ラーメン&つけ麺食べ歩き
蜂屋
(栃木県 佐野市)

店名 ラーメン餃子 蜂屋(はちや)
住所等 栃木県佐野市浅沼町31 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2007年6月上旬 ラーメン 550円




〜蜂屋食堂〜



佐野市内の「工業団地西」交差点近くの道路。
お店へは赤レンガの塀と電柱の間の狭い路地を入ります。
「蜂屋入口」のネオンサインが目印。






狭い路地を30mほど進むと、再び案内板を発見。
この角を左に曲がると・・・・。






おおお・・・・いきなり開けた視界の中、忽然と姿を現す店舗。
なかなか「威風」ある堂々とした佇まい。






「カウンター席」、「テーブル席」、「小上がり席」と・・・・
佐野の「定番三役」がきっちり揃った店内。






店名に「食堂」と言う文字が付くとおり、
「カレーライス」や「カツ丼」や「レバニラ炒め」などもございまする。
「ラーメン」を注文しました。










2007年6月上旬 ラーメン 550円
(この写真はクリックで拡大します)



うーん・・・・。
ホッとする「我が町の食堂」の味ですね。
何とも、「円熟」「円満」「温厚」・・・・な美味しさに満ちています。

とてもよく練れた美味、言うなれば・・・・
「A Mellow Taste Noodle」。

いつも変わらない、「日常の味」。
どこにも気負いのない、「普段着の味」。
まるで、ラーメン界の「リラクセーション入門」・・・・。

このさり気ない「ニュートラルさ」こそが人気の秘密なのでしょう。
地元の客層に人気なのが・・・・とても良く判る気がします。









「じんわり・・・・」とした鶏&昆布の旨味がゆっくりと口幅一杯に立ち上がって来る、
優しくも、深い味わいに、一朝一夕には出せない「円熟」を感じるスウプ。
懐かしいテイストだが、決して古びてはいない。






「佐野」としては、やや太めな麺は、
「超多加水」で、「モッチモッチ・・・」と柔らかな、まさに「真ん丸」な口当たり。
「真ん丸」「真ん丸」「真ん丸」「真ん丸」・・・・。
とにかく、カドの一切感じられないどこまでも「まあ〜るい食味」が印象的。






モチモチ感が豊かなので中力粉を使った「うどん」ぽい感じもあり・・・
それでいて、カンスイの「シコシコ」感も兼備。
決して気取らず、飾らず、偉ぶらず・・・・どこか「家庭的」な雰囲気のある
何とも親しみやすいフレンドリーな食味を持つ麺。




2007年6月上旬 ラーメン 550円

今回の栃木ラーメンツアーも後半に入り、いよいよ黄金の「手打ちラーメンロード」の「中核」に位置し、私のお気に入りでもある「手打麺王国・佐野市」へと足を踏み入れる。
私の「佐野ご当地」へのラーメン初訪問は確か7年ほど前・・・・2000年の頃に遡る。実は・・・・私の「手打ちラーメン」好きも、佐野市のとあるお店の手打ち麺を食べて、今までにない「衝撃」を受けた事がきっかけとなっているのだ。
その衝撃からほどなく、私のラーメン食べ歩きにおいて「手打ラーメンを究める」と言う研究テーマが一つ加わり、以降、「佐野系」の手打ちラーメン店だけでも、佐野市の内外を合わせれば60軒以上のお店へ訪問し、延べで言えば200杯以上の佐野系手打ちラーメンを食べた気がする。

しかし、今まで私が巡っていたのは、主に「マスメディア」に多く登場する手打ちラーメン店をメインに回っていたように思う。そういうお店は、「ご当地」であるとともに、必然的に、どうしても多少は「観光客」を意識したラーメンの味になっている可能性が・・・・なくはない気がする。
その反省から今回、「マスコミにはあまり出ない&地元客で賑わう手打ちラーメン店」をテーマに、佐野市内のお店選びを試みてみた。
つまり、観光客向けではない、限りなく100%「地産地消」に近い佐野ご当地ラーメンである。
果たして、昔ながらの「佐野の地場ラーメン」とは・・・・如何な味なのだろうか・・・・。

と言う訳で・・・・今回、「佐野・地元の人気店」シリーズ第一弾は、こちらの「蜂屋」である。
1973年創業との事らしいが、私はあまりマスコミで見かけた事はなかったのだが、インターネットで調べると、佐野出身の方や地元の客層に根強い人気を誇っているお店らしい。
訪問してみると、大通りには面しておらず、かなり狭い路地を入ったところで、いきなり視界が開け、その奥に「忽然」と姿を現すなど・・・・いかにも地元の知る人ぞ知る「穴場」的な雰囲気が漂うお店である。店内は明るく清潔感があり、「カウンター席」、「テーブル席」、「小上がり席」と・・・・佐野の「定番三役」がきっちりと揃っている。特にこの「小上がり席」は、幼子まで連れて家族総出で外食ラーメンを楽しむ習慣の多い「ご当地」においては、必須のアイテムとなるようだ。

さて、登場したラーメン・・・・見た目は、非常に「ベーシック」である。
スープを飲んでみると・・・・「じんわり」とした旨味がゆっくりと立ち上がって来る、まさに「円熟」を感じる優しくも深い美味しさだ。懐かしいテイストだが、決して古びてはいない。
ダシは「鶏ガラ」と「昆布」がメインのようだが、昆布の海草臭さが全く出ていないのも良い。最初の一口、二口ほどは「ショウガ」を感じたが、決して出すぎる事はなく、すべてが「円く」「熟して」いる見事な「メロウ・テイスト」である。

この口幅いっぱいに「じっくり・・・・と広がるメロウ感」こそが、いわゆる「鶏ガラ醤油スープ」の持つ大きな魅力の一つだと思う。
豚骨の比率が少ないようで「重さ」がなく、油も少なめで「あっさり」としており、「化学調味料」が控えめな感じなのもいい。ただ、普段、濃い豚骨スープに慣れている人にとっては、「コク」はさほどでもないと感じてしまうかも知れない。

麺は・・・・「佐野」としてはやや太めの部類で、かなりの「超多加水」、「モッチモッチ、モッチモッチ」と、モチモチ感の豊かな「真ん丸」な口当たり。
「真ん丸」「真ん丸」「真ん丸」「真ん丸」・・・・とにかく、カドの全く感じられないどこまでも「まあ〜るい食味」だ。この「丸さ」を感じるやや太めの麺が、舌の上で「ポヨポヨ」と柔らかく動く感じが何とも可愛らしい。

モチモチ感が豊かなので中力粉を使った「うどん」ぽい感じもするが、それでいて、カンスイの「シコシコ」感もあるのだから恐れ入る。ただ、玉子を使っていないのか、やや太めの麺と言う事もあり、小麦の練り物に特有のモッサリ感が伴う。
観光客向けに気取って「これが天下の佐野の手打ち麺だ」と言わんばかりに、気取ってカッコを付けたような麺ではなく、どこか「家庭的」な雰囲気のある何とも親しみやすいフレンドリーな食味だ。

チャーシューは、割と強めの醤油味が付いている。赤身部分は「カパカパ」とした乾いた口当たりで、噛んでみると「モソモソ」とする動きであり、肉の旨味も割と流れ出てしまった淡白な味と言う印象。その分、生醤油が肉の中まで染み込んだような感じで、ややきつめの味付けだ。脂身は「プルプル、プルルン」と震えて弾力がある。
メンマは、かなり硬く、「ガッシュ、ガッシュ」とする個性的な歯応え・・・そして鷹の爪の破片がまぶされているが、見た目以上にその「辛味」がメンマに染み込んでいて、かじる度に口中に辛気が湧き上がる。このちょっとした刺激が、全体の「円い」「柔らかい」味わいの中に「ピシッ」とした一本の線を引いて、全体をほど良く引き締めている印象だ。

ちなみにこの日は二名で訪問したのだが、同行者は「タンメン」を食べた。
途中で少しもらったところ、野菜はキャベツ、ニンジン、ニラ等だったが、全体的に野菜の「香り」や「甘味」や「旨味」があまり立ち上がって感じられない。食べてみても、あまりシャキッと火が通っておらず、「シナシナ」「クタクタ」としていてしなびれた食感に感じられ、どこかしら生っぽさや繊維感が残り、青臭い葉っぱの香りがまだ残って感じられてしまう。

どうやら、あまり強火で炒めていない感じを受ける・・・・。
「野菜」を炒めるコツは、フライパンにひいた油を180度まで余熱することで、まずは油に芳ばしい良い香りを出す事なのだ。
もし油の温度が180度にならない低い温度のままで、野菜を入れてしまうと・・・油の良い香りが出る180度まで一度も達しないまま調理を終えてしまう事になってしまい、そうなると「炒」独特の芳ばしい香りが出て来ないのだ。ただし、高すぎも禁物で、200度を超すと逆に焦げ臭いイヤな臭いになってしまうし、有害成分も生成してしまうので注意が必要だ。
そして、強烈な火力のままで一気に短時間で炒め上げる事が肝心であり、もし、低い火力でゆっくり加熱したのでは水分が外へ逃げ出てしまい、「パリッ」「シャキッ」とした感じに仕上がらず、その際に野菜の「旨味」も一緒に外へ流れ出てしまう事になってしまう。

また、スープからは「ゴマ油」の香りが漂っていたが、出来れば「ラード」を使って欲しい気がするし、豚肉の小間切れは、長く加熱し過ぎて硬くなってしまっており、味も少々抜け気味であった。
塩ダレや動物の旨味も控えめなので、どうしても大人しめの味に感じられ、全体として・・・・修行した「本格中華」と言うよりは、どちらかと言えば「家庭の味」に近いようなイメージを受けたが、むしろその辺が人気の秘密なのだろうか・・・・。

実際、食べ終えてみると・・・・何とも、私の体から「無用な気負い」や「肩の力み」がすっかりと消え去っており、心身ともに「安寧」&「安穏」としたやすらかな食後感が宿っている事に気付く。
まるで、ラーメン界の「リラクセーション」入門・・・・これぞ・・・・通いなれた「我が町の食堂」の、ホッとする「身近な味」である。

こちらのラーメンを食べ終えて、地元の人達に人気のある理由が良く理解できた気がした。
ラーメンを食べる時くらい「リラックス」したい・・・・・この肩肘張らない「普通さ」、背伸びのない「身近さ」、いつもと同じ「安心感」、ずっと変わらない「信頼感」・・・・そして何より、万人に受け入れられるであろう、この絶妙な「ニュートラルさ」こそが、地元客に人気の理由なのだろう。

以前に、新進気鋭の人気ラーメン店に、ラーメンマニアではない知人を連れて行ったところ、途中から「せっかく連れて来てもらったのに、すごく申し訳ないけど・・・・私はこう言うラーメンはダメだなぁ・・・・。」と言った切り、半分以上残されてしまった経験がある。
理由を尋ねたところ、「いつも食べているラーメンと違って、色々いじられていて食べづらい」のだと言う。では、普段はどういうラーメンを食べているのかと聞けば、「普通のシンプルなラーメンを食べている・・・・」と言われてしまい、「ハッ・・・・」として、「返す言葉」に詰まってしまった事がある。

テレビや雑誌のラーメン特集で、「目新しさ」や「話題性」を持ったラーメンばかりが持てはやされるのは判るが、一方で、「昔から食べ慣れたものが一番」、「庶民の友であるラーメンこそ変わらないで欲しい」・・・・と言う層が厳然として存在するのも、また事実なのである。
その時、いくら自分が「ラーメンの進化」に興味があるからと言って、他の全員が同じレベルで興味を持っていると思うのは、大きな間違いである事に気付いた。

映画の「男はつらいよ」が、同じ配役、同じストーリーで、何十年も続いて観客を動員できたのは、無闇に「変えなかった」からだ。「水戸黄門」も「サザエさん」も同様である。不変のワンパターンゆえ常に安心して見られる良さがある。
いくら時代が進もうと、日常の飲食や娯楽に、「変化」や「冒険」を求めない心理を持つ人達を否定はできないし、実際、世の中そういう層こそが、想像以上に圧倒的な多数派を占めているような気がする。

そして、最も大切な事実は、「食数」や「売上総額」で考えれば、僅かな数の「ラーメンマニア」ではなく、大多数の「一般客」「普通の人々」こそが、現実にラーメン業界を支えている「主役」であり、多額のお金を使ってくれている「功績者」であると言う現実だ。マニアが消費するラーメンの杯数など、全国のラーメン店の売り上げで言えば、おそらく「1%」にも満たないだろう。
全国のラーメン店を縁の下で支えている「圧倒的多数派」、「真の最大顧客層」、「本当の主役達」は、そう言う保守的な傾向を持つ「サイレント・マジョリテイ」の人達であることを忘れて、決してラーメンを語ってはならないと思う。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)




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