ラーメン&つけ麺食べ歩き
CHABUYA JAPAN SIO
(東京都 文京区)

店名 CHABUYA JAPAN SIO RAHMEN BRANCH(ちゃぶやじゃぱんしおらーめんぶらんち)
住所等 東京都文京区音羽2-2-2 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2004年6月上旬 塩ラーメン 700円 
2005年3月下旬 梅塩らぁ麺 700円 



〜CHABUYA JAPAN SIO RAHMEN BRANCH その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




護国寺駅を降りたところです。
道路の先に「護国寺」が見えますな。
お店は右の銀柱のあるビルの1F。






ちなみにお店の真向かいは
某大手出版社の立派なビルがあります。
店の周辺はまさに「文京」の地という雰囲気・・。






お店です。
なんかメタリックな感じでカッコイイ。
お隣はコンビニ。






営業時間。
日曜日が定休日。






券売機。
入ってすぐ右側にあります。
メニューは塩ラーメン系統です。
「冷ザルらぁ麺」はユニーク。






店内はカウンターのみ。
なんと「障子」で仕切られてます。






カウンター裏側。
「障子」といい「ザルらーめん」といい、
微妙に「和式」を取り入れてます。






厨房。
スタッフの服装ともども
カフェレストラン風。
清潔感満載って感じ。






壁のオブジェ。
麺箱を切って、埋め込んだようですな。
壁はコンクリート打ちっぱなし。










2004年6月上旬 塩らぁ麺 700円



オリジナリティのある塩ラーメン。
あえて素材数を制限して作ることで、目指すものを
一層明確にしていった感じ。
鶏、塩、ニンニクチップがキーワードですな。

塩ラーメン界の「殿堂入り」
間違いない会心の出来栄えです。











麺のアップ。
やたらと長〜い長〜い麺ですぞ。
ふくよかで、しなやかな食感。
非常にデリケートなので、茹で過ぎには弱そう。




2004年6月上旬 塩らぁ麺 700円 

ちゃぶ屋の塩ラーメン専門ブランチ(支店)として2003年にオープンしたお店。ちゃぶ屋本店からも徒歩2分、道路をはさんだ斜め向かい側にある。
店内はのコの字型の座席配置で10席ほど。小さなカフェスタイルの小気味良い雰囲気だ。メニューは塩味、梅塩味、冷ザルラーメン、など。この「冷ザルラーメン」というのは具なしのつけ麺で、めんつゆのような物が付く。まるで日本そばの「もりそば」を意識したようなものでなかなかユニーク。

入店すると店内には揚げネギの芳ばしい香りが充満していた。
供されたラーメンは、いかにも使われた素材が濃密に溶け込んだようなやや半透明の黄土色で、表面には油の層とゼラチン膜が厚めに張っている。濃厚な動物系風味のうえで、揚げネギとニンニクチップの香りが非常に芳ばしく、鼻腔を誘惑してやまない。
一口スープを飲んでみると、丸鶏を使っているのか、鶏の「身」の味がする。「ささみ」肉のような優しい丸い風味。その幾重にも幾重にも分厚く折り重なった鶏の出汁の上に、新鮮で芳ばしいローストアーモンドのような風味が重なり、一口目からいきなりこのロースト風味の世界へ引きずり込まれてしまう印象。ちゃぶ屋系列としては、塩分は割と控えめで、油もやや多目という程度で、最後まで飲み干さずにはいられない、すごくおいしい高いレベルのスープである。ともかく素材の厚み感があり、ローストのニンニクチップが比類のない香ばしさを放っている。
また、麺がこのスープに相応しい非常に秀逸なもので、なめらかな極細ストレート麺の「頂点」を味わう思い。
箸で麺を持ち上げるとどこまでも長く、腕の長さ位はありそう。すすれば「スルスルスルスルスルー・・・」と長らく歯をなでるかのように口の中へ忍び足、柔らかなネコ足のようにしなやかに入ってくる。口当たりがとても柔らかで、どこまでもゆったりとなめらかな新食感だ。噛めばじんわりと小麦があふれ、飲み込めばまるでシフォンケーキの如きソフトな後味である。あまりに美味すぎる麺であり、間違いなく国産の良質な小麦を贅沢に使っている味。歯触りと喉越しに的を絞った感じの、この「長く」「ソフト」「しっとり」した麺、打つのも茹でるのもかなり難しそうなデリケートな食味であり、やはりスープと同じく、こちらのお店の持つ技術水準の高さをまざまざと見せ付けられる感じがする。

さらにまだ予期せぬ伏兵がいた。チャーシューである。肩ロースと思われるそのチャーシューは極めて薄く切られていたが、その驚くべき「ふくよかさ」「豊かな味」には、一口食べた瞬間、目の前が明るく開けるような衝撃が確かにあった。ここまでふうわりとするチャーシューは滅多に食べられない。チャーシュー、麺、スープ、を同時にほおばるとまさに旨さの三重奏である。この馥郁たるチャーシューからは極わずかに日本酒のような香りがするので、醤油、ミリンなどとともに調味液の中に混ぜているのかも知れない。

麺や具を食べ終えた後、大きい陶器製のレンゲであらためてスープを飲んでみると、割と油感はあるものの、化学調味料臭さがないため、とてもナチュラルですっきりしている。このスープ、素材を絞り込んでいるというか、あれもこれもと欲張った感じではなく、やや登場人物が少ないというか、味の広がり感や素材の幅は狭く感じるが、その分、同じような系統の素材をいくつもいくつも重ね、積み上げ、濃縮した感じで、まるでバームクーヘンのように「芯の太い」「安定感のある」旨味にあふれている。
定番的なメンマや海苔などを入れないのも、味の広がり感、バラエティ感よりも、あえて「統一感」を大切にしているためだと理解した。

こちらのお店へは今までも何回か訪問したことがあるが、出来栄えにちょっとブレを感じる事がある。今回が最上の出来栄えと感じた。


(麺は完食。スープも完飲。)




↓続きあり






〜CHABUYA JAPAN SIO RAHMEN BRANCH その2〜




「冷ザルらぁ麺」目当てにほぼ9ヶ月ぶりに
訪問してみましたが・・・な、ない (´ヘ`;)
急遽、「梅塩らぁ麺」を食すことに。






店内も模様替え。
テーブル中央の仕切りがなくなっていました。
あふれる清潔感は相変わらずです。






コンクリの壁面に麺箱のオブジェも相変わらず。
向かい合わせになる席レイアウトはちょっとミーティング風。
( ´∀`)






こんな形の器に変化。
熱々のスープがたっぷりと内包されています。
底が深いので、「サプライズ」を次々に発掘していく感覚。










2005年3月下旬 梅塩らぁ麺 700円



うむむ・・・一杯で「5度」美味しい。
器の中には素晴らしいオリジナリティとセンスが渦巻いています。

まるで・・・・起・承・転・結・・・・食べ終わってみれば、
一冊の小説を読み終えたかのような気分です。

作り手の非凡な「才能」と、若き「情熱」がまじまじと伝わってきますね。
今、最も「新しい」、一番「進化した」・・・ラーメンの一つではないでしょうか。
まさに、「目指すものが違う」という印象ですな。









普段口にするスープとは、明確に「レベルが違う」と思う美味しさ。
普通のラーメン店ならここが味の「ゴール」でしょうね。
ところが、こちらではここからが、むしろ「スタート」と言う印象。
まさしく「求道者」というイメージです。






またまた進歩&進化した感のある自家製麺。
極細麺ながらも、「ツルツルッ」とする小気味良いハリと、
「プリプリッ」とする鮮やな動きがあり、素晴らしく美味しいです。
スープとの相性を常に視野に入れているイメージ。






器の底に沈んでいた梅干と紫蘇の葉(大葉)。
あえて、最初から登場させず、最後の最後に登場させる
「ボスキャラ」的な演出を感じますな。




2005年3月下旬 梅塩らぁ麺 700円 

先日食べた「光禅」(中野区)の自家製麺の驚愕の美味さに少なからずショックを受け、改めて細つけ麺の魅力を探究してみたくなった。
そこで個人的に思い当たるお店をいくつかリストアップしてみたところ、こちらの「CHABUYA JAPAN SIO RAHMEN BRANCH」は、店主の森住氏がスープだけでなく「麺」の研究に非常に熱心である事、そしてさらに嫌が上にも期待を膨らませてくれるネーミング、「冷ザルらぁ麺」を提供している事を思い出し、大いなる期待のもと、「冷ザルらぁ麺」目当てに久しぶりに訪問してみた。
と、と、ところが・・・・入店し、入口横の券売機のボタンをいくらつぶさに探してみても、目当ての「冷ザルらぁ麺」の文字がない・・・。
以前、「冷ザルらぁ麺」のボタンがあったところは白地ボタンになっていて、さらに「売り切れ」の表示ランプが点いていた。ひょっとして夏季限定のメニューなのだろうか。

落胆しつつも、気を取り直して「梅塩らぁ麺」を購入した。そして、店内へ進んで見て、またまたびっくり。以前はテーブル席中央に「障子」風のしきりがあったが、それが取り払われ、広々としている。広々としているのは結構なのだが、この低めのテーブル席では、相向かいの人の顔や仕草が手に取るように見えてしまい、まるでこれから顔をつき合わせてミーティングでも開くようなイメージである。
私が訪問した際は、たまたま向かい合わせ席が空席であったが、満席時などは、見知らぬ人とついつい目が合ってしまうようで、食べていてちょっと落ち着かないのではないかと思えた。

さて、登場したラーメン・・・・器の形が微妙に変化し、見慣れない具であるトロロ昆布がちょっと目を引くものの、色彩的にはむしろやや寂しい感じを受けた。
チャーシューや梅などの具も、スープの中に深く沈んでしまっていて、その存在を確認することは出来ない・・・・が、この「凪」(なぎ)の海の如き、控えめで物静かな佇まいからは、到底想像もつかないまさに驚愕の味覚体験がこの後に待ち受けているとは・・・・・この時は思いもよらなかった。

基本的なスープは通常の「塩らぁ麺」と共通のように思え、いかにも素材が濃密に溶け込んだようなやや半透明の黄土色であり、「塩」と言いつつ多少の醤油を混ぜているお店も多い中、こちらのスープは醤油などは一切混ぜていない印象。
そうして大きなレンゲで一口スープを飲んでみれば・・・・まさしく一瞬にして、普段口にするラーメンのスープとは、はっきりと「レベルが違う」と思わせられてしまう美味しさである。
最初に、優しい素材の旨味がほんのりとした塩味とともに感じられたかと思うと、直後、次々に畳み掛けるように旨味が続き、幾重にも幾重にも舌の上に折り重なって、あれよあれよと明確に「美味しい」と思わせられてしまう。
ともかくスープに、素材の「厚み」感があり、単に繊細とか、上品とか言うよりも、「洗練」と「力感」が見事に同居したような・・・、「優しさ」と「パンチ」が見事に融合したような・・・・。
どこにも塩カドのとがったところがなく、ふくよかで豊かな素材感とともに、香ばしさや甘味のようなものもほんのりと感じられる。鶏が中心のようだが、決して軽いスープではなく、どちらかといえばウェイト感のあるスープだが、それが塩ダレの強さによるものではなく、素材からのダシの濃さでウェイト感を出しているところがスゴイと思う。
まずは、これが第一回目の美味体験だ。

続いて、大いなる期待のもと、極細麺をすすってみる。
以前の麺は、「スルスルスルスルスルー・・・」と長らく歯をなでるかのように、口の中へ忍び足、柔らかなネコ足のようにしなやかに入って来て、ふくよかながらも非常にデリケートな食感であった。
しかし、今回の麺は同じ極細麺ながらも、「ツルツルッ」とする小気味良いハリと、「プリプリッ」とする鮮やかで明快な動きがあり、舌先や歯を楽しませてくれるエンターテイメントっぽさがあり、これまた素晴らしく美味しい。この食味の違いは、ユッタリとした曲調でじっくりと聴かせる音楽から、アップテンポでリズミカルな明るい音楽へ変化したような印象だ。
食べていると時折、白ゴマが混じりプチップチッと弾けるのが心地よいアクセントになっている。
麺については、事前にある程度は期待していたにもかかわらず、期待値の一段上の美味しさを軽々と披露されてしまった気分だ。
この麺の口中での小気味良い「動き」、そうして噛み砕いたときの「風味」には、食べ手を夢中にさせ、最後の一本を食べ切るまで決して箸を止めさせないだけの出色の魅力が確実にあると思う。これが第二回目の美味体験である。

そして、麺を食べていると、嫌が上にも、スープ表面に多めに載せられたトロロ昆布が目に付く。
そのトロロ昆布だけを少し食べてみると、いわゆる普通のトロロ昆布そのものであり、何ゆえ存在しているのか少しの疑問を感じたのだが、試しに麺にからめて一口食べてみた。
そして、「うおっ」と、思わず心の中で叫ぶ。
トロロ昆布の「マッタ〜リ」と舌にからみつくような、まとわりつくような・・・・特有の「まろみ」「粘り」が、麺と一体になることで、得も言われぬ口当たり、未知なる舌触り・・・が誕生していた。
これは美味しいだけでなく、面白いと言うか、楽しいと言うか、サプライズと言うか・・・普通のラーメンではなかなか遭遇できない「新食感」だろう。
しかも、トロロ昆布の場合、昆布の緑色の表皮が取り除かれているため、磯臭さがなくなり純粋に天然グルタミン酸の旨味だけが増強される感じで、スープの風味の邪魔にならず、しかもスープだけの時よりも、さらに複雑でパンチのある味わいで麺が楽しめる。
これが第三回目の美味体験となる。

半分近く麺を食べたところで、箸の先が「コツン」と、チャーシューに当たった。
箸で持ち上げてみると、なかなか大判のチャーシューだが、既にところどころホロホロとほぐれかけていた。一口食べてみると、トロトロでありながら素晴らしく濃密な旨味が詰まっていて、これまた抜群の美味しさだ。
しかも、どうやら醤油でしっかりと非常に丹念に味付けが成されているようで、それまでのスープの鶏と塩味の連続から、ここで微妙に豚肉の旨味と醤油風味を味あわせることで、一筋縄ではない、複雑なコースの起伏を体験させられる気分でもある。
この意表を突かれるかのように美味しいチャーシューが第四回目の美味体験となる。

そうしてチャーシューを食べ終わると、スープの底の方から・・・何やら浮かび上がってきた。
よくよく見ると、これが何と梅干と紫蘇の葉であった。そう言えばメニュー名は「梅塩らぁ麺」なのであるから、梅が入っていてもおかしくはないなぁ・・・などと思いつつ、箸で突付いて梅をスープへほぐし、紫蘇と麺と一緒に食べてみると・・・・これがまた、清冽な酸っぱさと、紫蘇の独特の香気が、口中いっぱいにあふれ返り、いよいよ美味体験の第五幕が上がるイメージだ。
その鮮烈な驚きにも似た梅と紫蘇を飲み込み、それらが口中を去った後も、その残り香が旨味の豊かなスープと混じり合って、ゆったりとした旨味と酸味のコラボレーションワールドが尾を引くかのように続いている。
1シーン、1シーンで・・・これほど、意表を突き、想像を超え、楽しませてくれるラーメンは、実に初めての体験だ。こういったセンスは、さすがだなぁと思う。常に食べ手に先回りして、決して飽きさせず、楽しませる術を知り尽くしている印象の作り込みだ。

そうしていよいよ食べ終えてみれば・・・・食べている時から気付いてはいたものの、あまりにも当然のように・・・・・化学調味料や過度の塩分による不愉快な後味の悪さなどは微塵も感じられない。
いやはや、「ちゃぶ屋」のラーメン・・・・・実に会う度に成長している味である。「さらなる先へ」、「さらなる高みへ」、「さらなる未来へ」・・・・と志向している味と思えてならない。
まさしくラーメン業界最先端の味、おそらく都内でも、いや日本中でも、今、最も「新しい」、一番「進化した」・・・ラーメンの一つではないだろうか。つくづく新世代のラーメン性を感じさせられてしまう。

ここまで来るともはや「食」の世界と言うよりも、「クリエィティブ・ワールド」、つまり「芸術」の領域にも思えて来る。
ただ、ちょっとあまりにも芸術性が高すぎると言うか、孤高な存在と言うか・・・・ラーメンという食べ物の持つ「庶民性」、「大衆食性」、「日常食性」、「B級グルメ性」、「懐かしさや気取らなさ」、のようなものとは・・・・やはり、それなりに「距離」が広がって感じられる気もしてしまう。
あくまで個人的な嗜好だが、ラーメンと言う食べ物には、やはりどこかしらに、ある程度の「俗っぽさ」が残っていた方が、より満足感が得られる気がする。

また、早足の進歩、オリジナリティあふれる進化に、大衆がどのような反応を示すかも興味のあるところだ。
テレビドラマなどでも「水戸黄門」や「刑事コロンボ」など、あまりにもお決まりのセリフとお決まりのストーリー展開ではあるが、むしろその「進歩のなさ」「ワンパターンさ」こそが、見る側の大衆の一人として、何十年にも渡って心を開いて常に安心して見ていられる心地よさに通じているような・・・気がする。
そういう意味では、こちらのラーメンはいくつもの伏線があり先が見えない分、また、食べるたびに常に進歩している分、ワクワクさせられる反面、あまりに「求道者」的と言うか、どんどん「遠くへ」行ってしまうようで・・・・・食べ手側としては、ちょっとハラハラさせられる要素もあるような気がした。
また、緻密な作り込みゆえなのか、こちらのお店は日によって、出来、不出来の差を割とはっきり感じる事が多い。不出来な時は、派手さや量感がない分、意外と平凡な印象になってしまう事もあるが、毎回、今日くらいの出来栄えのラーメンが食べられると素晴らしいと思う。


(麺は完食。スープは9割飲んだ。)










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