ラーメン&つけ麺食べ歩き
味七
(東京都 中野区)

店名 サッポロラーメン 味七(あじしち)
住所等 東京都中野区中野5-56-13 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2005年1月下旬 味噌ラーメン 700円 



〜札幌ラーメン 味七〜

(各写真はクリックで拡大します)




到着しました。
中野駅北口から徒歩2〜3分。
「中野ふれあいロード」を少し入った所にお店はあります。






赤いノレンが目印です。
看板には「本当に本物 サッポロラーメン」の文字。






入って左側に券売機があります。
「味噌」オンリーかと思いきや、「塩」、「醤油」、
さらには「カレーラーメン」や「つけ麺」まである豪華なラインナップ。

「みそラーメン」を購入しました。






店内はL型カウンターのみ。
常連さんが多そうな雰囲気ですな。










2005年1月下旬 みそラーメン 700円



うーん、こりゃ美味いですな。
まさしく「ご当地」の味100%の妥協のない作り込み。
看板にあった「本当に本物サッポロラーメン」のセリフに納得です。

スープは「味噌」と言うよりも、
「出汁」と「挽き肉」と「ラード」が渾然一体となっていて、
まるで分厚い「肉味スープ」と言うイメージですな。

しかも絶妙な「ご当地テイスト」「郷土色」の維持もお見事。
素晴らしい味の「まとまり」「完成度」を感じます。









バターのようにふくよかなラード、分厚く豊かなダシ風味、
挽き肉の濃厚なコク、野菜の旨味と甘味などなど・・・が渦巻く
素晴らしく濃密なスープですね。
味噌は最後の最後にサラリと姿を見せるだけ。
あえて、味噌に頼らない本物の素材群による味の構成。






麺は本場札幌から空輸しているそうな。
麺の合間に無数に散りばめられた「挽き肉」が見えます。
この挽き肉が麺と一緒に食べられて放つ「イノシン酸テイスト」が
こちらの濃厚な肉味の「秘密」でしょう。




2005年1月下旬 みそラーメン 700円 

中野にある本格札幌ラーメンを謳うお店。味噌ラーメンにおいては都内でも有数の味と評価する人も少なくない。
店頭に立つと看板には「本当に本物 サッポロラーメン」と書かれている。赤いノレンが目立つが、中野駅のすぐ近くにもこちらの支店あるそうで、そちらは青いノレンになっているようだ。
入店すると左に券売機があり、「本場札幌」と言うことでメニューは「味噌」オンリーかと思えそうであるが、実は「塩」、「醤油」、さらには「カレーラーメン」や「つけ麺」などまであるなかなか豪華なラインナップである。

本場サッポロラーメンと言うことで、店主さんは鉄鍋を使ってスープを熱している。そのため登場したラーメンのスープはかなりの熱々であった。
スープをレンゲに取ってみると、素晴らしいふくよかな芳香が匂い立って来る。味噌と動物系風味と油が入り混じったような豊かな匂いだ。
熱々のスープをヤケドしないよう慎重に一口飲んでみれば・・・、まずはラードが上手に溶け込んだようなクリーミーでふくよかな口当たりが素晴らしく、続いて動物系の旨味がたっぷりと溶け込んだ実に「豊かな」味わいが口中いっぱいに広がってゆく。そして後味にはほんのりした甘味が尾を引く感じだ。
豚骨をベースとし、丸鶏や煮干など多種類の食材を使ったスープに二種類の味噌をブレンドしているとの事らしいのだが、それらの出汁とともに、熱々に炒められた挽き肉の「肉汁」と「旨味」が口中にあふれ返る感じがある。

またちょっと意外なのは、あまり「味噌」が主張して来ないことだ。
まずは、バターのように柔らかなラードを感じ、分厚く豊かなダシ風味、挽き肉の濃厚なコク、野菜の旨味と甘味などなど・・・がパワフルに渦巻き、これらの旨味を心ゆくまで堪能した後に、最後の最後になって、やっと「味噌」がサラリと控えめにその姿を見せる感じなのである。味噌は素材群のベース、縁の下の力持ちに徹しているようなイメージだ。
味噌ダレ自体は、白味噌のような、割と甘みのある優しい風味である。口当たりがとても柔らかく、強い醸造風味などはあまり感じられない。

実際、スープの旨味の大半は、イノシン酸系の動物由来の旨味がメインという感じであり、こうなると「味噌味」と言うよりも、むしろ「挽き肉味」と言いたくなる。ともかく、肉汁をたっぷり内包した相当良質な挽き肉を使っている様子だ。
味噌ラーメンと言うと、味噌自体の濃い味が主張してグイグイと押して来るラーメンが多い気がするが、そういったラーメンとは対極に位置するような・・・・味噌にあまり頼らず、たっぷりの「素材群」によるふくよかな味の構成となっている。
いずれのタイプもそれなりの魅力があり、支持されているので、後は好みの問題になるのだろうと思うが、この「素材味スープ」とも、「肉味スープ」とも呼べそうな熱々スープには、私は都内ではほとんど出会った記憶がない。

麺は北海道から直送しているとの事。当然のように太麺だが思っていたほどは太くない。箸で持ち上げると、ユラユラと揺れるようにして縮れている。一口すすってみると、コシはやや大人しめであるが噛み締めるとしっかりとしたちぢれ感があって心地よい。麺がいたずらに主張しすぎる事がなく、自身のポジショニング、「分」をわきまえていると言うか、美味しいスープを引き立たせる役としてあえて一歩下がって存在している感じだ。

チャーシューは入らないが、多めの「挽き肉」が麺の合間に無数に紛れ込み、麺を食べるたびにこの挽き肉がイノシン酸パワーを放つため、十分な肉々しさを備えている。
モヤシや玉ネギは絶妙な火の通し方で、シャクシャクする歯応えと、しんなりとした柔らかさが見事に同居した感じだ。
メンマは繊維感のはっきりしたボリボリとするやや固めの歯応えだが、たまたまなのかも知れないが噛み砕くと最後にちょっとだけ薬臭さが感じられる気がした。

具の種類はやや控えめにも感じられるが、むしろゴテゴテと色々な具や飾り付けを載せていない、このシンプルで質実な盛り付けにも、あえて東京人向けに豪華にアレンジしていない、生粋の「サッポロ育ち」を強く感じさせられ、絶妙な「ご当地テイスト」「郷土色」の維持に成功しているイメージだ。
また、塩分はとても控えめながらも熱々スープはカロリーがなかなか高そうであり、そういう意味からも、やはり冬の寒さの厳しい北海道「札幌」のご当地ラーメンの素性を強く感じさせられる。食べ終える頃には、口中からノドにかけての鮮烈な「熱さ」の記憶、ジンジンとほてった胃の感じとともに、自分の全身がグーンと「カロリーアップ」したような、食べる前と比べて身も心も「数段」暖まった感じにあることがよく実感できる。
また、実は以前にこちらで「辛しみそラーメン」や「カレーラーメン」も食べた事があり、その際は化学調味料による旨味を結構感じたのであるが、今回はそれがなく、混じり気を感じないナチュラルテイストであった。

食べ終えると、以前、冬の「札幌」を雪の降りしきる中、ラーメン食べ歩きをした際の記憶が明確に脳裏に甦って来た・・・。まさしく「札幌ご当地」の味100%の妥協のない作り込み。
ともかく、温暖な東京に住んでいては、到底、「思いつかない味」「作り得ない味」のラーメンだと確信してやまない。
看板にあった「本当に本物サッポロラーメン」のセリフには、一切の偽りなし・・・であった。


(麺は完食。スープは8割飲んだ。)











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