ラーメン&つけ麺食べ歩き
なんつッ亭 本店
(神奈川県 秦野市)

店名 なんつッ亭 秦野本店(なんつってい はだのほんてん)
住所等 神奈川県秦野市松原町1-2 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2006年8月上旬 らーめん 600円 
           ぼくの空 700円
           限定みそ 700円 + へなちょこアイス(秦野名産落花生) 250円



〜なんつッ亭 秦野店 その1〜



お店は国道246号沿いです。
前方150m程先に「うまいぜベイビー」の白い看板を発見しますた。







小田急線「渋沢駅」の北口から徒歩5分ほど。
お店の裏手一帯が広い駐車場です。






午後3時近くでも、店内はトーゼンのように満席・・・・。
さらに、待合席もすべて満席・・・・。
うーん・・・「さすが」の超人気ぶりですの〜 (@Д@)。

左奥に製麺室と浄水タンクが見えます。






L型カウンターに加え、入口近くにテーブル席も・・・・。
なんと、席数は「27」席、そして駐車場も「27」台分あるとか・・・・。

つまり、客「全員分」の駐車場を完備しているんですね・・・・。
これまた、「さすが」ですの〜 (@Д@)。
これぞまさしく、店舗経営者の「鑑」(かがみ)でしょう。






待客用の長椅子に座っていると、頃合いを見てオーダーを取ってくれます。
まずは、基本メニューの「らーめん」を注文しました。






三種類の「限定メニュー」があります。
既に「しお」は売切れでした。

追加で、「ぼくの空」も注文しました。
さらに、「限定みそ」も注文・・・・。
さらに、「へなちょこアイス」も注文・・・・。






営業時間と定休日の案内。











2006年8月上旬 らーめん 600円
(この写真はクリックで拡大します)



いかにも九州系がルーツらしい、
やや小振りの切立型の器で登場した「らーめん」。

真っ黒で、ワイルドそうな、クセのありそうな、個性的な外見とは裏腹に、
とても「優しく」「マイルド」な口当たりと、
その作り込みの「上質さ」に感心させられます。

マー油ばかりが話題になりがちですが、
その実、ふくよかな自家製麺の抜群の美味しさと、
チャーシューのホクホクする上品な味わい、
スープのスッキリとした後口の良さ・・・も人気の秘密でしょう。









表面に浮く黒い油は「揚げニンニク+ゴマ油」で作られる「マー油」。
スープからは豚臭さは感じられず、九州男児が好みそうなワイルド路線ではなく、
意外なほど、老若男女、万人受けする「まろやか」「上質」な路線の美味しさ。






自家製の麺は、「ムニムニ」「ホクホク」するふくよかな弾力がありながらも、
同時に、ほど良い芯があって「ポキポキ」と小気味よく折れるような食感で実に美味しい。

麺の肌理が細かく&滑らかで、「モチモチ感」もあり、麺自身の「旨味」が非常に豊か。
この「珠玉の自家製麺」がある限り、「なんつっ亭」の優位性は不動でしょうな。




2006年8月上旬 らーめん 600円 

ご存知、今や神奈川県を名実ともに代表するラーメン店の一つ、「なんつッ亭」秦野本店を初訪問。
お店は、国道246号道路沿いにあり、「うまいぜベイビー」と書かれた大きな看板も出ていてなかなか見つけ易い。この一帯は車の交通量が多く、街道沿いの商業地域としてなかなかの賑わいを見せている。

店頭にも数台分の駐車スペースがあるが、裏手に回るとさらに広大な駐車場があり・・・・これは後で調べて知ったのだが、店内の客席は「27」席で、駐車場も同数の「27」台分あるのだとか・・・・。
これが何を意味しているかと言えば・・・・つまり、客が駐車場で困ることの無いように、客「全員分」の駐車場を完備していると言う事になる・・・・。
これぞまさしく、店舗経営者の「鑑」(かがみ)であろう。こう言う「心構え」を持つお店は初めてで、実に「出来そうで出来ない」凄いことだと思う。
実際には、ほぼ常に行列があるので「待ち客」用の駐車場も必要になる訳だが、2〜4人で同乗して来る車も多いだろうから、駐車スペースが不足する事は少ないだろう。

「なんつッ亭」店主の古谷一郎氏は、熊本の老舗ラーメン店「好来」(はおらい)で、一年間修行の後、生まれ故郷のここ神奈川県の秦野市に戻り、平成9年に「なんつッ亭」を開業したと言う。「なんつっ亭」ではなく「なんつッ亭」と書くところにシャレっ気が感じられる。
ゲンコツ、鶏ガラ、豚頭などで仕込んだスープに秘伝のマー油を浮かせ、そして二種類の小麦粉をブレンドして作った自家製麺がウリだそうだ。
スープは、厨房とは別のスープ室で作られ、常時15本もの寸胴を使って仕込んでいるらしい。

ラーメンが登場すると、そのやや小さめな器に少々意表を突かれた。
過去、雑誌や他のHPでこちらのラーメンを見ると、丼に溢れんばかりにスープが注がれ、非常にボリュームがあるように想像していたのだが、実際に目の当たりにすると、いかにも九州系がルーツらしい割と小振りの切立型の器なので、さほど容量がたくさん入る器ではないと思う。

スープを飲んでみると・・・・「トロン」とするゼラチン感が感じられ、「揚げニンニク+ゴマ油」で作られるマー油の風味と豚骨スープが実に良く合っている。
以前に、品達の「なんつッ亭・弐」でも感じたが、ワイルドそうな、クセのありそうな、個性的な外見とは裏腹に、とても「優しく」「マイルド」な口当たりと、その作り込みの「上質さ」に感心させられる。
豚頭を使っているとのことだが、あの独特な獣臭さはまるで感じられず、九州男児が好みそうなワイルド路線ではなく、意外なほど、老若男女、万人受けするまろやかな路線の美味しさだと思う。
とても芳ばしいマー油は「ニガ旨い」と言う味わいで、サラサラとする微粉末の粒状感があり、常時、「サラサラサラ・・・・」と、この微細な粒子感が唇回りや舌先に奏でられている。ちなみに「マー油」とは「魔油」と書き、「魔法の油」の意味だそうだ。

ただ、少々気になったのはスープの温度がやや穏やかに感じられ、そのせいで味のパンチも控えめに感じられてしまったことだ。
この時は、上にかけられるマー油が常温(室温)であるのか、投入されるモヤシがやや冷め気味なのではないだろうかと感じたが、モヤシやマー油が入らない「僕の空」を含め、今回食べた三杯とも同じ温度設定だったので、おそらくは意識的なものと思われる。
確かにやたらと熱過ぎるスープも、「食べやすさ」「味の感知しやすさ」の点で如何なものかと思うが、私的な好みとしてはもう少し熱々で食べれば、熱さによる「パンチ」が出て、ラーメン全体の「美味しさ」や「インパクト」が一層増すと思える。

自家製の麺は、「なんつッ亭・弐」でも感じたが、とにかく出色の美味しさ。
「ムニムニ」「ホクホク」するふくよかな弾力がありながらも、同時にほど良い芯があって「ポキポキ」と小気味よく折れるような食感のある麺で、歯応えや歯切れが非常に軽快で、本当に「次々」と箸が進む。
この、「ポキポキポキポキ・・・・」と小気味よく「折れる」ような食感は、非凡な「ヤミツキ」感がある。「噛み切る」とか、「噛み砕く」感じではなく、まさに「折れる」感じなのだ。
ちなみに、スープもそうだが、この中太麺を食べてみても、どこかしら熊本ラーメンの「桂花」などとも通じるものがある気がする。やはりベースには「熊本ラーメン」が息づいているようだ。

しかも、決して低加水の硬くて粗い麺ではなく、麺の肌理が細かく&滑らかで、噛めば「モチモチ感」もあり、さらに麺自身の「旨味」が非常に豊かで、小麦粉も相当に上等で高価なものを使っているのは間違いない。小麦粉と玉子の風味や甘味とのバランスも完璧で、「食感」「と「味わい」の両面で抜群に美味しい。
この麺の、これ程の高級感のある「旨味」は、一体どうやって出しているのだろう。今では自家製麺のお店も増えてはいるが、あまりにも「抜きん出ている美味しさ」だと思う。
もし、今後、マー油を使った豚骨スープを出すお店が増えたとしても、この「珠玉の自家製麺」がある限り、「なんつっ亭」の優位性は不動のものがあるだろう。

チャーシューは「ふっくら」「ほくほく」とする口当たりで、結構肉厚でコクがありながら、とても「優しい味」「上品な味」であり、非常に満足度が高い。
「ホックリ・・・」「ホコホコ・・・」と、何とも言えず柔らかく、ほんの少しだけしょっぱめだが、旨味もたっぷり乗っている。
また、なんと言っても「モヤシ」が「超絶品」、こんなにモヤシがトッピングとして絶対的にハマっているラーメンも珍しい。
活きの良いモヤシの「シャク、シャクッ」とする明るい歯切れと水っぽさが、このギュギュッと味が凝縮したマー油とトロンとした濃いスープの旨味をほど良く「溶き延ばす」重要な役割を担っている。動物性の濁りが強いスープに軽快感と明るさ、風通しの良さをプラスしている。

器が小振りで、麺の量はそれほど多くはないが、これは、このラーメンのルーツが「九州系」(熊本)である事を考えれば合点が行く。
クセのある風味のマー油や、トロンとして濃度のある豚骨スープで、食べている最中は「ワラワラ」と味が多く感じるが、食後の後味の段階になると、後口は非常に「スッキリ」としている。
脂っこさや塩辛さなどの嫌味がなく、食べ終われば一斉にきれいに味が引いていく感じがあり、後味もすこぶる良い。スッキリとした後味の中に、ゼラチンのピトピト感だけが心地良く残る。


(麺は完食。スープは6割飲んだ。)




↓続きあり






〜なんつッ亭 秦野店 その2〜





青いタンクに「Reverse Osmosis」と書かれています。
和訳すれば「逆浸透」と言う意味ですが、
水の分子と同じナノ・サイズの孔が無数に開いた特殊なフィルター膜を使って、
純粋に「水分子だけ」を濾過する非常に高価な浄水装置です。

一部では「NASAの水」などとも呼ばれています。
後ろに見える白い筒が本体です。






待っている間に、製麺室を見てみました。
右手には、寝かされている麺帯が見えます。






卓上の調味料類です。
ラー油は「夫婦円満餃子」用でしょう。










同上日 ぼくの空 700円
(この写真はクリックで拡大します)



豚骨ベースのスープに、「カツオ」と「サバ」の魚介ダシをプラス。
なんつッ亭流の「トンコツ魚介醤油」ラーメン。

脂が乳化したトローリとする口当たりは、どこかしら「家系」のスープを連想させます。
微塵切りのタマネギが沈まないように食べると「吉」。

ちょっと塩気が尖って感じられたのは、
真夏のせい・・・・かな?









「特製醤油ダレ」との事ですが、醤油よりも、やや強めの「ピシッ」とした塩気が感じられ、
むしろ、いわゆる「塩トンコツ」のような味わいに感じられたスープ・・・・。
魚粉も多少混じって見えるものの、魚介はあまり積極的には前面に出て来ない印象。






麺にからむマー油の「サラサラ」する微粒子感がなくなり、
モヤシが混じって口に入って来ることもなくなり、
より一層、麺の味をピュアに堪能できる。




同上日 ぼくの空 700円

続けて「ボクの空」を食す。
お店のHPを拝見すると、「新鮮なカツオとサバを贅沢なほど使用し、魚介の香りの効いた特製醤油ダレを使った言うなればトンコツ魚介醤油ラーメンです。具は玉葱のみじん切り、チャーシュー、そしてチャーシューを更に濃い醤油で味付けしたほぐしチャーシュー。スープとほぐしチャーシューとの調和は食べた人にしか分からない絶妙なハーモニーです。」と書かれている。

スープを飲んでみると・・・・汗をかき易い真夏のせいか、ややしょっぱめの味付けである。
塩気が舌を刺す感じで、素材の旨味よりも先に、やや強めに「ピシッ」とした塩気が舌に感じられてしまう。そのためスープのダシの旨味をじっくりと堪能する感じにはならなかった。
「特製醤油ダレ」を使っているとの事だが、醤油の醸造風味はさほど強くなく、むしろ、塩気の強さが手伝って、いわゆる「塩トンコツ」のような味わいに感じられた。

そして、スープの脂が乳化したトローリとする口当たりが、どこかしら「家系」のスープを連想させる。「マー油」(魔油)の代わりに「チー油」(鶏油)を使ったような口当たりの感じだ。
「新鮮なカツオとサバを贅沢なほど使用」とのことで、実際、魚粉も多少混じって見えるが、豚骨スープのトロンとした濃度の前に、繊細な魚ダシ風味が埋もれがちなのか・・・・魚介は「ああ、使ってるな・・・・」と判る程度で、あまり積極的には前面に出て来ない。

麺は、先の「らーめん」よりも若干太めに感じられたが、気のせいだろうか。
麺自体が抜群に美味しいので、どのようなスープとも相性が良いように思うが、マー油の「サラサラ」する微粒子感がなくなり、モヤシが混じって口に入って来ることもなくなるので、より一層、麺の味をピュアに堪能できるようだ。

微塵切りされたタマネギが口に入ると、シャクシャクとした歯触りと強い香りを出して良いアクセントになるが、いかんせん、麺を食べ始めてスープが撹拌されると、器の底へ沈んでしまうので、あまり口に入って来なくなってしまう。
また、ほぐしたチャーシューは意図的に濃い味に仕上げたそうで、醤油色の染み込み具合からすると、どうやらほぐしてからも醤油ダレに漬け込んでいたようだ。
ただ、たまたまかも知れないが、今回のスープは塩気がやや尖って感じられるので、この濃い味わいのチャーシューがあまり生かされていないように感じられた。おそらく、スープがもっと淡ければ、濃い味のチャーシューからあふれ出る肉の旨味と醤油ダレのコクが、スープと混じり合って良い塩梅になるのだと思う。

ちなみに・・・・・製麺室には大型の製麺機が置かれ、その手前には、青い浄水タンクが4〜5本も並んでいるのを見て、驚いてしまった。
その青いタンクには、「Reverse Osmosis」(リバース・オスモシス)と書かれ、和訳すれば「逆浸透」と言う意味になる。
この「逆浸透膜浄水器」は、水の分子とほぼ同じサイズのナノミクロンの「孔」が無数に開いた特殊なフィルター膜を使って、純粋に「水分子だけ」を通過(濾過)させる恐ろしく高価な浄水装置である。
一部では「NASAの水」などとも呼ばれているが、コーヒーやジュースや墨汁を通しても、真水に濾過してしまうと言う・・・・まさに「究極の浄水器」なのだ。

あらゆる浄水器の中でも、最も純度の高い「エクストラ・ピュア・ウォーター」が作れるのだが、製水スピードが遅いのが難点だ。そのため、こちらのお店では出来上がった浄水を大型の青いタンクに何本も溜めて置いているのだろう。
実は、私も自宅で小型の「逆浸透膜浄水器」を使っているが、この浄水器で作られる水は、水分子以外のミネラル分をほとんど取り去ってしまうため、「純水」と呼ばれている。その水はほぼ100%「H
O」であり、そのため、ほとんど「味」がしない。

実は「水の味」とは、含まれているミネラル分(マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムなど)の組成で決まるのだ。それゆえ、ミネラル分が限りなくゼロに近い「純水」と飲み比べると、普段飲んでいる「水」に、いかに様々な「味」が付いているか・・・・が非常に良く判る。
ちなみにミネラル分の多い水を「硬水」と呼び、ミネラル分の少ない水を「軟水」と呼ぶ。そう言う意味では、「純水」とは究極の「ウルトラ軟水」と言う位置付けにもなる。

そして、この味のない「純水」を使って作った「コーヒーの味」、「お茶の味」、「吸い物」の味・・・・などは、異常に「キレ」が良く、凄まじく「鋭い味」になる。
水道水で作る味とは、確実に全くの別物の味に仕上がるのだ。それは、溶け込んでいる「不純物」がゼロに近い水なので、異様に「物を溶け込ませるパワー」が高い水だからだ。コーヒーやお茶やダシ素材の旨味を「全て」強引に根こそぎ引き出してしまうのだ。そして、水のミネラル分による「雑味」や「緩衝作用」が一切ないので、素材の味が恐ろしく「研ぎ澄まされた&冴え渡った」味になり、輪郭の尖った、鋭いエッジの立った味になる。

ただ、もともとの純水に一切の味がないので、どこかしら「厚みのない味」・・・・にも感じられてしまう。言うなれば・・・・「カミソリ」のようにキレが鋭いが、「厚みのない味」なのだ。

そのため、市販されているほとんどの逆浸透膜浄水器では、塩素や雑菌や重金属などを除去した後、再度、セラミックやチャコール(炭)フィルターを通して、純ミネラル分を足す構造になっていて、その水が「飲み水」や「料理用」として使われている。
「純水」をそのまま大量に飲むと、浸透圧の関係で体にも良くない。そして、その触れるもの全てを強引に溶かし込む魔力は、アルミやプラスチックなどの柔らかな容器にこの「純水」を入れておくと、どんどんアルミやプラスチックを「溶かし」「取り込んでしまう」ので、「純水」の保存には「ステンレス」や「硬質ガラス」などの容器しか使えない。
また、試したことはないが、この「純水」で「うどん」や「蕎麦」などの麺を打つと、異様に歩留まりの良い麺が打てると言う。

ちなみに、この「純水」をイオン交換樹脂へ通し、さらに限りなく0%近くにまでミネラルを徹底して取り除いた水を「超純水」と言い、水なのに異常に汚れを溶かして取り込む力が強いことから、エレクトロニクス製造工場などで超精密半導体装置の洗浄に使われている。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)




↓続きあり






〜なんつッ亭 秦野店 その3〜



客席に置かれた「なんつッ亭流食法講座」です。
しまった、最初に「スープ」を飲んでた・・・・。
まずは「麺」から食すのですぞ・・・・。






こちらは「つけ麺食法講座」です。
この「絵」は誰が描いているのかな・・・・。






帰り際に、レジで「秦野名産落花生」の「へなちょこアイス」を買いました。
芳ばしくてコクがあり、非常に美味しかったです。
ソフトクリームが独特(=へなちょこ)な盛り付け方です。










同上日 限定みそ 700円
(この写真はクリックで拡大します)



マー油を浮かせた味噌ラーメンですが、
芳ばしいピーナッツとゴマの風味が、どこかしら「担々麺」を連想させる。

「味噌」「マー油」「ピーナッツペースト」「生クリーム」・・・・
動物性&植物性をそれぞれ上手に取り混ぜたコテコテ・テイストの
織り成す「カルテット」(四重奏)です。

インパクトのある外観で、口当たりも「コテコテ」とはしているものの、
過激さはなく、意外に品のある味わい。









スープは「ドロッ・・・」として、粘度の高いクドい口当たりに感じられる。
味噌ダレに混ぜられたピーナッツ・ペーストが効いています。
うむむ、目指すは・・・・「コテコテの美学」?






麺をすすると、スープは「モッタリ」として麺に厚く絡み、
トッピングで散らされた、砕いたピーナッツが絡みまぶされ、
麺と一緒にナッツをザクザク、シコシコと噛み潰す感触が楽しい。




同上日 限定みそ 700円

せっかく秦野市まで来たので、最後にもう一杯と思い、昼限定の「しお」をオーダーしたところ、既に売り切れとのことで、こちらの「限定味噌ラーメン」を注文した。

お店のHPを拝見すると、「昔ながらの製法にこだわって出来上がった二年蔵出し麹味噌に秦野の名産品であるピーナッツをペースト状にしたものを混ぜ込んだ新しい味噌ラーメンです。個性豊かな味噌と黒マー油、そして生クリームの絶妙な味わいを是非!」と書かれている。

黒い器で登場した味噌ラーメンは、砕いたピーナッツがトッピングされ、白い生クリームがかかっている。
スープを飲んでみると、スープはかなり「ドロ〜」とした重い流動感があり、味噌の風味があまり強くなく、あまり「味噌味噌」とした感じではない。味噌ダレにピーナッツペーストの脂肪の口当たりが加わり、コテッとした粘度を感じ、後口がややクドい感じがある。
このピーナッツの風味に、さらにマー油のゴマ油風味も加わって、ちょっと、辛味や麻味を抜いた「担担麺」のスープを連想させる。

麺は、普通の「らーめん」などど同じだと思うが、スープに「ドロリ・・・・」とする重めのトロミが付いていて、麺をスープの中で「泳がせる」ことが出来ないほどだ。
すすってみると、スープは「モッタリ」として麺に厚く絡み、トッピングで散らされた、砕いたピーナッツがまぶされ、その芳ばしい風味、コクのある甘味、香り、歯応え・・・・が素晴らしいアクセントになっている。麺とともに口に入って来るナッツを、奥歯で噛み潰す食感が心地良く、「味わい」的にもナッツの風味と口当たりが目立って感じられる。
うーん・・・・このテイスト、味噌ラーメンのイメージよりも、やはり本場中国の「汁なし担々麺」から、辛味と山椒と挽き肉を抜いたイメージが近いような気がする。

しかし、味噌のもともとのクドさに加え、マー油のゴマ油感と、ピーナッツペーストの「コテッ・・・」とした粘性、さらに脂肪の多い生クリームまでもが加わり、まさしくコテコテ・テイストの「四重奏」である。
コテコテ素材とはいえ、動物性と植物性を上手に組み合わせているので、ギトギト脂っこい感じではないのだが、それでもやはり、「明るさ」や「キレ」や「風通し」感がないと言うか・・・・スープは「ドロッ・・・」として、粘度の高いクドい口当たりに感じられる。
特に、ピーナッツが、まるでパンに塗るピーナッツバターを連想させるような、「シコシコ・・・」として歯に密着する油っ気を感じ、口当たりのヘヴィさを増幅させている。

生クリームまで入れている事を考えると、もともとそう言う「コテコテ」路線の味を狙っているのだとは思うが、スープが舌から「サラッ」とか、「スパッ」と、気持ちよく離れるのではなく、「コテッ・・・」と粘って、なかなか離れず、しつこい味に感じられてしまうのは、ちょっと好みが分かれる気がする。

ただ、多めのモヤシが良い感じに作用し、太麺とともに風通しを付与しているが、それでも重みと厚みのある味噌スープに対してはやや力不足の印象だ。やはり、根っからのコッテリ好きな人に喜ばれそうな「コテコテ」系のメニューに感じられた。
見た限りでは、卓上には「ニンニク」が置いてなかったのだが、オロシニンニクを入れてみるとパンチが出て合うかも知れない。

実にインパクトのある外観や「コテコテ」とした口当たりだが、意外に品のある味であり、過激さは見受けられない。人気店ゆえ、ある程度万人向けに味付けされているのかも知れないが、限定メニューであればもう少しアグレッシブでも良いかとは思う。



さて、食べ終えての感想としては・・・・
今回、三杯頂いた限りでは、やはり定番の「らーめん」が、最も完成度が高いと感じられた。自家製の中太麺との相性も一番良いと思う。
ちなみに、お店を出てから・・・・これだけ「麺」が美味しいお店なのだから、わざわざ三杯もセレクトするなら、ぜひ「つけ麺」も食べれば良かったと、かなり後悔した。
しかし、既に昼の部の終了時刻である3時を大きく過ぎており、さすがに胃の容量も限界値に近づいていたので、諦めたが・・・・こちらの「自家製麺」なら、「つけ麺」はかなり美味しいと思う。

会計時に、「へなちょこアイス」の「秦野名産落花生」タイプを買って食べた。
砕いたピーナッツが非常に芳ばしく、さすが国産の落花生と言う美味しさ。ソフトクリーム自体も乳脂肪がタップリと乗った原価のかかったもので、コクがあり、予想以上に美味しかった。

また、今回、ラーメンの美味しさと共に、深く感心させられたのが、こちらのお店の光り輝く「接客」の素晴らしさだ。
スタッフ全員が「一丸」となって調理や接客に励んでおり、気配りや心遣いの細やかさ、正確性とスピード、心からの笑顔などなど・・・・店主さんのカリスマ性を全員が心の底から慕い、しっかりと「統率」されている印象だ。
全スタッフのすべての言動に、しっかりと「気持ち」が入っていて、身体だけでなく、「心」にもしっかりと汗をかいている・・・・と言う印象を受けた。

いつも混雑しているようだが、この味で、この値段で、この接客なら・・・・この混雑振りも「むべなるかな・・・・」だろう。
混んではいても、事前注文制だし、カウンター席がメインと言うこともあり、客の回転は速い方だと思う。
今や、首都圏でも「最も勢いのあるお店」の一つに間違いないだろう。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)










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