ラーメン&つけ麺食べ歩き
娘々 北浦和店
(埼玉県 さいたま市)

店名 中国料理 娘娘 北浦和店(にゃんにゃん きたうらわ)
住所等 埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-5-1
     ↓ (2006年1月移転)
埼玉県さいたま市浦和区北浦和1-2-15 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年2月中旬 スタミナラーメン 350円 



〜娘娘北浦和店〜

(各写真はクリックで拡大します)




JR北浦和駅東口から徒歩1分。
ちょっとした路地にお店は面しています。
しっとりとそぼ降る雨がムードを盛り上げますな。






年季を感じるさりげない店構えがいい感じ。
傘立ては「一升瓶」の空き箱。
( ´∀`)






店内はカウンター席が奥へ続きます。
「中華食堂」のような雰囲気。






メニューです。
ラーメン以外に、ヤキソバ、炒飯、餃子はもちろん、
煮込みや炒め物類も充実してますな。
名物のスタミナラーメンをオーダーしました。






壁に貼られていた営業時間。
駅前にありながら夜は意外に早く終わりますね。










2005年2月中旬 スタミナラーメン 350円



うーん・・・「解放される味」ですなぁ・・・。
「心安らぐ味」、「深く癒される味」・・・とも表現できるかも。

一人「しみじみ」食べて良し、仲間と「ガツガツ」食べて良し。
これほど自分の「心を開いて」
安心して食べられるラーメンも珍しい。

普段の仕事やストレスで張り詰めた
自分の心がゆっくりと解きほぐされる「美味」・・・・ですね。









ホワァ〜と来る心地よい「ダシ」、ジワ〜と来る深い「辛味」。
そこへノスタルジーあふれる醤油風味をプラス。
なんとも「原点」「初心」回帰という感じの素晴らしく優しい味わいです。






細麺は意外にしっかりした食感で「プルプルッ」としたハリがある。
摩擦係数が低く、「ツルツルツル〜」と口に入って来ます。
ゴソッと固まらず、一本一本が独立した動き。
コシは「ユル〜リ」として絶妙にチープ&ソフト。




2005年2月中旬 スタミナラーメン 350円 

埼玉県に数店舗が展開する超良心価格と美味しいメニューで人気のお店。
ここ北浦和店は、JRの北浦和駅から徒歩1分という好立地もあってか、特に話題に上ることが多いようだ。駅前の広場からちょっとした路地へ足を踏み入れるとお店の黄色いヒサシが見える。年季の入った店構えではあるものの、店内は活気に満ちていて、厨房付近からは「ジャワッ、ジャワッ」と鉄鍋で野菜を炒めるような音が響いている。
初訪問ではあったものの、こちらのお店ではニラと挽き肉と豆板醤が醸す辛い餡をかけた「スタミナラーメン」が人気と聞いていたので、迷わずスタミナラーメンを注文した。

早めに登場したそのラーメンには、挽き肉、豚こま切れ、ニラ、モヤシ、一味唐辛子などが「餡」になってかけられていた。
まずは、その辛そうな餡を避けながら、下のベーススープを飲んでみた。「ホワァ〜」と来る心地よい「ダシ」が、まるでちょっと恥らうかのように姿を見せるとても奥ゆかしいスープだ。素材は鶏ガラや煮干だと思えるが、素朴な醤油ダレが加わって、何とも言えない「ノスタルジック・テイスト」を持っているスープである。

今度はトロミのある餡をスープに溶かし混ぜてみると、あれよあれよと「餡」はどこへともなくササーーーッと姿を消してしまう感じで、見事にスープと一体化してしまう。
そうして、もう一度、スープを飲んでみると・・・・先ほどの「ホワァ〜」と来る心地よい「ダシ」に、今度は「ジワ〜」と来る深い「辛味」が加わり、そして、さらにそこへ「挽き肉」のコクや旨味とニラの風味が応援に加わって、全体として「ジーン・・・」とする「ウマ辛い」味わいが現出した。
豆板醤ならではの複雑な辛味と酸味と旨味が加わる事で、単調な唐辛子の辛味だけでは得られない、中華的な奥深い味わいを上手に付与している印象だ。この餡が入るのと入らないのとでは大きく味わいが異なるであろう。

この手の味付け自体は、それほど珍しいものではないと思うが、しかし、何と言うか、その全体の「トーン」が、絶妙な「せつなさ」「奥ゆかしさ」のようなものを身にまとっていて、どことなく「セピア調」の色合いを感じさせ、何とも心に深〜く「染み入ってくる味」と感じてしまう。

細麺は意外にしっかりした食感で「プルプルッ」としたハリがある。摩擦係数が低く、軽さがあり、すすると「ツルツルツル〜」と元気良く口に入って来る感じだ
箸でつかんでもゴソッと固まらず、一本一本が独立した動きを放っていて、あまりスープをからめる感じではない。
噛み締めると、コシは「ユル〜リ」として絶妙にチープ&ソフトな食味、これがまたスープ同様に何とも言えない「ノスタルジック・テイスト」を放っている。
このスープとこの麺が組み合わさることで、他ではマネのできない独自の「セピア・ワールド」を築いているように思えてならない。麺の量はそれほど多くはないが、価格を考えればむしろ大満足である。

また、挽き肉や、こま切れの豚肉も特段にジューシーとか風味が優れていると言うようには感じられず、言うなれば価格相応の物とも思えるが、むしろそれでこそ全体の味が調和し、「落ち着くべきところへ落ち着いている」のだろうと思う。器の底の方にも結構挽き肉が沈んでいた。
ニラは長時間火にかけ過ぎたか、何回も温め直したかのようで、鮮やかな緑色が消えており、ニラ独特の強い「葷」(くん)の香気もあまり残っていない。モヤシも濃い醤油色が付いていて、やはりちょっと火を通し過ぎたのかクタッとした食感、量は少なめで短めにちぎれている物が多かった。

後半になっても、辛さが目立つような事はなく、スープは最後まで「ダシ」「醤油ダレ」「辛味」「挽き肉のコク」のバランスがとても良いのに感心させられる。
また、ともかく全体を通して、スープ、麺、具のバランスやトーンが見事に「整列」している事に、「さすがの年季」と感激してしまう。そして決して厚化粧をせず、自身の「あるがまま」を素直に見せていると言うか、非常に「風通しの良い味」という印象も受ける。
あっさりしていてキレがあるにもかかわらず、食後はゼラチンで唇がピトピトくっつく感じがある。たっぷりと本物の動物系の素材を使い、しっかりと見事にダシが出ている証拠だろう。


以前・・・・あるグルメ系のマンガを読んでいて、わがままで気難しい食べ手の心を開かせるのに、高級素材を物量投入した豪華料理ではなく、その人の生い立ちの原点にある「思い出の味」を出すことで、お金をかけずに・・・・むしろ見事に大満足させるという逸話を読んだ事があるが、こちらのラーメンからも、何とも言えない温かな「懐旧(かいきゅう)の味」、深く心安らぐ「郷愁の味」・・・・を感じさせられてしまう。
確かに、破格の「低価格路線」ではあるが、決して低価格だけで人を呼んでいるのではないことは、こちらのラーメンを一口でも食べれば誰にでも判るものと確信させられる。

自分の心の弱い部分をほんのりと温めてくれる味、からまってしまった複雑な部分を優しく解きほぐしてくれる味・・・・そんな、「解放される味」、「心安らぐ味」、「深く癒される味」・・・と感じられる素晴らしきラーメンなのである。

ともかく食べ手に一切の負担をかけず、疲れず、無理を強いられず・・・・きつめの通勤用革靴から、まるでゆったりした風通しの良いサンダルへ履き替えたかのような・・・・食べていて素晴らしくリラックスした気持ちになれる、心のモヤモヤをゆっくりと消し去ってくれるような・・・そんな魅力のある素晴らしいラーメンだと感じられた。

一人でフラリと立ち寄り、「しみじみ」と食べてもいいだろうし、
気の合う仲間と一緒に「ガツガツ」と食べても、さぞや美味しいことだろう。


そしてまた、「接客」も、味や価格に負けず劣らず、実に真心のこもった素晴らしいものがある。
店主氏は入店する客や退店する客があるたびに、忙しく調理しながらも必ずその客の顔や表情をさりげなく、しかし、非常にしっかりと良く観察しているのである。つまりは、常に全ての客の「顧客満足度」をつぶさに、かつ、謙虚にリサーチしている様子がよく見て取れるのだ。

世の大抵のお店であれば、「300円」からの超良心価格で本物素材感満点の、非常に利益率の薄いラーメンを出していれば、むしろ高慢な「天狗」になって、客を「なおざり」に扱いかねないところを、こちらの店主氏は、客一人一人がきちんと満足した笑顔で退店してくれているのかどうか・・・・を、常に最後まで心底気にしてくれているのである・・・・。
客として「頭を下げずにはいられない」とは、まさにこちらのお店の事だろう。

ちなみに、こちらのお店を退店してから、すぐ徒歩3分ほどのところに、同じような超良心低価格「一杯280円」から始まる超本物素材美味ラーメンの「自然洞」がある事を思い出し・・・・愕然としてしまった。
まさしく、「北浦和」のラーメン文化(美食の物価)・・・・恐るべし、である。
果たしてこの価格で「都内に同じ満足度を提供できるお店があるのか・・・?」、わざわざ物価の高い「都心に住む事の意味って何だろう・・・?」とさえ、思わせられてしまう。


(麺は完食。スープは8割飲んだ。)











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