ラーメン&つけ麺食べ歩き
平太周
(東京都 板橋区)

店名 平太周(ひらたいしゅう)
住所等 東京都板橋区双葉町44-5 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2004年6月上旬 味噌ラーメン 800円 



〜平太周〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
お店は環七通りに面しています。
板橋本町駅や中板橋駅が近いですな。






環七沿いの白い看板が目印。
蛍光灯の照明が食堂っぽいですな。






念のため、左側からも撮影。
エビス様風のトレードマークが
なかなかユニークで目立ちます。






入ると左側に券売機です。
店内では缶ビールやジュースの自販機も・・・。






食券ではなく、プラスチックの札が
何ともいい雰囲気ですな。
味噌ラーメンを購入。






店内はカウンター10席ほど。
TVが付いて、くつろいだ雰囲気です。
お客さんもマイペースで食べてますね。






営業時間。
特製ラーメンについての説明。
トレードマーク 

( ´∀`)











2004年6月上旬 味噌ラーメン 800円



ともかく使っている背脂の「上質さ」が際立ちます。
「甘くまろやか」で鮮度のある「特濃ホイップクリーム」のような
連続する滑らかな「とろける」食感。
そしてタレの香ばしさが夢中で箸を進めさせます。
思わず「ウマー」と叫びたくなりますな。








麺をかき混ぜたところ。
背脂やタレが良く混ざるように
「良くかき混ぜて食べてね」と店主さんに言われます。
背脂がサーッと溶けてゆきます。






【動画】(約3.2MB)

「平太周」の麺上げ&盛付けシーン(BGM付)。
目の前の寸胴に背脂が入っています。

最初に器へ「背脂チャッチャッ」をします。
その後、スープと麺を入れて、具の盛り付け。
さらにもう一度、念入りに「背脂チャッチャッ」ですぞ。
(;゜Д゜) 濃、濃そう〜。





2004年6月上旬 味噌ラーメン 800円 

環七に面したお店は、ガラス張りで外から店内が良く見えるオープンな雰囲気。店内はかなり気を配って清掃している感じで、椅子やテーブルなど清潔感がある。V型のカウンターのみ10席ほど。
ちょっとレトロな券売機がお店の片隅に置かれている。醤油ラーメンや特製ラーメンは何しろ味も背脂も濃くて強烈だが、味噌ラーメンは割と味が大人しめと聞いていたので味噌ラーメンを購入。スタッフは、愛想の良い男性とテキパキした感じの女性だった。お二人の調理のコンビネーションはなかなか見事である。

作り方を見ていると、カラの器へ、一度背脂をチャッチャッと振り入れてから、麺とスープと具を入れ、さらにその上にもう一度チャッチャッと背脂を振り入れる。背脂が麺をサンドイッチする構造。
そのラーメンが目の前に運ばれてくる。それにしても、何の前情報もなしでこのラーメンを目の前に差し出されたら、かなりビビってしまうだろう。スープには一面に背脂が浮き、まるで背脂の海という様相。しかし、意外にもかなりきれいな盛り付け方であり、随分と品良くまとまっている。女性客にも十分好まれそうなルックス。

店主さんから、食べる前に「良くかき混ぜてね」と言われたので、スープと背脂が混じるよう良くかき混ぜてみる。すると背脂がさーっと溶けてゆき、味噌ダレや出汁のほのかな香ばしさが漂ってくる。
慣れるまで最初は何とか背脂をよけつつ食べようと思っていたが、すぐにそれは甘すぎることに気づいた。麺と麺の間に背脂がビッシリと入り込み完全に「抱き込まれ」ていて、麺を食べればどうしても自動的に大量の背脂も口の中に入ってくる。
しかし、実際に食べてみれば一口目から予想をはるかに上回るあまりに衝撃的なおいしさで、見た目だけでずいぶん誤解していた事に気づいた。口に入れた瞬間、「特濃ホイップクリーム」のような連続する滑らかな「コク」、そのとろける食感が口中で炸裂する感じ。コクのある、甘味のある、高級なソフトクリームのような口当たりだ。ギトギトというシツコイ感じはまったくない。舌の上でさーっと溶けてゆき、甘味とコクだけが残る。その瞬間、あまりの旨さに、自分の脳髄からジンワリとした熱いものが出てくる感触がある。素晴らしくおいしい。
そして味噌ダレの少し焦げたような香ばしさが合わさって夢中で箸を進めさせる。中華の角煮のタレのような、味噌焼まんじゅうのタレのような、非常に香ばしいタレが「我が意を得たり」とばかりにスープと交じり合う。この味噌ダレと背脂のバランスがまた絶妙すぎるほど絶妙。そしてスープ自体にもかなりの出汁の旨味がある。

ともかく、使っている背脂がとびきり良質なんだなあと理解する。他店の背脂で同じようにここまで大量に入れたら、マイナス面ばかりが強調されて到底食べられないだろう。
背脂もピンキリである。ブツブツ固い背脂、臭みのある背脂、さらに「背脂」ではなく安い粗悪な「お尻の脂」を使う店もあるという。豚のお尻の脂は臭くてまずいが、めちゃ安く流通しているらしい。
こちらのお店の背脂は鮮度感があり、嫌味がまったくない。豚の脂の質や成分は、食べさせるエサしだいでどうにでもコントロールできるという。エサの配合だけで、豚の脂をオリーブオイルのようなオレイン酸中心の人体に有益な脂肪に近い組成にすることも可能らしい。

こちらもおそらく相当「良質なエサ」で飼育された豚の背脂を使っているのだろう。逆に「この背脂」があったからこそ、この世に誕生し得たラーメンと言えるかも知れない。
普通の背脂は口に入ると明確にぷつぷつする舌触りを感じるが、こちらのお店の背脂は全く次元の異なる食感。口に入っても存在を感じることがなく、原型をとどめず、舌触りは実になめらか。作りたての高級ソフトクリームのようにサーッと舌の上で音もなく溶けてゆく。

ものの本によると、人間の脳は「タンパク質」でもなく「炭水化物」でもなく、「脂肪」を一番美味しいと認識するという。確かに、ステーキでも脂肪の多い「霜降り肉」が珍重され、マグロも脂肪のサシが多い「大トロ」は破格の高値だ。アイスクリームでも、牛乳でも、チーズでも、味の良し悪しはズバリ「脂肪の量」で決まるという。事実、高級アイスクリームや高価なチーズほど極めて脂肪の%を高くしている。そういう意味で、高脂肪のラーメンを「おいしい」と感じるのは非常に理にかなっていると言えるだろう。もちろんこちらのお店のように「良質」の背脂を使っての話だが。

大き目のチャーシューは、フチの部分が濃い味付で、とても香ばしくて最高においしい。ホロホロ崩れる肉の味は、あまりにもうますぎて、食べてしまうのがもったいないほど。メンマは随分濃い色だが、味はそれほど濃くない。玉子は完全な固ゆでで、味付けもされていないので、この淡白な玉子が非常に良い箸休めになっている。

麺は太さはあるものの、フニフニな感じでちょっと柔らかめと思う。
しかしこの柔らかさだからこそ、滑らかな背脂と食感が見事に同化し、一体化している。最初に希望の固さを聞いてくれるので「普通」で頼んだが、好みで変えても良いかもしれない。
また、店内にビールやジュースの自販機が設置されているので、ビールを飲みながら食べるのもオツだろう。器はちょっと小さめで、量はあまり多くない。これはこのお店のルーツになったお店の昔の屋台時代の姿を再現したいためだという話を聞いた事がある。

食べている時は分からなかったが、後味には結構ニンニクを感じた。また、化学調味料や塩分は非常に控えめであり、舌がビリビリしたり、ノドが渇いたりすることもなく、非常に良心的なラーメンであるという認識を強くした。
行く前は、ギトギト過激とか、コテコテくどいとか、豚臭くて重くてもたれるとか、誤解していたので、行くのをずいぶん迷ったが、実際は「鮮度ありまろやか」「ほんのり甘く柔らかで」「じんわりするコク」のとてもおいしい良質な背脂ラーメンだった。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)











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