ラーメン&つけ麺食べ歩き
ShiNaChiKu亭
(神奈川県 横浜市)

店名 らーめん ShiNaChiKu亭(しなちくてい)
住所等 神奈川県横浜市神奈川区反町2-15-14 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2004年8月上旬 塩味ラーメン 700円 
2006年9月下旬 ら〜めん 700円 



〜Shinachiku亭 その1〜




反町駅を出たところ。
「そりまち」ではなく「たんまち」です。
この日も気温35度・・・。
8月の太陽が眩しいっス。






到着しました。
反町以外に、神奈川駅、東神奈川駅、
東白楽駅、三ツ沢下町駅なども使えそうです。
目の前の道路は国道一号です。






実に手書き風の看板ですな。
お店の前には待ち客用の椅子と扇風機が・・。






店前に置かれたメニューです。
他に夏季限定の「冷やし」系もあります。
「塩味」をオーダー。






定休日と営業時間。
基本的に週休二日のようですね。






店内はL型カウンター。
冷房はバッチシでした。
( ´∀`)






奥の麺箱には「ShiNaChiKu亭」と
書いてあるようです。






厨房スペースは広めに取られてます。
背中から真剣な調理のオーラを感じますな。










2004年8月上旬 塩味(しおみ) 700円
(この写真はクリックで拡大します)



まさに「無数の旨味」が散りばめられた見事なスープ。

月のような一つの巨大な光源ではなく、
無数の小さな星の光が、微妙にその色や大きさや周期を変えながら、
キラキラと夜空一面に「瞬き輝いている」イメージですな。

実に繊細ながら、「エッジ」の効かせ方も秀逸。









無数の星星のまたたく光が集まったようなスープ。
しみじみと美味いですなぁ・・・・ (TーT*)






自家製の極細ストレート麺。
「軽さ」「まろみ」「ふくよかさ」があって美味しい。
この繊細系スープともベストマッチでしょう。




2004年8月上旬 塩味(しおみ) 700円 

国道一号(第二京浜)沿いにある人気店。店内はL型のカウンターのみで、前金会計である。真夏のせいか夏季限定の「冷やし」系のメニューを注文するお客さんが目立った。
事前にちょっと調べたところ、こちらのお店を「支那そばや」系として分類しているHPなどもあり、未確認だが、「支那そばや」と何か関連があるのかも知れない。

実際、登場したラーメンは外見はあまり似ていないものの、スープを一口飲んでみると、確かにはっきりと同じ系統の味わいを感じたが、そのことよりも、むしろそのあまりの美味さに驚いた。まさに、私の好みのど真ん中を、見事に射抜かれた印象の味・・・・。
夜にたまたま何気なく付けたTVで、自分の大好きなタレントが主役で出ているTV番組が予期せず放映されていて、急遽すべての手を止めて、思わずくい入るように画面を見つめてしまうような・・・・そんな気分。

薄い黄土色の半透明のスープには、ふくよかな鶏の旨味と丸みがあり、豚骨、魚節、昆布、ホタテ、甲殻類などの様々な旨味が、真夏の夜空にキラキラと輝く「天の川」のごとく、小さな美しい光を無数に放っている印象のスープである。
決して、光りっぱなしなのではなく、まさにキラキラと「またたく」光、一つの巨大な強い光源ではなく、小さく均一な光が微妙にその色や大きさや周期を変えながら、キラキラと無数に一面に輝いている・・・そんなイメージ。非常に繊細な、それでいてしっかりとした存在感のある美しい出汁であり、その奥に巨大な何かの存在を感じさせられる・・・そんな印象。

まさに、余計な味の無い「塩味」だからこそ、これだけ繊細な出汁の味がきれいに描き切れるのだろうと思う。見ればスタッフは意外に若い、よくこれほどの味が出せるものだと感心してしまう。
支那そばやの「塩味」と違って、揚げネギが入らないので、芳ばしさや油による厚み感がなく、その分より一層ストレートに出汁が舌を覆い、かなり「エッジ」の効いた味である。
真夏と言うこともあってか、塩味も多少立っている。
それでも、並大抵の食材や、凡庸な調理技術では、到底出せないであろう極めて高いレベルの見事なスープ。

麺は極細のストレート、店頭に大きく「自家製麺」と書き出されている。繊細スープと、まさに同系統の繊細な食感の麺で、意図的にちょっと小麦の密度を少なめにしているような軽さがある。また、カンスイを控えたような柔らかさというか、「まろみ」や「ふくよかさ」があるおいしい麺だ。ただ、早めに食べないと割と伸びやすそうである。

チャーシューの味は、まさに支那そばや系の良く使う肉と同じタイプの味と思えた。
他のお店では経験できない、ちょっとマカダミアナッツのようなミルキー感というか、ふくよかな風味のある肉であり、それでいて肉のワイルドさも失っていない。もし銘柄豚だとしたら、おそらく同じ銘柄の豚なのではないかと思えてしまうほどである。
そこへ絶妙な塩のミネラル感が、肉の繊維の一つ一つへ「浸透」した感じの素晴らしい美味しさ。ホロホロする食感も実に最高のもの。上質な豚の肉の「あるがまま」を大切にしながらも、この馥郁な風味は只者ではない豚肉であることを物語っている。

他に、オレンジ色の物が三つほど載っていた。どうやら良く見ると花のツボミのようで、フルーティな花の香りをあしらっていると思われる。たぶん金針菜(キンシンサイ)だと思う。ビタミンや鉄分、食物繊維が豊富な食用ユリのツボミだ。漢方薬にも使われるほどで精神安定や増血剤の作用があると言う。
また、ShiNaChiKu亭という店名から、シナチクがウリの一つなのかと思っていたが、実際に食べてみると丁寧に仕込まれてはいるものの、外見も味わいも特段個性的な部分は感じられなかった。
長ネギが、わざわざ丁寧に細かなみじん切りにされて載せられているのも、この極めて繊細なスープの食感統一に一役買っている。

醤油ラーメンはもちろん、担担麺やつけ麺もあるようなので、次回ぜひこれらにチャレンジしてみたい。


(麺は完食。スープは8割飲んだ。)




↓続きあり






〜Shinachiku亭 その2〜




久しぶりに、夜の部に再訪問。
目の前の国道1号は夜でも交通量が多いですなあ・・・。






看板は「しなちく亭」とか「シナチク亭」ではなく、
「ShiNaChiKu亭」です。
入口に「P」(パーキング)が見えます。






卓上のメニュー。
「ら〜めん」を注文しました。
ちなみに、右下に書かれているとおり前金会計です。










2006年9月下旬 ら〜めん 700円
(この写真はクリックで拡大します)



「清湯スープ+細麺」系では
間違いなくトップクラスの美味しさだと思います。

美しく明瞭で、実に均整の取れた「味の造形美」を誇る
非常に美味しいラーメン。

無類の透明感があり、キラキラとする「美しい味」からは
フランスは「Baccarat」(バカラ)社の
高級クリスタル細工のような芸術性を感じます。









見た目どおりの「あっさり」「クリアー」で、雑味や濁りのない、
「上品」&「清楚」なイメージの美味しいスープ。
動物性はやや「うっすら・・・」と穏やか、味が「深さ」ではなく、「水平」に広がってゆくイメージ。
とは言え、決して繊細すぎず、あくまで「明瞭」な美味しさに満ちている。






自家製の細麺は、いかにも国産小麦粉らしい、実に「ふくよか」で「のびやかな」美味しさ。
ただ、前回の「塩味」と異なり、圧延がある程度強めにされているようで、
口に入ってからの絶妙な「解像度」と「輪郭感」が印象的。






長くて、細くて、のびやかなストレート麺は、決して柔らかすぎず、もちろん硬すぎず・・・
しっとりと舌に馴染み、麗しいほどに「長く」、何とも言えず「たおやか」。
スープのツルツル油が、すすり心地の「滑らかさ」「潤滑感」にも大きく貢献。
チラリと見えるチャーシューはやや薄めの切り方。




2006年9月下旬 ら〜めん 700円 

ほぼ2年ぶりの再訪問。店員さんお二人で切り盛りされていた。
前回、「塩味」(しおみ)を食べて、自分の好きな路線だなと感じたため、醤油スープの「ら〜めん」を食べる機会をずっと探していたのだが、いつの間にか「2年以上」も経っていたとは・・・・「光陰矢のごとし」とはまさにこの事か。

店内はL型のカウンター形式だが、とにかく厨房スペースがかなり広く取られているのが印象的で、調理の様子も素晴らしく丁寧、いかにも美味しいラーメンが出てきそうな雰囲気に満ちている。ちなみに、最近のラーメン店は券売機制が多いが、こちらのお店は手会計での前金会計となる。

登場したラーメンは・・・・最近では、とんとご無沙汰気味の、濁りや魚粉の混じらないピュアな「清湯」スープ。
器の中に沈む細麺の姿が手に取るように良く見える、なかなかの透明度の高さだ。スープは、豚骨をベースに、鶏や焼き干などの魚介を加えたさっぱりスープだと言う。

一口飲んでみると・・・・ともかく味がゴテゴテしておらず、いじられ過ぎておらず、複雑難解とか、ギミックとか、インパクトとか・・・・そう言う系統ではない。
動物性はやや「うっすら・・・」と穏やかな感じで、見た目どおりの「あっさり」「クリアー」で、雑味や濁りのない、何とも言えず、「上品」&「清楚」なイメージの美味しさだ。ただ、その分、舌や胃に「ズーン・・・」とのしかかって来るような、「重み」や「厚み」は少なめに感じられ、「奥深さ」や「コク」はさほど追求されていないように思える。
つまり、味が「深さ」ではなく、「水平」に広がってゆくイメージの感覚。この感覚は、何と言うか・・・・静かな湖に小石を投げ込んだような・・・・円い「波紋」が、静かに水平に広がり、そのままスーッと消えてゆくような・・・・そんなイメージの感覚だ。とは言え、決して繊細すぎることもなく、スープの飲み口はあくまで、判りやすい「明瞭」な美味しさに満ちている。

ただ、食べているとツルツルする油が結構使われている事が判る。コテコテの重い油ではないのだが、唇周りがツルツルし、器を持った指もツルツルして来る。そのため、スープの飲み口や麺のすすり具合にも、このツルツルの油の影響が出ている感じを受ける。
実際、この長くて、細くて、のびやかなストレート麺を、「ノドの奥」にまで、とめどなく一気に「すすり込む」のが実に楽しい。この油のお陰で、細長い麺を「スルスルスルスルーーー」と、一気にすすれるようになっていて、細麺のすすり心地の「滑らかさ」「潤滑感」に大きく貢献しているようだ。

その麺は、いかにも国産小麦粉を使った自家製麺らしく、実に「ふくよか」で「のびやかな」ストレートの細麺だが、圧延がある程度強めにされているようで、はっきりとした輪郭があり、口に入ってからも絶妙な「解像度」と「輪郭感」を持っているのが印象的だ。
決して柔らかすぎず、もちろん硬すぎず、しっとりと舌に馴染み、麗しいほどに「長くて」、何とも言えず「たおやか」。そして、櫛(くし)の歯のように輪郭がはっきりとしていて、整然と揃って唇や舌の上を「一斉に」通り過ぎてゆく、そのため、麺の食感が非常に洗練されていて、団子感や、曖昧さや、もどかしさが一切ない。

バラ肉のチャーシューは、前回同様に、赤身部分にちょっとマカダミアナッツのようなミルキー感というか、ふくよかな風味のある肉であり、やはり以前感じたとおり「支那そばや」系の味付けレシピを感じる。脂身も心地良くトロトロにとろけ、臭みなども絶無、口に入れば噛まずとも自らトロけてゆく柔らかさ。
ただ、二枚入っていたものの、口解け感を重視しているのか厚みはさほど感じられなかった。そのため量感があまりなく、全体の中では存在感があまり大きくない。
メンマの味はかなり味付けが薄めで、それでいて、「パリパリ、パリパリ」と歯応えが派手で賑やかな感じ。全体の中では、ほど良い気付け薬のような役割を担っているようだ。
九条ネギがこの醤油スープには、まさに相性最高で、風味や歯触りともに大変良くマッチしている。

食べ終わってみれば、後味的には醤油のキレのある醸造風味が割と立ち残り、火入れしていない生醤油のような明るい風味が、ややクッキリと舌に残ったものの、以前の「塩味」同様に、なんとも「上品」な美味しさを持つ、極めて「品位」のある造り込みのラーメンである。
透明感の中に七色のプリズム感が潜む、見事な「クリスタルガラス細工」のような・・・・明瞭で美しい、均整の取れた「味の造形美」を備えた非常に美味しいラーメンだ。
「旨い」と言うよりも、「美味しい」と言う感覚・・・・そしてそれ以上に、一切の「濁り」や「くすみ」のない、「キラキラとして、きれいな味」だと思う。

食べ終わってから、次第に脳裏に浮かんで来たこのラーメンのイメージは・・・・フランスは「Baccarat」(バカラ)の高級クリスタル製グラスの手触りと飲み心地である。
その華麗なる輝きと比類のない透明度、手に吸い付くような柔らかな品質感は、「クリスタルの貴族」の称号を持って世界中で愛され、賛美され続けている「逸品中の逸品」である。
バカラの中でも、特に「アルルカン」シリーズのタンブラー辺りのイメージが近い・・・・と思う。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)










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