01ch グルメ食べ歩き
田中屋
(埼玉県 秩父市)

店名 手打そば 田中屋(たなかや)
住所等 埼玉県秩父市下影森810-1 【地図表示】
禁煙 タバコ可(灰皿あり)
訪問日 2005年12月下旬 せいろそば 680円




〜ちちぶ 田中屋〜



2005年12月下旬 せいろそば 680円

今回は、都心からも近く、「美味しい蕎麦の里」として有名な埼玉県の「秩父」を訪問してみました。
現在、秩父地域は、約七十軒以上ものそば屋さんがあり、秩父や長瀞を訪れる観光客にも「秩父そば」ブランドとして高い人気があるとのことです。

実際、秩父農林振興センターのHPによれば、秩父は「蕎麦の里」として町興しをしているようで、特に秩父市を横断する国道140号線を「そば街道」にしようと、そば屋さんの組織や地元の商工会などが中心となって動いているようです。
秩父地域で生産される蕎麦の品種は、昔から栽培されている秩父在来種で、蕎麦本来の上品な香りが強く、食味が優れているそうです。

こちらの「田中屋」さんは、その数ある秩父のお蕎麦屋さんの中でも抜群の知名度と人気を誇るお店のようで、インターネット上でもこちらのお蕎麦を賞賛する書き込みが多数見受けられます。
国内各地で契約栽培された蕎麦粉のみを仕入れ、すべての工程を自家製粉し、石臼挽きで仕上げているそうです。


 国道140号線沿い

お店は、通称「秩父そば街道」として知られている国道140号線沿いです。
車で伺う場合、こちら側からは見つけ易いですが、逆から来る場合は通り過ぎに注意しましょう。


 店頭に駐車場

店頭に数台分の駐車場があります。
電車の場合は、西武秩父駅と影森駅のちょうど真ん中位で、それぞれ徒歩20分ほどでしょうか。


 大きな看板が目印

いかにも「蕎麦屋」さんと言う感じの店構えです。
店名の入った大きな看板に加え、「石臼挽手打そば」の看板が誇らしそうです。


 囲炉裏を囲む客席

店内の中央付近に囲炉裏があります。無垢の天然材を使った卓や床が贅沢ですね。
柱や梁にも「竹」をあしらって、柔らかな照明とともに、「民芸調」の雰囲気を盛り上げています。


 天然無垢材の卓

こちらは畳の小上がり席です。
いわゆる靴を履いたまま座るテーブル席はないようです。


 メニュー表

「冷たいもの」「温かいもの」ともに、メニューがなかなか豊富に揃っています。
地元「秩父名産」の「舞茸」をたっぷりと使った「舞茸天せいろ」が人気メニューのようです。
季節メニューとして一部に「うどん」もあります。

いろいろ迷いましたが、やはり定番の「せいろそば」を注文しました。


 メニュー裏

こちらはメニューの裏側です。「おつまみ」がとても充実しています。
飲み物類も揃っていて、おそらく夕方近くなどは「杯」を傾ける地元の常連さん達で賑わっているのでしょう。
秩父の手打ち蕎麦屋さんで、天丼などのご飯物もあるのは貴重です。


 「竹」のある店内

この奥が麺打ち場と厨房です。
沢山の麺棒が壁にかけられて並んで見えます。



 「せいろそば」 680円

さて、いよいよ「せいろそば」の登場です。

むむ・・・ビジュアル的には「秩父ご当地」と言うよりも、どこかしら都会的なセンスを感じさせる洗練された佇まいですね。
箸置きや薬味の入れ物も凝っていて、割箸も高級なタイプを使っています。
ワサビだけでなく辛味大根も付いて来ます。



 細くスマートなせいろ

四角いスノコの上一杯に、蕎麦が上手に広げられています。
いやはや・・・・何とも、均一に細くて、すらりと長くて、実にスマート・・・・な蕎麦です。

蕎麦を広げて出すためか、蕎麦を乾燥させない程度に、うっすらと水を湛えているのが判ります。
量も他店から比較するとやや多めに感じられて嬉しいです。



 蕎麦のアップ

まずはツユに浸けずにそのまま食べてみました。

「シュルシュル・・・」とスマートにすすれて、噛めば「シコシコ・・・」とするコシのある美味しい蕎麦です。
細いですが絶妙なコシが感じられ、ほど良い歯応えはありますが、蕎麦殻が一切入らないので、舌触りはとても滑らかです。

蕎麦の色と味から判断すると、一番粉と二番粉だけで打ったお蕎麦のようです。
そのためか、蕎麦の香りや味わいも上品で比較的マイルドですね。

細さの割にはハキハキした動きの良さがあり、長いこともあって、ともかく「すする」のがとても楽しい蕎麦です。
これは蕎麦好きのハートを絶妙にくすぐる高得点ポイントでしょう。
ただ、すすり心地がややスマート過ぎると言うか・・・・あまり「地場っぽい」テイストではない気もします。



 濃い目のツユ

見ての通りツユは割と濃い目です。カツオ節がほんのりと香りますが、ミリンの甘味も控えられており、
辛口とまでは行きませんが、緩さのない、なかなか「硬派」なツユですね。
昔からの蕎麦好きの人には、こう言う、コクのある「濃いツユ」が好きな人も多いと思います。

蕎麦を浸けて食べてみますと、麺が長いせいか、ついたっぷりと浸り過ぎてしまうきらいがありますが、
このツユと一緒に蕎麦を味わってみると・・・・まさしく「これぞ蕎麦」「これこそが蕎麦」と感じる、実に感慨深い味わいです。

そして、そのまま数口食べたところで・・・・みるみる、ある「心象」が私の脳裏に閃いて来ました。
それは、不思議なことに、こちらのお蕎麦は「旧知の仲」と言うか、とても「馴染み」がある味だと言うことです。

「幼なじみの味」と言うか、昔からずっと近くにあって慣れ親しんで来た蕎麦の味のイメージです。
そのせいか、とても安心して食べられる感じで、まるでいつもの自分に戻ったような・・・・肩肘張らずにリラックスして次々に箸が進みました。



食べ終えての感想としては・・・・・
今回、訪問させて頂いた「秩父」のお蕎麦屋さん数軒の中では、こちらのお蕎麦は、最も「オーセンティックな味」、「親しみを感じる味」、「安心できる味」・・・・と言う感想を持ちました。

不思議に思って後日インターネットで調べてみたところ、こちらの店主氏は東京・練馬の名店「明月庵田中屋」で修行されたと言う記述をいくつか見つける事ができました。
「やはり・・・」と言う感想です。

こちらのお蕎麦・・・・・どことなく「東京に近い味」と言うか、どこかしら「東京」を経験している味だと思います。
そこ、ここから、いわゆるトラッドな「江戸蕎麦」テイストをどこかしらに感じるのです。

ただ、おそらくは、こちらのお店の人気メニューである「舞茸天せいろ」などを食べれば、絶妙に「秩父」ご当地テイストが付加されて、「この土地ならでは」の味も楽しめるのだと思います。
そう言う意味では、接客も明るく、地元の方にも、観光客にも人気がありそうで、幅広い客層から支持されそうなお店と言う印象です。



(すべて完食)










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