01ch グルメ食べ歩き
a la 麓屋
(東京都 港区)

店名 信州開田蕎麦 a la 麓屋(あ ら ふもとや)
住所等 東京都港区芝5-26-10 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2006年3月下旬 天ぷら(かき揚)そば 510円 




〜a la 麓屋〜



2006年3月下旬 天ぷら(かき揚)そば 510円 

今回は、都内でも屈指の「美味しい立ち食いそば店」との呼び声が高い、巷で評判の「信州開田蕎麦 a la 麓屋」(港区・田町駅or三田駅)さんを訪問してみました。
サラリーマンの強い味方、どんなに忙しくてもふらりと立ち寄れる・・・・多忙な一日の憩いの場所、それが「立ち喰いそば店」でしょう。「駅そば店」「路麺店」等とも呼ばれています。

ただ、「早く」、「安く」・・・・までは大抵のお店はクリアしていると思いますが、残念な事に、「美味しく」・・・・となると、世の「立ち喰いそば店」のほとんどは、立地の良さと低価格にのみ頼っている感じで、「味は二の次、三の次・・・・」と言うお店が多く、なかなか納得の行く「立ち喰い」の味に出会うことは多くありません。

こちらのお店は「立ち喰いそば」と言うには、椅子も数脚あり、かなり本格派の「蕎麦」を出す、ゴージャス志向のお店だと言うことです。


 お店は「慶応仲通り商店街」の一画

お店は、慶應仲通商店街のちょっとした角地にあります。
道幅はさほど広くありませんが、人通りが絶えない商店街です。


 読み方は「ア ラ ふもとや」

赤いヒサシが目印です。
「そば」のノレンがなければ、カフェショップかベーカリー風に見えますね。


 店頭のメニュー

店頭の説明書きによると店主さんは元フレンチのシェフであったようです。
メニューにも「蕎麦のペペロンチーノ」、仏産鴨肉を使った「鴨南蛮」、「グラスワイン」、など、面影が感じられるものが含まれています。
また、ラーメン風にチャーシューや味玉が入るお蕎麦「コテリ」や、日替わりの「本日丼」など、創作的なメニューも並んでいます。


 営業時間と定休日

場所柄か、結構、夜遅くまでやっていますね。
夕方に、短めですが中休みがあります。


 店内の様子

店内は壁に沿ったカウンターとテーブルが一卓、そしてスツールタイプの椅子が数脚置いてあります。
左奥が厨房スペースです。ちなみに配膳も冷水も「セルフ」形式です。


 券売機には沢山のメニュー

入店してすぐ右側に券売機があります。
メニューが豊富ですし、どれも美味しそうで迷いそうです。

あらかじめ、外のメニューである程度は目星を付けてから入店したほうが良いかもしれません。
「温・天ぷらかき揚」の券を購入しました。


 店内のメニュー

蕎麦屋さんで「グラスワイン」とは・・・・なかなか、しゃれていますね。
「ツマミ」と言わず、「前菜」と言うのも、フレンチシェフの由縁でしょう。焼酎やビール、日本酒も揃います。



 「天ぷら(かき揚)そば」 510円

さて、いよいよお蕎麦の登場です。

ツユは見た目は透明感が高いですが、一口飲んでみると・・・・「塩分+出汁」が、かなりしっかりと効かされています。
いかにも「追ガツオ」をしたような、出来立ての「魚節系」の風味が鮮やかに強く出ていて、その相方として、塩分もきっちりと強めに効いている感じです。

醤油(かえし)も効いていますが、醤油以外に、さらに「塩」を加えてパンチを出しているイメージです。そのため、非常に明瞭な味のキレがあるのですが、同時にやや刺々しさや鋭利さも感じます。
しかし、単にしょっぱいのではなく、同時にあくまで出汁がパワフルに効いていますので、まさに車の両輪のイメージでバランスは良いです。節系も何種類かブレンドしたような複雑な旨味があります。

お店の目指している味の方向性が、しっかりと伝わって来る感じです。



 石臼引きの蕎麦

麺は、ポツポツと蕎麦の殻の粒子が混じったもので、平打ちの形状をしています。
店頭の説明によれば、「石臼挽き」だそうですが、熱いツユに入っていますので、香りや味は「ざるそば」などに比べてやや伝わりにくくなっているようです。

平打ちゆえ、すするとパタパタと折り畳みかけるように口に入ってきて、意外に軽い味わいです。
「信州そば」と言うことですが、決して田舎風ではなく、ザラ付きや歯ぬかりなどもなく、かなり、洗練されたスマートな口当たりと食味です。



 かき揚天は驚愕の美味しさ

店頭の説明によれば、天麩羅はすべて揚げ立てを提供しているようです。そのためお店の混雑時などは、多少の時間がかかることもあるようです。

私のオーダーした「かき揚げ天ぷら」は、サクサク感を大切にしたいためか、別皿に乗せられて登場しました。
さらに器に入りきらないほど大きいため、包丁で二つに切られて提供されています。

かき揚を箸でつかんでみると・・・サワサワする感触とともに、かなりの厚みが伝わって来ます。
まずは、ツユに入れず、そのまま食べてみました。


「サクッ、サクサク、サクサクサクサク・・・・・」

「・・・・フゥンワリ・・・・」


いやはや・・・・もの凄い「衝撃」です。

ここ、このかき揚げ・・・・何と言う美味しさなのでしょう。

あまりの「官能的」な美味しさに、卒倒してしまいそうです。
特に「サクサク・・・」の後に来る、「ふぅんわり・・・」が最高です。

天ぷらタネは玉ねぎとニンジン、そして桜海老がメインなのですが、衣が非常に「滑らか」で、さらに衣に使われている卵の黄身のほんのりとした「甘い風味」が、まるでシフォンケーキのような素晴らしい風合いを出しています。

味、香り、舌触り、口解け感・・・・・本当に、すべてが「超絶品」です。
油の風味、後口の良さから、揚げ油も非常に良質な油を、鮮度の良い状態で使っていることが、はっきりと伝わって来ます。古くなった油の嫌な匂いや汚れによる雑味が全く感じられません。
こんなに美味しいかき揚天を食べたのは、生まれて初めてかも知れません。



 かき揚+熱いツユ=第二の超美味

そして、いよいよツユに入れて食べてみても、これまた「超絶品」。

ツユに浸った天ぷらは、出汁の旨味を吸い込んでさらに美味しさを増すと共に、サクサクの軽快な衣にツユの「重さ」「しっとり感」が加わって、陶酔する口当たりが誕生します。
「ザックリ・・・」と歯が入り、真ん中から二つに割れた熱々の天ぷらの中から、天ぷらの油の芳ばしさと出汁の旨味が渾然一体となって、口中にあふれ返ります。

続けて、口中で天ぷらが外側から、「ハラリ」、「ホロリ」と、自然にほぐれ始めて、中身の具が次々と順番に口中に「進呈」される様子に・・・・驚愕させられます。
もしも、このような食感のシークエンスを計算してやっているとしたら、まさしく「神業」に近い調理のセンスとレベルだと思います。

天ぷらをツユに浸すと・・・・絶妙なサクサク感を残しつつ、さらに舌をくすぐるような、「ホッコリ」、「ザックリ」感が加わり、この新たな超絶食味・・・まさに「一杯で、二度美味しい」と言う、客としての「冥利」に尽きる至福の味わいです。
厚みがあるので、食べ応えもあり、ツユに浸っても、天ぷらの食感が「ぐったり」せず、軽さのある膨らみを保ったまま、全くへたらないのは本当にすごいことです。

また、蕎麦だけをすすった際は、ツユのパンチが強めに感じましたが、むしろそれは、このような存在感のある天ぷら等も入れる前提としての強めの味付けだったのか・・・とも理解できます。
天ぷらの衣のふっくら滑らかな風合いと、衣に使われている卵の黄身の心地よい甘味が、パンチのある汁の味を優しく、ふんわりと・・・受け止めてくれます。


いやはや・・・・確かに、「都内屈指の驚きの美味」レベル。
店主さんの目指しているもの、そしてその才能は、明らかに業種の壁を超えて、「抜きん出ている」印象です。

ぜひとも、全メニューを制覇したくなるお店です。



(すべて完食)










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