ラーメン&つけ麺食べ歩き
はやしまる
(東京都 杉並区)

店名 麺屋 はやしまる(はやしまる)
住所等 東京都杉並区高円寺北2-22-11 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2005年10月下旬 わんたんめん(塩) 830円



〜はやしまる〜

(各写真はクリックで拡大します)




JR高円寺駅の北口商店街です。
ねじめ正一氏の小説「高円寺純情商店街」の
舞台となった事でも有名ですな。






純情商店街を歩くこと約2分、
脇道にお店を発見。
白い小さな四角い看板がお出迎えしてくれます。






シックでウッディな店構え。
小振りの白いノレンが小粋なイメージを醸します。






店内はL型カウンター。
窓が大きくとられていて明るいです。
柱がやたらと太いでつな。






オープンキッチンで、厨房はかなり広く取られています。
店員さんは二名でした。






卓上のメニュー。
「わんたんめん(塩)」をオーダーしますた。
「わんたん」だけもあるんですね。










2005年10月下旬 わんたんめん(塩) 830円



スープ、麺、ワンタン、焼豚・・・・いずれも作り手の意気込みを感じる力作です。
スープはさまざまな味が密集して舌へ積極的に訪問して来る感じ。
麺は上品なルックスながらも「剛麺」と言う印象。

ラーメン全体の印象として、
ともかくグイグイと「前へ」出ようとしている姿勢が感じられます。
いかにも上昇志向のエネルギーに満ちた「若手」の方が作っている印象。









様々な旨味がまたたくように舌の上へと一斉に降り立ってくる賑やかなスープ。
カツオ節や煮干類の旨味が濃密エキスのように溶け込んでおります。
後口にラードっぽい脂っぽさを感じ、ややスッキリしない気も・・・。






自家製麺のお店です。
歯を押し返すような・・・意外に図太くヘヴィな噛み応え。
さほど太く見えないにもかかわらず、芯がえらくしっかりと太く残っていまつ。






いわゆる「てるてるぼうず」形のワンタン。
「皮」はチュルルン、まん丸の「餡」はボリュウムたっぷり。






中身はこんな感じ。
ふくよかで優しい肉の味わいで美味しい。
挽き肉をたっぷり使った「シューマイ」の食味に近いかな。




2005年10月下旬 わんたんめん(塩) 830円

ちょうど一年前の2004年10月に創業したお店。店主さんは「かづ屋」(目黒区)など、都内の数軒の有名店で修行をされた方らしい。
お店は小説の舞台にもなった事がある高円寺の「純情商店街」のやや奥まったところにある。入店すると木を生かしたL型カウンターの店内、最近の新店にしては珍しく券売機制ではなく、食後の手会計になる。
着席してすぐに気付いたのは店内にカツオ節や煮干類の香ばしい匂いが立ち込めていることだ。待っている間、数回に分けて波状攻撃のように香りの波がやって来る。

待っている間に節類の匂いに慣れてしまったせいか、器が目の前に置かれても、想像していたほどは魚介の匂いは感じられなかった。
薄黄色の半濁スープを一口飲んでみると・・・様々な旨味がまたたくように舌の上へと一斉に降り立ってくる感じの賑やかなスープであり、その合間に塩の旨味がキラキラと散りばめられている感じだ。何と言うか、さまざまな味が密集している感じで、これだけしっかりとした旨味がある味だと、薄いとか物足りないとか言う人は絶無だろうと思える。

二口目を飲むと、再びワラワラと「味」が舌の上へ積極的に訪問して来るような、意外に攻撃的なスープにも感じられる。セールスマンが玄関の呼び鈴を何度も何度も鳴らすような・・・・そんな感じがあり、しょっぱいと言うのではないが、ともかくスープ側の方から「味わえ」「味わってくれ」と言わんばかりにグイグイと押して来る、舌へ訪問して来る感じなのだ。
ベースは鶏の軽さよりも豚骨の太さのようなものがあり、カツオ節や煮干類の旨味が濃密エキスのように溶け込み、油は多くないのだが後口にラードっぽい脂っぽさを感じる。このややベタッとする脂っぽさの正体が何なのか判らないが、今月食べた「八雲」(目黒区)のスープにも全く同じ印象を受けたので、いわゆる「たんたん亭」の系譜店の特徴なのだろうか。私は、現時点でたんたん亭は未食なので何とも言えないが・・・・。

自家製と言う麺は表面がツルッツルで、トローととろけるように摩擦係数が低い口当たりだが、すすると芯がえらくしっかりと太く残っている。さほど太く見えないにもかかわらず、図太くソリッドなものが唇の上をスルーッと通ってゆく感触は、ちょっと意表を突かれる感じ。口の中へ入るとボワンと広がる感じでかなりの存在感、重量感がある。竹のようによく「しなる」感じがあり、ポヨポヨした軽く繊細な麺の対極にあるような・・・・上品ながらも「剛麺」と言う印象だ。

ワンタンは餡がまん丸で、皮が一方向へまとめられ、まるで「てるてる坊主」のような形をしている。
食べてみると、チュルンとする皮も絶妙なうえ、餡の部分は挽き肉がみっちりと詰まっていて、十分なボリュームがある。まん丸な形なのでイメージとしては挽き肉をたっぷり使った「シューマイ」の食味に近いと思う。ふくよかで優しい肉の味わいで美味しいが、もう少し香辛料を効かせるとパンチが出てさらに良いと思う。また、なぜか一つだけちょっと塩が効き過ぎてしょっぱいものがあった。

チャーシューはハチミツを塗って焼いた物。いかにもハチミツを分厚く重ねて塗って焼いたような・・・かなりの照りがある。周囲が微妙に甘く、蜜が焦げたような独特の風味が付いている。しっかりと焼いているため脂が落ち、肉質はゴワゴワとした口当たりでやや硬めになっているが、よく噛み砕いてゆくと焼き豚特有の香ばしい肉の風味が湧き立って来る。このチャーシューは小皿で出して、お酒のオツマミとして食べても美味しいと思う。
メンマはプキップキッとするクラック感が心地よい硬めのもので、やや幅広のタイプ。ホウレン草は食感が軽く、アクはないが、風味や味もやや薄い感じであくまで彩り的な存在に感じられた。

食べ終わってみると、スープ、麺、ワンタン、焼豚・・・・いずれも作り手の意気込みを感じる力作であると思う。
ただ、その分、どこかしら作り手の「力み」を感じてしまう部分もある。特にスープは、判り易い美味しさだとは思うが、ふんだんな天然素材はもちろん、加水分解調味料(たんぱく加水分解物)なども駆使して積極的に旨味をブーストアップさせているとおぼしき味であり、「味」が多すぎると言うか・・・・ややうるさく感じられる気もするし、舌触りや後口にベッタリとした「重さ」を感じる旨味が残ってしまう。味がスーッときれいに消えてゆかない感じなのだ。
ファッションの世界でも色数を多くし過ぎたり、アクセサリーを付け過ぎるとうるさく感じられてしまうと言う。私的にはもう少し味の「引き算」をして整理し、スッキリと見通せる味になると一層美味しくなるように思うが、高円寺と言う場所柄、若者の多い客層を踏まえて、密度の濃い、パンチのある味を目指しているのかも知れない。

ラーメン全体から受ける印象として・・・・ともかくどんどん「前へ」、さらに「もっと前へ」・・・・出ようとしている姿勢が強く感じられ、いかにもポジティブな上昇志向のエネルギーに満ちた「若手」の方が作っているラーメンと言うイメージを受けた。


(麺は完食。スープは4割飲んだ。)










ホームへ


− BB!ラーメン&つけ麺 名店集 −



本サイトのすべての画像や文章の転載ならびに二次利用を固くお断りします。

Copyright (C) 2004
01ch.com
All Rights Reserved.


.