみに「ニガリ」は豆腐の凝固剤として使われているように、タンパク質を凝固させる作用があるわけだが、もしも製麺に使うとしたら・・・・ひょっとして麺のグルテンを増やしコシを強める作用などもあるのだろうか。
感じた微細な苦味が、実際は何によるものなのかは不明だが、いざ麺をつけ汁に浸けて食べ始めると、つけ汁の濃厚な味に隠れてしまい、全く感じられなくなった。

つけ汁は濃濁していて多めの脂が浮き、ゼラチン質と共に膜を張っている。
トロンとして、まったり感のあるつけ汁だが、動物系は豚骨の風味はさほど主張せず、鶏ガラの比率が多い感じに思える。そしてカツオ節、サバ節、煮干などの風味が強い印象。
麺を浸けて食べてみると、穏やかな動物系ダシを援護射撃として、「魚節」と言う名の特攻隊が口中いっぱいに一斉に無遠慮に「突撃」して来るイメージだ。
私は魚節や煮干は好きな方なのだが・・・・ここまで目いっぱい注ぎ込まれると、さすがにそのインパクトは強大で個性的・・・・と言う印象になる。また、ここまで魚節が濃厚で一辺倒になってしまうと、ちょっと単調と言うか、味にメリハリが感じられなくなってしまう気もしないでもない。さらに「青背魚」のような生臭味が結構はっきりと出されており、意図的なのか、たまたまなのかは判らないが、この辺りの生魚っぽい風味は好みがやや分かれそうに感じられた。

また塩分が結構強めに効いていて、さらに器の底に結構多めの粗引き黒コショウが沈んでいて、ダブルでパンチを付与しようとしているようだが、さほどキレやスピード感は感じられず、不思議に思ったのだが、一味唐辛子が少量浮いてはいるものの、ほとんど「辛味」を感じないせいだと気付いた。そのせいか辛味の受け皿役となる甘味も存在しておらず、その分を補うかのように酸味と塩気が結構効いている。
つけ汁は濃厚ではあるが、意外に攻撃的な感じはなく、男性的と言うよりも、むしろ「中性的」な味わいに感じられる。

つけ汁の中に入ったチャーシューはやや薄め、肩ロースのようだがモソモソする歯応えであまりジューシーな旨味は流れ出てこない。脂が落ちている感じで、カパカパと乾いた歯応えになっている。メニューの説明等を見るとどうやら燻製したチャーシューのようなのだが、つけ汁に長らく沈んでいたため燻製香は判らなかった。メンマはザキザキと明快にクラックする歯切れの良いタイプでなかなか美味しい。

最後につけ汁がかなり残ったので、汁を半分ほど麺皿へ空け移して減らしてから、スープ割をして頂いた。すると、動物系の旨味がぐっと増え、魚節の生臭さが気にならなくなり、まったりとした口当たりと飲み心地になった。スープ割をしてみると、どこかで経験した味と似ている気がしたのだが、どうやら以前に食べた都内の「こうかいぼう」(江東区)のスープと近いものがあるように思えた。ただ、こちらのスープは旨味の後に、やはり魚節のクセのようなものがチラチラと見え隠れする。

食べ終わってみると、最初は「がっつり太麺」+「特濃つけ汁」の定番スタイルなのかと思ったが、随所に店主さんの「こだわり」「差異化」が感じられ、研究心が旺盛と言うか、なかなかに個性的でクセがあり、意外にエキセントリックな造り込みがされているようだ。どうやらオンリーワンの「自分だけの味」を探しているように感じられた。


(麺は完食。スープ割も完飲。)










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