ラーメン&つけ麺食べ歩き
永福町大勝軒
(東京都 杉並区)

店名 大勝軒 永福町店(たいしょうけん えいふくちょうてん)
住所等 東京都杉並区和泉3-5-3 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年11月下旬 中華麺1050円 + 生玉子50円



〜永福大勝軒〜

(各写真はクリックで拡大します)




京王井の頭線の永福町駅です。
晩秋の午後の陽射しがまぶちぃ・・・。






駅から数秒、お店を発見しました。
駅前道路のすぐ斜め向かいにあります。






白いノレンが風に揺れていますた。
午後2時を過ぎている事もあり、空いているかなと思ったら・・・。






扉を開けてびっくり。
店内は熱気でむんむん・・・何と満席でつ。






いや、満席どころか・・・店内の壁際に待ち客まで。
いやはや、驚くべき人気ですなぁ・・・(゚Д゚)。
左のガラスの中が厨房です。






メニューは極めてシンプル。
「中華麺」を注文しました。その後、生玉子も追加。






お店の一画を占めるオミヤゲラーメンのスペース。
何とオミヤゲラーメンだけでも一日500食ほどを売り上げるとか。
スゴイ人気ですねェ・・・。










2005年11月下旬 中華麺1050円 + 生玉子50円



毎日1000杯以上を売ると言う、
東京ラーメン界の巨塔「永福大勝軒」の一杯。

ゆったりとした大らかな味、たっぷりとした量・・・
威圧感や暴力性を感じさせずに、優しく満腹にさせてくれるイメージ。
食べていて感じることは、何よりも「楽ちん」だと言うこと。
このラーメンの持つ「懐の深さ」に安心して身を委ねられる感覚・・・ですね。

うーん・・・車で例えるなら超高級大型セダンの乗り心地。
しかも、「ベンツ」や「BMW」ではなく、
純国産のトヨタ「センチュリー」のイメージですな。









ラードが層をなし、煮干の粉とおぼしき微粉末が混じっています。
「煮干」が多少強く効いているものの、実に「大らか」な美味しさを湛えたスープ。
良識の範囲で豚骨や煮干を中心に、真摯にまじめにレシピを組んでいる印象。






麺はともかく「ふんわり」として、柔々な歯応え。
いかにも「水分」を多く含んでいるイメージ。
飲み込めばノドを過ぎると同時に存在感を消し去ってしまう・・・。
大量の麺を食べ切らせるためか、随分と「潔い」あっさりとした食感。






ラードを身にまといヌラヌラと渋い光を放つ麺。
表面はツルッとして一本一本の輪郭ははっきり感じるものの、
小麦粉の密度がかなり薄く、2〜3回噛んだだけで・・・
麺の姿がサーッとかき消えてしまうような・・・食感の「淡さ」を感じる。






ロース肉のチャーシューは昔ながらの伝統的な造りと味付け。
ロース特有のややモソモソとした噛み応えなものの、
噛めば噛むほど、サキイカのように旨味があふれて美味しい。






途中で追加した生玉子。
盛り上がった黄身は新鮮な証拠。






玉子を溶いて、つけ麺風にして食します。
いや・・・つけ麺と言うよりも、スキヤキ風テイストかな。




2005年11月下旬 中華麺1050円 + 生玉子50円

ご存知、「永福大勝軒」を初訪問。創業は1955年らしいので今年でちょうど50周年と言うことになる。
お店に置いてあるパンフレットによれば、23席ある客席は、一日に客が何と約30回転もするらしく、毎日約680杯ほどのラーメンを売ると言う。さらに店内で販売しているオミヤゲ用ラーメンが一日に400〜500食出るので、驚くことに両者で一日当たりおよそ1100杯を売るらしい。
メニュー数も絞り込まれ、事実上「中華麺」オンリーで、これだけの売り上げ杯数を長年に渡ってキープしているのであるから・・・なんとも敬服に値する実力である。
私が訪問したのは平日の午後2時過ぎであったが、当然のように店内は満席で、壁際に沿ってしっかりと5〜6人の待ち客が立っていた。店内はほど良い煮干の香りが漂っていて、なかなか期待感が高まる。

お盆に載って登場したラーメンを見て、一瞬「ギクッ」とした。
二玉分のボリュームとは知っていたのだが、麺だけでなく、スープが非常に多い。そしてさらに器が「肉厚」なので、実際に目の前に置かれるとデーンッとしてかなりの存在感がある。ちなみに、2005年春頃にマイナーチェンジして、茹で玉子やナルトがなくなり、代わりにチャーシューが増えたらしい。

スープ表層にはラードが層をなし、煮干の粉とおぼしき微粉末が混じっている。
一口飲んでみると・・・・・最初にちょっとだけラードの層が唇に触るものの、実に「大らか」な美味しさを湛えたスープ・・・・・と言う印象。言い方を変えれば、いかにも並々ならぬ大量のスープを調理して生み出される味である。
また、「煮干」が強く効いているスープとして知られてはいるものの、昨今のインパクト優先、コンセプト重視・・・・的なラーメンから比較すると、変に奇をてらった感じやワザとらしさは全くなく、さすがの老舗と言うか、良識の範囲で豚骨や煮干を中心に真摯にまじめにレシピを組んでいる感じがまじまじと伝わって来る。食べる前は、もっと煮干の苦味やエグ味が効いたクラッシックな味を想像していたのだが、苦味やエグ味はほとんど感じられず、心地よい魚の「干物」特有のデリケートな優しい酸味がメインに据えられていて、なかなか洗練されたきれいな味わいだ。
途中、表層のラードで唇周りが何回かコテッとして来るが、クドいとか、しつこい感じではない。スープの温度はしっかりと高めだが、それほど暴力的に熱いとは感じなかった。

麺の製麺所は草村商店。他の系列店もすべて同じ製麺所の麺なのかどうか判らないが、印象が随分と異なった。
過去、他の系列店で食べた麺は、表面の摩擦係数がとても高い感じでややザラッとした舌触りがあり、噛めば「ムチュ、ムチュ・・・」と歯にくっつく吸盤的粘性があるクラシカルな食味が印象的だった。
しかし、こちらの麺は、決してザラッとせず、ともかく「ふんわり」として舌触りが優しい。すすってもズルズルズル〜とすすり応えがあるタイプではなく、麺のすすり心地が一瞬で終わってしまい、実際よりも随分と短く感じられる。
そして、噛めばいかにも多加水と言う感じの柔々でソフトな歯応えであり、2〜3回噛めば、麺の存在感、食感が・・・口中から知らぬ間に姿を消してしまう。もう少し歯で噛もうと追いかけると、そのままスーーッと逃げて・・・サーッとかき消えてしまうような、食感の「淡さ」を感じる。
いつの間にかノドの奥に沿ってスル〜リと胃の中へ忍び込んでしまうイメージ。いつ飲み込んだのか・・・ちょっと判りづらいほどの、大人しいノド越しなのだ。

しかし、柔々、弱々とは言え、表面が溶けたようなデロデロ感とか、スープを吸ってふやけたようなフニャフニャと言う秩序のない食感なのではなく、表面はツルッとして一本一本の麺の輪郭はしっかりと残っている。ただし、小麦粉の密度がかなり薄く、麺が内包している水分量がいかにも多い感じなのだ。そのおかげでスルスルといくらでも食べられる感じで、大量の麺を万人にスムースに食べさせるための絶妙なチューニングなのだろう。

チャーシューはロース肉を使ったもので、いかにも昔ながらの伝統的な造りと味付け。
さほどジューシーとかホロホロと繊維質が崩れる感じはなく、ロース特有のややモソモソとした噛み応えではあるが、噛めば噛むほどサキイカのように旨味があふれて来てなかなか美味しい。

メンマには挽き肉がまぶされているが、味的にはさほど影響していない気がする。メンマ自身はともかく柔らかな食感。フニフニ・・・と簡単に歯が入り、コリコリとか、ザキザキというようなクラックする感触はない。ほとんど麺と同じような柔々でソフトな歯応えで、とろけるような柔らかさであった。味付けはスープと同化した感じ。店内のパンフレットによれば乾燥メンマを時間をかけてもどしているらしい。

ただ、後半になると、ゆったりとした味付けになっている事や具が二種類だけになったこともあり、大量の麺とスープを食べ続けていると、途中からやや飽きが来る感じはある。
そこで、オプションの生玉子を追加で頼んでみた。玉子をよく溶いて、つけ麺風にして食す訳だが、つけ麺と言うよりも、スキヤキ肉を溶き玉子に浸けて食べるのを連想する味わいになる。麺が熱いうちであればなかなか合うと思う。

食べ終わってみると、麺が多いのは昨今あまり珍しくはないが、スープがそれ以上にたっぷりと多く、逆に具のボリュームは控えめになっている・・・・このバランスには随分と独特なオリジナリティを感じる。
ただ、二玉分あると言う麺は、量は確かに多いのだが胃腸への負担は極めて少ない感じだ。
麺に使っているカンスイが極めて少ない印象で、さらに小麦の密度感があまりないので、たっぷりの水分を内包した優しい口当たりのものを食べたような・・・例えるなら「お粥」(おかゆ)を食べた時の後味に共通するような・・・非常に消化の良さそうな腹心地なのだ。
二郎などの硬い極太麺を食べた時に感じる、腹の中に大量の小麦粉の塊りが「ドカッ」と溜まったような・・・・胃の中でゴツゴツとして、いかにも消化に時間がかかりそうな、重い満腹感とは正反対の感触だ。
スープについても、思っていたほどはラードがコテコテ唇回りや舌の奥に残ることもなく、旨味もあっさりとした後口の良さがあり、なかなか素性の良いスープと言う印象を受ける。煮干独特の苦味やエグ味はほとんど感じられず、微かな酸味がうっすらと尾を引く後味が心地良い。

また、スープも麺も、味がセコセコ、チマチマしておらず、変にいじくっていないので、食べていて感じることは、何よりも「楽ちん」だと言うことだ。
このラーメンの持つ「懐の深さ」に、何も考えず、安心して身を委ねる感覚・・・で、無心に食べ進めて行けるのである。
乗用車に例えて言うなら・・・・運転手付きの高級大型セダンの後席に座って目的地へ赴くかのごとき感覚に近い。
あれこれ運転にわずらわされたり、道順や渋滞に神経を使うこともなく、後席でゆったりとした重厚な乗り心地に身を委ねて、安心して順調に目的地へ向かう「安心感」「充実感」のようなイメージを受ける。
しかも、こちらのラーメンからは、「ベンツ」や「BMW」などの外車ではなく、なぜか純国産のトヨタ「センチュリー」のイメージが浮かんで来る。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)










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