ラーメン&つけ麺食べ歩き
上海
(福島県 喜多方市)

店名 老舗 上海(しにせ しゃんはい)
住所等 福島県喜多方市2-4650 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2005年7月上旬 中華そば 550円



〜中華そば 上海〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店に到着しました。
大通りからちょっとだけ路地を入った場所です。






喜多方の有名な老舗の一つです。
右100mほどに駐車場もあり。






カウンターの奥が厨房です。
和中折衷のような・・・オシャレな店内です。






小上がりもありますぞ。
来店した芸能人と店員さんの記念写真も多数。






メニューです。
カレー中華そばは喜多方では珍しいですね。
「中華そば」を注文しました。






食べ終えてから近くの酒蔵見学へ。
上海から歩いてすぐの「大和川酒造」です。
無料でいろいろ見学させてくれます。

喜多方は飯豊連峰伏流水の「美味しい水」で有名。
その水の美味しさゆえ酒蔵が多いです。






こちらの蔵の銘柄を一堂に展示したオブジェ。
なかなか壮観ですな。
蔵の中は「ひんやり」して気持ちいいです。






試飲コーナーです。
これは会津産有機無農薬栽培米「山田錦」を全量使った
純米大吟醸「いのち」
一升で約15000円のお酒だそうです。

他のほとんどは試飲無料ですが、これはグラス400円でした。
味は・・・まさしく「15000円クラス」の神々しい味です。
「この世で最も美味なる液体」・・・と言うイメージ。








2005年7月上旬 中華そば 550円



ナチュラルな温かさに満ちあふれた感じの美味しいスープ、
特注の「器」や「漬物」サービスなど、
女性らしい細やかなセンスと、温かいもてなしの心で醸された一杯。

すべてにおいて丹念で丁寧な仕込みを感じさせ、
特にスープの出汁とチャーシューの上品な美味しさは
実に「驚嘆」に値しますね。









スープは「気品漂う」・・・上品な香りとダシが最高。
滑らかな口当たりで、優雅に「ふぅんわり・・・」と風味が伝わって来ます。
ただ、やや強めの塩っ気がちょっと舌を邪魔する感じに・・・。






麺はイタリアンパスタの「リングィーネ」を連想させる食味・・・。
パタパタと畳まれるように口に入って来て、
平べったくて、ちょっと「パサパサ」「カサカサ」するような軽い口当たり。




2005年7月上旬 中華そば 550円

昭和21年創業と言う老舗店で、喜多方でもかなり古いお店。伝統的に女性店員さんだけで切り盛りしているらしい。
お店はちょっとした路地に面していて、白い小振りなノレンが風に揺れていた。店内は和中折衷のような・・・他の喜多方の老舗店にはないようなこじゃれた雰囲気がある。それほど広いわけではないがテーブル席とカウンター席、小上がり席も揃っていた。メニューにはミニカレーやカレー中華そばなどがあるのが目を引いた。

登場したラーメンは、いわゆる定番の中華用の器ではなく、随分とオシャレなもので、会津本郷焼の特注の器だそうである。
東京などでは凝った器のお店も増えているが、喜多方では器に凝るのはまだ珍しいのではないだろうか。ラーメンには、ちょっとしたダイコンの漬物が付いてきた。

スープを一口飲んでみると・・・豚骨ベースのようだが、驚くほど丁寧にダシがとられた感じの、なんとも非常に上品な香りと味の出し方である。「気品漂う」・・・とさえ言えそうな気がする。
豚骨と醤油の醸造風味が非常に仲良くきれいにまとまっていて、とてもなめらかな口当たり、優雅に「ふぅんわり・・・」と味が伝わって来る素晴らしく上品なスープだと思う。
華やかな派手さはないが、むしろ落ち着きがあり、臭みや苦味、エグみなどが全くなく、化学調味料感もない・・・・ナチュラルな温かさに満ちあふれた感じのスープが、いかにも女性店主さんのお店らしい味わいだ。
しかし、ただ一つ・・・・醤油ダレがちょっとしょっぱい・・・・と思う。いや、醤油ダレと言うよりも、「塩っ気」が強い感じで、ちょっと多めに「塩」を利かせ過ぎている・・・・と言う印象を受けるのだ。
スープの美味しさを堪能しようと、舌が出汁の旨味を追いかけようとすると・・・・やや強めの塩分に舌を刺されるようなしょっぱさを感じて、舌がそこで萎縮してしまう感じなのだ。そのため、せっかくのこの素晴らしい美味スープを、じっくりと心ゆくまで堪能できず、あまり飲み進めなくなってしまっている。

後日インターネットで調べてみると、タレには地元の喜多方産の手作り極上醤油を2種類ブレンドして使っているらしい。そして、「やはり」・・・と言う感じで、その醤油ダレにさらに「天然塩」を追加しているらしい記述を見かけた。塩気でパンチを出そうと言う意図なのかも知れないが、7月の暑い季節で汗をかき易いことを特に配慮してくれて、この日は普段よりも塩を増量していたのだろうか・・・。

麺は持ち上げてみると、見た目より量が多いが、すすってみるとツルツル、プルプルする感じではなく、もっとフラットと言うか・・・・ちょっとイタリアンパスタの「リングィーネ」(Linguine)を連想させ、リングィーネを茹でながら1〜3cm置きに折りたたんだものを食べるような食味だと感じた。
パタパタと畳まれるように口に入って来て、麺の角がカサカサと歯や口内に触れる。そして噛み締めてみるとかなり平べったくて、厚みや量感があまり感じられない、ちょっと「パサパサ」するような軽い口当たりなのだ。
そのせいか、食感がちょっと単調と言うか、モチモチするような「噛む」楽しさにはやや欠ける気がして、ついあまり噛まずに飲み込んでしまうので、小麦や玉子の風味もあまり立ち上がらない感じだ。しかし、ちょっとパスタのような軽めの食感は、若い女性などにはむしろ好まれるのかも知れない。単に好みの問題とは思うが、私的にはもう少し、すすった時の躍動感や噛んだ際の厚みとモチモチ感が加わると、一層素晴らしくなるような気がする。
また、メニューの端書きによれば、「細麺」を選ぶ事もできるようだ。

チャーシューは二種類乗っていて、一つはモモ肉、もう一つはおそらく肩ロースだと思う。
肩ロースは口中でハラリ、ホロリとほぐれてゆき、薄切りでありながら、驚くほどに肉汁がドバッとあふれ出て来て、そのあまりの美味しさに正直面食らってしまった。噛み締めればしっかりとしながら上品な醤油の味付けとともに、肉の旨味と微妙な甘味が感じられ、歯応えも絶妙に柔らかくて、本当に美味しい。これは相当に丹念な仕込みをしていると思う。
モモ肉の方も、繊維感がきちんとしていて、モグモグと良く噛めば噛むほど、まるで財宝を掘り出すかのように、上品な肉の淡白な旨味が次々に発掘され姿を現す感じ・・・。
この美味しさを一度でも知ってしまうと、もし私が近所に住んでいれば、次回からは毎回チャーシューメンをオーダーしてしまうだろう。

メンマはスープとはやや異なる味付けがされているようで、ちょっと甘じょっぱい感じの味付けである。繊維のほぐれ方も柔らかいながらも、サクサクと足並みがきれいにそろって、やはり上品な感じでとても美味しい。これも相当に丁寧な仕込みが感じられ、このメンマをお酒のおツマミなどにしたら、まさに最高だろう。

食べ終えてみると・・・・全体を通して、いかにも女性らしい柔らかく丁寧で、善意や慈愛に満ちた調理が成されているイメージを受ける。そして何より、それらが極めて「上品」な仕上がり感で統一されているのが印象的だ。
特にスープの雑味のない見事なダシの取り方とその美味しさ、チャーシューやメンマの極上の出来栄えは、都内でも滅多にお目にかかれないレベルだと思う。

ただ、その分、喜多方の「ご当地ラーメン」とか「老舗の味」と言うには・・・・どこかしら洗練されすぎているような気がしてしまい、もう少し「古典的な作り」や「郷土色」、「ご当地っぽさ」を感じさせてくれると、さらに満足度がアップしそうだ。


さて、食べ終わった後に、こちらの「上海」から、歩いて2〜3分ほどの近い場所にある「大和川酒造」の酒蔵見学をさせてもらった。
喜多方は飯豊連峰からの伏流水が地下深くを流れ、湧き出る水の美味しいことで有名である。そのため、その美味しい水で醸した「酒」や「醤油」の蔵が多く、「蔵の街」とも呼ばれている。実際に歩いていると沢山の「蔵」を見かける。

実は私は、一時期、「日本酒」にかなり傾倒していた事があり、今まで純米酒中心に全国の200以上の酒蔵の地酒を飲んで来た。そんな訳で日本酒にはかなりこだわりが強く、そのテイスティングにも少々の自信がある。
こちらの「大和川酒造」は特に見学者への対応が積極的なようで、無料でガイドさんが付いてくれて色々解説してくれた。一周して15分ほどだろうか、蔵の中はひんやりとして、静かで、とても居心地が良かった。途中で待望(?)の「試飲」コーナーがあり、用意された銘柄のほとんどは試飲無料なのだが、特に高額な品のいくつかは有料になっている。
そこで、こちらの蔵の最高峰と言う純米大吟醸「いのち」を試飲させて頂いた。会津産の有機無農薬栽培米「山田錦」を全量使った、一升ビン一本で約15000円ほどのお酒だそうだ。
グラス一杯で400円だったが、もし東京の料亭などで飲めば、おそらくその3倍以上の一杯1500円前後は取られるだろう。

冷たく冷やされたそのグラスを鼻に近づけてみると・・・デリシャスリンゴのようなウットリとする吟醸香が鼻腔を優雅に駆け抜ける・・・・。
そうして、いよいよ口に含めば・・・・・・その味わいたるや、既にお酒という狭い世界を超越し、それは・・・「この世で最も美味なる液体」・・・・と言うイメージである。
まさに、門外不出と言えば良いのか、下界(外界)には絶対に存在し得ないとさえ思えるほどの「神々しい美味」であった・・・・。

実は・・・・このレベルの美味は、まさしく「酒蔵」の中でのみ体験可能なレベルの世界である。
日本酒やワイン等の「醸造酒」は、最高級品になればなるほど、その「保存」や「運搬」の扱いが恐ろしくデリケートで非常に気難しくなる。
特に気温の変化や光(紫外線)、振動などに非常に敏感で弱く、ちょっとした外乱に遭うとすぐに変質(品質劣化)してしまう。
非常に高額なワインや超有名な大吟醸酒なのに、飲んでみると「大して美味しくない」と言う事が少なからずあるのは、実は長距離の移動や店頭や自宅での保管中の「温度変化」や「光」「振動」などの外乱要因で大きく品質が劣化してしまった事が原因であるケースがほとんどだ。
実際、一つの店舗で同じ製造年月の同じ吟醸酒を同時に二本買ったのに、それぞれ仕入れルートや保存経緯が異なっていたようで、天と地ほども全く味が違っていて驚いた経験もある。ある高級スーパーでは3万円クラスのワインが古くなってブルブルと振動の出た冷蔵ケース内に置かれ10cm程の至近距離から蛍光灯で煌々と照らされていたのを見て驚愕した事もある。

特に夏など、ワインや日本酒を室温からいきなり「冷蔵庫」へ入れて、急激に冷やす(温度変化をさせる)のが最悪な行為。短時間で一気に「30度近く」も温度を急低下させる事になり、ビン内のワインや空気が急収縮して、外気(酸素)をたっぷりとビン内に吸引してしまう。結果として急激に酸化が進み、味が破壊されてしまうのだ。
同様に、夏にワインや日本酒を「クール便」(5℃前後に設定されている)で送るのも「最悪」と言う事になる。

ワインや日本酒は確かに「高温」を嫌うが、それよりもむしろ「急激な温度変化」を最も嫌うと思った方がいい。温度変化は一日に2℃以内に抑えよと言われている。
つまり、冷蔵庫やワインセラーから出し入れしたり、運搬などをする度に、何度も何度も急な「温度変化」に曝され、味はどんどん無残に劣化して行く事になる。
くれぐれも夏や冬には、高価なワインや吟醸酒は購入(移動)しない事が肝心だ。実際、私は高価なワインや吟醸は定温保管庫のあるお店から、外気温が14〜16℃位になる秋や春になるのを待って半年分をまとめ買いし、自宅のワインセラーに保管するようにしている。
しかし、それでも実際に飲んでみてコンディション的に「当たり」と感じるのは、5本に1本程度しかないのが現実なのだ・・・・。

そう言う意味では、最高峰の吟醸酒やワイン本来の味わい、その真実の美味は・・・・「移動距離ゼロ」かつ「完璧な保管」のニ条件を満たす、
蔵元の「蔵の中」でのみ堪能できる・・・・と言っても決して過言ではない。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)










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