ラーメン&つけ麺食べ歩き
嚆矢
(東京都 目黒区)

店名 しなそば 嚆矢(こうし)
住所等 東京都目黒区駒場2-4-5 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2004年9月中旬 支那そば 700円



〜支那そば 嚆矢〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
駒場東大前駅から徒歩2分ほど。






大きな白い提灯と独特なノレンが
出身店「はるばるてい」譲りっぽいですね。






入口のメニュー。
中・高校生の特別サービスもあり。
しなそばを注文しました。






店内はカウンターのみ。
カウンターが低めなので落ち着きますな。










2004年9月中旬 しなそば 700円



ブラウン色系統でまとめられたレトロなルックス。
見た目も、味わいも、まるで「セピア色」の写真のようですね。
それでいて、絶妙に現代人の舌にピントを合わせた味。

「あくまで現代人向け」の「郷愁テイスト」
を目指している印象。







割と固めに茹でられていた中細麺。
口に入れると「ゴワッ」、噛み締めると「ボソッ」という食感。
味もレトロな風味を強調したもの。






まさに「支那そば」テイスト。
脂がほとんど浮いてないですね。






二枚乗っていた焼豚。
味付けは薄め。




2004年9月中旬 しなそば 700円

「はるばるてい」(経堂)で修行された方が、2004年5月に独立して出したお店とのこと。
以前、「はるばるてい」で食べた支那そばは、一つの瑕もなく、非常に円熟した味わいであり、過去と現代の狭間で見事な「着地点」を見出している実に完璧な「支那そば」だなぁ・・・と、感服した記憶がある。
「嚆矢」とは、難しい漢字なので少し意味を調べてみると、つまりは「かぶら矢」のことらしい。昔は開戦の合図として、「ピューーーーー」と鳴るかぶら矢を最初に敵陣に向けて放った事から、今でも物事の「オープニング」を指す意味の言葉として使われているという。

登場した支那そばは、バランス的にちょっとスープが少なく感じたが、それでも見た目は確かに出身店のラーメンと良く似ている。
器の中は深い「茶色」系統で見事に統一され、この渋い色彩的にも、いかにも古き佳き時代のレトロな支那そばを、強く意識しているようなイメージ。

実際、レンゲでスープを飲んでみると、鶏や煮干ベースの典型的な支那そばの味でありながらも、これらの素材が表立って声高らかにグイグイと主張する訳ではなく、あえて謙虚にちょっと後方へ姿を潜めているような、絶妙な「抑制」「謙虚」「儚さ」感のあるスープは、昨今のこれみよがしに素材が目一杯主張する自己PRだらけのラーメンとは別な路線を感じさせ、微妙に「昭和」を感じさせる。
まるで、ちょっとどぎつい原色フルカラー写真に対して、淡く、柔らかな、セピア調の写真を見るかのようなイメージ・・・。
また、醤油ダレも、まるで「ベール一枚」まとったような、強すぎず弱すぎず、絶妙な輪郭の出し方だ。
しかしその一方で、決してレトロなだけの味ではなく、きちんと現代人の「舌」に照準を合わせてあり、旨味自体も決して弱くはなく、化学調味料の補強もあって、しっかり判り易い「味」になっていると思えた。ただ、この辺のさじ加減は、ややちょっと気が急いている印象も受けてしまう。

麺は、「はるばるてい」と同じ製麺所なのかも知れないが、はるばるていのプルプル、ツルツルに比べると、こちらは意識的なのか結構固めに茹でてあり、すすってみるとやや「ゴワッ」として、噛み締めると「ボソッ」とするもので、炭酸カルシウムっぽい食味を感じ、一層、レトロなテイストを強調したものに感じられた。すすってもツルツルとはならず、摩擦係数の高い、敢えてちょっと無骨に振舞っている印象の麺だ。
つまり、そこはかとなく、「洗練されていないレロトな素朴さ」を上手に残しているイメージであり、やはり、全体の味の目指すベクトルは、あくまで、「現代人向け」の「郷愁テイスト」・・・を意図していると感じられた。
チャーシューは、やや薄めに切られたものが2枚で味付けは薄め。メンマは細切りで、あまり存在感を主張しないもの。

どうしても比較してしまうが、「はるばるてい」の味そのものと言うよりも、むしろ「はるばるてい」の味をベースとして、本当の意味で昔ながらの下町の中華料理屋さんが出していた「支那そば」を、こちらのお店なりにトリビュートして出している味なのではないかと思えた。
ちなみに、後半、卓上の「白コショウ」を振りかけてみたところ、これが予想通り非常に相性が良く、まさに水を得た魚の如き、躍動感のあるスープへと昇華した。
麺も俄然、「生き生き」してくるから不思議だ。
この手のラーメンには、やはり「白コショウ」が無類のパートナーと思った。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)












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