ラーメン&つけ麺食べ歩き
北習大勝軒
(千葉県 船橋市)

店名 北習 大勝軒(きたならたいしょうけん)
住所等 千葉県船橋市習志野台2-2-14 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年7月下旬 もりそば 693円 



〜北習志野 大勝軒〜

(各写真はクリックで拡大します)




JR津田沼駅から徒歩3分ほどの「新津田沼駅」。
ここから新京成線に乗ります。






8分ほどで「北習志野駅」へ到着しました。
東葉高速鉄道線も交差。






実は北習志野駅ホームから見える
「北習大勝軒」。






三角屋根が可愛いですな。
ドアには「禁煙」「禁携帯電話」のマーク。






客席はカウンター席とテーブル席。
奥にTVが点いて、雑誌も数冊置いてあります。






メニューです。
ラーメンは「醤油」と「味噌」があります。






裏のページは「もりそば」の説明。
「ラーメン」か「もりそば」か、迷いに迷った末・・・
「もりそば」をオーダーしました。












2005年7月下旬 もりそば 693円



器の中のすべてから作り手の「気合」「決意」を感じる
素晴らしい美味しさですな。

凄みすら感じる、まさに「劇画タッチ」の一杯。
そして、どこまでも「真っ正直」で「厳格な精神論」を持つような味は・・・
どことなく「古風」「昔気質(むかしかたぎ)」な一面も。









「素材の旨味」が高濃度に溶け込んだつけ汁。
味の「芯」が図太く、何度麺を浸けても全く薄まらず、
味が微塵もブレない「頑強」な体力の持ち主。






玉子をぜいたくに沢山使っている感じの自家製麺。
すする際は、やや「のっそり」として動きが重い感じがあるものの、
豊かな量感と風合いを備え、実にがっつりとした食べ応え。






いざ、麺をつけ汁に浸けて食せば・・・・
フットボール選手の猛タックルのような・・・・怒涛の突進力。
重心が低い姿勢で、パワフル&緻密に真っ直ぐグイグイと押して来る印象。
よそ見をしている感じや浮ついた印象が全くない味。






分厚いモモ肉は「ホクホク」して素晴らしい美味しさ。
モモ肉特有のあっさりとした淡白な旨味がぎっしりと詰まっていて、
その濃厚過ぎないサラリとした旨味が素晴らしい。






うーん・・・分厚いステーキ並のこの厚さ。
これほどの厚みにもかかわらず、繊維の一本一本が見事に「立っていて」、
「ザックリッ・・・・」と噛み切れる見事な歯切れの心地良さ。






スープ割をしてもらったところ。
スープが、ノドの奥へと「真っ直ぐ」に突き抜けるように入って来て、
熱くほとばしり出る旨味に、ちょっとした「凄み」を感じるほど。
ただただ圧倒される・・・・鬼気迫る「迫真の味」です。




2005年7月下旬 もりそば 693円 

東池袋大勝軒で修業した店主さんが開業した人気店。
実は以前から、最も訪問してみたかったお店の一つである。お店は北習志野駅の線路沿いにあり、駅のホームからもよく見える場所にある。「もりそば」か「中華そば」かで、かなり迷ったが、やはり大勝軒ならと言うことで「もりそば」を注文した。

大勝軒系で麺が平皿に乗って出てくるのは珍しい。
箸で持ち上げてみると、結構な重みを感じさせる麺であるとともに、やや「のっそり」として動きが重い感じがある。まずは汁に浸けずに、そのまますすってみると、ツルツルと軽快な感じではなく、意外に表面の摩擦係数が高い口当たりで、やや重みを伴ってモソモソとゆっくり動きながら口に入って来る。
噛むとプリプリ、サクサクなどの軽い感じの歯触りではなく、もっとモムモム、モニュモニュ、とする柔らかながら十分な噛み応えのある食感で、ほんのりとした優しい甘味が付けられている。次々にスルスルと口に入ると言うのではなく、一口ずつに豊かな量感を備えた麺で、実にがっつりとした食べ応えのタイプの美味しい麺だ。

ただ、麺の食味のブレを防ぐためなのか、自家製麺は、打ち立ての麺と一晩寝かせた麺とを混ぜて使っているらしいのだが、この真夏の暑さで仕方ないとは思うが、冷水締めの麺の温度がややぬるめに感じられ、キリリッとした締まりの良さはあまり感じられなかった。冬であれば、グンと引き締まった食感になるかも知れない。

つけ汁は、見た目からしてかなり色が濃く、パンチのある濃厚な味を予感させる。表面に黒コショウが振られ、少量の背脂が浮いていた。
麺を浸け入れてすすってみると・・・・・予想通りの非常に「厚底のコク」を備えた素晴らしい美味しさ。重厚な素材感とパンチに満ちていて、じんわりとした濃いめの醤油ダレがその素材感を見事にまとめ切っている・・・・しっかりと「図太い味」である。
この濃厚で図太い味が、無垢な太麺と組み合わさることで、フットボール選手の猛タックルを口の中いっぱいに受けるような・・・・怒涛の突進力が発生している。
つけ汁としては酸味がほとんど感じられないが、ほんのりとした甘味と辛味が感じられ、濃密なつけ汁が重くなり過ぎないよう配慮されているようだ。辛味は表面的ではなく、汁の中へ溶け込んだような自然な辛味である。

さらにつけ汁の中には、分厚い肉塊のようなチャーシューがゴロゴロと入っていて、その量感に度肝を抜かれた。
モモ肉でこれだけ分厚いと、噛み切るのが大変かと心配したが、驚いたことに、繊維がつぶれてカチカチになったようなミシミシとかギシギシいう硬さが全くなく、繊維の一本一本が見事に「立っていて」、部分的には2センチほどの厚みがあるにもかかわらず、「ザックリッ・・・・」と見事な歯切れの心地良さに、思わず満面の笑みになってしまった。
噛み締めてみると、まるで肩ロース並みに繊維感が心地よく、驚くほどジューシーで柔らかく、何とも「ホクホク」するようなふっくらした繊維感がある。
しかも、モモ肉特有のあっさりとした淡白な旨味がぎっしりと詰まっていて、赤身肉ならではの美味しさをまさに「極めている」印象だ。味付けは醤油で濃いめにされているが、しょっぱい感じは全くなく、醤油と肉の旨味が完全に融合し合った深い美味しさに満ちあふれている。

メンマは大振りで太く切られているにもかかわらず、柔らかくシャクシャクと小刻みにほぐれる歯切れが最高に美味しい。いかにも「竹の子」を煮込んだ料理という印象で、極太の繊維感を感じさせながら、中に空気を含んだような、絶妙に煮崩れたような柔らかさがある。味付けはつけ汁よりも一段濃い目と言う感じでまさに絶妙、ちょっと辛味が付けられていたような気がしたが、つけ汁の一味唐辛子のせいかも知れない。
玉子は濃いつけ汁のせいか、味玉のように色と味が付いていて、白身の食感にややボソッとした感じがあり、何となくオデンの煮玉子風に感じた。この濃厚なつけ汁の口直しと言う意味では、真っ白でプリプリな白身の玉子が合う気がするので、つけ汁に長時間浸りきらないように、早めに麺皿などへ取り出すと良いかもしれない。

麺を食べ終えても、つけ汁がだいぶ残っていたので半分程度を麺皿へ空けてから、スープ割をしてもらうと、煮干などの旨味が良く出たとてもきれいなダシで、一点の曇りや濁り、ゴマカシのない、実に正々堂々とした感じのダシスープである。
近くにレンゲがなく、注いでもらったスープの量があまり多くないと言うこともあって、器を両手で持って、一気に飲み干すと、スープが、ノドの奥へと「真っ直ぐ」に突き抜けるように入って来て、その熱くほとばしり出る旨味には「凄み」を感じてしまうほどだ。何とも・・・「迫真の味」と言えば良いのか、えも言われぬ「迫力」のある味わいである。

食べ終えての感想としては・・・・麺だけでなく、チャーシューやメンマの量が多いこともあってかなりの満腹感だ。ともかく極めて重心が低い姿勢で、パワフル、かつ、緻密に真っ直ぐグイグイと押して来る印象の味であり、よそ見をしている感じや浮ついた印象というものが全くない。
味は濃厚ではあるものの、決してクドくなく、ラードなどがあまり浮いていないので、コッテリという感じではなく、化調感もないこともあって後味もかなり秀逸だ。これで600円代の価格はかなりのバリュープライスであろう。どことなく千葉県版「べんてん」を思わせる意気込みの高さを感じさせられる。

ただ、ここまでされると、食べ手としてはむしろ恐縮してしまうと言うか・・・・ちょっと「神妙」な気持ちになってしまった。
何と言うか、単純に「美味しい」と言うだけではなく、麺にもスープにも具にも・・・・チャラチャラと浮ついた軽薄な感じが全くなく、すべてのパーツから、作り手の「気迫」や「決意」のような・・・・「鬼気迫る」ものを強く感じてしまうのだ。

何となく、人気漫画の「魁!男塾」の登場人物の面々が頭に浮かんで来た。
「押忍!」の精神に支えられた「熱血漢」の彼らの熱いノリ、日本男児の心意気や古典的な男の美学のようなモノを描いた漫画である。
登場するのは、スラリと着飾ったスマートな今どきのお兄ちゃんタイプではなく、ガニマタではあるが鍛え上げられた肉体を昔ながらの「ガクラン」(長ラン)に包み、厳格な精神論の元に、日夜「男を磨き続ける」、やたらと気合の入ったガタイの良い武骨な男達・・・・である。

男なのか、女なのか・・・・あまりその辺を意識させない「中性」的なラーメンやつけ麺が多い中、こちらの「もりそば」は、「つけ汁」、「麺」、「具」、「スープ」という名のバリバリに硬派な男達が、器の中へ自分の身を差し出して、一糸乱れぬ見事な団体行動(チームワーク)を取っているイメージ・・・・がある。
ただ、それゆえ・・・まるで応援団の「演舞」を見ているようで、力と気合が入っている分、どこか重々しく、こちらとしても食べ終わるまで気の抜けない味に感じられる面もある。
「真実一路」と言うか、その驚くほどあまりにも「真っ正直」に作られている味と姿勢に・・・・「今ドキ」の価値観ではない・・・・どことなく「古風」「昔気質(むかしかたぎ)」な一面を感じさせられる気がする。


(麺は完食。スープ割も完飲。)










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