ラーメン&つけ麺食べ歩き
もりや
(東京都 江戸川区)

店名 博多長浜らーめん もりや(もりや)
住所等 東京都足立区鹿浜5-29-15 【地図表示】
禁煙 タバコ可
訪問日 2007年11月中旬 らーめん 600円  +替玉 120円


〜博多長浜ラーメン もりや〜



お店に到着しました。
雨上がりの薄暮の中、煌々と光るお店の明かり・・・。

この「トワイライトゾーン」に光りを放つ小さな「灯り」こそ・・・
都内屈指の豚骨濃度が渦巻く「小宇宙」への入口。






「博多長浜らーめん」の看板が誇らしそうです。
店主氏はあの博多長浜ラーメンの幻の名店「金太郎」ご出身。
いざ、そのディープな世界へ・・・・。






まだ真新しさが残り、かなりピカピカの明るい店内。
清潔感満点で万人ウケしそうな造作です。
壁に貼られた「麺の硬さ」も「七種類」と言う念の入れよう・・・。







卓上のメニュー。
「らーめん」を麺の硬さ「普通」でオーダーしました。






充実した卓上の調味料類。






薬味も博多豚骨ラーメンの「定番」三連コンボ。
帰りに「替玉・トッピング無料券」を頂きました。










2007年11月中旬 らーめん 600円 + 替玉 120円
(この写真はクリックで拡大します)



うーん・・・・久し振りに「骨のあるやつ」に出会えました。

首都圏に博多長浜ラーメンの名店数々あれど・・・その中でも、
正直、「鳥肌」を覚えた博多豚骨は初めて・・・。

良くある「黄土色」ではなく、「エンジ色」のスープが示唆するものは・・・
想像を絶する大量の「骨髄エキス」の存在。

さらに「髄」だけでなく、「ホルモン」(内臓)系の風味を連想させる
かなーり「コア」&「ディープ」なスープに・・・
究極の「豚のリアリティ」を見る想い。

屈強な「豚髄神話」が聞こえて来る・・・
真の「豚骨エンスー」に贈られた超弩級の一杯。









最も「コアな豚骨ファン」の最先端レベルに焦点を当てた印象のスープ。
改めて、「豚の世界って、こんなにディープだったんだ・・・」と感激。

まさに「ハマる味」「無二の味」・・・他では一切「代替」「代用」が利かない美味。
底に溜まった「髄」をよーくかき回してから・・・「飲むべし」「味わうべし」「驚くべし」。






麺の茹で方「普通」指定で・・・・非常に「優しい」「ふぅわり」とした口当たり。
まるで「口の中に羽毛を詰め込まれるかのような・・・・」、
夢見心地のナイーブな舌触り、空中浮遊するかの如き口当たりが絶品。
これこそが「博多系極細麺の真の美味しさ」・・・・と確信。






麺を「ズルズル・・・」とすすり上げれば、
麺と一緒に、凄まじいほど生々しく獰猛な「豚のリアリティ」が急浮上・・・・。

「豚」「豚」「豚」「豚」「豚」「豚」「豚」「豚」・・・・・「豚津波警報」発令中?
その異様なまでの濃厚さに思わず背筋が「ゾクゾク」と・・・・。






替玉はお皿に乗って登場。
ネギがサービスされるのも嬉しいです。






超絶スープを飲み干せば・・・・そこには類例のない「光景」が。
丼の底に残る大量のエンジ色の骨髄粉。
まるで濃い「豚レバーペースト」の食味を連想・・・・。




2007年11月中旬 らーめん 600円  + 替玉 120円

2006年12月新規オープン、「豚骨」フリークの間で評判の高い博多長浜ラーメンのお店。
こちらの店主氏は、惜しまれつつも2004年に閉店してしまったあの博多長浜ラーメンの幻の名店「金太郎」のご出身らしい。
お店の場所は、電車だと「大師前駅」や「西新井駅」や「王子神谷駅」などが比較的近いようだが、いずれも歩けば結構かかりそうな場所。ただ、すぐ付近にバス停があったのでバスの便は良さそうだ。
入店すると、創業して一年近くになるにも拘らず、店内はピカピカでまだ真新しさが残り、かなり清掃をしっかりとしている様子が伺える。

ラーメンが目の前に置かれてすぐに気付くのは・・・・「スープの色」が赤みがかっている事である。
他の博多長浜ラーメンの人気店、「田中商店」や「ぼたん」、「楓神」等の「黄土色のスープ」に比べると・・・・明らかに「赤茶っぽい色」「エンジ色に近い色」をしている。過去、あまり見た事のない「色」である。

一口飲んでみると・・・・「ムワッ・・・」と来る豚臭みを感じるが、醗酵したような臭みではなく、言うなれば「フレッシュな臭み」であり、人によって「好み」もあるとは思うが、好きな人には堪らない匂いだと思う。
いわゆる「豚骨」の中でも、「ゲンコツ」や「背ガラ」ではほとんど出せない匂いであり、「豚頭」を使う博多系スープに特有のディープな匂いである。
味的には「タレの味」が立ち過ぎる事がなく、「塩辛さ」や「化調感」も絶無であり、極めてナチュラルな味わいだ。しかし、その分・・・・やや「ボンヤリ」としたピントの柔らかさと、「モヤモヤ」とした油っぽさを感じた。
正直に言えば、その濃厚な匂いから期待していたほどの「パンチ」や「コク」が感じられないように思え、意外に大人しめのスープ・・・・?それとも今日はスープが本調子じゃないのかな・・・・?と思った。

しかし、それも束の間・・・・いざ麺を食べ始めると、一気に状況が「激変」する。
麺をズルズルとすすり上げるのと同時に、麺と一緒になって口中へ侵入して来る「豚」の強烈な「芳香」と「旨味」・・・・その異様な濃厚さに思わず「むせび」そうになった。
まるで、油断していた私の心の隙を突くように・・・・私の舌と鼻に猛然と襲い掛かって来るスープの「獣の匂いと旨味」に、一瞬、無意識に体が「防衛反応」を起こしてしまうほどの濃度と勢いなのだ。

どうやら・・・・丼の底に溜まっていた「骨髄の堆積層」が、麺に絡んで一斉にひっぱり上げられた事による「獣味の噴出」感である・・・・。
ここで初めて、「なるほど・・・・最初飲んだスープの上澄みでは真価が判らなかったはずだ」「丼の底へ沈んで堆積してしまうほど重みのある骨髄エキスなのだな・・・・」と理解した。
そこで、よくかき回してからスープを飲んでみると・・・・「おおお、来た来た来た来た来た・・・・」と言う叫び声が脳裏にこだまし、正直、「ゾワゾワゾワ・・・・」と「鳥肌」が立つのを自覚する。

そして、「ドッカァァァーーーンッッ・・・・」と言う擬似音が脳内に響き渡り聞こえるほどの口中「ビッグ・バン」、最初に上澄みスープだけ飲んだ際は「導火線」の状態だった印象が・・・・いよいよダイナマイト本体に着火して「大爆発」した印象である。
それは「髄」「髄」「髄」「髄」「髄」「髄」・・・・リアル「髄」の味。エキスではなく「髄」・・・・ダシではなく「髄」・・・・ゼラチンではなく「髄」・・・・脂ではなく「髄」・・・・後味も徹底して「髄の味」である。

一般に博多豚骨ラーメンで必要とされる「強度」の数倍と思われる「髄」の量を感じる。
紛うことなき、豚骨の「髄」が凝縮され尽くした味、「豚」の旨味が「迫真」と言うか・・・・明らかに過去に経験した事のないレベルの「骨髄の生々しさ」である。しかも、まったく添加物感や増量感、化学感がないので、恐ろしいほど如実な「豚のリアリティ」を持って舌の上に無限ループを描くのだ。

さらに・・・・「さらに」である。猛烈な「髄」だけでなく、豚骨スープの味の奥の奥に潜んでいる・・・・「ギラギラ」とした獰猛な「何か」、ネットリとしたディープスパイラル感の根源たる「何か」の存在を感じる。
「ピンッ」と来たのは、どこかしら・・・・「ホルモン料理店」などで嗅ぐ・・・・「内臓料理」系、「血合い肉」系の匂いを連想させるテイストである事だ。もしくは、どこか「韓国料理」や「東南アジア料理」を髣髴とさせる・・・・かなーり「コア」&「ディープ」な豚料理の匂いと味の雰囲気・・・・。
豚の「頭」から出る独自の風味なのは間違いないが、その下処理をやり過ぎないようにしているのか、それともその量そのものを多めに使っているのか、何か独自の工夫をしているのか・・・・は判らないが、身近な料理で言えば、ホルモン料理店で出る「カシラ肉」や中華のレバニラ炒めに入れられた「豚レバー」の味・・・・を連想させられるワイルドな風味が近い。
「本格派」を謳う他の博多長浜ラーメン店でも同じ風味を感じる事もあるが、ここまで「強く」「猛々しく」・・・・感じさせてくれるお店は初めてだ。

そして後口にはゼラチンの「ドロッ・・・」「ネトッ・・・」とした感じは意外に少なく、逆に「サラサラ・・・・」とする粉状の物質が多めにはっきりと舌や歯に残る。決して「ザラザラ」ではなく、非常に細かなコンパウンド状の粒子だ。
強く「グラグラ・・・」と長時間煮立てた事により、豚骨から煮出された「骨髄」の粒子なのだろう。
いやはや・・・・想像を遥かに上回るスープであり、明らかに他の博多長浜ラーメン店とは「目指しているものが違う」事を確信させられる。

一方の「麺」は・・・・茹で加減は「普通」でお願いした。
その食味は、非常に「優しい」「ふぅわり」とした味わいで・・・・まるで「口の中に羽毛を詰め込まれるかのような・・・・」、なんとも夢見心地のナイーブな舌触り、空中浮遊するかの如き口当たりで、素晴らしい美味しさ。
「ザラザラ」とか、「ボキボキ」とか・・・の粗さ&荒さが絶無で、去年食べた「楓神」の絶品麺を思い出す。同時に、これこそが「博多系極細麺の真の美味しさであり、本来の食感なんじゃないのかなあ・・・・」と思ってしまうが、どうなのだろうか・・・・。少なくとも私は「バリカタ」等で頼んで心から美味しいと思った事は過去に一度もない。
ただ、時間の経過とともに多少ダレてしまうのか、途中からわずかに「ヤワさ」を感じるようになり、さすがにもう少し「芯」があっても良いようにも感じられて来た。

ちなみに、最初にスープをよくかき回したつもりでも・・・・すぐに器の底に骨髄が溜まってしまうようだ。
そのため麺を、意図的に丼の下の方から「すくう」ようにして食べると、ものすごい濃密な「豚骨」の美味が、まるで活火山が噴火するかの如き勢いで姿を現して来るのが判る。
味だけでなく強烈に骨髄エキスの風味も立ち昇って「香り」も余すことなく楽しめるので、この底から麺を「すくい上げる」食べ方をすると、より一層このラーメンの「真価」を堪能できると思う。

チャーシューは醤油でほんのりと味が付いていて、厚みがありながらも「ふっくら」「ほっこり」で、旨味もたっぷりと乗っていて非常に美味しい。
箸で持つだけでほぐれ始めていて、口に入った途端に「トローン」「トロトロ」とトロけ、決して「グニグニ」と歯切れが悪いタイプではない。いわゆる「博多長浜系」のイメージからすれば、かなり上質で食べ応えのある素晴らしいチャーシューである。
しかし・・・・そのチャーシューの印象を全く霞ませてしまうほどに、あまりにも「スープ」の印象が強烈に素晴らしい。
スープと麺を食べている限りにおいて、この美味そうなチャーシューに一度も「箸を付ける気」にさえさせてくれなかった。それほど・・・・「食べ手の心を離さない」スープなのだ。
まさに「ハマる味」「無二の味」と言う言葉がピッタリであり、他では一切「代替」「代用」が利かないレベルの味だと断言できる。

キクラゲは肉厚で歯応えがあり、スープの箸休めに丁度良いし、なかなか美味しい。
辛子高菜は、やや乾いた食感で、たまたまなのかも知れないが独特な燻煙臭、いぶし臭のような強い匂いがあった。他店のからし高菜でも時折感じる匂いなので、おそらく「高菜」と「ウコン」が混じった事に由来する匂いなのかも知れないが、それが結構強めに出ていた。そして意外にあまり辛くなかった事もあるが、高菜やニンニクを多少入れた程度では、ほとんどその存在を意識できないほどスープは「髄」が支配している。

試しに、こちらの麺が「バリカタ」ではどういう食感になるのか興味が湧き、「替玉」は「バリカタ」で頼んでみた。
予想通り、すすり心地は「ワシワシ」として、噛み切ろうとしても「グリグリ」とネジ切れるような歯切れの悪さが出てしまう。茹で足りないせいか味的にも「無機質」と言うか、「カツカツ」とする歯応えだけで、小麦の旨味が出て来ない。それでも、時間が経過するに連れ、次第にほぐされる感じは出て来たのだが・・・・やはり、「普通」もしくは「カタ」辺りが私の好みと一致するようだ。

ただ、あまりに「蠱惑的(こわくてき)」で美味しいスープなのでついつい飲んでしまったため、「替玉」をするにはスープが圧倒的に不足してしまった。
実際、これほどスープが美味しいと、替玉のためにスープをあまり飲まないようにするのは、何とも悩ましい「ジレンマ」である。貴重なスープなのは判るが、そう言う意味でもう少しスープの量を多く注いでくれるとさらに嬉しい。

替玉を食べ終え、スープを飲み干すと・・・・丼の底に「エンジ色の骨髄」が大量に沈んでいるのが見えた。他店ではまず滅多にお目にかかれない「光景」だ・・・・。
この時点で、スープのエンジ色は実はこの「骨髄の色」だった事が判る。だからこそ、過去に「見たことのない色」だったのだろう。良くかき回して食べたつもりでも、これほどの量の骨髄が沈んで残ってしまう事実に、改めて「戦慄」を覚えてしまう。

食べ終わってお店を出ると・・・・歯の隙間や、舌の奥隅に、「サラサラ・・・」とする髄がコンパウンド(研磨粉)のように残って感じられる。
そして、その「髄」の舌触りに加え、やはり「豚レバー」を連想する独特な「ホルモン(内臓)系」の残り香を強く感じる。このワイルド調の風味が、こちらのスープの「キーテイスト」の一つになっているのは間違いない。
また、他の博多長浜らーめんのお店の多くでは、店を出てから唇周りに「ピトピト・・・」と「ゼラチン」の粘着質を感じるのだが、こちらのスープはさらにその一段上を行く現象・・・・乾き始めたゼラチンで唇がカチカチに固まった感じになってしまい、まるで洗濯糊が乾いたような「カッチリ・・・」としたコーティング感に覆われてしまったのには驚いた。

こちらのラーメンを食べると、いかに都内の博多長浜系ラーメンの多くが、「万人向け」で「無難な味」の範囲に留まっているか、そして「ニンニク」や「化学調味料」や「タレの味」でスープを誤魔化しているかが・・・・嫌と言うほどに良く判ってしまう。
この「インスタント全盛」「業務用スープ最盛」の時代に迎合することなく、真の「豚骨エンスージアスト」を魅了したいと言う気持ちを維持し、最も「コアな豚骨ファン」の要求レヴェルに焦点を当てて、毎日の大変な仕込を行うのは・・・・さぞや並大抵の「決意」ではない事だろう。
それでいて、マニア以外の一般人にも、気軽に「豚」の「内側に潜む味」のディープな世界を垣間見せてくれる実に頼もしく貴重なラーメンでもある。

改めて・・・・「豚の持つ世界って、こんなにもデイープだったんだ・・・」「今までは豚骨スープの真の魅力を半分も知っていなかったんだ・・・」と思う。
私には、こちらのラーメンに「比肩」する「マニア度」の店を思い浮かべられない。
万難を排し、このような「真の本格派」の博多長浜ラーメン造りへ「熱き情熱」を燃やす店主氏の姿勢に大いなる「敬意」を表したい。


(麺は完食。スープも完飲。)









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