ラーメン&つけ麺食べ歩き
角半
(栃木県 佐野市)

店名 中国料理 角半(かどはん)
住所等 栃木県佐野市大和町2692 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2007年6月上旬 自家製手打ち佐野ラーメン 550円  + 餃子 380円




〜中華料理 角半〜



お店に到着しました。
JR佐野駅からは徒歩7〜8分ほどの場所。
駅前メインストリートの「日光例幣使街道」から、
一本入った道路に面しております。






ビルの壁面には「中国料理」の大きく立派な看板。
駐車場はビルの1Fに数台分と、ビルの右手にも結構広い駐車場あり。
赤い幟(のぼり)には「下野国らーめんの郷」と書かれています。






二階フロアには個室が並びます。
壁に並ぶ額は「角半」の歴史絵巻の写真たち。






個室の電気を点けると「中華料理の円卓」が。
「調味料入れ」にも本格派の中国料理店らしさを感じる。






きれいな写真が満載の立派な「メニュー」。
かなり本格的な中国料理のお店であることが判る。
ここは「豆腐」「野菜」の料理ページ。






ここが「麺」「飯」「湯」のページです。
「自家製手打ち佐野ラーメン」をオーダーしました。
あと、手作りの「餃子」も。






「特撰料理」のページです。






こちらは「前菜」のページ。






途中ページを少し飛ばして、ラストの「デザート」ページです。
「ツバメの巣入り杏仁豆腐」・・・・が目を引きますな。






各種の「定食」類のメニューも。










2007年6月上旬 自家製手打ち佐野ラーメン 550円
(この写真はクリックで拡大します)



「手打ラーメン王国」佐野市で100年以上の歴史を誇る
中国料理店の「伝統ある佐野ラーメン」です。

良い意味で、荒削りで力のある骨太のスープと
シコシコ感の強い自家製の手打ち麺は・・・
数多のラーメン専門店をも凌駕する確かな美味しさ。

現代のラーメン達が「進化」と引替えに
失ってしまった多くの「原点的」魅力を教えてくれる一杯。

遠く「大正浪漫」に想いを馳せる・・・甦る「ロスト・テイスト」。
まさしく「王国のルーツ」に邂逅する想い。









「コクがあるのに、後口あっさり」・・・・これぞ、「嘘」のない「本物の中華スープ」。
大量の「本物のガラ」を厨房で炊き込んだ事がありありと判る美味しさ。

ゴテゴテせず、「シンプル」を通り越した「プリミティブ」な魅力に、
むしろ・・・・「新鮮さ」と「驚き」を感じる。






かなり丁寧に「手もみ」された手打ち麺。
しかし、すすると一気に「力強いストレート感」を放つ・・・・佐野では割と珍しいタイプ。
「ナヨナヨした弱さ」が一切ない、実に頼もしい骨太な食感が見事。






非常に「シコシコ感」が豊か・・・これぞ、「カンスイ」を使う「中華麺の証」。
さらに、噛み砕いて行けば次第に心地良く「モチモチ」として、
これまた「多加水麺の証」と出会う。







餃子 380円



本場中国の餃子は、あくまで小麦粉の「皮」が主役。
「厚い皮」は非常にモチモチして、小麦粉の香りがあふれ返り、まさに「絶品」。
「餡」にはあまり野菜は使わず、挽き肉がドッサリ・・・。

その小麦の「厚皮」の美味しさに、
「中華饅頭」や「月餅」(げっぺい)を連想させられる。




2007年6月上旬 自家製手打ち佐野ラーメン 550円  + 餃子 380円

今回の栃木ラーメンツアーも後半に入り、いよいよ黄金の「手打ちラーメンロード」の「中核」に位置し、私のお気に入りでもある「手打麺王国・佐野市」へと足を踏み入れる。
私の「佐野ご当地」へのラーメン初訪問は確か7年ほど前・・・・2000年の頃に遡る。実は・・・・私の「手打ちラーメン」好きも、佐野市のとあるお店の手打ち麺を食べて、今までにない「衝撃」を受けた事がきっかけとなっているのだ。
その衝撃からほどなく、私のラーメン食べ歩きにおいて「手打ラーメンを究める」と言う研究テーマが一つ加わり、以降、「佐野系」の手打ちラーメン店だけでも、佐野市の内外を合わせれば60軒以上のお店へ訪問し、延べで言えば200杯以上の佐野系手打ちラーメンを食べた気がする。

しかし、今まで私が巡っていたのは、主に「マスメディア」に多く登場する手打ちラーメン店をメインに回っていたように思う。そういうお店は、「ご当地」であるとともに、必然的に、どうしても多少は「観光客」を意識したラーメンの味になっている可能性が・・・・なくはない気がする。
その反省から今回、「マスコミにはあまり出ない&地元客で賑わう手打ちラーメン店」をテーマに、佐野市内のお店選びを試みてみた。
つまり、観光客向けではない、限りなく100%「地産地消」に近い佐野ご当地ラーメンである。
果たして、昔ながらの「佐野の地場ラーメン」とは・・・・如何な味なのだろうか・・・・。

と言う訳で・・・・今回、先の「蜂屋」に続いて、「佐野・地元の人気店」シリーズ第二弾はこちらの「角半」である。
大正時代に創業し、既に100年を超える地元では超老舗の中華料理店との事であり、現在の店主氏は既に「五代目」になられるそうだ。私はあまりマスコミで見かけた事はなかったのだが、インターネットで調べると、佐野出身の方や地元の客層に根強い人気を誇っているお店らしい。

訪問してみると、JR佐野駅からは徒歩7〜8分ほどの場所ではあるが、駅前メインストリートの「日光例幣使街道」からは一本入った裏通りに面しており、交通量はグッと少なくなるようだ。そして、「ラーメン」の幟旗は立っているものの、ビルの壁面には「中国料理」の大きく立派な看板が掲げられており、他の「佐野ご当地」ラーメン店が個人経営の小体な平屋の店舗が多いことに比較すれば、三階建ての鉄筋ビルを構えるこちらのお店は「価格帯」や「客層」がやや異なるような印象を受ける。

入店すると、既に一階には結構な数の客がおり、二階に案内された。二階は個室スペースとなっており、壁に昔の店舗や先代と思しきスタッフの写真が飾られてある。さらに三階にはホールもあって、地元の宴会や法事等に使われる事が多いらしい。
二階の個室の席に着き、きれいな写真が満載の立派な「メニュー」を開くと、かなり本格的な中国料理のお店であることが判る。ついつい目移りしてしまうが、本来の目的である「手打ちラーメン」を注文した。加えて、佐野の本格中華料理店の「餃子」にも興味が湧き、「餃子」も注文した。

ちなみに、情報サイト「栃ナビ」掲載の店主氏のインタビューによれば、「佐野ラーメンは戦前の中国人が持ち込んだ手打ち麺がルーツで、その前にはラーメンというものはなかったらしいんです。その2人いた中国人に皆麺打ちを教えてもらって、それでウチでも大正の初め頃からラーメンを出し始めたらしいです。だからウチのラーメンは歴史がありますよ。」・・・・とのことである。
つまり、こちらの手打ちラーメンは・・・・ある意味「元祖佐野ラーメン」の正統を受け継ぐ、非常に貴重なラーメンの一つと言う事になる。

さて、いよいよ登場したラーメンを見て、「おぉ・・・?」と思った。
まず、スープに浮く「油の層」の厚みが、他の佐野ラーメンより、はっきりと「厚い」のである。
実際、一口スープを飲んでみれば・・・・予想に違わず、動物系の「コク」がしっかりあり、旨味の骨格が「がっしり」としていて、味付けは割と「濃い目」ではあるが、非常に美味しい。
動物の骨や肉から直接に煮出したスープに、「タレ」を一振りしただけ・・・のような、極めて自然体で飾らない味だが・・・・これが実に「旨い」のだ。

素材としては、鶏ガラ、豚骨、野菜などが使われているようだが、スープの味に何より「剛性感」があり、全体的に良い意味での「荒っぽさ」や「荒削り感」が感じられ、味や食感を構成する線が「図太い」感じである。おそらくは、他の佐野ラーメン店よりも「ガラ」の使用量がずっと多いのと、その中でもトンコツの比率が多いのだろう。

また、素ダレは、佐野ラーメンのお家芸でもある「醤油と塩味の中間」のタイプで、醤油臭さが一切前面に出ず、かといって塩辛さもない。
むしろ、スープを覆う多めの「油」がかなりの存在感を放っていて、いわゆる佐野ラーメンのイメージである薄口の「ライトボディ」スープと言うのではなく、「ミディアム」クラスの量感を備えている。決して、「化学的でチープな薄っぺらさ」とか、「まるでお湯で割ったようなあっさりさ」等の・・・・「物足りない感じ」とは正反対の、「本物の素材」を煮込んだ感じに満ちた美味しさだ。
タレの量も割と多めに感じられ、繊細系のあっさり薄口スープが好きな人にとっては、やや「キツい味」にも感じられるかも知れないが、素材構成の明快さゆえの透明感のある後口が好印象であり、決して濁らず、決してゴテゴテしないのは・・・・さすが「佐野育ち」と言うところだろう。

一方の「手打ち麺」は・・・・佐野ラーメンの手打ち麺も随分と食べたつもりだが、こちらの麺は他のどこのお店の手打ち麺とも違う美味しさを持っている。
まず、「縮れ」が付いているにも拘らず、すすった際に、一転して「野太いストレート感」を放つ様子が実に見事だ。「ビシッ」と気合が入ったように、がっしりと背筋が伸び、重みを伴いながら「真っ直ぐな棒」のように口中に突き進んで入って来る。
ところが・・・・いったん口中に入ると、再び縮れた麺の形に戻り、方円に従うかのように口中に柔らかく展開する。
まるで手品で使われる「ステッキ」を思い出す。その硬い「ステッキ」をマジシャンが一振りすると、いきなり柔らかなヒラヒラの「リボン」に変身するかのような・・・・「変身」振りなのだ。

そして噛んでみれば、非常に「シコシコ感」が豊かで、ここまで「シコシコ」する麺は多加水の手打ち麺ではかなり珍しい。この噛み応えこそが「カンスイ」を使う中華麺の「証」である。しかし、噛み砕いて行くと次第に心地良く「モチモチ」として来て、これまた多加水の「証」を披露される想いだ。

チャーシューは柔らかで優しい味付け、ペッタリと舌に吸い付く食感にちょっとだけ「ハム」っぽさが感じられる。薄目と言う事もあるが、あまりジューシーなタイプではない。
メンマは薄味な仕上がりで、口に入れると「クニョクニョ」とする舌触りだが、噛むと「ザキザキ」と音が聞こえて麻竹の繊維が感じられる。
また、具として「ワカメ」が乗るが、やや油の効いたスープには、このワカメがなかなか相性が良い。

食べる前は・・・・比較的大きな「中国料理店」と言うことで、他のその他大勢のメニューの中に埋もれた、主張のない大人しい無難なラーメンが登場するのかと思っていたが、「さに非ず」であった。
ラーメンは、痛快なほど「ガラ」の主張がはっきりと出ており、良い意味で「荒さ」が残っており、むき出しの「剛性感」に満ちた味のインパクトがある。少なくともスープ素材に「魚」を使わない事で、このストレートな「剛性感」が出ているのだと思う。

うーん・・・・この感覚を何かに例えるとしたら・・・・服の素材で言えば、しっとりとした高級感のある柔らかな「シルク」や、肌触りの優しい素朴な「コットン」ではなく、ホカホカ暖かな「ウール」でもなく・・・・ズバリ、ザックリとした目の粗いワイルドな「麻」の着心地であろう。もちろん・・・・「ナイロン」や「アクリル」等の安価で安易な「化学繊維」の混入による増量感はない。

そして・・・・何より、「直火」を感じるのだ。ラーメンの調理に「炎」が使われたこと、そのダイレクトな「直火」による調理の「生々しい痕跡」を感じるのである。
これは・・・・つまり、使われている食材の「リアル感」&「加熱感」がそのまま生きて感じられ、一切の「加工感」や「添加物感」や「パック品感」がない事を意味している。

遠く「大正時代」から連綿と作り続けていると言うこちらのお店の「手打ちラーメン」・・・・都内の人気店が考案した新作メニューなどでも、わずか半年〜1年程度の短命に終わるメニューも少なくない中で、100年以上も続く「不動のラーメン」の美味しさは、当然ながら「伊達」ではない。
もちろん、大正時代のレシピがそのまま使われているとは思わないが、ラーメンの「原点」「黎明」を意識させられる、むき出しのダイレクト感、高剛性感、武骨感が感じられ・・・・「シンプル」を通り越した「元祖的プリミティブ」な魅力に、むしろ・・・・「新鮮さ」と「驚き」を感じた。はっきり言えば・・・・現代の進化したはずの「新鋭のラーメン達」が失ってしまった「何か」を、今なおしっかりと持っているように感じさせられるのだ。

おそらくは、佐野の中でも小さなラーメン専門店ではなく、比較的大きな老舗の中国料理の名店と言うことで、伝統の味の継承により一層「真摯」であったのではないだろうか。また、豊富な他メニューの存在が「盾」となり、ラーメンの味をあまりいじらせる事なく、世俗からうまく「ガード」して来たような印象も受ける。
今回、期せずして「原点回帰の美味」、「ルーツとの邂逅」・・・・と言うサプライズに巡り合わせて頂いた気分だ。遠路遥々訪問して、こう言うラーメンに出会うと心から嬉しくなる。

また、「餃子」は、プックリと丸々に太った大振りのいわゆる「佐野の餃子」タイプではなく、横浜中華街などで見かける「中華料理の餃子」である。
食べてみると、まず「皮」が驚くほどに「厚め」である。「餡」は挽き肉がドッサリと入れられており、何とも「手作り感」満点の餃子であるが、どうやら包んで(作って)から多少時間が経っていたようで、中の餡の身が締まって、やや皮と分離している感じになっていた。
そのため、あまりジューシーさはないのだが、むしろ「餃子」と言うよりも豚肉をたっぷり入れた「中華饅頭」のような味わいに感じられる。

ただ、「厚い皮」は非常にモチモチして、小麦粉の香りがあふれ返り、「絶品」に近い美味しさ。さらに焼かれた面はパリッとした食感と芳ばしさが出ていて、ちょうど焼き立ての「おせんべい」のような美味しさだ。
本場中国の餃子は、小麦粉の「皮」が主役で、「餡」は脇役であり、あくまで「美味しい皮を食べる料理」と認識されているらしいが、まさに「そう言う感じ」・・・・である。とにかく、「皮」が素晴らしく美味しいので、どこかしら代表的な中国菓子の「月餅」(げっぺい)を連想させられた。この「餃子」も、他ではなかなか食べられないだろう。

ちなみにこの日は二名で訪問したのだが、同行者は「広東麺」を注文し、せっかくの中国料理店だと言うことで・・・・さらに「チャーハン」も注文していた。
途中で少しもらったところ、「広東麺」は大量の炒め野菜とともに、豚肉の小間切れがものすごく沢山入っていて、とてもボリュームとお得感があるが、いかんせんかなりの「甘口スープ」であった。メニューには「野菜を中国味噌で炒めたカントン麺」と書かれていたが・・・・どうやらこの「中国味噌」と言うのが、「甜麺醤」(テンメンジャン)を使用しているようだ。

日本の味噌は、どちらかと言えば「濃くてしょっぱい」味のイメージだが、「甜」と言う字は「舌」に「甘い」と書くとおり、この「甜麺醤」は甘味があるのだ。しかし、さらにそれ以外に砂糖か何かを足しているような強い甘さである。
いつもこれ程甘いのか、たまたまなのか・・・・は判らないが、あまり「甘味」が強すぎる料理は数口で飽きてしまう事がある。

また、「広東麺」に乗る餡には、片栗粉による「トロミ」があまり加えられておらず、いわゆる「餡」と言うイメージの「モッタリ」「トローリ」と粘る感じがしない。
私にとっては想像していた広東麺とはやや方向性が異なったが、甘いスープが好きな人には支持されそうだ。
ただ、この「カントンメン」も味付けが、かなりはっきりと「濃い目」であった。まあ、日本料理が「いかに素材を生かすか」の薄味志向であるのに比べ、中華料理は「いかに味を付けるか」と言う濃い味志向コンセプトで調理される事が多いので、どうしてもそう言う傾向になり易いのかも知れない。

一方、「炒飯」は・・・・同行者はこの「炒飯」を、滅多に出会えない「完璧な出来栄え」と絶賛していた。
私も少しもらったが、玉子を万遍なくご飯に均一コーティングして見事にパラパラに仕上げる高級中華に多い上品な「黄金炒飯」タイプではなく、ご飯に絶妙に粘り気を残し、口に入れた瞬間、「炒」の芳ばしさがあふれ返る下町風の「焼き飯」のニュアンスを加えたタイプの炒飯であった。

一口食べただけで、大きな鉄鍋と業務用コンロの強大な火力で仕上げた品だと如実に判る、「米」の美味しさが際立つ、実に見事な炒め上がり具合・・・・到底、にわか職人や家庭の素人には作れないレベルの美味である。
また、都内の中華料理店でチャーハンを食べると、驚くほど「化学調味料」だらけで、二、三口しか食べられずに退散を強いられた経験が何度もあるが、こちらの炒飯はそのような事もなく、空腹時なら本当にいくらでも食べられそうな美味しさだ。

食べ終わってみれば、四品いずれも、本格的な「中国料理」の技法に則って、忠実に作られているしっかりとした「プロの料理」だった。
相当にきちんと「修行」を積んだコックさんが、真摯に「お店の伝統」を守っているものと思われる。


(麺は完食。スープは8割飲んだ。)




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