ラーメン&つけ麺食べ歩き
伊藤
(東京都 北区)

店名 中華そば屋 伊藤(いとう)
住所等 東京都北区豊島4-5-3 【地図表示】
禁煙 タバコ可
訪問日 2004年4月中旬 肉そば 650円
2004年6月中旬 かけそば 500円 
2004年11月下旬 肉そば 650円



〜中華そば 伊藤 その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
JR王子駅から徒歩20分位です。
風になびく真っ白なノレンが
「粋」ですなぁ。






店内は極めて清潔でシンプル。
ほぅ、・・・煮干の香りが漂ってます。






メニューは二種類のみ。
自家製麺+調味料無添加。
「肉そば」を注文しました。










2004年4月中旬 肉そば 650円



むう・・・こ、こ、これは・・・。
昆布の旨味が強烈!煮干の旨味が鮮烈!
ほんと #ビリビリ# 来ます。

こんなスープが世の中にあったとは・・・
まるで旨味の「津波警報」発令中!
という印象ですな。




2004年4月中旬 肉そば 650円

秋田県の角館市に本店があり、地元では有名なお店らしい。そこの店主の弟さんが2004年3月に東京でオープンさせたお店とのこと。
店内は6名のカウンターとテーブル1卓のみで、極めてシンプルなインテリア。気取らない造りが地元客向けな雰囲気である。メニューも「かけそば」と「肉そば」の2種類だけ。厨房は壁を隔てているが、それでも店内には煮干の良い香りが漂っていた。

スープは一口目から「バシーンッ!」と煮干の旨味が来る。まるで「煮干」をそのまま食べているような明白な煮干の味。そのむき出しの旨味が舌へビリビリと来る。煮干を素材に使っているお店は多数あるが、ここでは「煮干がすべて」とでも言うかのごとく、その味が無遠慮に前面に押し出されている。穏やかな丸みと甘味のある鶏の風味や、トローリとした昆布の強い旨味もよく出ている。そして、そこへきれいな醤油の芳醇な風味が加わった感じ。
よく見ると、煮干の銀色の微細な体皮が、キラキラとスープに浮いている。どうやら料亭向けの高級な煮干を使っているらしい。同じ煮干のインパクト路線でも、「渡なべ」(高田馬場)のように、良い意味で煮干の渋味を生かした味の濃いヘビーなスープではなく、こちらは結構ライトなスープで、長時間煮込んだというよりも短時間で上手に旨味を抽出した感じの「鮮度感」がある。

麺は自家製という事だが、丸断面の中太麺はプリプリとバキバキの中間のような食感で、「しなやか」というよりは「コシの固さ」を感じさせるものだが、スープとは合っていると思う。チャーシューはやや小さめのモモ肉が4枚で、極力スープの味を邪魔しないようなとても素直な薄めの味付け。

「上手にきれいにまとめよう」というのではなく、良い煮干を手に入れて、とにかくそれを目いっぱいに主張して生かした個性的なラーメンを作ろうという、おおらかな味の構成に思えた。
なお、店内の貼り紙に「調味料無添加」との貼り紙があった。しかし、ナチュラルでありながら一口目から舌にビリビリ来るほどのかなりインパクトのある素晴らしく豊かな旨味がある。おそらく良質な昆布をもの凄い量使っているはず。
それゆえ原価のかかったスープなのか、ちょっと小さめの器でスープの量も少ないのは残念かも知れない。ちなみに150円増しで大盛りもある。


(麺は完食。スープも完飲。)




↓続きあり






〜中華そば屋 伊藤 その2〜

(各写真はクリックで拡大します)




2ヶ月ぶりに再訪。
駅から、かなーり歩くので、ノレンが見えると
ホッとしますな (´Д`)






お店正面。
隣の黄色いヒサシのスペースが
厨房になっています。






ちなみに、歩いて来た道。
まさに、「えんえんと・・・」って感じですのう (´Д`)
どうやらお店は地元商店街の
真っ只中にある感じですな。






シンメトリックな造形。
壁の向こうが厨房です。
あのスープを作っているところが、
全く見えないのは残念 (´ヘ`;)






いつの間にか、メニューが「活字」になりましたな。
「かけそば」の表記も、単なる「そば」へ。










2004年6月中旬 そば 500円



いやー、うまいです!
まるで「煮干のしぼり汁」。
しかも「一番搾り」。
ともかく「フレッシュ!」なんですよ。

「具なし」ですが、
スープの旨味が非常に濃厚なので、
まるでスープが「具」を兼ねている印象。








自家製麺です。
ザクザク食べ進めるおいしい麺。
いい意味で絶妙な「芯」が残っている。






飲み干す直前のスープ。
煮干の体皮がキラキラ浮いてますな。

天然グルタミン酸+天然イノシン酸の
特製栄養ドリンクという感じ。




2004年6月中旬 そば 500円 

やはり、このスープには衝撃を受けてしまう。一言で表現するなら、「煮干のしぼり汁」という印象。しかも、「一番絞り」という感じを受ける。ともかく、フレッシュな旨味なのだ。
ちょっと甘トロミのあるスープの中には、鶏の柔らかな肉の旨味をベースに、昆布の旨味が非常に濃厚に出ている。この昆布の濃厚な旨味が、このラーメンの中で果たしている役目は想像以上に大きいだろう。そして何よりも、フレッシュ果汁100%のジュースを思わせる、まさに煮干のエキス100%の鮮烈な風味が素晴らしい。まるで、良質の煮干を4〜5匹、口にくわえながら、スープを飲み、麺を食べているようなイメージである。
しかも、煮干の苦味や渋味やエグ味などは全く出ておらず、おそらく煮干の頭やハラワタをすべて取り除いて「身」だけを大量に使ったと思われる「旨味」だけを見事に抽出している。これに昆布の豊かな旨味がたっぷりと乗ってきて、丸く軽い鶏の出汁が加わると、この独創のスープが誕生するのだろう。都内ではこれと同じスープには出会った事がない。というより、今までどこでも出会った事がない。
さらに、無化調でここまで「旨味」が出ているスープも初めてである。天然のグルタミン酸の美味さがもう存分に楽しめる。昆布の旨味はグルタミン酸なんだなぁと改めて理解させられる。同じグルタミン酸でも、このスープには、化学調味料のような「浮いた感じ」「しつこいクドサ」は全くない。

このスープ・・・大きな寸胴で何時間も煮込んで作ったというよりも、割烹などでやるように小鍋で一杯ずつ煮詰めて作ったような出来立てスープの印象だ。いかにも大量生産できない、原価のかかった、感じ。厨房は壁で隔離されて全く見ることができないのが何とも残念。前回のスープは、煮干の味がかなり強烈で、ビリビリするほどであったが、今回は、昆布や鶏とのバランスが良くなり、前回以上に美味しく感じられた。ただ、今回はほんの少し昆布のアルギン酸(ネバネバ物質)が出ていたのかスープにちょっとだけ粘り(トロミ)があった。昆布は煮出しすぎが禁物で、旨味を抽出しながらも、このネバネバが出ないようぎりぎりのポイントを見切るのが難しいらしい。そのため最後のほうで少しだけスープがくどく感じてしまった。

麺は意外に太さがあり、ストレート。割と固めで、ザクザク食べ進める感じの、いい意味で微妙に「芯」のある食感が心地よく、歯の神経を伝わって大脳を刺激する。歯の神経は大脳と直結しているので、この「噛んだ感触」というのは、美味しさを認識する上で結構大切な要素だと思う。この麺は、自家製麺だそうだが、スープとの相性も良いし、大した製麺技術だと思う。

ちなみに今回の「そば」は、ネギ以外の具が全くない。食べる前は物足りないだろうと思っていたが、実際に食べてみると、なるほど、具はなくて良い。いや、ない方が良いと確信させられた。実は、このスープの「超濃厚」な旨味が十分に「具」の役目を兼ねているのだ。これ以上、何かあると逆にうるさく感じてしまうことだろう。
最後までスープは熱々で、素材の風味が匂い立つ鮮烈なスープだ。「フレッシュ」なうえに、「ビビッド」なスープ。
わずかに500円で、こんな「美味」体験ができるなら、駅からの遠さも取るに足らないと思えてしまう。


(麺は完食。スープも完飲。)




↓続きあり






中華そば屋 伊藤 その3〜

(各写真はクリックで拡大します)




メニューと営業時間など。
無化調宣言。
不定休のお店です。










2004年11月下旬 肉そば 650円



久しぶりのご対面。
動物系が良く出ていて醤油濃いめの味にシフト?
相変わらず自家製麺がウマイです。
チャーシューが変わりましたな。









絶妙に「芯」を残した茹で上がりは
まさに「アルデンテ」。
無類の歯切れの良さにウットリです。






以前の薄切りモモ肉から、厚切りで脂肪のあるタイプへ変化。
ちょっと歯切れの悪いムグムグした食感。
個人的には以前の方が好みかな。






今回は鶏と醤油が強めに出てました。
煮干の微細な体皮がキラキラと浮いてます。




2004年11月下旬 肉そば 650円

開店して早8ヶ月・・・何しろオリジナリティの強いラーメンなので、どんな味に落ち着いたのか、気になって再訪してみた。
メニューは相変わらず「そば」と「肉そば」の二種類のみ。今回は、「肉そば」にしてみたが、登場したラーメンは「肉」が厚切りになって脂肪の豊かなタイプの肉に変更されていた。

スープを飲んでみると、今回は最初にちょっと煮干の生臭みが感じられたが、鶏の風味が良く出ていて、動物系の厚みがあるスープと感じられ、相対的に煮干の風味は多少大人しめに感じられた。実際、改めてよく味わってみると、鶏などの動物系、昆布などの旨味がとてもよく出ている。煮干ばかりが目立つ感じはあるものの、やはり素材同士の「かけ合わせ」が抜群のパンチを生んでいるスープだ。
それにしても一口目から明確に「旨味」が炸裂するスープであり、醤油ダレもやや強めに効いていたせいか、味の芯がとても太い明確な旨味のあるスープである。よく、無化調のお店で「繊細」「薄味」「芯の細い」スープを体験すると、「化学調味料は使用していません」とわざわざ貼らずとも、「うむ、言われずとも確かに無化調だなぁ・・・」と思う事があるが、こちらのお店の場合は、本当に壁に無化調宣言をしていなければ、私も含めて、勘違いしてしまう輩が続出してしまうかも知れない。

麺は相変わらず、ちょっと明確な「芯」を残した絶妙な茹で加減。ザクザク食べ進める明快な「歯切れの素晴らしさ」が、まさにこちらの自家製麺の真骨頂という感じだ。それでいて決して固すぎる訳でなく、中華麺版の極上「アルデンテ」というイメージだ。量はさほど多くないが、意外に重さのある麺なので、それなりの満腹感は得られる。
また、今回、肉質や切り方が変わったチャーシューは、ふっくらとして厚みがあり、味付けも穏やかなのは良いものの、食べてみると歯切れの良さがあまり感じられず、ちょっとモソモソ、ムグムグしてしまうタイプの物だった。スープや麺の相性からも、私的には以前の薄切りモモ肉の方がこのラーメンには合っている気がした。
実に「素材満載」「栄養満点」と言う感じのスープを飲み干すと、大量の旨味に覆われていたせいか、食べている時は気付かなかったが、醤油ダレが結構効いていたようで、暫らくは舌に醤油の強い後味が残った。


(麺は完食。スープも完飲。)










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