ラーメン&つけ麺食べ歩き
13湯麺 五香本店
(千葉県 松戸市)

店名 13湯麺 五香本店(かずさんとんみん ごこうほんてん)
住所等 千葉県松戸市常盤平5-17-4 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2005年4月下旬 湯麺+セット 630円 



〜13湯麺 松戸本店〜

(各写真はクリックで拡大します)




新京成線の五香駅。
結構大きな駅ですね。






五香駅から徒歩2分ほどでお店を発見。
左側、焼肉屋さんの隣の白いヒサシのお店です。
まだ開店前でした。






しばし時間をつぶして再訪すると、オープンしてました。
光る「13」の看板がカッチョイイですな。
ノレンは出ないようです。






店内はバーのような大きなカウンター席が続き、
奥にテーブル席もあります。
右奥が厨房。






カウンター前の棚には洋酒のビンがズラリ勢揃い・・・。
ちょっとしたバーの雰囲気です。
「湯麺+セット」をオーダーしました。










2005年4月下旬 湯麺+セット 630円



うーん、素晴らしく美味しいですね。
舌にジッワ〜〜〜ンンと来る、何とも深いコクのある「鶏ダシ」。
それを陰で見事にサポートするふくよかな醤油の風味。

とてもシンプルなのに、非常に奥深い味。
とてもピュアなのに、非常に複雑な旨味。

私の舌が全開で喜んでいます。
ある意味、醤油ラーメンの一つの「完成形」ではないでしょうか。









ともかく、鶏の旨味が濃厚ですね。
「老鶏」と言う卵を産まなくなった親鶏を使ったスープとの事。
豚骨を使わず、魚介も使わず、昆布やキノコも使わず・・・
それでいて、ここまで豊かな味を創り出すとは・・・。

隠し味の「紹興酒」が、
いかにも「昔日の中華味」テイストを付与。






ツルツル、コツンと言う食感を狙ったと言う自家製麺。
実際、ツルツルと口当たりが軽く、スルリとした心地よいノド越し。
今日は、たまたまか茹で加減がちょっと柔めでした。






まさに「至福」の瞬間、飲み干す寸前のスープ。
僅かな豚挽き肉を加えてコクを補強しているようです。




2005年4月下旬 湯麺+セット 630円 

千葉にあって非常に評判の高いお店、13湯麺の本店を訪問。
13湯麺と書いて「かずさんとんみん」と読む。営業は夕方からのみで、昼間は開いていないようだ。たまたまちょっと早く着きすぎて、五香駅の周辺を散策などしながら時間をつぶし、7時近くになって入店した。
店内は、まるでバーのような造りになっていて、大きめのがっしりしたカウンターには、洋酒の酒ビンがずらりと並んでいる。どうやら店主さんはバーテンの経験などもあるようで、カクテルなども楽しめるスタイルのラーメン店を目指しているようだ。

登場したラーメンは、湯気がもうもうと上り、その湯気に混じって鶏と醤油の素晴らしく芳醇な香りが匂い立っていた。
スープには多少の油が浮いているものの、濁りが全くなく、醤油の色も薄いため、ほとんど器の底が見通せそうなほどの透明度である。
そのせいか一見、ずいぶん「あっさり」したスープを予想するが、しかし、一口そのスープを口に含むと、舌全体に「ジッワ〜〜〜ンン」と来る、信じられないほど濃厚でコクのある「鶏ダシ」の世界が広がる。
一口飲んだ時点で、もう私の脳内で、確実に「完飲」することが決定してしまう素晴らしくハイレベルの美味しさ。まさに一瞬にして、有無を言わせず、私の身も心もこのスープの持つ美味の世界へ強引に引きずり込まれてしまう感覚だ。

まさに飲めば、飲むほどに、加速度的にボルテージが上がってゆく美味しさなのであるが、そうして飲み進むうちに、何よりも素晴らしいと感じたのは、まるで「内助の功」の如き、そのふくよかな醤油ダレの絶妙なサポートぶりである。
醤油の味が、決して、スープの味の中心に登場してしまうことがなく、常に鶏という天体を中心にしてその周囲を回り続ける衛星のごとき動きをしていることだ。絶妙な名脇役として、縁の下の力持ちとして、陰になり日向になり、鶏ダシの旨味を引き立たせる、増幅させる、その一点のみに謙虚に注力している印象なのだ。
「鶏と醤油」の関係は、まさしく蜜月の味・・・とてもシンプルなのに、非常に奥深い味を醸し出し、とてもピュアなのに、非常に複雑な旨味が生み出されている。

スープの素材には、「老鶏」と言う卵を産まなくなった親鶏と葱の青い部分を使うらしい。個人的には「老鶏」の個性的な風味は、まるで鶏に少量の「スルメ」を足したかのような独特な「ヒネ香」や、日向っぽい「乾物系」風味が感じられるのだが、それにしても果たして「トリ」と「ネギ」だけで、ここまで複雑で厚みのある味が出るものなのか・・・・と思えてしまう。
タレには「豚挽き肉」等も使っているようだが、豚骨を使わず、魚介も使わず、昆布やキノコも使わず・・・それでいて、ここまでの豊かな味を創り出せる事に、驚きを隠しきれない。

ちなみに、このスープ、西洋「コンソメ」のようだと評される事もあるようだが、牛肉が使われていないと言うこともあるかと思うが、むしろ、「洋風」ではなく、私には昔懐かしい「中華そば」の伝統的なトリガラスープの系譜を感じさせるものがあるように思える。
実際・・・・タレの隠し味として使われている「紹興酒」の独特な「枯れた老酒(ラオチュー)系風味」が、いかにも「昔日の中華味」的な、一種独特な深い中華風テイストを生み出しているのを見逃す事は出来ないだろう。


「鶏」と「醤油」・・・・おそらく老若男女、誰にでも愛され、今も昔も、そしてこれからも、ずっと変わらない、「普遍」&「不変」の組み合わせだろう。
その無類の名コンビを、ピュアにとことん突き詰めたようなこちらのスープ・・・・・ある意味、醤油スープの行き着くべき一つの「完成形」ではないだろうか。
こういう素晴らしいスープと出会ってしまうと、むしろ、ラーメンのスープにとって、本当に必要なのは「鶏と醤油」だけなのであり、一体これ以外に何が必要だと言うのか・・・とさえ、思えてしまうほどだ。

一方の麺は、お店のHPなどを拝見すると、最上級の小麦粉を使用し、カンスイの配合を工夫し、全卵を加えて、ツルツル、コツンと言う食感を狙ったと言う自家製麺である。
以前、こちらのお店から独立した方が営む「GOMA」(中野)で食べた際は、意外なほど食感のはっきりした麺であり、やや芯がある感じで明確な角断面の歯触りを備え、ツルツルとしたクリアーなすすり心地を放つちょっとプラスチッキーな麺と言う印象であったが、今回は、たまたまの茹で加減なのか、もっと全体的にふくよかさが増していて、多少柔らかめの食感と感じられた。
そのため、すするとツルツルツルーと軽く口の中へ入り、うねりが全くなく、スルリとノド越しが良く食べられるが、旨味の豊かなスープとの組み合わせを考えると、もう少し硬めであまりスープを吸わない感じであった方が、麺自身の美味しさが一層際立つような気もした。

チャーシューは、お店のHPによれば、肩ロース肉を甜麺醤(北京ダックやホイコウロウに使う甘い中華味噌)という調味料をベースしたタレに一晩漬け込んで、じっくりとオーブンで焼き上げた物らしい。
焼いているせいか香ばしい肉の風味があり、繊維感がありながらしっかりした歯応えも持っている。中華の香辛料を感じる味付けで、いわゆる中華ハムのような味にも感じられるが、このラーメンの全体のイメージとも良く調和していて、きちんと手のかかった逸品という印象だ。

また、「青梗菜」(チンゲンサイ)は以前に「GOMA」で食べて非常に感激したため、大いに期待していたのだが、バラつきのある天然素材ゆえなのか、また旬が冬(1〜3月)と言うこともあってか、十分に新鮮で香りも良く美味しいとは思うものの、ややしんなりした食感で、以前の記憶ほどには「シャクシャク」するクリスピー感は感じられなかった。欲を言えばきりがない訳だが、もう少し肉厚で、「パキパキ」「シャクシャク」言うほどの物だとさらに嬉しい。
その青梗菜は、XO醤のような、オイスターソースのような・・・味付けを感じさせるが、これがまたスープの味ときっちりと同化し、見事に馴染みながらも、さらに一味、コクとひねりを加えている印象だ。そのため、もし「具のセット」なしで食べる場合と比較すれば、スープの味にもある程度の差異があると思われる。
メンマはゴリゴリとするやや固めの仕上がりだが、割と薄く、細く切られているので、トータルでの食感は良い感じになっている。

最後のスープを飲み干す瞬間は、まさに「儀式」とでも言いたくなるほどの、「至福」の瞬間である。
食べ終えてみれば、口の中は後口がサッパリしているものの、胃の中はジンワリ、ジワジワと熱くなっている感じがあり、いかにも栄養価の高い動物性エキスを摂取したという後味である。

お店を出ると、時間が過ぎるにつれ・・・・舌の上から、あの「鶏」と「醤油」の豊かな旨味と風味が、ほんのりと尾を引きながらも・・・・次第に消えていってしまうのが、何とも惜しくてたまらない。


(麺は完食。スープも完飲。)










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