ラーメン&つけ麺食べ歩き
楓神
(埼玉県 北足立郡)

店名 博多長浜らーめん 楓神(ふうじん)
住所等 埼玉県北足立郡伊奈町栄1-93 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2006年6月下旬  らーめん 600円 
          塩とんこつ 650円




〜楓神 その1〜



お店に到着しました、右手の道路は大宮栗橋街道です。
電車だとJR宇都宮線の蓮田駅や、
埼玉新都市交通線の沼南駅、丸山駅から徒歩20分ほど。






お店はあまり飾らないシンプルな外観。
三角屋根がトレードマークかな?
店頭に10台程の駐車スペースがあります。






店内はL型カウンター席、テーブル席、小上がり席があります。
椅子の形などから、以前はレストランだった感じ・・・?






卓上のメニューです。
「らーめん」を注文しました。後で「塩とんこつ」も追加。
無料の「にんにく油」のトッピングも。






壁面に貼られたメニュー。
「きゃべつ」「辛高菜」など、卓上メニューにはないものも・・・。










2006年6月下旬 らーめん 600円
(この写真はクリックで拡大します)



ズルズル、ハグハグ・・・・
う、うぅ、う・・・・美味すぎる (゚Д゚)

豚頭の超ディープな旨味+トロトロ濃厚ゼラチン+たおやか極細麺−旨味ダレ
=これぞまさに、私にとって博多豚骨ラーメンの「理想形」です。

こう言う「博多長浜ラーメン」を長らく探していました・・・。
スープ表面が濃厚ゼラチンで「波打って」ますな。









ゼラ、ゼラ、ゼラ、ゼラ・・・・なんつー・・・・濃厚なゼラチン密度。
しかもタレが薄いので、この「濃厚ゼラ」を心ゆくまで思う存分に堪能できますた。
匂いも、味わいも、「男のロマン」を感じさせるディープなガテン系路線。






麺の茹で方は「普通」でオーダーしました。
いやー、良いですね、「ワシワシ」「ザクザク」と硬くて粗い食感ではなく、
口中で「フゥンワリ・・・・」と優しく膨らんで、素晴らしく「ふくよか&たおやか」。
これが「本当」の博多麺の魅力ではないでしょうか・・・・あまりにも美味すぎですぞ。






茶色くて「ザラッ」とした粗い食味ではなく、
白くて「フワァ・・・」とする軽さのある優しい口当たりが素晴らしい。
豚骨風味とゼラチンが濃厚なスープに、この優しい極細麺の食感が超ベストマッチ。
うむむ・・・空腹時なら替玉5杯は楽に行けそう・・・・。






無料サービスの「にんにく油」です。
油っぽくドロリとして、ニンニクの風味は意外と控えめ。




2006年6月下旬 らーめん 600円 

埼玉県内でも屈指の博多長浜豚骨ラーメン店。2002年の創業で、都内の博多長浜豚骨ラーメンの名店「田中商店」(足立区)で修行された方が開いたお店らしい。
車で行く場合、お店は「大宮栗橋線」(埼玉県道3号)に面しているが、間口が狭いのでスピードを出していくとうっかり通り過ぎてしまう可能性があるので注意したい。ちなみに、こちらのお店の前後100mほどは見えただけでも四軒のラーメン専門店が密集するプチ激戦区となっているようだ。
店内はいわゆる街道沿いのファミリーレストランを改装したような造りで、小上がり席とカウンター席があり、内装的には結構年期が感じられる雰囲気。男性2名、女性1名で切り盛りされていた。

駐車場で車を降りた途端、「本格派」の匂いがほのかに鼻を捕らえてくれる。この匂いは、世間ではいわゆる「豚臭い」「豚骨臭」などと表現されているようだが、決して不快なものではなく、豚骨の匂いと言うよりも、実は「ブタ頭」・・・・つまり豚の脳味噌を炊いた匂いなのである。
そう言う意味では普通のラーメン店では決してあり得ない独特な「内臓系」(=ホルモン系)の匂いとも言え、それゆえ、豚のホルモンの煮込みを出す飲み屋さんの店内の匂いとも通じるものがある。要は、「働き盛りの男心」を何とも絶妙にくすぐるガテン系のディープな匂いだとも言えるだろう。

登場したラーメンを見ると・・・・何と、スープ表面の一部が波打ち、早くも「ゼリー状」になり始めている・・・・。
この瞬間、「こ、これは超期待できる」と、こちらの心身も一気に臨戦態勢モードに切り替わる。
一口飲んでみると、ちょっと醗酵したような独特な匂いと芳ばしさ、スープにコッテリと溶け込んだ大量のゼラチン質と豚の脂、そして豚の頭(脳みそ)から出たと思われる猛烈な「醇」(コク)、これらの複雑な旨味が幾重にもからみ合って、重なり合って、まさに限界まで分厚く溶け込んだ流動性固体のようなスープである。
そして同時に、そのトロトロする口当たりの濃濁さからは到底想像できない・・・・まるで秋空の「浮き雲」のような、素晴らしく「柔らかい味」「軽い飲み口」を備えた、実に「優雅なる美味しさ」を持つスープであることに何より驚かされる。

その美味しさは・・・・一言で言うならば、まさに一切の調味料や添加物を感じさせない「100%ピュア・ナチュラルポーク」な味わいだ。
まず、タレや塩分が非常に控えめで、スープからはまるで「調味料感」「添加物感」が感じられず、嫌な「違和感」や「カド」が絶無なのである。化学調味料に頼った感じもなく、豚骨スープの常套手段であるニンニク臭でごまかしている感じもなく、これほど旨味が豊かで濃厚なのに、スープの後味が非常にすっきりしているのは本当に素晴らしい。実際、スープの出来栄えに「絶対の自信」があるからこそ、これほどタレの量を少なくできるのであろう。
これほどに「タレ」が極めて控えめでありながら、それでいて、飲めば明確に「美味しい」と思わせられてしまうのには恐れ入る。また、「雑味」「血生臭さ」等が全く感じられず、新鮮な豚ガラを使い、相当にきちんと下茹で&下処理をしている味であり、豚骨をグラグラ煮込む濃濁系スープの「負」の部分を微塵も感じさせない素晴らしい「仕事」である。独特なホルモン系の匂いも、慣れてくると臭みと言うより心地よい「コク」に感じられて来る。

こちらのスープを二口ほど飲んだところで脳裏に閃いたのは、私の大好きな名店「よかろうもん」(江東区)の超濃厚ゼラチンスープであった。
今回食べた限りでは、超濃厚ゼリー状の豚骨スープ+添加物感のない極薄味のタレと言う組合せが・・・・修行先の田中商店と言うよりも、むしろ「よかろうもん」の味に極めて近いように感じられた。

ただ、なぜかスープ温度がやや控えめで提供されたのは不思議だ。これは、二杯目の「塩とんこつ」でも同様にややスープ温度が控えめだった。「替玉」前提の博多豚骨ラーメンとしては、やはりもう少し熱々で出して欲しいと思える。
ちなみに他のお客さんが「替玉」を頼んでいたが、厨房内のスタッフからホールで受け皿を手にして待つスタッフへと、まさにキャッチボールのように替玉が空中を飛んで届けられる見事なパフォーマンスを見ることができる。

そして、また「麺」がスープに劣らず非常に美味しい。
毎日、博多から空輸していると言う本場の極細麺は、「ワシワシ」「ザクザク」と硬くて粗い食感ではなく、口中で「フゥンワリ・・・・」と優しく膨らんで、素晴らしく「ふくよか&たおやか」。博多ラーメンによくある茶色くて「ザラッ」とした粗い食味も地場っぽくて良いが、こちらのお店の白くて「フワァ・・・」とする軽さのある優しい口当たりの麺も実に素晴らしい美味しさ。それでいてやたらと洗練されすぎず、高級すぎず、上手に「素朴さ」を残している。
豚骨風味もゼラチンも濃厚なスープに、この優しい極細麺の食感が超ベストマッチ。麺そのものも良いものであることに加え、何より茹で加減が絶妙と言うイメージを受ける。

博多長浜ラーメンと言うと、やたらと硬めの茹で方こそが「王道」のように賛美される事が多いようだが、これほどの美味しさを体験してしまうと、実はこの「フゥンワリ・・・・」とする優しい食味こそが博多麺の「本当の姿」「真の魅力」ではないだろうかと思えてならない。
特にある程度、飲んで食べて、最後の締めの一杯として食べるなら、私的には麺はこれ位の「柔らかさ」こそが間違いなくベストに感じられる。
私も極まれに茹で加減を「ハリガネ」などにして食べることもあるが、歯応えは出るものの、やはり麺の旨味が物足りなく感じてしまう。ある程度きちんと茹でないと麺の旨味が出て来ないと思うのだ。

また、博多ラーメンと言うと、昔ながらの「オマケ」的なチャーシューを出すお店が多いが、この点、こちらのお店のチャーシューはサイズ、美味しさともに「出色」の出来栄えである。
適度な肉厚さで、歯応えも実にふっくらしており、バラ肉ではあるものの脂身が控えめなので、肉の素直な旨味がとても豊かに感じられる。博多系のスープや麺とのマッチングも申し分なく、相性を考慮しつつチャーシューを上手にグレードアップすることに成功している。ちなみにこちらのチャーシューはにんにく油で揚げていると言うのを何かで読んだ記憶があるが、長らくスープに浸していたためか揚げたらしき風味は判らなかった。

ちなみに、卓上には「コショウ」「辛子高菜」「オロシニンニク」「紅ショウガ」「白ゴマ」などの薬味類が置かれているが、唯一ちょっと気になったのは、ニンニクが、「田中商店」や「ぼたん」(豊島区)のような「自家製の刻みニンニク」ではなく、樹脂製のボトルに入った「業務用オロシニンニク」であったことだ。普段なら大して気にならないのだが、これだけの本物感満点の「絶品」濃厚豚骨スープに入れるには、「業務用オロシニンニク」はどうしても水っぽく、微妙な薬臭さが感じられてしまう。
また、メニューに無料サービスの「にんにく油」と言うものがあったのでお願いしたのだが、これがチャーシューを揚げたと言う油なのかどうか不明だが、油っぽくドロリとして、ニンニクの風味は意外と控えめな油であった。焦がしニンニク風味が加わると言うよりもスープに「重さ」が加わる感じなので、好みで使い分けるのが良いと思う。

食べ終えてみれば、麺もチャーシューも素晴らしいが、それらにさらに輪をかけて、やはり「スープ」が実に素晴らしい。
こちらのスープ・・・・「濃密ゼラチン系」独特の深ーい「充足感」「満足感」があるスープであり、やはり「よかろうもん」同様に、他のどの「博多豚骨ラーメン」とも「明確」に違うものがあると確信させられる美味しさだ。
つまり、このスープを舌や脳が美味しいと感じているのはもちろんなのだが、むしろこのゼラチンスープを本能的に私の「体」が強く「欲している」という印象になる。
食べていると、「ピトピト」「ネトネト」として、油断していると上下の唇がビタッと「接着」されてしまうほどの・・・・まさに「瞬間接着剤」的なゼラチンスープである。この濃厚なゼラチン密度は、今回、スープが煮詰まりかけた夜の10時過ぎと言う遅めの時間に訪問したのも「奏功」しているだろう。

いずれにしても、「こう言う博多長浜ラーメンを長らく探していた・・・・」と、心底思える素晴らしい一杯であった。


(麺は完食。スープも完飲。)




↓続きあり






〜楓神 その2〜










同上日 塩とんこつ 650円
(この写真はクリックで拡大します)



ほう・・・・絶品の濃厚豚骨スープを使って
関東風にアレンジして仕立てた一杯ですね。

麺を博多極細麺から、関東で人気の「家系」風の麺へ変え、
キクラゲの代わりにメンマを、万能ネギの代わりに白ネギをトッピング。
どこにもない「オリジナリティ」豊かなラーメンです。

スープも、麺も、チャーシューも・・・
ナチュラルな旨味満載の「リッチ&へビィ」な路線で美味しい。
すぼまった形の器も独特ですな。









中太麺との組合せを考慮してか、やや「ピシッ」とした塩気を増したスープ。
パンチが増した感じはあるものの、塩ダレゆえか「カラッ」として意外にシンプル・テイスト。
添加物感のなさと、トロトロ、ネトネトの濃厚ゼラチン感も健在。






「家系」風の中太ストレート平打ち麺
卵の豊かな風味とモチモチする粘りのある歯応えで、
麺そのものが「美味しい」、豊かな甘味と旨味を持つリッチ系テイスト。




同上日 塩とんこつ 650円

あまりにも「らーめん」が美味しかったので、メニューのもう一本の柱となる「塩とんこつ」をオーダーした。メニューの説明によれば、「ちょっとこってり 馴染みの白ねぎと卵麺」と書かれている。
すぼまった独特の器に入れられて登場したラーメンは、麺が博多定番の極細麺から平打ち卵麺へ変えられており、黒キクラゲの代わりにメンマが、万能ネギの代わりに白ネギがトッピングされている。
どうやら、絶品の濃厚豚骨スープに、馴染みのあるエッセンスを加えて、関東風にアレンジして仕立てた一杯のようだ。

スープは、多少スープを抱き込みにくい中太麺との組合せを考慮してか、やや「ピシッ」とした塩気を増した味付けにされており、スープ一口目は少しだけ塩分が目立って感じられる。
舌を鋭角的に刺す感じのしょっぱさではないが、舌全体に「ビシッ」と叩きつけるようにやや強めに塩気が効いているイメージだ。
それゆえ、味にパンチが増した感じはあるものの、一方では、シンプルな塩ダレゆえか「カラッ」として意外に単層的なテイストにも感じられる。この「塩とんこつ」と比較すると、先の「らーめん」はタレの味自体は薄めであったが、実際にはタレの中に様々な旨味のエッセンスが潜んでいた事が良く判る。
明確な塩気のおかげで、麺を次々に食べさせるには良いチューニングかも知れないが、スープ自体の味がシンプルなこともあり、ゴクゴクと次々に飲み進む感じにはならなかった。

麺は、きれいな淡いクリーム色をした中太の平打ちストレート麺。
食べてみると、何とも「リッチ」な味わいと言えば良いのだろうか、非常に艶やかなすすり心地を放ち、噛み締めればモチモチとして心地よい歯応えがあり、豊かな旨味と甘くかぐわしい卵の風味があふれ返る・・・・ハイグレードな高級感のある麺である。
麺そのものに濃厚な風味と旨味があるので、麺だけをずっと噛んでいたくなるほどの豊かな味わいだ。数口食べたところで、この麺の食味は・・・・・横浜発祥、今や関東一帯に勢力を拡大している「家系ラーメン」でお馴染みの卵麺を連想させるものである事に気付いた。本格派博多豚骨のスープに、関東で人気の「家系」風の麺を組合せてみるのはなかなか面白いアイディアだと思う。

チャーシューは上記「らーめん」と同じものが乗る。
適度な肉厚さと実にふっくらした歯応え、薄味の味付けと素直な旨味など、実に心やすらぐ美味しさだ。そこへ「関東人」に馴染みの深いメンマと白ネギがトッピングされる。

トロトロ感の豊かな濃厚な豚骨100%スープに、モチモチ感の豊かな卵麺が組み合わされ、とても食味の「膨らみ」の豊かなラーメンであるが、食べ進んでいくと、このスープとこの麺の組合せは・・・・やはり、どこかしら「斬新」なものとも感じられてしまう。
さらにメンマに使われているとおぼしき微細なゴマ油の風味や白ネギの香りなども加わって、どこにもない「オリジナリティ」豊かな味わいに仕上がっていると思う。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)










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