ラーメン&つけ麺食べ歩き
共栄ラーメン
(栃木県 下都賀郡)

店名 手打 共栄ラーメン(きょうえいらーめん)
住所等 栃木県下都賀郡岩舟町大字静2229-7 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2007年1月上旬 ラーメン 550円 
           塩ラーメン 600円 + 煮たまご 100円 
           ミソラーメン 650円 
2007年6月上旬 共ちゃんラーメン 700円




〜共栄ラーメン その1〜



左側に見える街道は、「黄金の手打ラーメンロード」国道50号線。
お店はこの「Route 50」に面しています。
電車だと・・・JR両毛線の「岩舟駅」から2kmほど。
右手の路地を挟んで広い駐車場があり、計50台駐車可とのこと。






昔ながらのドライブイン的な飾り気のない外観。
入口には大きな「まねき猫」がツインでお出迎え。
右手の青いテントは「屋外席」です。






店内はL型カウンターと、小上がり、小テーブルまで。
二階にも客席があるようです。






卓上のメニューと営業時間。
「定食」や「一品」「アルコール」類も・・・あります。

最初は「ラーメン」だけの予定が・・・・
おまりの美味しさに「塩ラーメン」と「ミソラーメン」も連食する事に。






裏側は平日のランチメニュー。
「共栄は年中無休だニャン」
∧∧
 ( ´∀`)m
(  千  )










2007年1月上旬 ラーメン 550円
(この写真はクリックで拡大します)



一見すると、飾り気のない「ベーシック」なラーメンですが・・・
「見かけ」や「味付け」でごまかすのではなく、
シンプル&ストレートに「素材感ありあり」で直球勝負して来るラーメンですね。

手打ち麺も、スープも、チャーシューも・・・・
その美味しさを「語る」だけで、本当に丸一日かかりそう・・・・。

全体としてコツコツと創り上げた「手作り感」に満ちあふれ、
いかにも「独学」で完成させた印象のオリジナリティの強さも魅力。









余計な「化粧」や邪魔な「飾り」のない「素のまま」の味わいのスープ。
複雑さよりも、シンプルに「ガラの旨味」「動物性のコク」を生かした美味しさ。
まさに業務用スープと「真逆」に位置する味です。
バーベキュー鶏の油がワンポイント的に個性をプラス。






この、口に「し・っ・く・り」と来るフレッシュな手打ち麺が最高!!
まるで高級「低反発マットレス」の夢見る寝心地のような・・・柔らかな「フィット&吸着感」と、
歯が「ヌクッ、ヌクッ・・・」とゆっくり沈み込む・・・滑らかな「柔肌&透明感」に驚愕。
私の好みの「ベスト・オブ・ザベスト賞」を進呈。






なんとも美しい麺の色ツヤと形状・・・・まさに「百聞は一見にしかず」。
写真からも・・・「赤ちゃん」のようなつややかな柔肌感、「生まれたて」の滑らかな透明感が良く判る。

世の多くの「手打ちラーメン・フリーク」を、喜びで震え上がらせ、
大いなる幸福感、満足感とともに黙らせてしまう・・・・まさに「Terrific Noodle」。




2007年1月上旬 ラーメン 550円 

栃木県南部の小山市、栃木市、佐野市、足利市・・・・の近辺は手打ちラーメンのお店が密集しており、日夜その技を競い合い、激しく鎬を削る、類まれなる「手打ちエリア」である。
手打ちラーメンフリークにとっては定期的に巡礼すべき、まさに「聖地」に他ならない。そして、それらの都市を、長く横断してつなぐ「国道50号線」は手打ちラーメンの名店が軒を連ね、さながらシルクロードならぬ、黄金の「手打ちラーメンロード」の様相を呈している。
その国道50号線を「佐野駅」から東へ向かう事、約8Kmの「岩舟町」の地に、1978年創業以来、絶大な人気を誇る手打ちラーメンの名店、「共栄ラーメン」がある。
過去、こちらで修行したお弟子さんも数知れず、既に10軒以上もの人気手打ちラーメン店が輩出されているようだ。

お店の駐車場は50台ほどの広さ、昔ながらのドライブイン的な飾り気のない外観で、入口で大きな「まねき猫」が出迎えてくれた。
店内はL型カウンター席と小上がり席、小テーブルが並び、2Fにも席があるようだ。午後3時半過ぎと言う時間帯にもかかわらず、入れ替わり立ち替わり客が訪れ、人気の高さが伺える。

登場したラーメンは・・・・・一見すると、実に飾り気のない盛り付けで、極めて「ベーシック」な醤油ラーメンに見える。
しかし、スープは一口目から・・・・・舌に「ズッシリ」と乗って来る旨味のコクがあり、そのひとかたならぬ量感に「おおお・・・・」と少々慌てさせられた。
スープの中には、豚骨や鶏ガラなどとともに、肉の味がしっかりと溶け込んでいる事が判る。おそらくはガラ素材とともに、大量のチャーシューをスープで煮込んでいるのだろう。そのため、あっさりとしたスープの多い佐野近郊のラーメンとしては、割と「どっしり感」「肉っぽさ」があり、厚みのある口当たりとなっている。多少荒削りながらも、ゆったりとした大らかな味なのだが、決して大人しい味ではなく、動物性の旨味によるパンチがあるスープだ。

醤油ダレはやや控えめながら、バックステージでしっかりと効いている感じ。舌に刺さるしょっぱさや攻撃的な面はないが、塩気もそれなりに存在を感じさせ、決して薄味路線ではないようだ。しかし、化学調味料やタンパク加水分解物等の添加物による「ブースト感」や「人工的な味」がなく、「素材感」や「手作り感」が「ありあり」とストレートに出て感じられるタイプで、非常に好感が持てる。

そして、スープを飲んだ際に、一瞬だけ、鶏の油を焦がしたような風味が口をよぎった。
ちょっと意外なその風味は・・・・鶏の「皮」を炙り焦がしたような・・・いわゆる「ロースト風味」や「スモーク臭」系の独特な匂いだ。
後日、こちらの共栄ラーメンのサイトを拝見したところ、どうやら「バーベキュー店のオーブンで焼いた鳥から出る油汁をもらいスープに入れている」旨のことが書かれていて、「なるほど」と合点が行った。

それほど強くはないが、まさに「焼き鳥」の味・・・・である。
特に塩ダレで焼いた「皮の串」を口にした時と同じ、「炙り焦がされた鶏の油汁」の「焼き鳥」風味がチラチラと見え隠れして感じられる。
燻された「煙の煤」(すす)に特有の匂いやエグっぽさが少々伴うような気がして・・・・ひとクセあると言うか、食べ手によってはやや好みが分かれるかも知れないが、なかなか芳ばしいし、スープに面白い個性を付与していると思う。
肉の旨味を湛えたスープに、このバーベーキュー鶏の油汁が加わる事で、「コク」や「芳ばしさ」は豊かなのだが、その分、後口は「ググッ」とやや重く沈み込む感じがあり、尻上がりの軽快感はないため、「佐野」に程近い土地柄とは言え、あっさり至上主義の佐野ラーメンとは明確に一線を画す味になっていると思う。

手打ちラーメンのお店と言うと、「麺」に注力する余り、どちらかと言えばスープは「右へならえ」的に無難にまとめ、あまり個性を出そうとしないお店が多い。しかし、こちらのお店はいかにも「独学」で完成させたスープと言う印象で、個性がキラリと光る非凡なスープだと感じる。味付け自体も良い意味で「素直」、「純朴」、「真っ直ぐ」という感じなので、何と言うか、このちょっとラフなカントリー風の造りと合わせて、東京ではなかなかお目にかかれないタイプの美味しさである。

しかし、その個性的で美味しいスープの印象を霞ませてしまうほどに・・・・・こちらの「青竹手打ち麺」は、想像を絶する素晴らしいものだった。
一口すすった瞬間から、麺と言うよりも、ツルツル、トロリとする表面は、手作りを感じさせる微細&複雑な起伏を持ちながらも、まるで高級ソフトクリームのような高貴で滑らかな舌触り、本当に多加水で、歯に「し・っ・く・り・」・・・・と来る鳥肌が立つほどに滑らかな口当たり、ウルトラシルキー&ソフトなタッチフィールの柔肌は、まさしく、「絹の風合い」である。

そうして、噛んでみれば、この・・・・麺の柔肌に「ヌクッ、ヌク、ヌク・・・」と歯が徐々に食い込んで行く過程が絶品で、歯に「しっくり」と吸い付くような、舌を優しく包み込むような・・・・究極的に「ふくよかな」口当たりに、すっかりと心を奪われてしまった。
噛めば噛むほど・・・・エンドレスに、どこまでも「しっとり」と滑らかで・・・・麺の「まろやかさ」と「うるおい感」の中に、歯が深くゆっくりと沈み込むナイーヴな感覚が、類まれなる生理的な快感に感じられる・・・・まさに「エクスタシー・ヌードル」の様相だ。

思わず、私の全身を「電流」が駆けめぐり、脳内で快感ホルモンの「エンドルフィン」が放出されるのが手に取るように判った。
これぞ・・・・まさしく、私の求める手打ちラーメンの「ストライクゾーンど真ん中」であり、長らく私が探して来た「理想の手打ち麺」の最終形態に間違いない。あまりに予期せぬ「運命の出会い」である。

この麺の絶品の食味を、正確に言葉で表現するのは大変に困難なのだが・・・・もし何かに例えて表現するならば・・・・・。
うーむ・・・・他店の手打ち麺が、普通の「敷き布団」に寝入る感覚とすれば・・・・こちらの手打ち麺はここ数年流行の高級「低反発マットレス」の夢見る寝心地と言えるだろう。低反発弾性ウレタンフォーム特有の、あの例えようのない柔らかな「フィット感」、「吸着感」、「無圧感」で、しっくりとした「柔らかな丸み」で体を包まれる感覚なのだ。
もしくは、他店の手打ち麺が、ゴツゴツ感のある「成人男子の肌」だとしたら・・・・こちらの手打ち麺はまるで「赤ちゃんの柔らか肌」のような・・・・極上のキメ細やかさ、汚れなきスベスベ感、みずみずしいソフトな潤い感に満ちている。

以前から、「手打ち麺」の真の美味しさを語る時に、その鍵を握るのは、麺の「硬さ」にあるのではなく、「柔らかさ」こそにある・・・・と思っていたが、今回、ますますそれが「確信」へと変わった。「柔らかさ」と言うと、「茹で過ぎ」と混同されてしまうかも知れないが、そうではなく、透明感さえ感じられるフレッシュな「多加水感」と、口に吸い付くように・・・・しっくりと来る「滑らかな口当たり」と言う意味である。

果たして、どのような小麦粉で、どのように麺を打てば・・・・このようなめくるめく「魔性」の食味を持つ手打ち麺が誕生すると言うのだろうか・・・・。
一言で、「手打ち麺」とは言っても、まさしく手作りゆえに・・・・この世に二つとは同じ麺は存在せず、100店あれば100通りの手打ち麺が存在し、「打ち手」の数だけ、手打ち麺の種類(食味)がある。

こちらのお店のHPによれば、最上質の小麦粉を使用し、気温や湿度により固さを微調整し、「かんすい」を極々少量に抑えるとともに、日本蕎麦の美味さ三原則である「挽きたて、打ちたて、茹でたて」に習い、麺は熟成させず、毎日「打ち立て」の状態の新鮮で、香りも楽しめるフレッシュな麺を提供しているとの事である。 確かにカンスイ臭さもなく、触れれば舌にしっくりと吸い付く滑らかさ、柔らかさ、優しさ、は、「作り立て」ならではの「絶賛のフレッシュさ」によるものなのだろう

また、こちらのお店を紹介しているラーメン本によれば製麺時に「卵白」を加えているらしく、わずかにツルリとする半透明な感触が加わり、小麦粉の「粉臭さ」が見事に消されている。また、あまりに印象深い極上の「し・っ・く・り」感、あまりに無類の「低・反・発・弾・性」感からは、卵白だけでなく、さらに他の何か・・・・例えれば「コラーゲン」などの珍しい素材を巧みに練り込んで使っているような印象も受けるが・・・・定かではない。
ただ、「青竹打ち」の麺に特有の微細な「気泡感」や「多孔質感」は少なめに感じられた。

また、具の盛り付けも浮ついた感じや飾り気がなく、全体としてコツコツと創り上げた「手作り感ありあり」なタイプだ。
チャーシューは、実に「ふっくら」として、上品な肉の旨味がたっぷりとあふれて、これまたトロけるような最高の美味しさで・・・一口食べて感嘆。
これまた、まるで、麺もチャーシューも「静電気」仕掛けのように舌に、歯に・・・「吸い付く」ような食感である。噛めば、「ホックリ」とした歯応えと、肉の優しい旨味の豊かさに思わず笑みがこぼれてしまう。
これなら、「チャーシューメン」が「一番人気」だと言うメニューの説明も、まさに「むべなるかな」だろう。
スープには炒った白ゴマが振られており、そのツブツブ感が絶品手打ち麺の滑らかな口当たりにどう影響するかと思ったが、少量のせいかほとんど気にならなかった。

気が付けば・・・・あまりの美味しさに「あっ・・」と言う間に、麺を食べ終えてしまっていた。
最後に残ったスープを改めて飲んでみると・・・・やはり、決して複雑と言う事はなく、どちらかと言えばシンプルな味の構成なのだが、きちんと「ガラの旨味」「動物性のコク」が生きて感じられる。
後口には、焼き鳥の油の味が後を引く感じが多少あり、そのスモーク臭っぽい「炙り風味」が、場合によっては多少の「いがらっぽさ」にも感じられるのだが、この独特な後味がクセになる人もいるのだろう。また、油のせいか意外にコテッとして腹に来る物がある。ただその分、佐野ラーメンのあっさり路線に物足りない人達には支持されそうだ。

器は空になっても・・・・こちらの卓絶した手打麺のインパクトは、鮮烈な「残像」となって、私の口中でまだはっきりと「あの食感」を残している。
そう、一度でも食べれば・・・・鮮明に「舌」と「心」に焼き付いてしまい、記憶から永遠に消え去ることがない・・・・「エターナル・ショッキング・テイスト」だ。

世の多くの「手打ちラーメン・フリーク」を、喜びで震え上がらせ、そして大いなる幸福感、満足感とともに黙らせてしまう・・・・・まさに、「恐るべき手打麺」である。
よもや、これほどの「手打麺」を打つ人が実在していたとは・・・・・「Terrific,The South Tochigi!」・・・・・言いようのない強い「畏敬」の念が、私の全身を包み込んだ。


(麺は完食。スープは9割飲んだ。)




↓続きあり






〜共栄ラーメン その2〜



壁一面に貼り出されたメニュー群。
「コーン」や「ワカメ」など、気取らないトッピングも・・・。










同上日 塩ラーメン 600円 + 煮たまご 100円
(この写真はクリックで拡大します)



「塩」になって、より一層「簡明さ」を極めたスープ。
「ナチュラル路線」と言うよりも、
むしろ「素のままの味」を大切にした「引き算的」な美味しさ。

打ち立て新鮮な「超絶品手打ち麺」の「味、香り、食感」が
100%エキストラピュアに堪能できるのも「塩」ゆえの嬉しいボーナス。
超新鮮な「産み立て卵」の美味しさにも絶句・・・。

最先端の「ハイテクラーメン」には決してない、
「ロハス」(LOHAS)な魅力にあふれた素晴らしいラーメン。









動物の骨や肉から直接に煮出したスープに、
「塩」を一振りしただけ・・・のような、極めて自然体で飾らない味。

野球で言えば・・・変化球や牽制球をほとんど投げず、最初から最後まで、
速球ストレートで真っ向勝負して来るピッチャーのような・・・。






シンプルな「塩味」は、打ち立てフレッシュな多加水手打麺の
「小麦粉の味と香り」を、より一層、魅力的に際立たせる。

その美味しさは・・・今後もこちらの手打ち麺を上回る麺とは、
生涯出会わないだろうと言う予感まで・・・・してしまう究極のレヴェル。






連想するのは・・・柔らかな「マシュマロ」もしくは「ソフトクリーム」の舌触り感・・・。
粉臭さやザラッとした肌荒れが絶無なのは「上質小麦粉」を使っている証。
すするたび・・・「うるおい」に満ちた、きめ細かなツヤツヤ感、シックリ感に圧倒される。






さらなる「美味の伏兵」・・・。
たっぷり「3分間」は舌の上で美味さを放出し続ける驚異の「超絶卵」。
「白身」の味が複雑で猛烈に深く、口に吸い付くような「しっくり・・・」とする絶品の食感。
普段食べている玉子とは全く「別世界の美味」。




同上日 塩ラーメン 600円 + 煮たまご 100円 

さて、本当はこの日、この後に、栃木県をさらに小山市まで移動し、まだ他のラーメン店を二軒ほど回るスケジュールだったのだが、その予定を取り止めにして、こちらで、さらに「塩」と「味噌」を追加して頂く事にした。
つまりは、こちらの手打ち麺にそれほどの「大いなる価値」を感じたのだ。そして、その判断は、私にさらなる「福音」をもたらしてくれた。

登場した塩ラーメンは、黒い器と言う事もあるかも知れないが、やはり醤油ラーメン同様に都内の新店の塩ラーメンなどに比較すれば、あまり飾らないシックなビジュアルだ。
同じく、地方の「手打ちラーメン」でも、福島県の白河市のラーメンは、スープはキラキラと輝き、具が多く、非常に盛り付けが美しいラーメンが多いのだが、佐野文化圏のラーメンは、どちらかと言えば質素で、具の種類や盛り付けなどもあまり飾らないお店が多いように感じられる。

スープを一口飲んでみると・・・・・きちんと「ガラの旨味」「動物性のコク」が生きて感じられるが、決して複雑と言う事はなく、やはり簡明な味の構成だ。
塩が尖ってはいないものの、ややピーンと立って効いて感じられるが、おそらくは「塩オンリー」・・・・もしくは「極めてシンプルな塩ダレ」だと言う印象を受ける。
要は、貝類や、海老や、昆布、野菜などの様々なエキスやパウダーを、あれこれ配合した複雑で幾重にも及ぶ隠し味を持つ塩ダレではないようで、動物の骨や肉から、直接に煮出したスープに、素朴な「塩」の味付けを一振りしただけに止めたような・・・・極めて自然体で飾らない味なのだ。

先の醤油スープでも感じたが、「ナチュラル路線」と言うよりも、どうやらむしろ「ベア(bare)路線」と言うか・・・・「素のまま」の飾らない美味しさを大切にするベクトルのようである。
例えるなら・・・・アルミサッシとコンクリート建築による高機密性住宅に新型のエアコンや空気清浄機を組合せ、最先端の電子制御を駆使して「人工的な快適さ」を追求した都心の「ハイテク住宅」ではなく、涼しい木立や自然採光による工夫、無垢材の吸湿性や自然の風を生かすことで「エコロジーな快適さ」を追求した・・・・無加工の「天然木」に囲まれた高原の「ログハウス」のような魅力を感じてしまう。
そのため、どうしても「単調」な間取りにはなってしまうが、どこにもあざとさや、邪悪さがなく、誰もが安心して食べられる「純朴な味」「ロハスな味」的な良さがある。
そう言う意味では、大手の食品メーカーによる「研究所」や「商品会議」を経て工場で製品化された業務用スープとは、「180度真逆」に位置する店主個人による手作りスープの代表格と言えるだろう。

ただ、単なるミネラルの結晶である塩には「香り」成分がない。そのせいで醤油スープなどに比較すると、より一層、「簡明」なスープとして感じられる。
そして、その香りのなさゆえ、逆に具の「ワカメ」や「炒りゴマ」の風味がスープに結構大きく影響してしまう。特に、ワカメの磯の風味がダイレクトに鼻に付いてしまうのは、やや好き嫌いが分かれそうな気はする。

一方の「手打ち麺」は、醤油ラーメン同様の、まさしく「生涯屈指」と言える美味しさ。
歯が「ヌクッ、ヌク、ヌク・・・・」とゆっくり沈み込んで、ゆっくりと戻る感触・・・・「しっくり」と歯や舌を包み込んでくれる心地良さは、やはり体圧分散効果に優れた「低反発マットレス」のイメージである。
特に、「塩スープ」だと、醤油の強い醸造風味がなくなる分、打ち立てで鮮度のあるフレッシュな麺の「小麦粉の香り」が一層はっきりとピュアに感じられるのは、予期せぬ嬉しいボーナスだった。打ち立ての新鮮な麺は、やはり「香り」が全然違う事が判る。多加水手打ちによる小麦粉の味と香りを、100%エキストラピュアに堪能できるのは「塩」だけの特典だろう。

もし食べ物で例えるならば・・・・うーん、塩の「白」のイメージの投影として、柔らかな「マシュマロ」のような感触・・・・もしくは硬めに仕上げられた「ソフトクリーム」の舌触り感・・・・だろうか。つまり、卵白や生クリームを硬めに「ホイップ」(起泡)することで生じる食感を連想するものがある。この美味しさがどのレヴェルかと言うと・・・・「今回」のこちらの手打ち麺を上回る麺とは、おそらくは今後も、生涯出会わないだろうと言う予感までしてしまうレヴェルだ。

そして、さらに・・・・今回、まだまだ驚くべき美味しさを持つ「伏兵」がいた。
それは、トッピングにより加えられた「茹で玉子」である。何気なく口に入れたこの茹で玉子・・・・過去に食べて来た中で間違いなく「三指」に入る・・・・にわかには信じ難い美味しさ。
口に入れて・・・・一分・・・・二分・・・・三分と、「舌」がこの玉子を頑なに離そうとしない。つまり、この玉子・・・・たっぷり「3分間」は舌の上で美味しさを放出し続ける尋常ではない旨味の宝庫なのである。

特に、玉子の美味しいお店は、大抵は「黄身」が美味しいのだが、こちらではむしろ「白身」の美味しさが非常に強く印象に残る。
何しろ、こちらの「手打ち麺」や「チャーシュー」同様に、この「白身」もまた、口に吸い付くような「しっくり・・・」とする食感で、白身の味が複雑で猛烈に深いのだ。
噛めば、歯応えが「プルゥゥゥン」として非常にパワフル、細かく砕けてからも「ホクホク」として普段食べている玉子の白身とは食感が全く違う。スープが馴染んだのかちょっとした塩味が効いていて、卵の甘味を際立たせていた。

ところで実は私は、長らく「卵の鮮度=美味しさ」と思い、同じ品質の卵なら、新鮮なら新鮮なほど美味しいと思って来たが、実際は微妙に違うらしい。
実際、「産み立て」の卵を割ってみると、白身がドンヨリと「白く濁っている」ことがある。知らないと傷んでいるのかと誤解してしまうが、さにあらず。実は、産み立ての卵には「炭酸ガス」が多く含まれていてそのせいで白く濁る事があり、それが日にちが経つにつれてガスが抜けて透明になるのだ。そして、新鮮すぎる卵で茹で玉子を作ると、この炭酸ガスのせいで白身がパサパサになってしまい、あまり美味しくないらしい。

つまり、卵が新しすぎても「プリンプリン」としたパワフルな弾性のある茹で玉子にならないケースがある訳なのだ。逆に、産んでからあまりにも日にちの経ってしまった古い玉子も、割ってみると白身が「デロー・・・」として、フライパンの上を水のように「タラー・・・」ととめどなく平たく流れて広がってしまい、これまた加熱してもプリプリせず、パサパサするだけで、味も弾力もない粗末な食感になってしまう。

そう言う意味では、今回のこの卵・・・・超優良な卵であるだけでなく、間違いなく「ベストタイミング」を見切って調理されたものである事は間違いないだろう。
うーん・・・・なんとも素晴らしい事だ。


(麺は完食。スープは割8飲んだ。)




↓続きあり






〜共栄ラーメン その3〜



一番人気「チャーシューメン」が大きく張り出されていました。
お土産ラーメンやお土産餃子等もあります。
麺は「やや硬め」に茹でている事や、スープの濃さについての案内も・・・










同上日 ミソラーメン 650円
(この写真はクリックで拡大します)



まさか・・・よもや・・・私の最も苦手な「味噌ラーメン」で、
これほど素晴らしい「味覚感銘」を授かるとは・・・・。
ただただ・・・・「感無量」です。

一見、なんの変哲もない味噌ラーメン。
しかして、一口食べれば、
比類なきハートウォーミングな温かな血の通った味わいに、
「打鐘」の如く、激しく「心を打たれる」。

今後、「この路線」を極めることで・・・
「我が人生最良の一杯」が近い事を・・・予感させてくれます。









「多加水手打ち麺」と超絶の好相性を見せる、ちょっとニンニクを効かせた「味噌スープ」。
小麦粉と味噌とダシが絶妙に「溶け合う」事で、それぞれの美味しさが「相乗」し、
その「シームレスな融合」により、さらに「遥か上の世界」の美味が降臨。






「味噌」と合わさる事で、まるで・・・上手になめした高級「ヤンピー」(羊革)のような風合いに。
吸い付くように柔らかな「しっくり・・・」感と、無類の「フレキシビリティ」に心酔。

多加水系の手打ち麺と組合せる事で、味噌スープの重さやトゲトゲしさがなくなり、
「味が柔らかくなる」「軽くまろやかになる」事実を再確信。






すすれば、すするほど・・・どんどん深みにはまり、
すっかりこの「手打ち麺」の強い虜になっている自分に気付く・・・。

ついに・・・・私の深層心理に眠っていた
「麺の嗜好」を完璧に具象化した麺と出会えました。
。゚(゚´Д`゚)゚。




同上日 ミソラーメン 650円 

続けて、普段は滅多に食べない「味噌ラーメン」を食べてみた。
多加水の手打ち麺は胃にもたれず消化が非常に良い。しかもこちらの麺は極めて低カンスイで胃に優しいので、その気になれば「杯数」をかせげるのも魅力だ。

実は、こちらの手打ち麺の美味しさを「チャンス」とばかりに、以前から「疑問」に思っていた事を確認してみたくなったのだ。
その「疑問」とは、「手打ち麺」と「味噌スープ」の不思議な相性の良さである。実は、様々なラーメンスープの中で、私は「味噌ラーメン」があまり得意ではない。
一般に「味噌スープ」と言うと、閉塞感のあるコテコテの濃い味で、とにかくクドい味、やたらとしつこい味によく当たってしまう。そのため、もともと「薄味」好きの私は、大抵のミソラーメンは、二口も食べると「もう結構」と言う感想になってしまう事が少なくないのだ。
あっさりとした「白味噌」中心ならまだ良いのだが、特にコッテリとした「赤味噌」中心のスープはどうしても苦手に感じられてしまう。さらに味噌に内包されている大量の塩分が舌や体に対して強過ぎると感じる事が多く、そうなると後味も優れない。だから、よほどの看板メニューでもない限り、「味噌らーめん」は滅多に食べる事もなく過ごしてしまっている。

しかし、超多加水の「手打ち麺」と組み合わせると、この味の濃い「味噌スープ」がほど良く溶き延ばされる作用があるようで、なぜか「手打ち麺」との組合せでは、意外なほど「奏功」する事がある。
最初にこの事実に気付いたのは、半年ほど前に、「手打ラーメンのメッカ」の一つである福島県白河市へ行った時である。白河市の「田中屋」や「雅」で頂いた味噌ラーメンは、いずれも多加水の手打ち麺と組合せられる事で、かなり高いレベルで「美味しい」と感激したのだ。
その相性のマジックの仕組みを・・・・ぜひこちらの絶品手打ち麺で確認したくなった訳だ。

登場したミソラーメン・・・・まずは、最初にスープだけを飲んでみると・・・・・旨味が「ビシィッ」と、軽い鞭(むち)のように舌に炸裂した。
最初は化学調味料のキツサかと思ったが、どうやら味噌の本来の旨味に加え、ニンニクを加えた事による旨味の強さのようだ。醤油や塩ではほとんど感じなかったが・・・・おそらく、味噌スープのみ、ニンニクを使っていると思われる。
ニンニクの旨味は強烈なのだが、いかんせん「匂い」も強烈だ。そのため、あっさり系の塩や醤油のスープに使うと、たちまちすべてを侵食してしまう。しかし、ひとかたならぬ強い香りを持つ味噌スープの場合、ニンニクの香りさえ容易に取り入れてしまう度量の太さがあるので、味噌とニンニクの相性は良いと思う。

そして、麺を食べ始めると、「手打ち麺」と「味噌スープ」は抜群に相性が良いと言う「考え」は・・・・たちまち「確信」へと変わった。
普通、味噌スープと言うと、「ダシの機微」のすべてを「ベッタリ」と黒く塗りつぶしてしまったかのような・・・・コテコテの味の濃さ、舌にとっての閉塞感、無遠慮さや野暮ったさを感じる事が多いのだが、こちらのスープは、さほど味噌ダレの量が多くないようで、味噌、ダシ、ニンニクの「トリプル」の旨味がバランス良く存在し、スパイラル状にからみ合って、ジンワリと、しかし、確実に舌を満足させる柔らかくも豊かな「旨味」となって存在している。

しかし、それでもやはり多少は、味噌ならではの特有の「クドさ」はある。
それが、この「滑らかでフレッシュ」「瑞々しい潤い感」を持つ多加水手打ち麺と一緒になると、口中で味の濃さが絶妙に溶き延ばされ、味噌の味が前に出過ぎず、「円く」、「柔らかく」、「優しく」、ほんのりうっすらと「甘味」のある味へと変化するのだ。舌を刺すような・・・・味噌特有のしょっぱさが消え、「甘味」や「まろみ」が感じられ、舌に、体に・・・・柔らかく溶け込むような・・・・極めて優しい味になる。
まるで、濃すぎた「ブラックコーヒー」に、まろやかなホットミルクを半分ほど足したら・・・・ちょうど良い濃さの美味しい「カフェ・オ・レ」が誕生したような印象である。

そうして、実に不思議な事に・・・・味噌で食べると、「麺」もさらに一層美味しく感じられる・・・・のには驚いた。
今回頂いた三種類のスープの中では、この味噌スープが「最も」手打ち麺との相性が良く感じたのだ。

どうやら、多加水の手打ち麺が「口中で蕩(とろ)ける」のと歩調を合わせて、スープの味噌の旨味が左右から絶妙に混じり込んで来て・・・・その「融合」地点において、全く新しい美味しさが誕生しているようだ。
つまり、麺の「小麦粉の風味」と、味噌の「醸造風味」が渾然一体となって、口中でトロけて「二色の美味しさ」がシームレスに「溶け合う」事で、二つの美味しさが相乗し、さらに上の新しい「第三の美味」が誕生しているイメージだ。手打ち特有の多加水であることに加え、手揉みにより縮れが付けられて表面積が拡大しているのも関係していると思う。
さらに一本の中で、太さや厚みがめくるめく変化し、食感も変化する・・・表面の絶妙な「おうとつ感」が醸す変幻自在さや、すする際に絶妙に「コンッ、コン」と歯をノックする太い部分と、蕩けるように「モチモチ」と歯を包み込む細い部分とが、交互に現れ・・・・重くなりがちな味噌スープに「明るいリズム」「弾む躍動感」を与えている。これもまた「手打ち&手揉み」麺ならではのメリットに他ならない。

一般に、世の味噌ラーメンの多くは・・・・低加水の機械製麺を、さらに長時間「熟成」させて水分を抜いてから使う事が多い。
そのような低加水の熟成麺は、弾力が増して歯応えが「シコシコ」する感じになり、それはそれで美味しいのだが、このように「麺が蕩ける」感じが絶無なため・・・・口の中でいつまでも麺とスープが分離したままである。そのため、麺とスープの「二つの美味が溶け合う」・・・・「マリアージュ」による「第三の美味」が出現する事がないのだろう。それゆえ、味噌スープが舌の上でずっと「濃いまま」なのだと思う。
まさか、「打ち立て」「多加水」「手揉み」の手打ち麺に、このような隠れた効用があったとは・・・・想像以上に「美味しい思い」が出来た上に、長らく疑問に思っていた事も「確信」へと変わって、感激もひとしおである。

そしてさらに、麺を食べ進んで、スープが撹拌されると、ニラの芳香、モヤシのシャキシャキ感、野菜の旨味やコーンの甘味、ゴマの香ばしさ等が加わり、さらに全体の美味しさがより一層「渾然一体」となって際立って来る。
多めに乗せられたワカメの磯の風味も、味噌の太い風味に押さえ込まれて同化し、むしろ味噌の濃さを洗い流すようなサッパリ感のメリットを生んでいる。また、味噌には体を温める強い作用があるので、寒さ厳しい冬の一日、食べ進むに連れ体が「ホカホカ」「ほんわか」として来るのも「幸福感」を招来する。
いよいよ味噌ラーメンの美味しさ、ここに「極まれり」と言う感想だ。

過去、「苦手意識」を克服すべく、本場札幌まで出かけたりしてずっと探していた、私でも美味しいと思える「味噌ラーメン」が、まさか、こんなに普通の顔をして・・・・しかも、醤油ラーメンが主流の「佐野エリア」に存在していたとは・・・・夢にも思わなかった。「青天の霹靂(へきれき)」とはこの事だろう。
今まで、スパイシーなエスニック調の味噌ラーメンや、背脂の濃厚なコッテリ味噌ラーメンなど、いろいろ体験して来たが、それらが「外側から押し付ける強引な味」とすれば・・・・・こちらは多加水の「手打ち麺」を味方に付ける事で、比類なきハートウォーミングな、あたたかな血の通った味わいに感じられ、「内側から体がとろけるような優しい味」を紡ぎ出していると思う。
食べていて、「北風と太陽」の童話を思い出した。寒さに震える旅人のコートを脱がせたのは、強烈なインパクトの「北風」ではなく、ほのぼのとする「太陽」の暖かな陽だまりであった訳だ・・・・。


さて、最後に食べ終えての感想を・・・・・。

こちらのラーメンは「スープ」も「具」も美味しく、とても好感が持てるが、やはり・・・・それらの印象を霞ませてしまうほどに、「手打ち麺の美味しさ」が際立って印象に残った。
三杯とも、麺の美味しさによる「エクストラボーナス」が、全体のポイントをさらに大きく押し上げているのは間違いない。

実は、この「ヌクッ、ヌク、ヌク・・・」と歯が食い込むフレックス感、口に吸い付くような「しっくり」と来る吸着感を持つタイプの手打ち麺は、以前にも一度だけ出逢った事がある。
一年半ほど前に食べた、福島県白河市の「火風鼎」(かふうてい)の手打ち麺・・・・である。しかし、私の経験値不足だったのか「火風鼎」ではまだその重要性に十分気付かず、さらに「味噌スープ」では食べなかったため、味噌との「マリアージュ」の相乗効果にまでは至らなかったようだ。

ネットで調べてみたところ、「火風鼎」の手打ち麺も、やはり熟成させず、その日に手打ちした新鮮な麺をすぐに出していると言う記事があった。
どうやら、私の好みの手打ち麺とは・・・・瑞々しい「超多加水」である事に加え、一切熟成させずに使うフレッシュな「打ち立て」である事が大きな「キーポイント」になっているようだ。この辺に両店に共通する「美味しさの秘密」がある気がして来る。
また、両店とも、上品な白っぽい上質小麦粉を使っていることや、製麺に「卵白」もしくは「卵」を加えている事も深く関係していると思う。実は「手打ち麺」のお店は小麦粉と水とカンスイと塩だけで打っていて、製麺に「卵白」や「卵」を使わないお店が多いのだ。

ちなみに、麺は「熟成」(低温庫での寝かし)が進むにつれ、どっしりとした重さや、じっとりとした落ち着きや安定感が出て、シコシコとする歯応えと、熟成した複雑な風味の良さが出て来るが、同時にやや硬直したような口当たりも出て来る。
これは時間の経過とともに麺の中の空気(気泡)が抜けて、密度や重みが増すとともに、邪魔者(空気)がなくなればその分グルテン同士の結合面積が増えるため、よりグルテンの結束が強くなり、「アシ」と「コシ」が増すためだ。また、水と小麦粉の馴染みが進むためか、麺にプラスチッキーな透明感が増して来る。いずれが好きかは、食べ手の好み次第と言うことになるだろう。
しかし、どうも私は、あまり空気が抜けず、ちょうどふんわりと微細な空気の粒子を含んだ特濃ホイップクリームのような・・・・空気が含まれている事による「軽やかさ」「滑らかさ」「まろやかさ」に麺の美味しさを感じる人間のようだ。

ただ、少々気になったのは、こちらのお店の壁に、「当店の麺は・・・・やや硬めに茹でております・・・・」と言う注意書きが貼られていた事だ。
私は麺の茹で加減について、何も希望はしなかったのだが・・・・食べた限りでは、三杯とも「やや硬め」とは感じられず、むしろ私好みのソフトな口当たりに感じられ、その点もプラスに作用してポイントが大きくアップしたと思える。

製麺は、シーズン、気温、湿度はもちろん、ひいては小麦粉の一袋毎の含有水分量の差や水の硬度の変化にまで影響されると言うから・・・・そう言う意味では、今回の手打ち麺が、たまたま製麺のブレでいつもより多少「ソフト」な出来具合になっていたのか、それとも年間を通して、常に「今日の味」なのかどうか・・・・は判らない。
できれば、ぜひとも今日の、私にとってストライクゾーンど真ん中の「絶品コンディション」が、こちらのお店の「日常」であって欲しいと心から強く思うのだが・・・・。


今回、こちらのお店を訪問した事で、二つ大きな収穫があった。
一つは、「手打ち麺」と「味噌スープ」の素晴らしき相性の良さについてである。味噌ラーメンに多加水手打ち麺が組合わさる事で、私にとって味噌の「ネガティブ」と考えていた部分が見事に改善されることに「確信」を持てた事。

そしてもう一つは、今回のこちらのラーメンを頂いて、少なくとも「麺」に関しては・・・・私の自身の「好み」を完璧に把握できた事である。
ラーメン食べ歩きを続けながらも、自分自身、果たしてどういう「麺」が自分の「一番の好みのタイプ」なのか・・・・モヤモヤとして良くは判っていない部分があった。
人間の思考とは、意識できる部分(表層意識)は僅かに1割程度で、意識できない部分(潜在意識)が9割ほどを占めているそうだ。

しかし、今回、こと「麺」に関しては、最高の「羅針盤」、明瞭な「道しるべ」を示してもらえたようだ。
お陰さまで、自分の深層心理下にあった根本的な「麺の嗜好」を完璧に自覚できたと思う。

今後、このタイプ&このレベルの「手打ち麺」を提供してくれるお店を辿る事で、いつしか「我が人生最良の一杯」が近い事を・・・・予感させてくれる。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)




↓続きあり






〜共栄ラーメン その4〜



JR両毛線の岩舟駅です。
共栄ラーメンは、ここから南へ約2km弱。






岩舟駅から国道50号へ出て「東」へ少し進むと・・・・
「手打共栄ラーメン」の黄色い看板を発見。
続いて、お店の屋根も見えて来ます。






広大なる駐車場。
運動会が開けそうですな・・・・。






ふむふむ・・・・なるほど・・・・
「中国伝来、捍麺(青竹打ち)製麺法だからうまい!!」
と看板に大きく書かれています。






招き猫には小銭の「お賽銭?」が・・・・。
今回はアウトドアライフを堪能すべく、この「テント」内で食べてみました。










2007年6月上旬 共ちゃんラーメン 700円
(この写真はクリックで拡大します)



店名を冠した「共ちゃんラーメン」です。

うーん・・・・「スープ」の出来にブレがあるように・・・・
やはり、「麺」にもブレがあるのですね・・・・。

寒くて乾燥する「冬」と、暑くて湿度の多い「夏」・・・・
この「気温」と「湿度」の組合せ次第で
大きく麺の出来栄えが変わるとは言いますが・・・・。

そうなると、日本列島は「フォーシーズン」・・・・
まさに、美味しさとの出会いは
「一期一会」・・・・と言う事ですなあ・・・・。









まるで「キャンプ場で作る料理」の自然な美味しさを髣髴とさせる・・・・
飾り気のない素材感が生きるネイチャーメイドなスープ。
本当に「ゆったりした」「くつろいだ」カントリー調の牧歌的テイスト。






前回とは「別な店?」とも思える程の手打ち麺の食味に・・・・少々とまどう。
箸で持ち上げると縮れが「ゴワッ・・・」とする固茹での手応え。
すすれば縮れた麺の「節ぶし」が、絡み合って歯にゴツゴツと当たり、
噛めば軽く「芯」が残っている状態。






個人的には前回の「ヌクッ、ヌク、ヌク・・・」と歯が食い込むソフトフレックス感、
「し・っ・く・り」と口に吸い付く吸着感のある麺・・・・が懐かしい。
ただ、この位に「噛み応え」優先の方が一般ウケはするのかも・・・・。




2007年6月上旬 共ちゃんラーメン 700円

この日は二名で栃木県ラーメンツアーを敢行。
そのツアーの一軒目で、いきなり「真打」となる「共栄ラーメン」を訪問してみた。何しろ、5ヶ月前のあの感動が忘れられず、以来、次回はいつ訪問するか・・・・そして何を食べるか・・・・ばかりが頭にあったのだ。
昼の11時半頃に到着すると、既に店内には3割ほどの客の入り。カウンターにも小上がりにも空席はあったが、面白そうだったので外の青いテント席で食べた。このテント席・・・・空調がないので冬は寒そうだし、夏はかなり暑いだろうが、今の六月くらいだと気候的にはちょうど良く、ちょっとしたアウトドア気分を楽しめる。
何を注文するか迷ったが、結局、メニュートップに位置するとともに「オススメ」マークが付き、かつ、店名を冠した「共ちゃんラーメン」をオーダーした。

登場したラーメンは・・・・醤油ラーメンをベースとして、具を増量したタイプの一杯であった。
スープを飲んでみると・・・・一口目は、表面に浮く油が多めに口に入ると言う事もあるかと思うが、前回同様、焼き鳥の「皮の串」からしたたる焦げた油を連想させられる風味が舌と鼻をかすめる。焼き鳥屋さんの換気扇から出て来るあの煤煙の匂い・・・・である。
そして、スープのボディは本物の肉の旨味がどっしりと溶け込んでいて、あっさりでもなく、こってりでもなく・・・・言うなれば「こっくり」とした実にコクのある美味しさ。

素材は「とんこつ、鶏ガラ、チャーシューの肉汁等」と言うことらしいのだが、攻撃的でなく、あくせくせず、見栄がなく、猥雑さがなく・・・・本当に「ゆったりした」「くつろいだ」カントリー調の牧歌的味わいと言う感じで・・・・良い意味で、「あまり飾らない味」「すっぴんの味」「化粧っ気のない味」・・・・と言う魅力があるスープなのだ。「魚介」や「昆布」や「キノコ」等が使われているような複雑さはなく、やや単調だが、それでいてスープに「パンチ」も「力」も十分以上にある。
何より、このスープの背後には「素朴な肉屋さん」の姿が見えるだけで、「大手調味料メーカー」や「コンサルタント会社」の影が見えることはないのがイイ。

このスープの持つ「美味しさ」のベクトル・・・・前回食べた時も、何かのイメージに良く似ているなと思っていたのだが、今回、ピンッと思い当たったのが・・・・「キャンプ場で作る料理の美味しさ」・・・・である。
特に、肉の塊りにシンプルなタレだけを塗って、直火でコンガリと焼いた・・・・ジュウジュウと肉汁がしたたるバーベキューの串をかぶりつく醍醐味・・・・単に肉を焼いただけなのに文句の付けようがない王道の美味しさ・・・・あのシンプル&骨太な美味しさを連想するのだ。
スープから、直火で焼かれたバーベキュー鶏の油の芳ばしい匂いが漂い、しかも今回、まさに「屋外テント」の中で、外の空気を吸いながら食べたせいもあって、余計にアウトドアでの「バーベキュー料理」のイメージを感じたようだ。
野外ゆえ、あまり手の込んだ複雑な料理は作れないが、キャンプ場で食べるワイルドで豪快な手作りの「キャンプ料理」には、ヘタな厨房で小賢しくちまちま作られた料理より、遥かに美味しく感じる不思議な美味しさの「マジック」が隠れている事は誰しもが認めるところだろう。

こう言う心の和む、手作り感の豊かな、純朴なカントリー調のテイストは、都内ではほとんど出会わない。
以前は、「東京に無いラーメンは無い」と思っていた時期もあったが、今ではそれが明らかな間違いであった事に気付いている。

さて、スープは前回とほぼ同一の出来栄えであったが、しかし、一方の麺は・・・・正直、前回とは「別な店?」とも思えるような出来栄えに・・・・少々とまどってしまった。
前回に比較すると、麺の縮れが激しく、そのためかなり絡み合っている。食べてみると、かなり固茹でで、「コッコッコッ・・・」と縮れのカドが口に当たり、特に、縮れた麺の「節ぶし」の部分が、絡み合って、歯にゴツゴツと当たる感じがある。噛めば軽く「芯」が残っている状態だ。これなら店内に貼ってある「当店の麺は・・・・やや硬めに茹でております・・・・」の注意文言も頷ける。写真で比べて見ても、今回の麺は縮れが「ゴワッ・・・」とした感じを受ける。

何と言うか、これなら「他店」の手打ち麺とさほど変わらない口当たりと歯応えと言う印象であり・・・・果たして、この日の麺は店主氏が打ったのかどうか判らないが、前回とはまるで別人が打ったようなイメージだ。
前回の「ヌクッ、ヌク、ヌク・・・」と歯が食い込むソフトフレックス感、口に吸い付く「し・っ・く・り」とした吸着感は・・・・果たして、一体どこへ行ってしまったのだろうか・・・・。

食べていて後半になると、節々にゴツゴツ感のあった麺も・・・・さすがにやや柔らかく、緩くなっては来た。しかし、そうなると逆に、縮れていて太さが不均一なため、太い部分はまだ硬いのだが、細い部分はユルユルするほど柔らかくなってしまう。特に、麺の「節ぶし」が茹で不足の硬い「ダマ」のような野暮ったい食感に感じられ、その部分だけ小麦粉を練り固めた「すいとん」を連想してしまう。
ただ、昨今のラーメンシーンを見ていると、この位に硬めの仕上がりで、あくまで「噛み応え」優先の麺の方が一般ウケはするのかも・・・・とは思う。

具については・・・・チャーシューは一口目、焼き鳥の焦げた油の味がした。おそらくスープの表面に浮いていた油を吸ったものと思われる。
トロリととろける食感は相変わらずだが、前回に比較すると、やや煮込み過ぎたのか肉の旨味が割と抜け気味だった。その分、味付けを濃くしたのか、ややしょっぱさが目立って感じられた。逆に、メンマは極めて薄味だった。

また、とても楽しみにしていた玉子は、前回の塩ラーメンの時は味付けなしだったが、今回は醤油スープ用なのか、醤油ダレに漬け込まれていたようで、そのタレの味が濃すぎて、玉子の白身の無垢な美味しさをスポイルしていたように感じられた。さらにタッパーの中でギュウッと押されながら漬け込んでいたようで、形がゆがんでいて、白身にプリプリとしたフレッシュな食感がなくなり、口解けも良くなかった。
ただむしろ、調理のせいと言うより、おそらくは今回の卵は・・・・たぶん「産み立て鮮度」が前回のものほど新鮮ではなかったようなイメージであった。

ちなみに、同行者の注文した「ネギ辛ラーメン」を、途中で少し食べさせてもらった。
中央に乗せられた団子状の辛味噌をスープへ溶かすと、ちょうど「キムチラーメン」のような辛味と匂いの味になる。ネギの強い芳香と、はっきりとした強烈な味のパンチが加わって、ガテン系の客層等にウケそうなイメージの仕上がりだった。
ただ、辛味噌は冷蔵庫に入っていたのか、割と冷たい状態だったようで、溶かすとスープ自体の温度がやや低下してしまったようだ。

食べ終えてみると・・・・・後口には焼き鶏の油が残り、意外に油っこさが腹に来る感じもある。
そして結局、今回の「手打ち麺」からは、残念ながら、前回のような低反発マットレスのように「ヌクッ、ヌク、ヌク・・・」として、「シ・ッ・ク・リ」・・・と歯に吸い付く魔法のような食感は一度も感じられなかった。
やはり、ラーメンは天然素材を使った手作りのスープにブレがあるように、「麺にもブレがある」のだろう。特に「手打ち」の場合は・・・・すべて手作業ともなれば、ブレ幅も大きくなりがちのようだ。

こうなると、どこかしらラフと言うか、大らかと言うか、アバウトなイメージを受けてしまう気もするが、「手打ち麺」と言うことで・・・・「手打ちうどん」で良く言われる「土三寒六常五杯」と言う口伝を思い出し、どうも前回とは「季節の違い」・・・・の影響もあるような気もして来た。
前回は空気が冷たく乾燥していた真冬の「一月」・・・・今回は空気が生暖かく湿った梅雨時の「六月」である。麺打ちにおいては、空気が冷たくて乾燥している時は麺が硬く締まりやすいので加水を多くし、逆に湿気の高い暑い日は麺がダレやすいため加水を少なくして打つらしいので、今回は前回よりもだいぶ「低」加水の麺と言う事になる。

だがしかし、もしそう考えると・・・・今まで食べて来た、数十軒に及ぶ「手打ちラーメン」のお店も・・・・季節や天候によって、すべて「加水率」が変わり、麺の「食味」が大きく変わる可能性があることになる。
日本列島は「フォーシーズンズ」・・・・もし、一軒当たり最低でも季節を変えて四回位は食べないと、なかなか本当の姿は見えて来ないと仮定すれば・・・・これはもう大変な苦労になってしまう。

それにしても、前回のような「奇蹟」とも思える絶品の食感は、どの程度の確率で誕生するのだろうか・・・・。
今まで、いずれの手打ちのお店でも、ほとんど経験していない出来栄えであった事を鑑みれば、気温や湿度、小麦粉や水のコンディションなど、かなり種々の条件がきっちり整わないと難しいのかも知れない。
「四季」の寒暖以外にも、さらに「その日の天気」、「素材のバラ付き」、「火力や作り手のブレ」・・・・などの要素が影響する訳で、そう考えると、ますます全く「同じ味」に「再会」できる可能性は極めて少ない事になる。

そう言う意味では、前回、三杯も頂いた事は、「千載一遇のチャンス」を徹底して生かし切り、「天与の幸運」を思う存分に心ゆくまで堪能できたと言えるのだろう。
これからも、もし、自分で「今日の味は最高」と思ったら、腰を据えて、二〜三杯は食べたほうが、のちのち後悔しない事になる。
まさに、美味しさとの出会いは「一期一会」なのだな・・・・と思う。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)




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