01ch グルメ食べ歩き
千寿 竹やぶ
(東京都 足立区)

店名 千寿 竹やぶ(せんじゅ たけやぶ)
住所等 東京都足立区千住河原町7-12 【地図表示】
禁煙 タバコ分煙(入口近くは喫煙可、ただし禁煙希望優先)
訪問日 2005年10月中旬 御得もり  840円 
            (追加)汁なし  420円
            (追加)汁なし田舎  630円
2006年12月中旬 千寿揚げ 630円
            せいろ 525円 
            田舎蕎麦 735円 
            かけ 630円 




〜千寿竹やぶ その1〜



2005年10月中旬 御得もり 840円 + (追加)汁なし 420円 + (追加)汁なし田舎 630円

今回は、都内でも屈指の「日本蕎麦」を打つお店との呼び声が高い、巷で評判の「千寿竹やぶ」(足立区・千住大橋駅or北千住駅)さんを訪問してみました。
実際に数多くの「グルメガイド」への掲載を始め、インターネットでも「日本蕎麦系サイト」「グルメ系サイト」では、こちらの「蕎麦」について「絶大なる支持」と「揺るがぬ高評価」をしているサイトが少なくありません。




お店は、京成線の「千住大橋駅」から徒歩約3分、JR北千住駅からは徒歩15分ほどの場所にあります。
ちなみに、こちらのお店は千葉県柏市にある有名店「竹やぶ」の親戚筋に当たるお店だそうです。




夕方の部の5時開店とほぼ同時に入店しました。
ジャパン・オリジナル・・・・な店構えです。

創業は1974年ですが、1994年に現在の店構えにリニューアルしたそうです。
建物自体は白いビルなのですが、店舗の入口部分には瓦屋根がアレンジされ、格子窓にふんわりと温かに灯る「明かり」がとても良い雰囲気です。
正面玄関へのアプローチの一部は、粋な玉砂利風に仕上げられています。店頭に数台分の駐車スペースがあります。




店内はかなり広く、いくつかのスペースに分かれています。
写真の中央の奥が入って来た入口です。奥にチラッと見える窓が外観写真でノレンの横に見えた格子窓で、この格子窓のあるスペース一帯がカウンター席になっています。
その向かい側には小上がり席があります。この二つのスペースはタバコ可のようですが、メインのテーブル席スペースや、奥の離れは禁煙スペースになっています。
ちなみに、カウンターや小上がり席も非喫煙者が希望した場合、お店の判断で禁煙になることもあるようです。

実は「蕎麦」の魅力の半分は、その繊細な「香り」にこそあると思いますので、蕎麦が美味しければ美味しいほど、やはり「店内禁煙」は嬉しい配慮です。
カウンタースペースのやや手前に見える若草色のノレンの奥が厨房スペースになっています。

内装はウッディな和風モダンで、「間接照明」を駆使してちょっと幻想的な雰囲気を醸し、非常にアーティスティックです。テーブルや椅子もかなりの高級品と言う感じです。
特に、テーブル席に座ると、白い玉砂利が敷き詰められ細い竹を植えた「坪庭」がガラス窓越しに見えるようになっていたり、「離れ」があったり、そしてその離れへの通路には蹲踞(つくばい)風の甕や石臼が置かれていたりしています。
京都の茶室などの造りに通じるセンスで統一されているようで、かなりその道に詳しい方が設計した印象を受けます。




こちらの通路の先には8〜10名ほど入れる個室スペース(離れ)があるようです。
離れへのアプローチは、右手のウッディな壁と、向かいのコンクリート打ちっぱなしの壁とのミスマッチがオシャレですね。

ちなみに、ちょっと敷居の高そうな店構えとインテリアですが、スタッフの方達の接客は、真摯でありながらも謙虚、どこかしら「北千住」らしい、ほのぼのとした下町の良さを感じさせるものです。決して、肩肘張って訪れる必要はないと思います。




メニューです。左が「冷たいメニュー」、右が「温かいメニュー」です。
ちなみに、長野県大鹿村の契約栽培の農家から直送される蕎麦の実を、大切に自家貯蔵し、その日に使う量だけを丁寧に毎日自家製粉しているとの事です。
この日のオーダーは、「御得もり」と「汁なし田舎」をオーダーすることにしました。




こちらは「肴」や「天だね」のページです。「らふてぃ」や、蕎麦を使った甘味が珍しいです。
「おまかせ」コースもあります。





さて、オーダーをしてから7分ほどで、せいろの「御得もり」が登場しました。
これは「せいろ」の大盛りバージョンです。

いやはや・・・・まずは、お蕎麦を目の前に置かれた瞬間から、匂い立つ蕎麦の素晴らしい「香り」にびっくりです。
うーん・・・・これほどに清々しい「蕎麦の香り」を放つ蕎麦を見るのは初めてです。

まるで、香りをかいだだけで・・・・既に「一皿」食べた気になってしまうほどに・・・・実にかぐわしく豊かな香りです。
世の「蕎麦通」の人々に、この香りをかがせたら・・・・まさしく、「感涙もの」でしょう。

「新そば」真っ盛りのシーズンと言うこともあるかとは思いますが、
まさに「そば大好き人間」のハートを、「がっちり」・・・・と、「鷲づかみ」して決して離してくれない、「魔性の香り」・・・ですね。

ちなみに、湧き立つ「香り」の良さでは、圧倒的に「新そば」に軍配が上がりますが、蕎麦の「旨味」と言う点では、収穫直後の若い実よりも、数ヶ月ほど熟成させた実の方が旨味が増すと言う声もあるようです。
ですが、私的には「蕎麦」の魅力の半分は「香り」にこそあると思っていますので、やはり秋蕎麦の収穫されるこの時期の「新そば」こそが、紛うことなき蕎麦の「旬」だと思います。





さて、箸で蕎麦を一つかみし、何も付けずに食べてみました。

「ズルズル・・・・。モグモグ・・・・。」


うーん・・・・まさに、「蕎麦の真実を語る味」です。
過去、食べて来たお蕎麦の中でも、間違いなく、三本の指に入る美味しさです。

口当たりやコシ、歯応え、エッジ感、ノド越しなども素晴らしいですが、それらの印象を霞ませてしまうほど・・・・「香りと味」そのものに「凄み」があります。
まさしく、香りと旨味の口中、「ビッグ・バン」ですね。

これほど馥郁なのに、何とも清々しい・・・・香りと旨味が口中と鼻腔に湧き上がり、あふれ返ります。
ちょうど、ガスコンロにかかってグツグツ音を立てている調理中のお鍋のフタを取ったら、次の瞬間、湧き上がるいっぱいの湯気とともに、眼前にホワホワと良い匂いがあふれ返る・・・・まさにあの感覚です。

その味わいは、まさに「自然の穀物の味」、そして「素朴さの中の豊かさ」・・・・を実感する味です。
まるで、こちらの蕎麦の実が栽培されたと言う、長野県大鹿村の大地から・・・・一陣の「香りの風」がやって来て、
私の周りに吹きすさび、どこへともなく姿を消して行ったように・・・・感じました。

あまりにも美味しいので、そのまま半分ほど、何も付けずに食べました。
今までも「結構美味しいな」と思うお蕎麦では、半分位まで何も付けずに食べる事は良くありました。しかし、半分も食べればやはりツユが欲しくなり、次にはネギやワサビも使いたくなるのが普通でした。
ですが、こちらのお店の蕎麦は、全く、いつまでも、まるでツユや薬味の「出番がない」感じです。

要は、「蕎麦の味」だけで、見事に味が「完結」しているイメージなのです。
それゆえ、果たして、ツユを付けても大丈夫なのか・・・・味が喧嘩しないか・・・・と、むしろやや心配になってしまいました。
そのまま麺だけを食べ終えてしまいそうなところを、せっかくだから記念に・・・・位の考えでツユを使ってみることにしました。





「そばツユ」は、いかにも・・・・と言う感じの濃い醤油色をした黒々としたツユです。
微細にカツオの風味が香りますが、それよりも醤油の風味が、良い意味で「枯淡」な風味であることに驚きます。
真っ黒な色から想像するに、いわゆる「江戸そば」風に、ツユをちょっとだけ付けて食べるタイプなのでしょう。
つかんだ蕎麦の下、三分の一ほどをツユに付けて食べてみました。

「ズルズル・・・・ハグハグ・・・・。」


お、お、美味しいです。
いやはや、再び、びっくりです。

醤油と言うより、「かえし」がとても穏やかな味わいです。
控えめな甘味もありますが、どちらかと言えばやや辛口のツユで、一切の遊びや甘えがないイメージですね。
味わいは「すっきりした濃い口」と言う感じです。
とても「大人の味」だと思います。

この蕎麦と、このツユ・・・・・何と言うか、教養と分別のある大人が二人集まって、大人の会話をしているようで・・・・すごく相性が良いです。
ちなみに・・・・美味しくない蕎麦ほど、ツユの味に頼ります。
そしてその場合のツユは、大抵、香りと味が強い「カド」の立った醤油に、大量の砂糖とミリンと化学調味料を足して、ビチャビチャにしてしまっているものが多い気がします・・・。
そういった麺とツユのコンビとは、まるで「別次元」と言える蕎麦とツユです。

薬味のネギは、意外にも「白葱」ではなく、「九条ネギ」のような青葱です。この辺はお店のポリシーなのでしょう。
添えられる「ワサビ」は、まさに「山葵」と・・・漢字で書きたくなるほどに、山と清水を想わせる清々しい香りの良いものです。





あまりに「せいろ」の香りと味が良すぎたので、急遽、予定外でしたが、追加で「せいろ」(汁なし)を頼んでみました。
実は、こちらのお店では、「追加用せいろ」が用意されています。こういうアイディアは素晴らしいですね。

なぜなら、蕎麦は非常にデリケートな食べ物なので、最初にあまり大盛りにされてしまうと、食べている間に、蕎麦はどんどん乾燥して、くっつき合ったりして食感も悪くなり、風味もすぐに飛んでしまい、味もすっかり落ちてしまいます。
美味しいお蕎麦ならぜひゆっくりと食べたいし、かと言って麺の乾燥を心配しながら食べるのでは、ジレンマが出てしまい、どうしてもゆっくり美味を「堪能」できなくなってしまいます。

ですが、一枚ずつの量をやや控えめにし価格も抑えることで、麺のみのお替りを可能にしておけば、一枚目を食べ終わる頃に、次の一枚を「追加」することで、マイペースでゆっくり蕎麦を味わえるうえ、何より常に「茹で立て」を食べられます。
ただ、手間が増えてしまうのでお店は大変だと思いますが・・・・これこそが「少しでも蕎麦を美味しく食べて欲しい」と言うお店側の良心の表れでしょう。


しかし、しかし、しかーし・・・・・。

この追加の「せいろ」、どこをどう変えたのか・・・・先ほどの蕎麦と比較すると、香りも味も半分以下にしか感じられません。
歯応えはさほど変わらないのに、まるで茹で過ぎて「味も香りも抜けてしまった」ようなイメージです。
また、やや水切りが甘く、麺にまだ水がしたたっているような感じでした・・・・。

イメージとしては、まるで、「お師匠さん」が入魂で茹でた麺と、「アルバイト」が入店3日目に見よう見まねで茹でた位の「差」「違い」があったように思えました。

同じ日の蕎麦を、同じ湯で茹でたのでしょうに・・・これだけの「差」の原因は・・・。
茹で時間の差か、その後の冷水締めの仕上がりなのか・・・。

おそらくは、「冷水締め」の際に、流水に長時間さらし過ぎて、蕎麦の香りや味が抜けてしまったような・・・印象です。そのせいで、おそらく「水っぽい」口当たりにもなってしまったのでしょう。


うーん・・・・「蕎麦」とは、本当に「極めてデリケート」な・・・料理だと思います。





こちらは田舎そばです。
メニューの「汁なし田舎」で、麺だけを提供していただきました。
ひょっとしたら、田舎そばのツユは専用のものが出るのかも知れませんが、「せいろ」のツユを使いまわすことにしました。

いかにも、「玄挽き」による濃い蕎麦の色ですね。殻の粒子がポツポツと混じって見えます。
一枚目の「せいろ」と比較すると、やはり、やや蕎麦の香りが湧き立たない感じがありますが、いざ食べてみると、蕎麦の味が「ギュッ・・・」と濃い目です。
田舎蕎麦は普通、太めに切られていて、いかにもバラバラな太さである事が多いですが、こちらは見事に均一な細切りです。「田舎そば」で、これほど細く切られているのは結構珍しいと思います。
そのせいか「田舎ソバ」によく感じる野暮さが全くないですね。

「野趣」と「洗練」が上手に同居している感じで、十分に美味しいですが、最初の一枚目の「せいろ」のインパクトがあまりに強すぎたせいか、ほぼ予想範囲内の美味しさと言う味わいでした。





タプタプと濃厚でトロミの付いた、ザラッとした粉っぽさに満ちた「そば湯」です。お蕎麦の茹で湯に、別途そば粉を追加投入してトロミを出したタイプですね。
美味しいですが、後口的には、やや塩分が強かったかも知れません。


ちなみに「蕎麦」の旬は、10月〜11月です。
つまり、町のお蕎麦屋さんの店頭に「新そば始めました」と言う貼り紙が登場する「秋」こそが、年間で一番「蕎麦」が美味しくなる時期なのです。
なぜなら、当然ですが「蕎麦」は農作物です。もっとはっきり言えば、蕎麦の実は「野菜」と同じく、「鮮度が命」です。

つまり、米や小麦と同じく、実りの「秋」に実が収穫されますので、その収穫したての新鮮で香り高い新蕎麦の実を挽いて作る「新そば」こそが、蕎麦の醍醐味だと言われています。
収穫した瞬間が最も新鮮で薫り高く、それからは日が過ぎる毎に、どんどん鮮度は落ちてゆき、香りはなくなり、歯応えや味も美味しくなくなってしまいます。

世の「蕎麦通」は、特に「夏の蕎麦」は美味しくないと口を揃えて言います。
なぜなら、前年の秋に収穫された蕎麦の実が、すでに10カ月近くを経過し、年間で最も鮮度が落ちている状態の蕎麦を食べる事になってしまうからです。
そのような事もあって、今回、新そばの出回る10月を待ってこちらへ訪問したと言うこともあります。

ただ、最近は、日本とは、四季がちょうど逆転する南半球のオーストラリアなどで、蕎麦を栽培することで、年間を通して「新そば」や「新そばに近い蕎麦」が食べられるよう、努力していると言う話も聞いたことがありますが・・・。

ちなみに、こちらのお店の蕎麦について、「量が少ない」と言う声を、時折、聞くことがありますが、わずか525円の価格で提供される「せいろ」に、「究極の美味」と「お腹一杯の量」・・・・の両方を要求するのは、あまりにも酷と言うものでしょう。

10軒のおそば屋さんがあれば、それぞれ10通りの考え方でおそばを提供しています。
そう言う意味では、こちらのお店・・・・登場したお蕎麦を味わえば・・・・蕎麦の素材と調理の技術を追究した「究極の蕎麦」「求道者的蕎麦」志向のお店であることは明らかでしょう。
むしろこのようなハイレベルのお蕎麦が、この価格で提供されるのであれば安いと思います。


いずれにしても客側も、そのお店が「目指しているスタイル」を、良く認識し、理解したうえで訪問をするべきなのでしょう。



(麺は完食。そば湯は3割飲んだ)




↓続きあり






〜千寿竹やぶ その2〜




2006年12月中旬 千寿揚げ 630円 + せいろ 525円  + 田舎蕎麦 735円  + かけ 630円

再び、「千寿竹やぶ」さんを訪問しました。
昨年の「大感激」が忘れられず、今年も「秋の新そば」シーズンを待って訪問しようと思っていたのですが、なかなか訪問のチャンスに恵まれず、12月の訪問となってしまいました。




店頭には「新そば打ち始めました」の嬉しい表示があります。
今回は、夕方の6時少し前に訪問しました。




入店して、すぐ左手にあるカウンター席のスペースです。
蕎麦屋さんとしては珍しく背の高い「スツール」タイプの椅子が使われています。




カウンター席の通路をはさんだ向かい側に置かれた「石臼」です。
こちらで自家製粉されているのでしょう。

石臼を使うと、蕎麦が熱を持たず、蕎麦の風味も飛ばないと言われています。
お蕎麦の「持ち帰り」も出来るようですね。




カウンター席でも良かったのですが、「禁煙席」を希望しましたところ、奥へ案内して頂けました。
偶然ですが、去年に座った席と同じ席となりました。

テーブルが自然木タイプのものへ変更されていました。




メニューです。
一ページ目は「ドリンク」のページです。




二ページ目は「肴」や「天だね」のページです。




次に「蕎麦」と「うどん」のページです。
メニューや価格は去年のままでした。




こちらは季節のメニューでしょうか。
これだけ色々揃っていると、リピーターの方も楽しめそうです。





まずは、こちらのお店のオリジナルの一品、「千寿揚げ」です。
メニューの説明によれば、「豆腐とホタテとそば粉の揚げ物」だとの事です。

ちなみに・・・・私は、蕎麦屋さんでは、まず滅多に蕎麦以外は注文しないようにしています。
よく、蕎麦「通」の人は、いきなり蕎麦を食べるのは無粋とばかりに、まずは「にしん」「板わさ」「玉子焼き」などを「アテ」に、
日本酒をゆっくりと楽しんで、二〜三本お銚子を空けてから、頃合いを見て、「締め」に蕎麦を・・・・と言う楽しみ方をする人もいます。

ただ私は、蕎麦の香りと旨味は非常に「デリケート」だと思っていますので、直前に色々なモノを食べてしまうと、肝心の蕎麦の香りや味が判り辛くなってしまうような気がします。
特にお酒を飲むと、確実に「鼻」や「舌」の感覚が「麻痺」しますので、純粋に蕎麦の美味しさを堪能する気構えの時は、お酒も飲まないことにしています。

ただ、こちらのお店は、「一品料理」や「肴」がとても充実し、「予約おまかせ」と言う7350円のコースまであるようですので、ちょっと興味が湧きました。





見た目は「さつま揚げ」風で、木の芽が飾られています。
さっそく一つ頂いてみます。

軽く歯を入れますと・・・・表面の揚げ皮が「プチッ」と切れて、中身が「トロロ〜リ・・・・」と舌の上へトロけ、流れ出して来ます。
食べる前は、「さつま揚げ」のような「練り物」的な中身かと思いましたが、実際には・・・・「トローン、マッタリ・・・・」とした流動性のある中身で、溶かした片栗粉か、まるで「とろろ」のような舌触りです。

豆腐に包まれているせいか、蕎麦の香りがダイレクトではなく、「ホワッ」とした柔らかな風味に感じられ、心地良く漂います。
また・・・・穏やかな「海鮮」の風味も感じられます。

この海鮮風味は「ホタテ」のすり身によるものですが、いかにもストレートに「帆立」と言うあざとい味わいではなく、「ん・・・?この海鮮風味は・・・エビかな?イカかな?」と、
暫しのタイムラグを置いてから、ようやくホタテと判るような・・・・極めてあっさりとした「上品」なものです。

また、僅かに「甘酒」のような風味を感じましたが・・・・ひょっとしたら、かけられている「タレ」に、隠し味として日本酒が使われていたのかも知れません。
極めて上品で、優しい薄味でまとめられ、ガツンッと来るようなインパクトはないですが、おそらく一緒に食べるであろう「蕎麦」の風味を邪魔しないように、配慮されているのでしょう。

まさに大人のための、酒の「肴」と言う趣きですね。
特に日本酒と、とても相性が良さそうです。





さて、いよいよお蕎麦に入ります。
まずは、「せいろ」です。

盛られている蕎麦の量は・・・・決して多くはありませんが、普通、「究極の蕎麦」を追求している世の「名店」で「せいろ」を頂きますと、
軒並み1000円以上のプライスが付けられている事も少なくありません。

その点、こちらのお店は、おそらくは敢えて「500円」(税込525円)と、エントリー価格を低めに設定して、敷居を下げているのだと思います。
そのため、どうしても量はやや控えめになってしまいますが、わずか525円と言う価格で提供される「せいろ」に、「究極の美味」と「お腹一杯の量」・・・・の両方を要求するのは、あまりにも筋違いと言う事になるでしょう。
むしろ、「美味しさ」の観点からは、「究極」とも言えるこの絶品「せいろ」が、僅かに525円と言うのは・・・・文句なく、「超大バーゲンプライス」だと思います。

また、おそらくは「茹で立て」を食べて欲しいと言う配慮から、「数口」で食べ終えられるよう、
敢えて一枚に載せる蕎麦の量は控えめにして置き、随時、「追加」できるよう「汁なし」のお替りメニューを用意しているようにも思えます。





蕎麦の「香り」は、昨年感じたほどには強く鮮烈ではありませんが、それでも十分に馨しい(かぐわしい)香りです。
まずはツユに浸けず、蕎麦を一口・・・・そのまま食べてみました。

すすり込むと・・・・「テカテカ・・・」とする歯触りです。
「蕎麦」の適度な量感と歯応えがあり、決して柔らかくはないのですが、精緻な細切りゆえの「デリケートさ」が感じられます。
そうして、全く「噛まずとも」・・・・蕎麦に触れている舌を通して伝わって来る「蕎麦の甘味」が・・・・何より素晴らしいです。

蕎麦の「動き」も「しゃなり」としていて、茹で具合や水切りも実に申し分ない素晴らしい「絶品コンディション」です。
ただ、すすった際に、蕎麦に縦に伸びる「アシ」がない事に気付きました。
しかし、実はこの「縦に伸びない」事こそ、グルテンの少ない証拠、つまり、「つなぎ」の小麦粉が極めて少なく、蕎麦粉の比率が極めて高い証拠なのです。


そうして、いよいよ「噛んでみれば」・・・・一気に「炸裂」する蕎麦の、何と言う素晴らしい「甘味」・・・・でしょうか。
口中に「美味しさ」の高波があふれ返り、制御不能の「歓喜」の感情に全身が打ち震えてしまいます。

去年の蕎麦には、馥郁で何とも清々しい・・・・玄妙な「蕎麦」の香りと旨味に感動させられました。
今回の蕎麦も、玄妙な「蕎麦」の香りと旨味が素晴らしいですが、しかし、それらの印象を霞ませてしまうほどに・・・・「甘味」そのものに、「人を魅了する力」があります。

今回の蕎麦は、相当に甘味の強い玄蕎麦を使っているのか、もしくは、蕎麦の甘皮成分を別途ブレンドして加えているのではないでしょうか。
いずれにしても、新そばの季節の割には、蕎麦が緑色がかっておらず、茶色がかっているのも興味が湧きます。

「蕎麦って・・・・こんなに甘い物だったんだ・・・・」と、驚きを隠せませんでしたが、
砂糖のような「ベタッ」としたわざとらしい甘味ではなく・・・・「デンプン質」が唾液とともに糖質に変化した時のような「優しい甘味」・・・・ナチュラルな甘味、天然の甘味・・・・まるで「麦芽糖」のような優しい甘味です。
舌がその「甘味」に近づこうとすると・・・・「スーッ」と引いてしまい、あせって追いかけようとすると、「サラリ」と身をかわして逃げてしまうような・・・・
何とも心憎い絶妙の甘味に、わずか一口で、私の心はすっかりこの蕎麦の「虜」になってしまいました。

そして、不思議な事に穀物の甘味と言うよりも・・・・どこかしら、「ミルキーな甘味」のようにも感じられます。
去年こちらで食べた蕎麦には、このような「甘味」はありませんでしたので、今回の蕎麦は、使われている玄蕎麦の産地や出来具合が異なるのでしょうか。





また、今回、「蕎麦の甘味」の超絶の美味しさとともに、同じくらい驚かされたのは、「ツユ」と「山葵」(わさび)の、信じ難い美味しさでした。
まず、「山葵」だけ少量なめてみましたが、これが何と・・・・「辛いワサビ」と言うよりも、まず真っ先に、非常に「美味しい野菜」・・・・だと感じてしまうのです。

つまり、決して、「ツーン・・・」と来る化学的な香りの強さがなく、むしろ何より、「野菜」としての「美味しさ」があるのです。
この山葵を食べますと、「山葵」とは、調味料や香辛料なのではなく、実はれっきとした「野菜」なんだなぁ・・・・と理解させられます。

まるで、「深山の匂い」と「清流の香り」を凝縮したような・・・・「穢れ」(けがれ)のない風味と清冽な香気を持つ小さな「野菜」・・・・。
いや、むしろ「山菜」のイメージが近いでしょうか・・・・。

とにかく、冷たい湧き水で育てられた「山菜」と「野菜」のいいとこ取りをした「ハイブリッド・テイスト」のような清々しい美味しさを持つ山葵であり、
これだけでもお酒の「ツマミ」や「肴(さかな)」となりそうな信じ難い美味しさ、この少量の「ワサビ」だけをおかずにしてご飯が美味しく「二杯」は食べられそうです。

過去、いろいろな蕎麦屋で本ワサビを食べて来ましたし、自分でも本ワサビを買って自宅で擂り卸して使うこともありますが・・・・過去のどの山葵ともレベルが違い過ぎです。
自分で、スーパーなどで「本わさび」を買いますと、ほんの親指程度の大きさで800円位したりして、その価格の高さに驚かされます。

非常に高価なのは、栽培に手間がかかるうえ、成長が遅く、出荷できるサイズまで育つのに2〜3年もかかるためです。
そのため、安い粉ワサビやチューブ入りワサビなどは、本ワサビは使われていないか、使われていても極少量で、実体はワサビダイコン(=西洋わさび、ホースラディッシュ)と言う安い代用品がメインに使われています。

また、「山葵」も極めようとすれば大変です。
どんなに良質の山葵でも、実は卸し方次第で酵素の働きが変わり、風味が大きく左右されてしまうのです。

美味しく食べるポイントは、葉の付いていた「頭の側」から、「鮫皮の卸し」で、弱い力で同一方向へ「円を描くようにゆっくり」と卸すことだそうです。
ただ、数日に分けて使う場合は「足の側」から擂った方が山葵が枯れません。
また、金属製の卸し金ですと切れ過ぎてしまい、山葵の繊維がつぶれず、エキスが滲み出さないので向いていません。

また、山葵は、卸し立てでも、時間が経ってしまっても、香りが良くないといいます。
プロに言わせますと、卸してから、「三分後」に頂くのがベストだそうです。
なお、余談ですが、「鮫皮」の卸しは、本当の鮫ではなく「エイ」の皮を使っているのだそうです。


さて、蕎麦は半分ほどそのまま食べて、残りはツユを浸けて食べました。
この今回の「ツユ」がまた・・・・・筆舌に尽くせない「超絶の美味しさ」だったのですが、その美味しさについては、後半でレポートしたいと思います。





さて、次に頼んだのは「田舎蕎麦」です。

田舎蕎麦の薬味には、「山葵」ではなく、「辛味大根」が付いてきます。
より「濃い味」となる田舎そばには、辛味大根の方が合うと言う配慮なのでしょう。

ちなみに、後で食べる事になるこの辛味大根もまた「絶品」でした。
蕎麦を半分ほど食べてから、辛味大根を箸で取り、少しそのまま食べてみたのですが・・・・
口に入れた途端、爽やかなエキス感と辛味が、「スパーンッ・・・」と、一陣の疾風の如く、小気味良く鼻腔にあふれ返ります。

うーん・・・・素晴らしい、これほど「胸のすく」素晴らしい美味しさの辛味大根は初めてです。

単に「辛い」だけなのではなく、密度の濃いエキス感と香りを伴った・・・・「颯爽」とした「清涼感」のある辛味なのです。
そうして、その一陣の疾風が駆け抜けた後は、舌が「チリチリチリ・・・・」「ヂリヂリヂリ・・・・」として、ちょうど「生姜」(しょうが)を食べた時のような後味が残ります。

この味わい、例えるならば・・・・「生姜」から、揮発性の香り成分だけを上手に抽出したような・・・・ちょうど、「生姜」と「大根」のいいとこ取りをしたハイブリッド・テイストのような美味しさです。
なるほど・・・・これぞ辛味大根の「真の味」なのかと・・・・目からウロコが5枚は落ちました。





さて、こちらも、まずはツユに浸けずに・・・・蕎麦だけを食べてみました。
うーん・・・・これまた「パーフェクト・・・・」。

こちらの「田舎」も、先の「せいろ」同様に絶品の茹で加減です。

「せいろ」に比較しますと、玄挽きとなって殻や甘皮が混じる分、さらに蕎麦の香りが強く、一層、蕎麦の味わいが「クッキリ」として、旨味が濃くて、とにかく「甘味」が豊かです。
やはり、「せいろ」同様に「蕎麦」自身の持つほのかな「甘味」がしっかりと生かされているのが、何より印象的です。

ほんのりと、舌をくすぐる極めて「自然な甘味」・・・・。
「水」でも・・・・「塩」でも・・・・「米」でも・・・・本当に美味しい場合には、必ず「ほのかな甘味」があるものだと言います。
まさしく、「至言」であると・・・・今回、深く納得させられてしまいました。

舌触りは田舎らしくやや「ザラ付き」があり、歯応えは「ムッチョムッチョ・・・」とする多少の「粘り気」を持つ歯応えですが、
太くて荒っぽい切り方にされる事の多い「田舎蕎麦」としては、かなり珍しく非常に薄い「平打ち」の形状で、しかも精緻な細切りですので、
食感そのものは、実に繊細なデリケート路線に感じられます。





さて、「ツユ」ですが、ひょっとしたら、田舎そばのツユは専用のものが出るかと思いましたが、どうやら「せいろ」のツユと同じ物に感じられました。
そして今回は、いずれのツユも「ミリン」の甘味がかなり効いていて少々驚きました。

前回はこれほど甘く感じませんでしたが・・・・単なるブレなのか、方向転換なのかは判りませんが、
しかし、この「ミリン」がまた・・・・これぞ「最高級」と言う品質のものを使っているようで、今まで経験した事のない「神秘的」な味わいでした。

ミリンの甘味と旨味が、極めて「アクティブ」と言いますか、飛躍的に吸収効率の高い「遊離アミノ酸」が、まるで「さざ波」のように「波動」を持って動いている・・・・という印象です。
つまり、他店のツユが静止した水の無表情な「プール」の水面だとしたら・・・・こちらのツユは、もっと美味しさが動的で、
常に「さざ波」が豊かな表情を描く「海面」のような・・・・「波」「動き」「波動」を感じさせる美味しさのあるツユなのです。

さらに、醤油臭さや、塩辛さが「絶無」・・・・なのには驚嘆させられました。
まったくしょっぱさや、雑味や、濁りの全くない、まるで、「打てばきれいに響く鐘」のような・・・・
夜空に冴え渡る透明感のあるきれいな鐘の音色のような・・・・何とも「気品」にあふれる「みずみずしい」「フレッシュ」なイメージのツユです。


そうして、いよいよこの「絶品の蕎麦」を、この「絶品のツユ」に浸けて、一口、食べてみれば・・・・・

鼻腔を駆け抜ける「トルネード」のような芳香・・・・・。
そして、「蕎麦」自身の甘味と、「ツユ」の優雅なミリンの甘味、それぞれの「甘味」が私の舌の上で重なり、融合し、一体化して、信じられないほどの「相乗効果」を発揮・・・・・。

まるで、「口中からあふれ出るほどの」旨味の「高潮」が押し寄せ・・・・・

その大波が次第に引いて行くと・・・・・

その後には、「舌が吸い込まれるような・・・・」甘味の「渦潮」が深く渦巻く・・・・・


過去、まったく未体験の究極の「蕎麦体験」でした。





さて、ここで一息ついて、「蕎麦湯」の登場です。
蕎麦の茹で汁に、さらに「蕎麦粉」を溶かし込んだ濃厚タイプですね。

このまま飲んでみますと・・・・「蕎麦」の甘味があふれ返り、まろやかで、濃厚で、「こっくり」とした、これまた素晴らしい美味しさです。
一息つくはずが、全く息もつけない、まさに美味しさの「連続波状攻撃」・・・・。

この美味しさは・・・・「茹でられた穀物」に特有の、優しくて柔らかな・・・・ほのかな甘味のある匂いと味わいです。
何とも、豊かな「滋養」に富むコクのある味わいは・・・・まさしく、「和製ポタージュ」と言うイメージですね。
トロリとした舌触りと、まろやかで濃厚なコクは、まるで、「生クリーム入り」の「ポタージュスープ」のようなクリーミーな味わいです。

何より、使われている「蕎麦粉」が極めて良質だからこそ、このレベルの味が出るのでしょう。
昨年の蕎麦湯には、蕎麦から溶け出た塩気をやや感じましたが、今回は塩気が全く舌に触らず、その分、蕎麦のピュアな風味が生きて来ます。





ツユと蕎麦湯を合わせて飲んでみました。
ミリンの甘味と醤油のほんのりとした風味が加わって、味の輪郭がきれいに整います。

結局、あまりにも美味しすぎて、「飲む手」がまるで止まらず・・・・。
グイグイと・・・・気が付けば、蕎麦湯を「全部」飲んでしまいました。

蕎麦の成分がとても濃厚なので、全て飲んだところ、予想以上に「満腹」感に満たされました。





さて、「せいろ」、「田舎そば」と・・・・あまりにも想像以上に美味しかったため、
急遽、温かい汁物の蕎麦はどうなのか、とても気になってしまい・・・・思い切って「かけ」も注文してみました。

「熱いそば」には、きちんと「お冷」が添えられて来るのも「さすが」ですね。





まずは、「ツユ」をすすってみますと・・・・・
ツユは、まさしく、「カツオ」、「かつお」、「鰹」・・・・とにかく「鰹節」のダシが、思いっきり効いています。

逆に、「醤油」の醸造風味は・・・・意外なほど、ほとんど効いていません。
さらに、「ミリン」も、さほど効かされていないですね。

とにかく、ストレート&ピュアに「鰹節」の美味しさが活きています。
粉々しく、「グワワッ・・・」と、カツオ風味が押し寄せて来ますが、しかし、それでいて、どこにもワイルドなところや俗っぽいところがなく、
いわゆる、「和食」の技法に近い、非常に「上品」な、極めて「洗練」された鰹の心地良い美味しさです。

関東の「かけそば」と言うと、「黒々とした」「醤油醤油した」醤油の味が強いツユが多いですが、
こちらのツユは、醤油臭さがないと言うか、醤油の風味が控えめで、つまり「かえし」(醤油ダレ)ではなく、あくまで「ダシの力」で食べさせるタイプですね。

さらにメニューの説明によれば、無添加、無化学調味料のツユだそうです。
世間で、無化調の蕎麦ツユと言うと、やたらと「塩辛く」してしまっている店がありますが、こちらのツユは、一切そのような誤魔化しがなく、塩気が強いと言う事も全くありません。
また、醤油風味が薄いと言うと、「関西」風のツユを連想しますが、出汁がイリコではなく、カツオ風味なので、関西風のツユとも異なります。

これまた、目からウロコが10枚は落ちる・・・・初めて出逢う、素晴らしく「非凡なる」ツユです。


また、「蕎麦」ですが、熱いツユのせいで、口当たりが柔らかくなっていて、
まるで、「無重力感」を備えたように、口の中へ「軽やか」に折り重なり、舌の上で「フワッ・・・」とトロけます。

この夢見るような「ソフトな食感」は、冷たい蕎麦では決して味わえない感触です。
それでいて、決してふやける事がなく、しっかりと蕎麦の輪郭を保っていました。

ただ、さすがに熱いツユに浸ってしまうと、蕎麦の香りや甘味は、「せいろ」などに比較すれば、埋もれてしまう感じはあります。
その分、蕎麦とツユの味が、「完璧」に馴染み切っていて、見事に「調和&融和」した味わいの見事な一体感が醸されています。

これぞ「あたたかい蕎麦」の醍醐味でしょう。





また、「かけそば」の器は、長めの「足」が付いていて、大変にオシャレでした。
「ぬくもり」のある「ゴロッ・・・」とした手触りも楽しいです。


世の中、「蕎麦打ち」ばかりに神経を使い、ツユや薬味は「出せばいい」程度にしか考えていないように思えるお店も少なくないのですが、
こちらのお店は、まさしく、作り手自身で実際に蕎麦を何回も繰り返し食べながら、「ツユ」や、「薬味」や、「蕎麦湯」や、「器」などの一品ずつを・・・・「厳選」し尽くしたと思え、
ともかく「蕎麦」を、少しでも、よりほんの少しでも・・・・「美味しく」提供したいと言う、飽く事なき「執念」さえ感じさせられます。

結果として、「お盆」の中は・・・・蟻の這い出る隙間もないほどの、美味しさの完璧な「布陣」、万全の「包囲網」、不落の「要塞」が、見事に構築され、
すべてが「最高峰」の水準で見事に「統一」され尽くしています。




さて、食べ終えての感想ですが・・・・・
去年の蕎麦は「香り」が特に素晴らしく・・・・そして今回の蕎麦は「甘味」が特に印象的でした。

「蕎麦」に関しては、去年のものも、今回のものも・・・・いずれも「甲乙付けがたい」素晴らしい逸品だと確信します。
しかし、こと、「ツユ」、「薬味」、「蕎麦湯」・・・・に関しては、今回のものは、まさしく「見違える」ほどの・・・・・飛躍的「進歩」を感じました。

こちらのお店のHPを拝見しますと、どうやら現在は、若い「二代目」の方が、メインとなって厨房に立たれているようです。
これほど素晴らしいスピードでの「成長」「進化」・・・・おそらくは・・・・こちらの「二代目」様は、あり余る才能を備え、かつ、非常に勉強熱心な方とお見受けします。


「食べ歩き」をしていますと、大抵は過去の同業店との「比較」で味を判断することになりますが、
極まれに、その特定ジャンルに於いて、図抜けて「完璧」なお店やメニューに当たる事があります。

つまり、「比較級」ではなく、「絶対級」で語る事の出来るお店です。
「相対」的に優れる美味しさではなく、比較対象の追随を許さない位置に存在する「絶対」的な美味・・・・。
既に、他に比較するものや対抗できるものがない「次元」に位置し、追随者のいない「高み」に到達しているお店です。


こと、「蕎麦」のジャンルに関しては・・・・まさしく、こちらのお店が、その例に該当するように思えてなりません。

いやはや・・・・ぜひとも、「全メニュー」を制覇したくなるお店です。



(すべて完食)











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