ラーメン&つけ麺食べ歩き
きん
(東京都 豊島区)

店名 らー麺 きん(きん)
住所等 東京都豊島区長崎4-12-7 【地図表示】
禁煙 タバコ可
訪問日 2007年11月下旬 らー麺(大盛) 600円 


〜KIN〜



西武池袋線「東長崎駅」の改札。
ちょうど駅舎の改修工事中だったようで、
完成した新築部分は眩しいほどピカピカでした。






お店に到着しました。
「東長崎駅」の北口から徒歩2分ほど。
この通りは、「長崎十字会」と言う商店街となるようです。






自転車での来客が多いようですな。
多くの「地元の皆さん」から支持されている証なのでしょう。






店内はL型カウンター形式。
色とりどりのドンブリが積み上げられています。






卓上のメニュー。
「らー麺」を「大盛り」で注文しました。










2007年11月下旬 らー麺(大盛) 600円
(この写真はクリックで拡大します)



いや〜、これは美味しいですねェ。
(*゜∀゜)=3

「器の中」のすべてが「活性化」している素晴らしい美味しさ。
貪るように無我夢中で食べてしまいました。

特に「太麺」から昇り立つ小麦粉の「香り」と「旨味」は圧巻。
さらに噛めば噛むほど、「も・っ・ち・り」の極致。
ふくよかな「美白&もち肌」美人系の太麺は他に類例のない美味しさです。

お店の姿勢も、「近隣志向、地場密着、地域貢献」と言えば良いのか、
あくまで「地元の顧客」としっかり二人三脚で歩む感じにも感服。









背脂と焦がしネギの浮く濃濁した豚骨魚介スープ。
豚骨+カツオ+背脂・・・・の分厚い三重奏が濃厚でウマイです。
大量の素材感と高粘度で太麺にしっかりと絡む。






うぅ、う、う・・・・。
こ、この麺、あまりにも美味すぎる・・・・(゚∀゚)

この「香り」、この「旨味」・・・・
絶品の「うどん」と同じで、この麺は「小麦粉が旨い」のですね。
久し振りに「超美味しい太麺」と出会えました。






昨今多い「噛み応えオンリー」の太麺とは大きくレベルが違う、
白く上品な「香り」が素晴らしく、「旨味」が&豊かで鮮やかな絶品太麺。

うーむ、もしこの麺の良きライバルを探すとしたら・・・・
本場の「讃岐うどん」しかないような気が・・・・。




2007年11月下旬 らー麺(大盛) 600円 

2002年12月創業、西武池袋線「東長崎駅」にある人気店。
東長崎駅の駅舎はちょうど大規模改修中で、ホームや線路などの一部を除き既に完成した新築の建物がピカピカと光って眩しく感じられた。駅の北口側を出ると、入り組んだ路地の多い「東長崎」の静かな古い住宅街が広がっている。

歩いて二分ほどでお店に到着すると、店頭には多くの「地元客」が乗って来たと思しき自転車が並んでおり、近隣にお住まいの方達からの人気振りが伺える。
店内はL型カウンター形式だがあまり広くはなく、目の前には色とりどりのドンブリが積み上げられていて調理の様子はあまり良く見えない。メニューには「大盛り無料」と書かれていたので、ラーメンの大盛をオーダーした。「並」は150gで、「大盛」は225gの麺量となるらしい。

登場したラーメン・・・・かなり「濃濁」した背脂の浮くスープが目を引く。最近はあまりこの手の背脂スープとは出会わなくなったような気がする。
お店のHPによれば、「10時間かけて微妙な火加減で炊き上げた豚骨スープに、3種類の魚を使った出汁をブレンド」したスープと言うことのようだ。

一口飲んでみると・・・・思い切り「アツアツ」のスープから、いきなり「ドカンッ・・・」とカツオが舌に乗って来て、「おおーっ、カツオだ」と目が覚める感じ。
スープが熱々なのでそれ自体に「エネルギーの噴出感」があり、さらに高熱で煽られた「カツオ」等の魚風味が立ち昇り、常に伴走して食欲を刺激する。続けて「ネトッ」「トロッ」と強く舌にまとわり絡んで来る豚骨の「濃度&粘度」がかなりスゴイ・・・・。
わずか一口飲んだだけなのに・・・・スープに溶け込んだ高濃度のゼラチン質で、上下の唇が「ビトッ、ビトッ」とくっつく感じになってしまう。しかも「ペトペト」と軽い感じではなく、はるかに重い感じで「ビトッ、ビトッ」と接着感を放つ様子に、相当な豚骨素材の量が使われている事を確信する。スープが絡みにくい太麺の場合でも、この粘性があればしっかりと麺にスープを絡ませる事が出来ると言うことなのだろう。

そこへ表面に浮いた背脂も加わって、スープの口当たりは「ムットリ・・・」「モッタリ・・・」とした厚みと粘りとトロミのある口当たり、さらに背脂が高熱で溶けた「旨味」が加わり、かなりの美味しさ・・・・改めて「背脂乳化ラーメン」の魅力を再認識する。
豚骨は臭みが全くなく、飲み進むにつれ最初に感じた魚介の風味と、次第に渾然一体となって行く。また、その魚介の風味だが、カツオだけだと上品になり過ぎるところだが、上手に煮干風味も混ぜて、高尚過ぎない庶民派の美味しさに仕上げてある。
一方、醤油ダレや塩気は、意外なほどに効かされておらず・・・・「タレ」ではなく、あくまでリッチな「素材感」で満足させてくれる美味しいスープである。

そしていよいよ・・・・何気なく「麺」をすすって、いきなり「度肝」を抜かされた。
すすり上げたその「太麺」は・・・・噛み砕いた途端、私の鼻腔に素晴らしい「香りのトルネード」を巻き起こす。閉じ込められて圧縮されていた小麦粉の風味が、一斉に「パァーッ」と、口中に炸裂し、私の鼻腔を駆け上がる。
麺を噛み砕いた瞬間、思わず心の中で「ウマイー!!」と絶叫していた。小麦粉自体の風味が極めて上品で、良い「香り」や滑らかな「旨味」が手に取るようによく判るのだ。

そして歯応えも・・・・これぞ「も・っ・ち・り」の極致。決して、「モニュモニュ」と歯応えが曖昧だったり、「モチャモチャ」と麺から水が漏れる感覚がない。
柔らかいとか、粘り気があるとか・・・・単にそう言う次元ではなく、「も・っ・ち・り」と真正面から歯を受け止め、「む・っ・ち・り」と歯を包み込むディープな噛み応えに・・・・類例のない「絶頂感」を覚える。
一口食べると、間髪入れずにすぐ次の一口が食べたくなり、またすぐ次の一口、また一口と「エンドレス」「加速度的」に食べたくなる。実際、私も貪るように食べ尽くしてしまった。

これぞ、この食味こそが・・・・「太麺の王道」であると思う。
最近は「歯応え」ばかりで、「味や香りがない」太麺が多い。では、こちらの麺はどうしてこれほど美味しいと感じるのだろうか・・・・と考えると、何より使われている「小麦粉の質」が素晴らしいのだと判る。北海道産の一等小麦粉と強力粉をブレンドした太麺だそうだが、この食味・・・・まさに「むべなるかな」だろう。
絶品の「うどん」と同じで、この麺は「小麦粉が旨い」のである。もし、この麺の良きライバルを探すとしたら・・・・本場の「讃岐うどん」しかないだろう・・・・と思えるほどだ。

輸入小麦にありがちな「しけった」ような匂いがなく、二等粉に多い「茶色」の風味がなく、何より白く上品な「香り」が素晴らしく、「旨味」が&豊かで鮮やかだ。まさに「美白&もち肌」美人系の美味しさであり、むしろ、これだけ美味しい小麦の味がしっかり出せている麺もかなり珍しい。
無理に「縮れ」が付けられていないせいかカンスイも極めて少量に抑えられているようで、カンスイ臭さも絶無である。

製麺に卵を多めに使うとか、何かの新素材を練り込むとか、そう言う工夫もいいかも知れないが、それでは小麦本来の味からどんどん遠ざかってしまう。他の素材で美味しさを補強するのは、その小麦粉が美味しくないからだ。上品で滑らかな「上質小麦粉」であれば、それだけで感動的な美味だし、むしろそれ単独で食べた方がより純粋に美味しさを享受できるのは言を待たない。

そして、この絶品麺を生かすべく「茹で方」も非常に上手なのだろう。思い切り高熱な、良く循環するお湯で一気に茹で上げた感じだ。
そのため、表面が一気に固まり「ツルツルッ」「ツカツカッ」とする光沢&硬質感が出ており、低温で茹でたような軟質感や、使い古して糊化した湯で茹でたような表層のヌルヌル感、循環しない少ない湯で茹でたようなカンスイや打ち粉の閉じ篭り感が・・・・「絶無」なのだ。

小麦の密度が高く、表面は絶妙に硬めの仕上がりだが、麺の芯までしっかりと火が通っている感じで、そのため中心部に入るに従い「むちむち感」が増して行く過程を楽しめる。
これを「外硬内軟」と言う。ご飯でも理想の炊き方はこの「外硬内軟」といわれているが、中華麺でその難しいバランスを見事に実現させている麺は極めて少ないと思う。
少なくとも、私が過去に食べた「太麺」ジャンルの中では、「五指」に入る美味しさの素晴らしき麺である。

チャーシューは1cm弱の厚みがあり、「がっつり」とした量感と噛み応えを残しつつ、同時に「ホッコリ」とした繊維感が素晴らしい美味しさ。食味に豊かな「肉らしさ」「ワイルドさ」があり、ガツガツと噛み砕く感覚が楽しめる。それでいて薄味であり、きちんと脇役としての分を弁えている感じだ。

長ネギは注意深く見てみると・・・・「笹切り」と「白髪切り」の二種類がブレンドされており、「ワラワラ」と賑やかに唇に触り、複雑な歯触りを生んでいる。
そして噛む度に「パリッ、シャクッ」とフレッシュで明るい清涼感を発散させ、この粘度のあるスープにクッキリとした目鼻立ちを与え、非常に良く合っている。食べていて常に「心地良い微風」が口に入って来る感じで、最後まで全く重くならず、閉塞感を感じる事もない。芳ばしい焦がしネギや、緑の風味が濃い万能ネギも「香りの重層感」アップに一役買っている。

メンマには一味唐辛子が振りかけられていたが、本体には割と甘味があり、「コリコリ、パリパリ」と明るいクラック感がある。
そのため、この背脂とゼラチンで「モッタリ」「マッタリ」とした口当たりの柔らかくも粘度のある濃濁スープと、「モッチリ」「ムッチリ」とした太麺の醸すワールドの中においては、白髪ネギとともに、鋭角的な明るい歯触りを放っていて、とても重要なアクセントを担っているようだ。

実際、粘度のある重めのスープとムッチリとした太麺の組合せは「重く」なりがちだが、このネギ類とメンマの存在、そして控えめのタレのお陰で、一切飽きる事もなく、まったく食べ疲れもせず・・・・「麺」も「スープ」もグイグイとラストの一口まで実に美味しく頂けた。
ただ、和風の玉丼タイプのドンブリなので底が平たくなっており、ラスト近くになって短い麺が多くなって来ると、ややつかみ上げ辛くなって来る。

また、食べている際中は膨大な素材からの厚みのある旨味に隠れてしまうのか・・・・化学調味料を意識する事はあまりなかったが、食べ終わってお店を出た後になると、次第に引いてゆく素材感の最後の最後に・・・・多少の化学調味料が舌に残っている事に気付く。ただし、業務用濃縮スープや業務用タレでは絶対に出せないあくまで大量の本物の素材感に満ちているのは前述したとおりだ。

食べ終えてみれば・・・・・とにかく、こちらの「太麺」の美味しさに驚いたが、同時にこちらの太麺を食べると、いかに昨今の多くの「太麺」が・・・・「味」や「香り」を疎かにし、単に「噛み心地」や「歯応え」ばかりに特化&偏重しているかが如実に判ってしまう。
「がっつり」した歯応えを出したいなら輸入の「強力小麦」や「デュラムセモリナ粉」を多めに使えば簡単だ。しかし、輸入小麦を使った麺は「歯応え」だけで、このような気品に満ちたフレッシュな香りやふくよかな旨味を持つ麺は誕生しないと思う。

私は自宅で「パン」を焼く趣味があるのだが、今まで国産、輸入など十数種類の小麦粉を購入してパンを焼いて食べ比べた。その結果の私的感想から言えば、この極めて上品な「香り」と、ふくよかな「旨味」と、滑らかな「舌触り」は・・・・北海道産の国産小麦の特等粉もしくは一等粉にしか出せないと確信している。

とは言え、実際には国産小麦100%だと今度は麺のコシが全く出ないため、この辺りの小麦粉のブレンド・ノウハウこそ製麺所の腕の見せ所になる。お店のHPによればこの絶品太麺の製麺所は「大栄食品」らしい。さすが、「麺屋武蔵」のブレイクなどで名を馳せた実に素晴らしい名製麺所である。
おそらくは・・・・非常に製麺難易度の高い「国産小麦」で、これだけハイレベルな製麺をできる製麺所は、全国を探しても数軒もないことだろう。

また、こちらの麺とスープ・・・・ラーメンとして異様なほどの「好相性」を見せてくれたが、「つけめん」の麺も同じものなのかどうか判らないが、この麺を冷水締めするとどうなるのか・・・・その辺も何とも興味をそそられる。

お店の造りやスタッフの接客の姿勢も、無闇に「気取らず」「飾らず」「構えず」・・・・「近隣志向、地場密着、地域貢献」と言えば良いのか、客と同じ目線の高さでお店を営んでいる雰囲気に満ちているのもいい。
あくまで「地元の顧客」にしっかりと目を向けて、二人三脚で歩んでいる感じが伝わって来て、これぞ「私鉄沿線の小さな商店街」に見事にマッチした「理想的モデル」「あるべき姿」のラーメン店として感じられる。


(麺は完食。スープも完飲。)









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