ラーメン&つけ麺食べ歩き
櫻坂
(東京都 渋谷区)

店名 中華ソバ 櫻坂(さくらざか)
住所等 東京都渋谷区桜丘町17-10 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2004年10月中旬 桜塩そば 650円



〜中華そば 桜坂〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店が見えてきました。
遠くからも桜色のノレンが目立ちます。
渋谷駅南口から徒歩2〜3分。






「中華ソバ櫻坂」
の書体がカッコイイですな。
のぼり旗には「和風ら〜めん」の文字。






券売機はボタンが多め。
セット物もあるからでしょうね。
トップにある「桜塩ソバ」の券を購入。






店内も和風です。
店員さんの頭巾も桜色ですね。
なんと椅子はすべて「甕」(かめ)?






天然木のカウンター。。
低めでとてもガッシリしていてるので
座ると妙に落ち着きますぞ。
♪〜 (´〜`)






卓上メニュー。
「塩」「醤油」「つけ麺」の三本立て。
それぞれの説明も書かれています。










2004年10月中旬 桜塩ソバ 650円



「桜」をテーマに和風で上手にまとめています。
とても「技量」の高さを感じさせられるラーメンですが、
「動」と「静」で言えば、圧倒的に「静」の印象。

スープと麺の相性や、白髪ネギ、バラチャーシュー、
桜色の味玉や麩など、具のセレクションも秀逸。









塩スープもほんのり「桜色」ですね。
宮崎産の若鶏をダシに使用したスープ。
隠し味に「とうもろこし」の搾り汁入りとの事。






桜の花びらをかたどった「麩」。
スープは特有の「白濁」感があります。






麺は中太ストレート。
中空ぽさのあるふくよかな歯触り、ゆったりとしたコシ。
表面にスープの「とろみ」をまとった感じ。






味玉の周囲もほんのりと「桜色」の仕上がり。
黄身は「サラリ」として淡い雪解けのような食感。
絶妙な甘さが付いていて、塩スープの中で
「キラリ」と光る良いアクセント。




2004年10月中旬 桜塩ソバ 650円

2004年9月にオープンしたお店らしい。店名は、お店のある「渋谷区桜丘」という地名から取ったものだろうか。
ノレンや店員さんの頭巾も「桜色」で統一され、店内は京都の茶屋などのような「和風」で上手にまとめられている。カウンターは天然木を分厚く切り出した無垢材でしつらえられている。椅子は何と「甕(かめ)」にフタをしたものだった。カウンターも椅子も割と低めに作られていて、座るととても落ち着ける造りの良さ。

登場した「桜塩ソバ」は、本物の「桜」の花びらやフレーバーなどは特段使ってはいないようだが、塩スープがほんのりと「桜色」に見え、桜の花びらをかたどった「麩」が入り、なんと味玉までほんのりと「桜色」になっている。はっきりとテーマを決めて、しっかりと狙っている感じだ。
一口スープを飲んでみると、「鶏」のとても優しいダシ風味が、ほんのりとした「塩味」という友人を伴って、ゆっくりとこちらへ「歩み寄ってくる」という感じのスープだ。
見た目からして白濁しているが、実際の味わいも独特な「白濁」感と「とろみ」感があるもので、微細な粒子感があるというか、独特な「まろやか」感を持つ飲み口である。メニューを読むと、塩味にまろやかさを出すために「とうもろこし」の搾り汁を隠し味として入れているらしい。あまりコーンの甘味が感じられないので、知らない最初はちょっと「米のとぎ汁」を連想してしまったが、もう少しはっきりスイートコーンのような風味や甘味を出しても良いかも知れない。
確かに塩味自体は、はっきりと味の輪郭を出しながらも、決して尖らず、前に出過ぎないポジショニングの上手さが感じられ、そういう意味ではこの隠し味が奏功しているようだ。味付けは決して弱くはないものの、スープには油がほとんど浮いていないので、コッテリ感やクドさはない。

ただ、そのとうもろこしの汁のせいかどうかは不明だが、スープ全体にちょっと「靄(もや)」や「ベール」がかかったような感じがあり、良く言えば「神秘的」でミステリアスな感じだが、別な言い方をすればちょっと奥行きに「不透明感」があるスープと感じられ、また、スープ素材の中心が、クセのない軽く優しい味わいの「若鶏」と言うこともあってか、パンチやスピード感、ダイナミズムのような物とはちょっと縁がない感じで、「動」と「静」で言えば、圧倒的に「静」のスープだと思う。

麺は中太のストレートタイプ。中空ぽさのあるふくよかな歯触りで、ゆったりとしたソフトなコシ。食べてみると、表面にスープの「とろみ」をまとった感じがあり、舌の上に置くと、「麺」と「舌」が直接触れ合う感じにはならず、両者の間に「とろみ」という「層」が微妙に存在する感じだ。そのため、ツルツルという軽快な感じではなく、ニュルニュルという特有の重さのある食感に感じられる。
噛み締めると、いかにもカンスイの少なそうな、乾麺のうどんのようなフニフニとする多孔質な感じのソフトなコシだが、「柔らかい」というよりも実に「優しい」感じの食感。
スピード感やキレ、パワーなどよりも、「ふくよかさ」「丸さ」「落ち着き」を感じさせるこの麺もまた、スープと見事に歩調を合わせた「静」の麺だと思う。

そして、ちょっと太めに切られた白髪ネギが多めに乗せられている。どちらかと言えば「まったり」方向へ片寄りがちなこのスープと麺に、その白髪ネギがシャキシャキするキレのある軽快な食感と、ネギ特有の辛味や清涼感を付与していて、このラーメンの中においては非常に重要な役割を担っている。この白髪ネギがあればこそ、スープと麺の個性も、さらに一層グーンと良い方向へ生きて来るという印象だ。これが、もし普通の「小口切り」のネギを使ったとしたら、おそらくかなり役不足になっていると思う。

巻きバラ肉のチャーシューは、まさに作り手の技量の高さを感じさせる非常に秀逸な出来栄え。赤身肉への味のつけ方、その芳ばしさ、歯の入り方、繊維の崩れ方、肉離れの良さ、脂身の旨さ、まさに限りなく「絶品」の領域。わずか200円のアップでチャーシューメンにしてくれるようなので、次回来るとしたら間違いなくチャーシューメンを頼むと思う。
半分入った味玉は、黄身がトローリではなく、「サラリ」として淡い雪解けのような見事な食感だ。そしてしっかりと絶妙な甘さが付けられていて、「塩スープ」の塩味が続いた中では、この甘味が「キラリ」と光る実に良い「味のコントラスト」になっている。
メンマは長めの穂先メンマが入る。微妙なゴマ油の風味とメンマ特有の醗酵風味が感じられ、穂先らしい柔らかくて無垢な味わいだ。

全体として、きちんとセオリーを踏まえながら、目指すテーマに向けてオリジナリティを発揮できるよう、かなり綿密に考えて構成されているラーメンという印象。
また、仕込みにとても時間のかかる白髪ネギがたっぷりと入り、これまた仕込みに時間のかかる味玉が半分入り、絶品チャーシュー、希少な穂先メンマなどが入って、650円という価格は、かなりのサービスプライスだと感じた。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)











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