ラーメン&つけ麺食べ歩き
一番・胤暢番
(東京都 世田谷区)

店名 白河中華そば 一番・胤暢番(いちばんいちばん)
住所等 東京都世田谷区梅丘1-32-8 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2004年11月下旬 手打中華そば 650円



〜白河中華そば 一番胤暢番〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店は小田急線「梅ヶ丘駅」の
北口すぐ目の前です。
ただ、現在北口は工事中で使えないようです。
紅葉がきれいですな。






都内では数少ない「白河ラーメン」(福島県)のお店。
緑のノレンには「福島白河とら食堂より」と銘入り。
有名な「とら食堂」で修行されたようです。






店内はカウンターと小卓が一つ。
ご主人と二代目のお二人で厨房を担当。






メニューは頭上。
「手打中華そば」を注文しました。
「ヤキソバ」や「つけめん」もありますな。
なぜかラーメンより「つけめん」の方が安い・・・。






お店の入口付近が麺打ち台スペース。
麺帯が二本寝かされていました。






トイレはお店の奥です。
テーブル席を占領して女将さんが
せっせとニンニクの仕込みをしていました・・。
( ´∀`)










2004年11月下旬 手打中華そば 650円



うーん・・・
まるで子供の頃の古いアルバムを開いている気分です。
この手のラーメンは実に久しぶりに味わいました。

郷愁心くすぐられる
遥かなる
「ノスタルジー・テイスト」









油がかなり黄色いですな。
鶏油にしても黄色すぎ、でも風味はあまり強くないですね。
豚骨、トリガラ、醤油が穏やかに効いている実に「懐かしい」スープ。
私には煮干系の風味も感じられる気がしました。






手打ち麺はスープの中を泳ぐ感じ。
すすると「チュルチュル」と不規則な振動が口先に発生。
ちぢれた形状がスープもたっぷりからめます。






「ちぢれ」と「ねじれ」が
「コッコッ」と優しく歯をノックする感じ・・。
さらに舌の上を通るときのスクリュー感がとても心地よい。
「手打ち&手もみ」意外では絶対に出せない「世界」ですな。






「鹿の子」模様に脂肪が入ったチャーシュー。
味付けも良く、ハラリハラリと崩れる食味もなかなか美味しい。
これが二枚入ってました。




2004年11月下旬 手打中華そば 650円

都内でも珍しい福島県ご当地の「白河ラーメン」を掲げるお店。
もともと梅が丘の老舗店であったが、店主の息子さんが福島県白河の有名店「とら食堂」で修行し、2002年2月にリニューアルオープンしたらしい。
梅が丘の北口の目の前と言う事だが、私の訪問時は北口が工事中で、南口を出てから側道で北側へ回った。老舗だけあって店構えはなかなか年季が入っている。入店するとすぐに麺打ち台があり、その右側にカウンター席が続く。奥に一卓テーブル席があった。ちょっと雑然とした雰囲気はあるが、厨房が広く取られたなかなか本格的なレイアウトだ。

登場したラーメンは、随分と黄色い油が浮いている。鶏油の黄色かと思ったが、鶏油の風味はあまり感じられなかった。
一口スープを飲んでみると、私の脳裏で「時計が」「カレンダーが」一気に逆回転してゆく・・・、気が付けばあっと言う間に少年時代の望郷の景色が脳裏に広がった・・・。まるで、小学校卒業以来の友人と、この「梅ヶ丘」の地で、いきなり偶然の「再会」を果たしてしまったかのような気分だ。このスープに対し、「本当に久しぶり!」「元気だった?」と思わず声をかけたくなる。

一口スープを飲む毎に、まるで子供の頃の古いアルバムを開いて、友達一人一人の顔を、共に過ごした思い出の一つ一つを、懐かしく思い出す気分である。
私は福島県出身ではないが、一言で言えば、子供の頃、夕方遅くまで草野球をやった帰りに友達と腹ペコで食べた「町の中華料理屋さんのラーメン」、親に連れられた家族旅行の帰りに立ち寄った観光地での「ドライブインで食べたラーメン」の、あのスープの味を思い出す郷愁心くすぐられる「ノスタルジー・テイスト」・・・。
なんとも寡黙で奥ゆかしいスープであり、つまり、良い意味で「飾らない温かなテイスト」、「ゆとりある田舎の純朴さ」を感じるスープなのだ。

こちらと比較すると、昨今の新規店のスープは、まさに「せわしく自己主張の強い都会派」テイストだなぁと、悟らされてしまう。何と言うか「商売品」ではなく、「食べ物」としての「温かさ」「自然体さ」「ぬくもり」に満ちている感じなのだ。
白河ラーメンは海産物をほとんど使わないということらしい。確かにベースは豚骨、鶏ガラだと思うが、今回、私には煮干のような風味も感じられたので、二代目ご主人となる息子さんが、いろいろ工夫をしているのかも知れない。見た目の色ほど醤油も強くなく、化学調味料に頼った感じも全くないのは素晴らしい。

麺は複雑にちぢれ、ねじれた手打ち麺。あまり量は多くなく、たっぷりのスープの中に泳ぐように入っている。
すすると「チュルチュル」と不規則な振動が口先に発生し、その際にちぢれた角が「コッコッ」と優しく歯をノックする・・・。さらに舌の上を通るときに独特なスクリュー感を放ち・・・なんとも言えず美味しい。さすが、「手打ち&手もみ」意外では絶対に出せない「世界」をしっかりと見せてくれて大満足だ。
麺は太かったり細かったり、長かったり短かったりと、一定していない。太い麺を噛み締めると割とコシがあり、ちょっとすいとん風の食味にも感じるが、細い麺を口に入れたときは「ユルーリ」とするゆるやかな食味が楽しめる。
どこかで最近味わった麺と似ているなと感じたが、今月食べた「若月」(新宿)の手打ち麺となかなか良く似ていると思った。若月の手打ち麺をもっと固めで長めに仕上げた感じだろうか。

チャーシューは、てっきりロース肉かモモ肉が使われるのかと思っていたが、実際には肩ロースのようであり、「鹿の子」模様に脂肪が入っている。味付けも良く、ハラリ、ハラリ、と崩れる食味もなかなか美味しい。これが二枚入っていた。
ただ、ちょっと気になったのは、細めのメンマとホウレン草の茎が、せっかくの手打ち麺をすする際に、紛れ込んで口の中へ入ってくる確率が結構高く、せっかくの手打ちの食味を堪能しようとするとちょっと邪魔に感じてしまう事があった。

食べ終わる頃、舌にちょっとビリビリとしびれる感覚が感じられる。「伊藤」(北区)や「たけちゃんにぼし」(渋谷区)など煮干系ラーメンで経験するものと同じ感覚だ。やはり煮干が使われている気がする。
それにしてもこちらのラーメン・・・・昼に来て、サッと食べて帰ると言うのではなく、仕事帰り、夜の8時頃にフラリと立ち寄って、点けられたテレビを見ながらのんびりと一杯やって、ほろ良い加減で「しみじみ」と食べてみたいラーメンだ。いい感じで年齢を重ねられた雰囲気のあるご主人や女将さんとのトークもきっと楽しい事だろう。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)











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