ラーメン&つけ麺食べ歩き
丸福
(神奈川県 川崎市)

店名 長崎ちゃんぽん 丸福(ながさきちゃんぽん まるふく)
住所等 神奈川県川崎市多摩区長尾4-11-4 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2005年4月上旬 博多ラーメン 500円



〜長崎チャンポン ○福〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
JR南武線の宿河原駅から徒歩5分ほど。
長崎チャンポンと皿うどんが名物、
そして博多ラーメンも人気のお店です。






赤いノレンが目立ちますな。
ガラス戸には○福の紋章が見えます。
お店の左手に駐車場が5台分ほどあります。






店内はL型カウンター席と小卓。
メニューの脇に著名人のサインが貼られています。
博多ラーメンを注文しました。






地元の常連客が多そうな、実にくつろいだ雰囲気。
調理ぶりも接客もとても質実な感じです。
テレビが点いていました。










2005年4月上旬 博多ラーメン 500円



まさに見事なほど、「日常食」していますね。
ストレートでシンプルな造り、ギミックのない、ゴテゴテしない旨味、
素材達の穏やかな素顔が見えてくるスープ。

むしろこれこそが「本場」「地場」の博多ラーメンと言う気がしてきます。
飲んだ後に、深夜食に、真価を放つ一杯でしょう。









虚勢や威圧感のない、ゆったりとして心和む風合いのスープ。
あっさりしながらも新雪が降り積もるかのように
静かにゆっくりと堆積してゆく旨味。






上質小麦を使い、ふくよかさと優しさにあふれた極細麺。
いわゆる博多系の極細麺から、粉の粗い舌触りや
ソリッドなザクザク感だけを上手に消去した印象。




2005年4月上旬 博多ラーメン 500円

博多出身の女将さんが切り盛りする本格派の長崎チャンポンで有名なお店らしい。
そして、こちらのお店でそのチャンポンと人気を二分しているのが、「本場博多そのまま」の味を再現したと言う評判の高い博多ラーメンである。長年継ぎ足し使用している「呼び戻し」のスープには、精製ラードなどは一切加えず、素材を生かした豚骨スープを地道に守っていると言う。

店内はなかなかの老舗っぽさがあふれ、いかにも地元の常連客が多そうなイメージ。多数貼られた著名人のサイン色紙も、一部茶ばんでいたりして年季を感じさせる。入店すると、たまたまなのかそれほど豚骨臭は感じられなかったが、恰幅の良い女将さんと、その息子さん(?)らしき方が、温かな笑顔で迎えてくれた。

登場した博多ラーメンは、博多系としては珍しく、万能ネギではなく長ネギが使われ、キクラゲではなくメンマが載せられていた。
まずはレンゲでスープをすくってみると・・・・それなりの豚骨臭はゆったりと漂っているものの、割とサラリとした手応えである。一口飲んでみると、やや表層のラードが存在感を放つものの、その下に広がっているのは意外にも「あっさり」「さっぱり」している豚骨スープである事に気付く。何と言うか、大仰に期待して、身構えて味わうと、ちょっと拍子抜けしてしまうような・・・・口当たりのスムーズさ、飲み口の軽さ、がある。
一瞬、「薄い?」と思ったものの・・・・数分後には、このラーメンの目指している「本当の魅力」に舌を巻くことになる。

そうして数口飲んで思ったのは、スープは決して薄いのではなく、ギミックのない作り込み、ゴテゴテしない旨味であり、わざとらしい塩辛さやあざとい化調感とは金輪際無縁の実にストレートで正直な造りのスープであると言う事だ。
何と言うか、インパクト優先の、話題性先行のスープなのではなく、飲めば、飲むほどに、素材の穏やかな「素顔」が、まるで「はにかむ」かのように姿を現して来るスープなのである。
一切の虚勢や威圧感がなく、ゆったりとして心和む優しい風合いの美味しいスープ・・・・あっさりしながらも、まるで真冬の深夜、窓の外で音もなく新雪が降り積もってゆくかのように・・・・・舌の上へ静かに、静かに、ゆっくり、ゆっくりと、堆積してゆくナチュラルな動物性の旨味が何とも言えず素晴らしい。白ゴマが穏やかに香ばしい風味を添えて来る。

麺は極細ストレートで、一見すると良くある博多系の麺と思えたが、一口食べてみると、いわゆる博多系のザクザクする極細麺とは趣きをやや異にし、コリコリとするふくよかで小気味良い歯触りが生きた極細ストレート麺であった。
小麦粉の茶色っぽさや粗い舌触り、卵殻を練り込んだようなソリッドな歯切れ感などを上手に消去した印象の、あまり食べた事のない不思議な食感の麺だ。
ふうわりとする空気を含んだような軽さがありながら、ゴワッとする小気味良いハリを持った感じがあり、上質小麦を使ったようなふくよかさと優しさにあふれた美味しい麺というイメージ。
関東向けに多少アレンジしたのか、それとも本場博多でもこういった麺が存在するのか・・・は判らないが、いわゆる博多系の茶色っぽく、粉の粗さを感じる麺が苦手な人には受けそうに思う。

一枚載っていたバラチャーシューは、ちょっと乾燥したようなフチの硬さがあったが、肉の繊維が強いと言うか、野性味がドーンと無遠慮に前に出た「ワイルド」な食べ応えだ。このチャーシューの造りも、昨今の「ふっくら」した上品な味わいのモノとは、別路線の気取りのない「地場」っぽさがある。

食べ始めこそ、あっさり路線で、旨味がちょっと薄いと感じられたスープも、中盤以降になると・・・・むしろこのまろやかで優しい旨味の濃度こそが「適度」なのであり、「正解」であるように感じられて来る。
気取らない「普段着」の心地よさとでも言えば良いのだろうか、毎日でも食べられる見事な、「日常食」として揺るがぬ完成度を誇っているイメージのラーメンであり、「ここぞ」とばかりに力でグイグイ押して来るタイプではなく、スープも麺も、絶妙に「脱力」した印象がありながら、何とも後を引く味わいの美味しいラーメンなのだ。特に、飲んだ後に、深夜食に、さりげなく食べるシーンで、その「非凡な真価」を放つ一杯だと思う。

博多豚骨というと、世間ではついつい「超濃厚」「豚臭さ」「インパクト」などなどばかりが話題になり勝ちであるが・・・・肩肘張って、身構えて食べるラーメンとは、明らかに別次元の素晴らしい価値観を感じさせてくれる。
そして・・・・「毎日食せる」、「生活密着」、という見地から考えれば、むしろこれこそが、「本場」「地場」「本物」の博多ラーメンなのだろうと言う気がして来てしまう。

私が帰る頃、常連らしき客が入店して来て「チャンポン」を頼んでいた。女将さんが鉄鍋でチャンポンの具材を丁寧に炒め始めていた。


(麺は完食。スープは8割飲んだ。)










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