ラーメン&つけ麺食べ歩き
こくや
(愛知県 名古屋市)

店名 中華そば こくや(こくや)
住所等 愛知県名古屋市中区正木1-13-1 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2004年11月上旬 中華そば(塩) 700円



〜中華そば こくや〜

(各写真はクリックで拡大します)




名古屋「地下鉄」マップ。
丸い環状線があり、それを
三本の路線が交差するイメージですな。






「東別院駅」を降りました。
上を通るのは名古屋高速「都心環状線」です。






駅を出ると目の前には「名古屋テレビ局」が・・。
お店へは歩道を渡ってまっすぐ歩きます。






歩いていると途中に
駅名にもなっている東別院を発見。
入口に「真宗大谷派名古屋別院」と書かれてます。






到着しました。
道路上に白い看板が出ています。
徒歩12分ほどですな。
東別院駅以外にも、尾頭橋駅や
名古屋球場前駅からも近いです。






有名な「三吉」から独立した方のお店ですぞ。
看板が大きいですな。
縄のれんがいい感じ。






営業時間など。






店内はL型カウンターのみ。
店員さんはとても気合が入った感じです。






メニューです。
塩、醤油、味噌と揃ってますね。
中華そば(塩)をオーダー。










2004年11月上旬 中華そば(塩) 700円



鶏の上品なふくよかさがあるスープは、
まるで「無重力」を思わせる無類の「軽さ」。
あらゆる「調味料」や、あらゆる「味付け」をタブーとし、
本来の「素材」自身の持ち味だけで、
味を構成しようと言う意図を強く感じさせられますな。

中でも爽やかな「ショウガ」風味が
「凛」とした味の名指揮者の様相ですね。








もともと無類の「軽さ」を誇るスープに、
さらにショウガ風味を加えて「サッパリ」感を強調した感じ。
そのせいか後味は素晴らしい尻上りの「キレ」を堪能できます。
浮いている油も極控えめ。






繊細スープから考えると、
麺は柔らかな極細ストレートかと思いきや、
ウェーブのあるプルプルしたハリのある細麺を採用。
すすると口先に無数の振動が起きる感じ。






チャーシューはやや脂身多めの巻きバラ。
厚みがありガッシリした肉質で、
モムモムと良く噛んで食べる感じです。
肉本来の風味を前面に出し、味付けは極めて控えめ。




2004年11月上旬 中華そば(塩) 700円

名古屋の有名店「三吉」から独立されたお二人が営むお店。
「三吉」と同路線の「無添加」系ながらも、さらなるオリジナルな創意工夫をしているらしい。お店の前は広い歩道になっていて、とても判り易い場所にある。
お店の店員さんは3名だったが、とても気合が入っていて、店内は活気に満ちている。メニューは、塩、醤油、味噌とあり、他にもエビ塩や辛塩なども新作として書かれていた。メニュートップの塩をオーダーした。

登場したラーメンは、なかなか彩色が豊かで、浮いている油は極少なめだが、スープは半透明ですりつぶしたゴマのようなものがちょっと浮いている。そして、ゆっくりと爽やかな植物系のスーッとする風味が香り立っていた。オロシ立ての「ショウガ」の風味だ。
一口スープを飲んでみると、 鶏の上品なふくよかさがあるスープは、まるで「無重力」を思わせるような無類の「軽さ」のあるスープだ。
使われている素材類が、その姿を隠して「気配」だけを残しているような、その味の「残像」だけを感じて、「質量」を感じさせないような、非常に「軽さ」のあるスープなのだ。
また、味付け自体が、非常にストイックな感じで、あくまで天然素材の持ち味を生かしたいという作りに感じられる。
何と言うか、いかに人為的な味付けや調味料を極力排除し、いかに「天然素材」の持ち味のみでスープを構成するか・・・そんな「命題」を日夜追究している印象のスープだ。使うことを許されたのは、ほんの「一つまみ」の天然塩のみ・・・・まるでそんな印象だ。 しかし、決して「薄味」と言うのではなく、ともかく「軽い味」なのだ。
こういった見事に軽快な味わいは、まさに「無添加」系だからこそ出せる味だろう。だから「舌」に対する負担が全くなく、実に心から安心して食べられる味わいだ。

しかし、そこまで軽快感のある繊細スープでは、インパクトやコクと言うものがなくなってしまわないかと心配するところではあるが、それをこちらのお店では、ある「自然食材」を使って、見事に解決している。
実際、無化調&無添加系ラーメンでよく言われる「ピントがぼやけた感じ」「締まりのない味」「インパクトのない味」などを払拭しようとすると、明瞭な味の輪郭を描くためには、どうしてもその他の「何か」が必要になる。通常は、「塩」をかなり多めに入れたり、「醤油」を強く濃くしたりして、味の芯と輪郭を出している無化調ラーメンが実に多い。しかし、これでは塩分過多で、逆に化学調味料以上に体に多大な負担がかかってしまい、まさに本末転倒である。

そこで、こちらのお店が選んだ、体に優しく、かつ、自然の食材でもあるのが、先に述べたオロシ立ての「ショウガ」の瑞々しい(みずみずしい)風味なのだと思う。
最初の一口目から最後の一口まで、この植物系の爽やかなスーッとする風味が、非常にきれいな味の稜線を描いており、味に明瞭なピントを出し、スープ全体に良い感じの締まりを加えている。しかも、決して出っ放しではなく、現れては隠れ、隠れては現れるという・・・なかなか見事な味の伴走ぶりだ。
しかも、もともと無類の「軽さ」を誇るあっさりスープに、さらに清涼感満点のショウガ風味を加えているので、後口の「サッパリ」感が一層強調され、後味は素晴らしく心地よい尻上りの「キレ」を堪能できる。
例えるなら、鉛筆はその濃さや太さで、「B」や「HB」や「H」などの種類があるが、普通のラーメンを「HB」とすれば、こちらのラーメンは「3H」位の鉛筆で文字や絵を描くような「キレ」の良さを放っているイメージだ。実に良く研究しているなぁ・・・という印象を受ける。

麺は黄色の強い細麺でウエーブしたもの。すすってみると、プルプルプルプルと、微妙な無数の振動が口先に発生し、小気味良いハリのある麺だ。 こちらの繊細スープから考えると、麺は柔らかな極細ストレートかと思ったが、ちょっと意表を突かれた感じで、これはこれで良く合っていると感じた。
チャーシューは厚めの巻きバラである。たまたまなのかも知れないが、脂身が多めでガッシリした歯応えがあり、決してホロホロとかトローリとかの柔らかい肉質のものではない。 モムモムと良く噛んで食べる感じになる。肉本来の風味を前面に出し、味付けは極めて薄め。
逆に、味玉はしっかりと濃い目の明確な味付けで、この「軽さ」が全体を支配するラーメンの中では、唯一「重力」を感じる存在だ。そういう意味では、この味玉の存在が全体の中で非常に良い味のアクセントになっている。メンマは適度な味付けと柔らかさ。
また、ちょっと意外だったのが「ネギ」であり、これがゴッソリと多めに固まって乗っていた。まるで水にさらしたように辛味がほど良く抜けていて、噛むとジョキジョキとするその軽快な食感がなかなか楽しい。つまり単なる薬味としてというよりも、まるで具の一つとして据えられているように感じられた。

スープが少なくなってくると底の方には「滓」(おり)のようなものが沈んでいる。おそらく、卸したショウガではないだろうか。
こちらのラーメンと同じ味のラーメンには、今まで出会った事がないが、もしも、東京で近い味を探すとしたら・・・・「AFURI」(恵比寿)の塩ラーメンのスープを、3回くらい「濾過」して透明度をグーンと上げ、そこへ卸しショウガを入れた感じ・・・・が近いだろうか。
食べている最中とともに、何より「食べ終わった後」の後味の「爽快なキレ」が実に楽しみなラーメンだ。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)











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