ラーメン&つけ麺食べ歩き
火風鼎
(福島県 白河市)

店名 白河手打ちラーメン 火風鼎(かふうてい)
住所等 福島県白河市鬼越44-16 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2005年7月上旬 まぼろしの塩 650円 
           ラーメン 550円



〜火風鼎 その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




新白河駅から国道289号を東へ2.5Kmほど。
南湖のちょっと手前になりますね。
右側の青い屋根の建物がお店です。






広い駐車場。
看板に究極のラーメンと書かれています。






コの字型の席配置。
白河では珍しいオープンキッチンです。






落ち着いたウッディな内装の店内。
待ち客用の席も完備。






メニュー。
チャーシューが自慢&人気のようですね。
手打と付かないメニューも全て手打ち麺だそうです。
「まぼろしの塩」と「ラーメン」を頂くことに。






食べ終わった後、すぐ近くの南湖公園へ散策・・・。
松林に囲まれた静かな湖。






ボート乗り場などもあるようですな。
ここは1801年に白河藩主によって作られた
日本最古の公園だとか・・・。
(゚Д゚)











2005年7月上旬 まぼろしの塩 650円



あっさりながらもナチュラルで美しいメロディを奏でるスープ。
器の中は透明感がありながら、素晴らしい素材感にあふれ返っています。

この無垢なる「クリスタル・テイスト」・・・
塩味だからこそ実現できる「ガラス張りの素材感」ですね。

無類の上質感とオリジナリティに満ちあふれた
「美味しさ」極まる一杯です。









見た目はほとんど「お湯」ですのう・・・。
しかぁし、まろみのある塩味が軽く利いた穏やかな動物性ガラスープに、
野菜の旨味、挽き肉のコク、コーンの甘味・・・が加わると、
俄然、驚愕の美味スープへと「大変貌」しますぞ。
まさに、ホップ、ステップ、ジャンプ、の美味しさの三段跳びスープ。






きれいなクリーム色をした手打ち麺。
表面に微細な起伏が無数に付き、非常に複雑な形状。
「ヌクッ、ヌク、ヌク・・・・」と歯がゆっくり食い込んで行く過程が実に心地良く、
歯が麺を「シコシコ」と噛みほぐすような歯応えが独特。




2005年7月上旬 まぼろしの塩 650円 

白河の中でも良く名前の挙がる人気の高いお店。この日も11時の開店と同時に入店したが、後から続々とお客さんが詰め掛けて来る様子に人気のほどが伺える。
「火風鼎」(かふうてい)とは難しい漢字なので、その意味をネットで少し調べてみたところ、占いの「六十四卦」のうちの一つで、「揺るぎない器」を意味するものらしい。お店はちょっとしたテラスのような物が付いて、一見、ロッジ風の造りだ。雑誌なども置いてあり、一人で入っても寛げる雰囲気がある。

スープはレンゲにとってみると判るがほとんど無色透明なもので、僅かに油が浮かされている。
一口飲んでみると・・・ほんのりとした塩味と、わずかな動物系のガラ風味が、「うっすら・・・・」と舌に感じられる程度で、「随分とあっさりしたスープを作るなぁ・・・」と思った。
さらにもう一口・・・・うーん、やはり「あっさり」「軽い」「ライト」な味わい・・・・ピンッと軽く立ったまろみのある塩味以外に、舌に何らの抵抗も発生しない感じで、雑味がないのは見事だが、これほどあっさりしていると、麺を食べさせる力が弱いのではないかと思えた。
しかし数秒後、すぐにそれが大きな勘違いであり、全くの早とちりである事に気付く。

スープのしたたる野菜を一つかみして、パクリと食べてみると・・・・一瞬にしてこのスープ、先ほどまでの数十倍の旨味を炸裂させる恐ろしいほどに美味しいスープへと、味が「大変貌」したのだ・・・。
柔らかなあっさりとした塩味のガラスープに、モヤシやキャベツの旨味と甘味、ニラの香り、挽き肉のコクなどが続々と加わってくると、いったいどこにこれほどの豊かな「旨味」が隠れていたのかと思うほど、俄然、ナチュラルな旨味群のオンパレードが舌の上へと押し寄せて来る。
しかも、最初にスープだけを飲んだ時点で「極薄味」を体験させられた事で、ついつい舌の感度を「MAX」まで上げていた所へ、一気に、この旨味群のオンパレードが押し寄せて来るのだから・・・・これはたまらない。

なるほど、要は塩味と野菜の旨味の相乗効果を楽しむ、「タンメン」のコンセプトなんだ・・・・と理解する。
ほんのりとした塩味が、野菜や挽き肉などの素材の旨味を上手に導き出している感じだが、それらの旨味がともかく「ピュア」なのが印象的であり、雑味や化学調味料感が絶無で、実にどこまでもきれいなメロディを奏でる素晴らしいスープである。
チャーシューとは別に、スープのコクを出すために挽き肉が投入されているのだが、その挽き肉の塊りを噛んだ時など、肉のコクがあふれて、ますます深い美味の世界へ舌が引きずり込まれてしまう・・・。

そして、「さらに」まだまだ伏兵が隠されていた。美味スープを数口堪能した後、何気なくコーンを食べてみれば・・・・それまでの「塩味」に慣れた私の舌に、スウィートコーンのナチュラルな「甘味」が出会うと、「塩」と「甘味」のコントラストが、これまた心憎いほどの最高のサプライズとして、このスープにさらなる新鮮な息吹を吹き込むのだ・・・・。
これは、まさしく・・・・・ホップ(野菜)、ステップ(挽き肉)、ジャンプ(スウィートコーン)、の美味しさの三段跳びスープと表現したくなる。

一方の麺は、手打ちの中太縮れ麺だ。一見して、いかにも玉子が大量に練り込まれたようなきれいなクリーム色なのだが、表面に微細な起伏が無数に付き、非常に複雑な形状をしている。
箸でつかみ上げると、ちょっと手応えの強さがあり、割と硬めのコシに仕上げられているようだ。
すすってみると、これがまた表面の微細な起伏が、唇や舌先にツブツブの粒状感として感じられ、その影響なのか、ツルツルツル〜と軽くすする感じではなく、ズルズルと重い感じでもない。ポポポポッ・・・とするような、何とも不思議なすすり心地である。
噛み締めると、芯はしっかりと残っていながらも、表面付近がモチモチする感じで、噛んで行くと、「ヌクッ、ヌク、ヌク・・・・」と歯が麺にゆっくり食い込んで行く過程が伝わって来る感じがある。そして歯が麺をシコシコと噛みほぐすような感じ・・・・になる。
ちょっとスイトンを細く切ったような食感と言うか、お正月の紅白モチのような歯応えと言うか、田舎などで出されるコシの強い手打ちウドンの食感にも近いかも知れない。玉子の風味とともに、小麦粉の風味がダイレクトにあふれ、人によってはちょっと粉臭いと感じるかも知れないが、なかなか出会えない味わいであり美味しいと思う。

チャーシューはモモ肉を炭火でじっくりと炙ったものを、さらに醤油で煮込んでいるらしく、その炭の香りらしき非常に芳ばしい良い香りが漂っている。
一見するとパサついて見えるが、実は噛み砕くとまさに「肉汁のジュース」がドバッと口中いっぱいにほとばしり出てきて驚かされる。とてもモモ肉とは思えない、驚くべきジューシーさで、抜群に美味しいチャーシューだ。
モモ肉に特有の繊維が密なものであるため、歯切れはモソモソとやや硬めではあるが、上手に薄切りにされているので、歯応えが強すぎると言うことはない。ただ、それでもガッシリとした肉質なので、何度もモグモグよく噛んで食べる感じにはなる。1〜2枚なら丁度良いと思うが、チャーシューメンなどで枚数や量が多くなると、アゴの弱い人はちょっと食べ疲れしてしまうかも知れない。

野菜類は軽く火が通され、特にモヤシのシャキシャキ感、ポキポキ感は絶妙、キャベツもしんなりとシャキシャキのバランスが良いが、芯の部分はちょっと硬すぎて食べられなかった。
メンマはかなり大振りで、ジョグジョグする柔らかめの歯応え、太さの割には食べ易いが味付けはほとんど感じられず、メンマの醗酵臭も弱めで、スープに合わせたかのように薄味で上品な感じ。

それにしても、最初、淡麗だと感じていたスープが、野菜、挽き肉、コーンと「合体」した時の味わいは、まさしく旨味の「スパイラル現象」である。
あっさりとしながらも非常にナチュラルで美しいメロディを奏でる美味しいスープの、雑味がなく、透明感がありながら素晴らしい素材感にあふれ返った「クリスタル・テイスト」は、まさしく、淡い塩味だからこそ実現できる、「ガラス張りの素材感」と言えるだろう。
そしてあれほどの、旨味のオンパレードであったにもかかわらず・・・・食べ終わってみれば、後味がすっきり、あっさりしていて、非常に爽快なのも実に驚嘆に値するラーメンだ。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)




↓続きあり






〜火風鼎 その2〜










同上日 ラーメン 550円



淡く上品なトーンのガラ風味に、「凛」とした醤油のきれいな醸造風味が、
スープ一面に水平に覆いかぶさるように乗っているイメージ。

フレッシュな醤油の風味と、ピィーンとした明るくキレのあるスープで、
あっさり、すっきりと食べさせる路線ですな。

明るくて若々しい、明快で軽快な味わいです。









やや赤みを帯びた醤油の味が強い感じで、キレがあってシャープ。
雑味や化調感が全くない上品な「清湯スープ」ですね。






スープを吸ってほんのり醤油色に・・・。
表面の複雑な形状が独特なすすり心地を生んでいます。
玉子の風味とともに、小麦粉の風味がダイレクトにあふれ、
後味にちょっと粉っぽさが残る感じ。




同上日 ラーメン 550円

続けて醤油ラーメンを食す。こちらのスープも油があまり浮かず、器の底まで見通せそうな透明感があるスープだ。
一口スープを飲んでみると・・・・動物系のガラ風味があっさりとした無垢なトーンで横たわっていて、その上に「凛」とした醤油のきれいな醸造風味が、スープ一面に水平に覆いかぶさるように乗っているイメージの味・・・である。
やや赤みを帯びた醤油の味が強い感じで、キレがあってシャープ、明るくて若々しい、明快で軽快な味わいに感じる。

底の方からジワジワじっくりと醤油のコクがやって来る感じではなく、あまり火入れをしていない感じのフレッシュな醤油の風味であり、ピィーンとした明るくキレのある醤油風味が表面で覆いかぶさるような感じ・・・・と思う。そのためアッサリしながらも、とても判り易い味わいになっている。ただ、その分、人によってはやや醤油臭いと感じてしまうかも知れない気はする。
また、スープ全体に何かの香辛料のような風味が感じられ、ひょっとしたらチャーシューの薫製の香りがスープに移ったものかも知れないが、その風味が醤油と良く馴染んでいて一つ癖がある感じになっており、ちょっとした個性的なテイストを醸している。

チャーシューはやはり驚くほどの「肉汁ジュース」を内包した素晴らしく美味しいもので、特に醤油スープと相性が良いようで、塩のときよりもさらに一層美味しく感じられた。
白髪ネギがまた絶妙にからんで来て風味や歯応えを増幅させている。ワカメは磯の風味がやや余計に感じられた。

スープのダシ素材は豚骨と鶏ガラと言うことらしいのだが、塩ラーメン同様に、見ての通りあくまで一切の濁りのない澄み切った「清湯スープ」なので、動物系のコクや深みでドッシリと食べさせるタイプではなく、濃厚な旨味や奥深さと言うよりも、シャープでキレのあるスープであっさり、すっきりと食べさせる路線だ。
そしてこちらの醤油スープも雑味や化調感が全くなく、大変に味の透明感が高く、クリアで安心感がある味わいに満ちている。若い人からお年寄りまで、誰にでも好かれそうなラーメンだと思う。
ただ、塩ラーメンとは違って、野菜の旨味や挽き肉のコク、コーンの甘味等が加わらない分、やや醤油に頼った感じを受けてしまうと言うか、全体の旨味のトーンがちょっと表層的に感じられてしまい、特に何重にも旨味が行進していたような塩ラーメンを食べた後では、やや旨味が単調にも感じられてしまう部分はあった。
メニューを見ると、醤油ラーメンにも、モヤシやネギ、コーンなどをトッピングしたり増量できるメニューもあるので、醤油味でも、ぜひ一度あの「究極三段跳び」スープを試してみたいところだ。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)










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