ラーメン&つけ麺食べ歩き
バクエン
(中野区 中野)
(2005/10閉店)

店名 バクエン(ばくえん)
住所等 東京都中野区中野5-54-5 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2005年1月中旬 塩ソバ 700円



〜バクエン〜

(各写真はクリックで拡大します)




中野の「ラーメン激戦区」として知られる
「ふれあいロード」にお店はあります。
ちなみに中野駅とは逆側の早稲田通り側から
「ふれあいロード」に入りますた。






1分ほどでお店を発見。
山吹色のノレンが目印です。






格子戸がちょっと和食店のよーな雰囲気を醸して
なかなか「粋」な佇まいですな。






清潔感にあふれる店内はカウンターのみ。
客席後方のスペースが結構広々して
開放感があります。






メニューとラーメン王山本氏の推薦文。
漢字だと「獏苑」と書くようですな。
「塩ソバ」を注文しました。






スポーツ紙の記事切り抜きが置いてありました。
醤油ラーメンに対する取材のようです。
「無化調・無添加にこだわるラーメン」
「隠し味にトマト、スープに甘味と深いコク」
だそうです。










2005年1月中旬 塩ソバ 700円



うーん、何とも「落ち着き払った」イメージの一杯。
いわば本格「料亭」で味わう一品のような・・・そんな印象を受けます。

スープも、麺も、具も、驚くべき「正確さ」「精巧さ」で
調理、構成されている印象ですね。
焦げ目の付いたメンマ、春菊などが珍しいですな。









割と茶色っぽい塩スープです。
上品な薄味、非常に繊細なダシ、ほんのりした甘味・・・。
重さを出すためか、意外にラードを感じます。






柔らかめながらも絶妙なコシを感じる細麺。
ユルユルと丸く優しい味わいながらも表面のハリがいい感じ。
微妙なウエーブのせいか中華麺らしさもありますな。






チャーシューは実に「稀有」な良質素材感がお見事。
メンマはほんのりと柑橘風味?




2005年1月中旬 塩ソバ 700円

中野のラーメン激戦区「ふれあいロード」にある2003年開店の無化調のお店。去年暮れに味をリニューアルしたらしい。

「ふれあいロード」という細い路地を歩いてゆくと、目にもまぶしい山吹色のノレンが出迎えてくれる。
店構えも店内も清潔感にあふれ、どことなく「和食料理店」の雰囲気を醸している気がする。以前は券売機制だったが、今回はたまたまなのか食後の手会計となっていた。メニューは「塩」と「醤油」の二系統だが、「塩」が上に来ていたので「塩ソバ」を注文した。

登場した塩ラーメンは、一見すると醤油ラーメンと言っても通ってしまいそうな・・・やや濃い目の色がついたスープであった。焦げ目の付いたメンマ、春菊などが目を引く。
陶器製の小さなレンゲでスープを一口飲んでみると・・・一瞬、唇にラードの膜を感じ、ちょっと舌を遮られる感じがあったが、その下には上品な薄味、かつ、非常に繊細なダシを感じるスープが待ち受けていた。
動物系とか、魚介系とか、そういう区分ではくくり切れない、数々の素材から少しずつ旨味を抽出して、上手に均一化したような、いずれの素材も突出していない、とても「洗練された」スープである。
私的には、塩スープの場合、やはりもう少し「鶏」が目立つくらいの味の方が好みなのだが、こちらのスープはあくまで「バランスの美学」を追究しているようなイメージだ。
また、塩分も控えめな無添加スープということで、ともすれば「軽く」なりがちなところを、適度のラードで上手に「重さ」を出している印象も受ける。

また、麺は、この手の厳選素材系スープのパートナーとしては、国産小麦に内モンゴル産天然カンスイを使った白っぽくふくよかで滑らかなコシのストレート麺を最近良く見かけるが、それとは異なるタイプの麺であった。
やや黄色みが強い細麺で、「ユルユル」と丸く優しい味わいながらも表面の「ハリ」が心地よい感じの麺であり、微妙なウエーブのせいもあってか、しっかりと「中華麺らしさ」を感じさせられる部分がある。実に端整に扱われ、茹でられた印象があり、きちんと「器」の中に行儀良く納まっている感じを受ける。

チャーシューは割と肉厚なのが嬉しいうえ、その厚みの「正確さ」、切り口の「精緻さ」に驚かされる。
厚みが完璧に一定で、断面にも包丁の切り返しの乱れがまったく見られない。これには相当な刀工の技術を感じさせられる。
一口食べてみると、味付けそのものは非常に薄味であり、「豚肉」の本来の旨味がじんわりと舌に感じられて来る。臭みとか脂っぽさが全くなく、「豚肉って本当はこういう味なんだろうなあ・・・」と思わず感心させられてしまう。
良質な国産豚の生肉なのだろうと推察するが、繊維感がきちんと残りながらサクサクと歯が入ってゆき、素晴らしく美味しい。まさに「素材が生きている」とはこういう事を言うのだろうと思う。

春菊は割と量が多く、風味が強すぎないかちょっと心配したが、実際には下茹で等をしっかりして上手に仕込んでいるようで、意外に穏やかな風味で、決してスープの邪魔にはなっていなかった。噛み砕くとほんのりとした心地よい苦味が清涼感を伴って口中にあふれる。
太めで品良く切られたメンマは、表面が焦がされているものの、あまり焦がし風味は目立たず、逆に、何かの柑橘系風味や香料のような爽やかな香りが感じられた。

食べている最中は熱さもあってか薄味に感じたが、後味的には、唇回りにラードと塩分がちょっとへばり付いたような感じで残るのが少し気になった。ただ、やはり無化調と言う感じで「旨味」自体はとても「あっさり」「すっきり」したものであった。

ともかく何とも「落ち着き払った」イメージの一杯であり、いわば本格「料亭」で味わう一品のような・・・・・ラーメンという感想だ。
スープも、麺も、具も、十分に吟味し、十分に考え尽くされた上に、驚くべき「正確さ」「精巧さ」で調理、構成されている印象である。
そのせいか、そこ、ここから、何となく「和食」の技法を感じる気もした。


(麺は完食。スープは7割飲んだ。)











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