ラーメン&つけ麺食べ歩き
茶釜食堂 年貢町店
(福島県 白河市)

店名 茶釜食堂 年貢町店(ちゃがましょくどう ねんぐちょうてん)
住所等 福島県白河市年貢町50 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2005年7月上旬 しおらーめん 600円
           中華そば 500円



〜年貢町茶釜 その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
JR白河駅から徒歩10分ほどの場所。






昭和21年創業、白河の老舗中の「老舗」です。
左脇の路地を入ると6台ほど停められる
駐車場があります。






うーん・・・この微妙な「薄暗さ」が
いかにも「老舗」と言う雰囲気でイイですな。
テーブル席と小上がり席があります。






メニューです。
白河としては珍しく多種のスープを用意。
ごまらーめん等の珍しいメニューも。






裏側は写真入り。
せっかく色々なスープがあるので、
白河では珍しい「しおラーメン」と、
定番の「中華そば」を食べる事に・・・。










2005年7月上旬 しおらーめん 600円



スープも麺もボリュームが結構多めです。
何よりも手打ち麺のモッチモッチした「唯一無二」的食感が非常に印象的。
「麺」と言うよりも・・・まるでつき立ての「おモチ」のような食味です。
塩スープは優しいガラ風味とラードの層がアクセント。

何より感じるのは、「毎日食べられる味」、
そして「毎日食べたくなる味」・・・・と言う事ですね。









表面の所々にラードのシワが浮いて見えます。
スープ自体はかなーりあっさりしたナチュラル・テイスト。
穏やかにガラ風味が香る優しい風合いのスープ。






ズルズル・・・ハフハフ・・・。こ、ここ・・・これは、
「麺」と言うよりも・・・まるでつき立ての「おモチ」のよーな??

この類まれなるオリジナリティな食味・・・初めて食べました。
モチモチした太麺が好きな人には「究極の麺」かも。






この信じがたい粘りっ気と、ポヨンポヨンと柔らかさのある太麺・・・
モッチリとして歯や舌にネトネトとまとわり付き、ペトペトくっつく感じ・・・
つき立て熱々の湯気の立つおモチをグィーンと引き伸ばして、
かぶりついた時の感覚に近いっす。




2005年7月上旬 しおらーめん 600円

白河では老舗中の「老舗」として知られているお店。「茶釜本店」が白河市本町にあり、こちらの年貢町店は昭和21年の創業らしい。
大抵の白河の有名店は「とら食堂」の流れを汲む「とら系」であることが少なくない中で、とら食堂の影響を受けていない貴重な存在とも言えるだろう。
ノレンをくぐると、店内は微妙な「薄暗い」照明になっていて、妙に落ち着くと言うか、いかにも「老舗」と言う雰囲気に満ちている。テーブル席と小上がり席があり、壁で仕切られた奥の一帯が厨房になっていた。店員さんの雰囲気から、いかにもご家族での経営と言うイメージ。メニューを見ると、醤油が支配的な白河としては珍しく多種のスープが用意されていて、いかにも「食堂」と言う感じを思わせる。

最初に頂いた「塩ラーメン」は、器が大きく、しかもスープがたっぷりと注がれ、麺もボリュームが結構多めであった。
あっさりとし過ぎないようになのか、コッテリ感を出すために多少のラードが足されている感じで、表面にはラードの膜の微細なシワが張っている箇所がある。
一口飲んでみると、豚、鶏ガラ、野菜などでスープをとっているようだが、ガラの出汁は穏やかな感じであり、旨味自体は随分と優しいもので、ラードの一押しはあるものの、実にナチュラルなあっさりとした風合いのスープである。
塩味は決して弱くないが、唇や舌に意識的に触る程度であり、ゴクゴクと飲んだり、スープをすべて飲み干すにはやや塩気が強いとは思うものの、麺を食べるには丁度良い「塩梅」を見事に探り当てている感じだ。
また、優しい豚骨風味に加えて、表層のラードの味が時々混じって感じられ、味に微細な変化を与えていて飽きさせない。塩ラーメンとしては化学調味料の味もほとんど感じられず、強烈なインパクトがない分、変にいじられ過ぎておらず、毎日食べても、飽きない味だと思う。

そして、何よりも驚くほど印象的だったのは「手打ち麺」であった。
器の中にどっさりと盛り込まれた縮れた太麺・・・・箸でつかみ上げるとポヨポヨする「柔らかで重い」感触が指先に伝わって来る。
ズルズル・・・ハフハフ・・・と食べてみれば、こ、ここ・・・これは、「麺」と言うよりも・・・まるでつき立ての「おモチ」のような・・・未体験の食感にびっくりさせられる。噛み締めると、モッチモッチ、ムッチ〜リと柔らかく粘り、歯や舌にネトネトと麺がまとわり付き、ペトペトくっつく感じがある・・・のだ。
この信じがたい粘りっ気と、ポヨンポヨンと柔らかさのある麺・・・まるで小麦粉だけでなく、モチ米がブレンドされたかのような錯覚を覚えるほどである。例えるなら、つき立て熱々のおモチをグーンと引き伸ばして、湯気の立つ熱々のところをかぶりついた時の感覚に近いだろう。
麺特有のツルツルとすする「直線」の軌跡ではなく、ポヨポヨ、モッチモッチ・・・とする「粘り気」が支配する世界、食べ進んでいるうちに、まるで「お雑煮」のおモチをほおばってるような気になって来た。
こういう「超」多加水の麺は機械打ちでは絶対に作れないので、まさに「手打ち冥利」に尽きる味わいである。

具ではさやインゲンが乗るのが珍しい。チャーシューは、秘伝の製法でお店の自慢らしいのだが、たまたまなのかミシミシと音がするような割と硬めの繊維感が印象的であった。味付けは薄めで肉の味がダイレクトに感じられるもの。
メンマは柔柔であったり、ちょっと硬かったりと、食感にややバラツキがある気がした。

それにしても、特筆すべきはやはりこの「手打ち麺」だろう。その「おモチ」のような特有の食感、口当たり、は私の脳裏に鮮明に焼きついてしまった。
今まで様々な手打ち麺を食べ歩いて来たつもりだが、正直、このタイプの手打ち麺は初めて食べた。何とも食べ手を夢中にさせ、知らぬ間にトリコにしてしまうような・・・個性豊かな美味しい麺である。まさしく、手打ちならではの「技」であり、全国でも、こちらのお店でしか食べられないような気がしてならない・・・非常に貴重な麺だろう。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)




↓続きあり






〜年貢町茶釜 その2〜










同上日 中華そば 500円



器いっぱいのたっぷりのスープが印象的ですね。
麺の量もしっかりと多めです。

深〜い醤油の旨味に満ちたスープは、
ワザとらしいインパクトや、妙なギミックとはトーゼン無縁。
つき立ての「おモチ」のよーなモチモチの手打ち麺も健在です。

独自に進歩して来たイメージの味ですが、
個性に満ち溢れながらも・・・実に毎日食べたくなる味。









たまり醤油のような・・・醤油自体のコクのあるコッテリした風味。
ガラの旨味や風味は適度・・・と言う感じですね。
甘味が加わり、レトロで、懐かしさも感じる、
昔風の「醤油」の旨味がジンジンと舌にやって来ます。






重めの麺はズルズルとすする感じ
口に入れるとトローン、トロリ、としているものの
歯を入れたとたん強烈なモッチ〜リ感に襲われる。
ちぢれてはいても角がゴツゴツする感じがなく、粉っぽさも絶無。






さらにもう一つかみ・・・。
ズルズル、ハフハフ、モッチモッチ・・・うーん、美味しいですね。

まるでつき立ての「おモチ」のよーな粘りと柔らかさに富んだ太麺。
全国探しても、こちらでしか食べられないよーな・・・気が。




同上日 中華そば 500円

続いて、「白河」定番の醤油ラーメンを食す。滅多に来られない土地と言う事も考えると、あのおモチのような自家製麺の食感を再食してみたいと言う意味もあった。
登場したラーメンは、またまたボリュームたっぷり、大き目の器の口切いっぱいまでスープが注がれている。

そのスープを見た際に、その濃い醤油色から・・・・かなーり「濃い口」の強い醤油の味を想像したのだが、想像とは裏腹に、醤油はしっかりと火入れされていて、ほぼ完全に香りを飛ばしているようだ。
適度な動物性のガラのコクの上に、たまり醤油のようなコクのある醤油味が広がり、じんわりと舌にトグロを巻くような深い旨味が感じられる。また、ミリンのような甘味がしっかりと足されていて、醤油の醸造風味の苦味、深み、エグ味のような味と、そのやや強めの甘味とが、お互いを引き立て合い、交互にサポートし合う形で、食べさせるイメージだ。
いかにも地場っぽい味、レトロで懐かしい味とも感じるが、決して古臭い味ではなく、甘味があるせいで口当たりが良く、心が和む「温かさ」のある味になっている。味の広がりや複雑さはさほど感じないが、昔風の「醤油」の旨味がジンジンと舌にやって来るシンプルながらも深い味である。
他の白河ラーメンのほとんどが、醤油の若くて明るい香りを生かし、キレのある鋭角的な味付けで食べさせるのとは実に対照的だと思う。こちらは香りを飛ばした後の醤油の「コク」でじんわりと食べさせるイメージなのだ。

まるでつき立ての「おモチ」のよーな粘りと柔らかさに富んだ麺は、醤油スープでも健在であった。重めの風味の醤油ダレがからんだせいか、やや量感を増した感じの麺はズルズルとすすり甲斐があり、口に入れると柔らかくトローン、トロリ、としているものの・・・・歯を入れたとたん強烈なモッチ〜リ感に襲われる。
縮れてはいても角がゴツゴツする感じがなく、粉っぽさも絶無な食感だ。モチモチした太麺が好きな人にとっては、まさしく「究極の麺」かも知れない。

いざ、食べ終わってみると・・・・・麺のモチモチした食感自体がかなーり存在感があるうえ、量がたっぷりあるので、「食べたー」という満足感が高い。しかし、腹は膨れても、多加水麺特有の柔らかで非常に消化が良いイメージの腹心地であり、優しい後味が何とも言えず心地よい。

こちらのお店のラーメン、麺といい、スープといい、確かに白河においても、独自に進歩して来たイメージの味である。
そして、塩ラーメンと中華そばを二杯食べて思ったのは、いかにも「日常食」としての地位を、きっちりと見事に「確立」していると言う事だろう。
何と言うか、つまり地元では「ラーメン」として認識されていると言うよりも・・・・・むしろ「ご飯もの」に近い感覚・・・・・「米飯」同様に「日常の食事」として定着&浸透しているイメージを受けるのだ。
お店を後にして思うのは・・・まるで美味しい「白米と味噌汁」のように・・・・・「毎日食べられる味」、そして「毎日食べたくなる味」・・・・と言う事である。


(麺は完食。スープは3割飲んだ。)










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