ラーメン&つけ麺食べ歩き
田舎や 向ヶ丘遊園店
(神奈川県 川崎市)

店名 田舎や 向ヶ丘遊園店(いなかや むこうがおかゆうえんてん)
住所等 神奈川県川崎市多摩区登戸1728 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2005年4月上旬 塩ラーメン 680円



〜田舎や 向ヶ丘遊園 店〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店の黄色い看板が見えてきました。
車だと東京から世田谷通りを下り、
多摩水道橋を渡って1Kmほどの場所。






小田急線の向ヶ丘遊園駅から徒歩7分ほど。
登戸駅も徒歩圏内でしょう。






券売機制です。
セット物も豊富、麦とろ丼などもあり。
ラーメン(塩)を購入。






店内はL型カウンター。
雑誌等もあり、冷水はセルフです。






卓上メニュー。
「醤油」「豚骨」「塩」「味噌」「鶏そば」・・・と
なかなか豊富なメニュー構成。










2005年4月上旬 塩ラーメン 680円



どこにも、わざとらしさや、危なっかしさ、力みなどが無く、
ただただ素直でスムース、それでいて洗練された自然体な美味しさ。
「いじられ過ぎていない味」「謀略的でない味」が、
何とも、非常に「新鮮」に映ります。


器の中に小さく可憐な一輪の高山植物が咲いたかのような・・・
カントリー風で、どこまでも「純」な仕上がりですね。









油がほとんど浮かないあっさりスープは、前半、カツオ等のきれいな魚介風味、
中盤からは動物系のふくよかな旨味が立ち上がって来ます。
相当に丁寧に、きちんと一からダシを抽出した印象です。






ユルーリとする長めの中細麺は、たおやか、ゆるやかな食味。
柔らか目で、素直な口当たりで、安心してすすれる感じ。




2005年4月上旬 塩ラーメン 680円

あっさりしたナチュラル系ラーメンの雄として川崎市内で支持を集めているお店。横浜市の藤が丘駅に本店があるらしい。
お店の前の道路は、道幅は広いのだが、路側帯部分の一部がガードレールで仕切られ、その内側にさらに歩道がある不思議な構造となっている。お店はレンガと木をあしらった造りで、店名どおりのカントリー調のもの、店内はL型カウンターのみ。
券売機には醤油ラーメンが「当店お薦め」と書かれていて、ちょっと迷ったが、よりダシの味が楽しめそうな塩ラーメンを購入した。券売機の先頭には「自家製ギョーザ」が来ており、不思議に思ったが、後で調べてみると、お店としては餃子も自慢の一品であるらしい。

黒いお盆に載せられて登場したラーメン、たっぷりとスープが注がれ、青菜が多めに載せられている。見た目の印象としては、何となく「朴訥」(ぼくとつ)と言うか、店名どおりの気取らないカントリーっぽさが演出されたようなビジュアルである。
スープを飲んでみると、最初の数口、カツオなどの魚介の風味が濁りなくきれいに、ほんのりと広がって感じられる・・・・が、魚介うんぬんと言うよりも、そのあまりにも「素直で」「ナチュラルな」味の出方に、意表を突かれてしまったと言うか、新鮮な驚きを覚えてしまった。
一言で言うなれば、「いじられ過ぎていない味」の魅力が、とても大切にされているイメージなのだ。
まるで人間の足が踏み入っていない高山に咲く可憐(かれん)な植物のような・・・・何とも清楚で小さな一輪の花が、器の中で「たおやかに」咲いているように感じられたのだ。

食べ進んでゆくと、中盤以降は次第に鶏ガラ等のふくよかな動物系の旨味がゆったりと立ち上がって来て、次第に魚介系と主役をバトンタッチして担ってゆく感じだ。
塩ダレは決して弱くはないが、やたらと前に出すぎることもなく、塩味が「押したり」「引いたり」の積み重ねで、ジワジワ&あっさり路線を見事にキープしている。
相当に丁寧に、きちんと一からダシを抽出した印象を受けるスープであり、美味しさとともに、こういった「いぶし銀」のような味のラーメンは、昨今、大変貴重であると思う。
その分、特に目立つような個性や、ヤミツキになるような強いクセは感じられないが、どこへ出しても通じるであろう本物の仕事をして積み上げて来たような味わいが成されているラーメンだ。

麺はユルーリとする長めの中細麺、たおやか、ゆるやかな食味でありながら、そこそこのハリとぎりぎりのコシを上手に残しているイメージ。
たっぷりのスープの中に埋蔵されたかのように存在し、かつ、箸でつかもうとしても泳ぐように右へ左へ漂ってしまう感じで、ちょっとつかみずらい気はするが、柔らか目で、素直な口当たりで、安心してすすれる感じなのは、このラーメンの全体の落ち着いたトーンによく調和している。

チャーシューは肩ロース、厚み、大きさともなかなかだが、味付けが控えめなせいか、やや豚肉独特の風味が残っていて、歯応え的にも赤身部分にちょっとカドを感じた。
玉子はやや小振りで、味付けは感じられなかったが、黄身は7分茹でと言う感じでサラリとした口解け感があり、白身はプリプリッとした小気味良い歯応えが躍動感にあふれ、素晴らしく美味しかった。白身がこれほど美味しい玉子も珍しいと思う。
メンマはジャクジャクするはっきりとした繊維感があり、味付けはかなり薄目。サイズがやや大きめで食感も強めなせいか、全体の調和の中では、やや存在が強い気がした。
ホウレン草は、あまり風味が強くなく、歯応えもソフトで、あくまで彩り的な存在と感じた。

昨今のラーメンブームのせいなのか、人気店と言うと、やたらあれこれと「いじられすぎた味」に出会うことが多いが、こちらのお店のスープは、その点、まさに目からウロコが落ちる気分になった。塩ラーメンでありながら化学調味料感がないのにも驚いたが、どことなく世俗を解脱したようなイメージがあり、こういった謀略的でない味・・・・・は、食べ歩きをしている中で、むしろ非常に「新鮮」に映る。
どこにも、わざとらしさや、あざとさ、危なっかしさ、力みなど、都会的で権謀術数的な要素が一切無く、ただただ正直で朴訥、あくまでもスムースで穏やか、丁寧で洗練された、自然体な美味しさだけが非常に素直に伝わって来るラーメンだ。
そういう意味では、「田舎や」の屋号の意味が、何となく理解できたような気がした。


(麺は完食。スープは6割飲んだ。)










ホームへ


− BB!ラーメン&つけ麺 名店集 −



本サイトのすべての画像や文章の転載ならびに二次利用を固くお断りします。

Copyright (C) 2004
01ch.com
All Rights Reserved.


.