01ch グルメ食べ歩き
寿司 大
(東京都 中央区)

店名 すし 寿司大(すしだい)
住所等 東京都中央区築地5-2-1 築地市場内6号館 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年11月中旬 店長おまかせセット 3670円




〜鮨大〜



2005年11月中旬 店長おまかせセット 3670円

今回は、都内でも屈指の人気を誇る「お寿司屋さん」の一つ、巷で評判の「寿司大」(中央区・築地駅)さんを訪問してみました。

こちらのお店は、日本一の鮮魚市場、かの有名な「築地市場」の場内にある有名店です。
早朝の築地市場は、エンジンを付けた台車が「ドドド、ドドド・・・・」と勢い良く走り回り、出入りの業者さんが忙しく走り回る、何とも「独特な世界」です。

その中を、外国人観光客の姿や、デート中の若いカップルの姿などもチラホラ見かけられます。数人で連れ立って買い物に精を出すグループなどもいて、ちょっとした観光名所のような雰囲気でもあります。
都内だと、上野・御徒町のアメ横とも似た雰囲気がありますね。




築地市場は、特定の場所を除けば一般客でも出入りできますが、こちらのお店は築地市場の「場内」6号館の建物の一画にあります。
築地市場内には、お寿司屋さんが数軒ありますが、こちらのお店は築地市場の中でも、一、二を争う人気店のようです。




看板を見ると、店名は「寿司大」とも「鮨大」とも書かれています。
ちなみに、この「鮨」と言う字は関西の方では「鮓」と書く事が多いようです。

こちらのお店は早朝の5時頃からお昼過ぎの2時頃まで開いているそうですが、築地でも屈指の人気店なので、早朝などを除き、大抵の場合は、店頭に大行列が出来ています。
そのため、時間には十分な余裕を持って出かけた方が良いと思います。
この日も平日にもかかわらず、昼の10時到着で20名ほどの方が並んでいました。




店頭に貼られたメニュー。三つのコースがあります。
「店長おまかせセット」3670円をオーダーしました。




店内はL型カウンターのみです。
中でお酒を飲んでいるグループがあったりするとかなりお客さんの回転が落ちます。
結局、入店できたのは・・・・並び始めてから、約2時間後でした。




初めて行く「寿司屋」さんと言うと、ちょっと緊張してしまうものですが、こちらのお店は、言葉遣いから、客のもてなしの作法まで、本当に「お客様第一」「お客様は神様」と言うイメージで、最高の笑顔で迎えてくれます。
まさに、「一見客大歓迎」と言う感じの、非常に明るい雰囲気と心和むフレンドリーな接客です。

そして、握っている合間にも、三名の店員さん同士は、まるで「漫才」のような楽しいやり取りや、ウィットに富んだ軽妙な会話で、お客さんを見事にもてなし、心から楽しませてくれます。
まさに「対面販売」の手本と言えそうな、実に素晴らしい姿勢だと思います。




冷蔵ケースの中は様々な寿司ダネが並びます。
また、きちんと最初に苦手なネタや、寿司のにぎりのサイズの希望など、いろいろ尋ねて来てくれるのも、さすが「プロの寿司職人」の姿勢です。




目の前の冷蔵ケース内には「中トロ」と「大トロ」が鎮座していました。
「サク取り」されたトロのサシ具合がそそります・・・。。




「ガリ」は甘い酢で味付けされた普通のものでした。





さて、いよいよ「店長おまかせセット」のスタートです。

まずは、意表を突いて、いきなりの「中トロ」からスタートです。
かなりの長時間並んでいたため、待ちくたびれてへとへとになった客の気持ちを引き付けるべく、最初にインパクトを持って来た感じですね。
冷たい口当たりと、とろける身肉が美味しいです。





二貫目は定石どおりの「白身」が登場、塩とスダチで頂く「あいなめ」です。
「アイナメ」は、別名「アブラメ」等とも呼ばれています。

モチモチした口当たりと、白身魚特有の淡白な美味しさです。
塩とスダチでさっぱりと食べさせてくれます。





「キンメダイ昆布〆」です。
本来は「キンメ鯛」、それとも「金目ダイ」と書くのかな?
しっかりとした身肉に、昆布締めの旨味が加わっています。絶妙に皮目が残されていますが、脂肪の少ない魚ですね。





「ほっき貝」です。漢字では北寄貝と書きます。
食べやすいように包丁が入っています。コリコリしています。
こちらのお店のお寿司は、そのほとんどに調味液が塗られて提供されます。





「生さんま」です。
サンマは非常に足が速い(鮮度が落ち易い)魚なので、お寿司で出るのは珍しいです。
店員さんは、「生サンマのシーズンも今週位までです、間に合って良かったですね」と笑顔で握ってくれました。
うーん・・・・見事に美しい握りの形です。





ウニの中でも人気のある「バフンウニ」です。

このウニ、殻のトゲが短く密集した形が馬糞に似ているから・・・と言うことでこの名前になったそうです。
オレンジ色の身が特徴です。トロリととろけて、舌の上に濃厚な旨味があふれます。





熱々の「お味噌汁」が、口直しに絶妙のタイミングで登場します。
続けて冷たいお寿司を食べたお腹を温めるのにもちょうど良いです。





これまた、焼き立て熱々の「玉子焼き」です。
こちらのお店では焼き立ての玉子焼きを出してくれます。ふんわりと焼き立ての良い匂いがします。





プニプニした食感の「白えび」です。富山県の名産品ですね。
口に入るとネットリと舌にからむ感じで、白エビの上品な甘味がゆっくりとにじみ出て来ます。





大粒の「生いくら」です。この「生イクラ」が、今回の中で一番美味しかったです。
プチプチ感がとても柔らかく、旨味が素晴らしく豊かなのに、後口が軽いのです。

ご存知の通り、「いくら」は鮭の卵である「筋子」(すじこ)をバラしたものですが、しかし、鮭の産卵は年間でも9〜11月頃のみです。
そのため、あまり知られていませんが、その季節以外の「いくら」は「生」ではなく、ほとんどは長期に渡り冷凍保存しておいた物を解凍した物なのです。

実際、今回の「イクラ」は、明らかに普段食べるイクラとは鮮度が違う感じで、フレッシュな香りと鮮度感が素晴らしい美味しさでした。





「づけまぐろ」です。いわゆる「ヅケ」です。
醤油に漬け込むことで、生のマグロから比較すると、味が濃く、やや、「ムッチリ・・・」とした重めの歯応えになっています。





「煮あなご」です。
「アナゴ」に塗る煮ツメのタレがあっさりと薄めですね。
その分、アナゴの旨味と舌触りがダイレクトに感じられます。





「巻物」は二種類が混じって登場します。
ちなみに巻物や軍艦など「海苔」を使うお寿司は、海苔が湿気らない内に、早めに食べるのがコツです。





最後の一貫は、「お好きなものを希望して下さい」と言われます。

それでは・・・・と、迷わず「大トロ」をお願いしました。
ちなみにこの場合、単に「トロ」と言うと、中トロと曖昧になりますので、はっきりと「大トロ」と告げた方が良いと思います。

冷蔵ケースから出したてなので、脂がとろける感じはやや弱かったですが、大トロ特有の香りと旨味は堪能できました。
この大トロにも調味液が塗られています。右下の淡い三角の部分が大トロの「素の色」です。




さて、食べ終えての感想ですが・・・・・

ネタの質は全体的に「ほぼ値段どおり」・・・・と言う印象を受けましたが、いずれのお寿司も品の良い整った「美しい形」に握られていて、誰にでも好かれる握りに仕上がっている印象です。
また、しっとりとした口当たりの良さと、旨味の補強を意図してなのか、ほとんどのネタに調味液(煮切り醤油)が塗られて来るなど、芸が細かいですね。

ただ、今回たまたまなのか毎回なのか・・・判りませんが、こちらのお店は「シャリ」が、かなり柔らかめで、米粒同士の結び付きが強く、やや粘る感じがあります。
また、寿司を美しい形に整えるためか、握り方もやや硬めに感じられ、そのため口の中で、シャリが「ホロリ、ハラリ・・・」と心地よくほぐれる感じではありませんでした。酢の効きもやや抑えているようです。
この「シャリの柔らかさ」、そしてやや硬めの「握り方」については、お店のポリシーなのかも知れませんが、この辺りは食べ手によっては、やや好みが分かれるような気がします。

実際、お寿司屋さん選びと言うと「ネタ談義」ばかりが話題になりますが、自分の好みのお店を探そうとするなら、「シャリの味」も重視した方が良いと思います。
寿司の「通」に言わせると、寿司の美味の要素の「6割」はシャリの美味しさだと言います。
人によっては美味さの「8割」がシャリにあると言う人もいて、美味い「シャリ」こそが、店のプライドであり、看板なのだと言います。

また、「寿司ダネ」はその日の仕入れの事情で、どうにでも変わりますが、シャリは変わりません。
また、店員さんの「握る技術」や「センス」も変わりませんので、自分のお気に入りのお店を探すのであれば、「シャリ」と「握り方」でチェックするのも一法と思います。
時折、やたらと大きなサイズのネタを出して話題になっているお店もありますが、本来、芸術的な「シャリとネタのバランス」こそを愉しむべき「お鮨」において、本当の鮨好きには、あまり支持されることではないでしょう。


ちなみに、こちらのお店・・・・マスコミの「築地特集」などで頻繁に取り上げられ、かなり有名になっているお店ですが、実際にその通り、築地市場の独特な雰囲気の中で、一種の「観光」感覚で食べると言う・・・・「築地テーマパーク」をエンジョイする一環と言うような楽しみ方が似合うお店と思いました。
訪れてみると判りますが、「築地」一帯の独特な雰囲気は、まさしく「非日常」の世界です。そしてマスコミでも盛んに「築地」が特別な街として紹介されています。

そのため、こちらのお店に限らず、良くも悪くも、「築地市場」の独特なイメージや先入観に、かなり大きく食べ手の心理は影響を受けている気がします。おそらく、「築地市場内だから寿司が美味しいはず」と言う先入観で訪れてしまうのでしょう。
もし、「築地市場」の中のお寿司屋さんだから、どのお店もすべて素晴らしいネタが入っているはずと考えているとしたら、それは「大きな誤解」であり、そう言う事はあり得ない(無関係)と思います。

実は、3年ほど前にもこちらの築地市場の場内の他の有名なお寿司屋さんへ入ったことがあるのですが・・・・冷静に食べると、到底、価格に見合う味や内容とは思えなかった経験もあります。
大昔と違って、今は交通手段も冷蔵技術も大変に発達していますので、都内23区内であれば、築地に「近い」と「遠い」の差は限りなく無意味でしょう。
良いネタの仕入れは、買い手の「目利き」と「資金力の有無」、そして「どんなレベルのお寿司を出すか」と言うお店の経営方針にのみ左右されているのが実情だと思います。

そう言う意味では、むしろ「地の利」のない、街中の一般のお寿司屋さんの方が、シビアに「味で勝負」「技術で勝負」・・・・と言うことになるのではないでしょうか。
少なくとも、築地場内のお寿司屋さんは、銀座や赤坂などで職人さんの「芸術的な握り」とか、究極の「絶品寿司ダネ」などで名を馳せている有名店達とは、目指しているコンセプトも、客層も、価格帯も大きく異なると思います。

また時折、築地は「食のプロが集まる街」・・・・と言うことで、築地場内の食堂も「美食の宝庫」のように思っている方がいます。
しかし、実際、私も10回以上訪れていろいろと食べてみましたが、カレーやラーメンや定食など、そのほとんどは、驚くほど「ジャンク」な味わいです。

眠い早朝からの仕入れと言う、超多忙&重労働の身に・・・・繊細な「美食」など、馴染むものではないと言うことなのでしょう。



(すべて完食)










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