01ch グルメ食べ歩き
エチオピア 本店
(東京都 千代田区)

店名 カリー専門店 エチオピア 本店(えちおぴあ)
住所等 東京都千代田区神田小川町3-10-6 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2006年5月上旬 チキンカリー 880円




〜エチオピア本店〜



2006年5月上旬 チキンカリー 880円

今回は、都内でも屈指の人気を誇る「カレー専門店」と、巷で評判の「エチオピア」本店(千代田区・御茶ノ水駅or神保町駅or小川町駅)さんを訪問してみました。

創業は1988年、店名の「エチオピア」は東アフリカにある共和国を連想しますが、その由来は、店主さんがコーヒーが好きで、中でも「エチオピア産のモカ」をこよなく愛した事からだそうです。
すべての方に「美味しい」と言っていただける事を目指し、香辛料や素材、調理法に至るまで一切妥協しないと云う姿勢を貫き通し、今では都内でも有数のカレー激戦区と言われる「神田」界隈で、その名を轟かす名店と大評判のお店なのです。


 お店は「明大通り」に面しています

JR御茶ノ水駅の御茶ノ水橋口を出て、明治大学の前を通り、駿河台下交差点の手前にお店はあります。
写真の左側の道路が「明大通り」です。この神田近辺一帯には、都内でも有数のカレーの名店が隣接し、お互いに鎬ぎを削る、まさにカレー好きにとって「聖地」「メッカ」と言われています。


 2階建ての店舗

お店は二階建てです。
ヒサシには「カレーライス専門店」ではなく、「カリーライス専門店」と書かれています。
以前は、横濱カレーミュージアムにも出店していたほどのメジャー店であり、既に早稲田や恵比寿など、都内にも支店が数店舗展開されていますが、こちらがその本店になります。


 営業時間

1Fと2Fでは、閉店時間が多少異なります。
場所柄か、「無休」と言うのは頼もしいですね。


 店頭のメニュー

店頭に置かれているメニュー表です。
メインは、「ビーフ」「チキン」「野菜」「えび」「豆」の五種類です。加えて、野菜と合わせる「ミックス」カレーも注文できます。


 店内風景

昼の2時を過ぎていましたが、さすが人気店だけあり、満席なのはもちろん、常時3〜5名の待ち客が券売機付近で並んでいます。
店舗はカウンター形式で奥に長い造り。奥にはミニテーブル席も二つありました。二階はテーブル席になるようです。
厨房はどこにあるのか判りませんが、どうやら二階から厨房用エレベーターでカレーを一階へ届けているようでした。


 券売機上段

うむむ・・・ビーフカレーにもそそられたのですが・・・・「エチオピア」の代表的なメニューであり、「人気No.1」と言われている「チキンカレー」の券を購入しました。
それにしても、「ビーフ」と「チキン」が同額と言うのは珍しいですね。


 券売機下段

下段には「大盛券」や「テイクアウト用」の券も。
「カレールー」のみのテイクアウトも可能なようです。


 「辛さ」は0〜70倍まで選択可

カレーでは重要な「辛さ」は、さすが専門店と申しましょうか・・・・何と「0倍」〜「70倍」まで選択可能です。
食券を渡す際に口頭で伝えます。今回、とりあえず「3倍」にしてみました。


 付け合せのポテト

最初に付け合せのポテトが一つ提供されます。
たまたま蒸かしてから少し時間が経過していたようですが、それでも多少ホカホカしています。マーガリンが一かけら付いてきます。

ちなみに、こちらのお店では注文を受けてから一杯ずつ調理するために多少の待ち時間がかかります。
このポテトはその時間つぶしとしてのアイディアなのでしょう。


 福神漬け

薬味は「福神漬け」だけのようです。色合いからして普通の市販品と思われます。
専門店であれば、もう少し種類を置いて欲しいところですが、周囲は若者の多い「学生街」でもあるので、これだけでも十分なのかも知れません。



 「チキンカリー」 880円

さて、いよいよ「チキンカレー」の登場です。ちなみに、食券を渡してから約18分後の登場でした。

具として大振りのチキンの塊りが目立ちますが、ヒヨコ豆、そしてピーマンも入っているのは珍しいですね。
実は食べ進むと判るのですが、このヒヨコ豆の「可愛くホックリ」する食感と、ピーマンの独特な「青臭さ」が、このホットでスパイシーなカレールーと非常に良くマッチしています。
いずれも目立ちませんが、良いアクセントになっていて、実はとても重要な隠し味と言えるでしょう。
学生街で営業しているせいか、全体のボリュームもしっかりとあります。



 ルーのアップ

さて、いざ食べてみますと・・・・・ルーは表面付近は、ほぐれた肉の繊維が浮いていたりしてトロミと旨味がありますが、下の方は煮崩れた野菜類の意外にサラッとした汁っぽい感じもあります。
家庭のカレーのように小麦粉で「ボテッ」とさせた感じはありません。

とにかく細かくほぐした肉が、ほど良くルーに混じっている感じで、「ホクホク」「ホコホコ」とする優しい肉の繊維がコクと旨味を生んでいて、とても美味しいです。
そして、その肉のコクと旨味の間を縫うようにして、複雑なエスニック系のスパイス感がかなり鮮烈に立ち昇り、非常にパンチのある味です。

これらのスパイス・・・・口中でひとしきり辛味を放出した後は、「サワサワ〜、スカスカ〜」と鼻に抜けてゆきます。
スパイスの中では「クローブ」(丁子)と「カルダモン」などがやや目立つようですが、どこなくミントっぽい爽やかな風味も混じっているように感じられます。

ただ、この「クローブ」の香りが・・・・やや強く出ていて、このスパイスの配合バランスがこちらのお店の「個性」「オリジナリティ」にもなっているようなのですが、食べる人によっては、クローブの強い清涼な芳香をやや「薬臭い」と感じてしまうかも知れません。
「クローブ」はチョウジノキの花のつぼみを乾燥させたものですが、その精油は高濃度のフェノールを含むため、実際、強い消毒作用があります。
実際に歯医者さんでは消毒や歯痛の治療薬としても広く使われていますので、あまり多く使いすぎると、ちょっと「消毒薬」を連想させられる匂いのイメージにもなりかねないでしょう。

そして後口には、ゼラチン質でピトピトと上下の唇が少しくっつく感じがあります。ここまで、ゼラチン質を感じさせるカレールーはかなり貴重ですね。
大量の動物系の素材から出汁を取る際に、芳醇な旨味とともに、良質なコラーゲンがたっぷりと溶け出しているものと思われます。



 チキンのアップ

チキン肉はタップリと入っていて、「ホックリ」として柔らかく、「ホグホグ」と繊維がよくほぐれ、鶏肉特有の優しいあっさりとした旨味です。
ただ、大きな塊りになっているものは、スパイスが染み込み切れなかった中心部分に、養鶏肉特有の匂いがやや残って感じられました。

ルーは辛さ「3倍」でも結構辛く、このルーの強大なエネルギー感、パワー感、ヒートアップ感、をほんのりふっくらとした鶏肉の淡白で優しい旨味が、まさしく絶妙な「火消し役」となって、実に優しく大らかに受け止めてくれています。
何と言う組合せの「妙味」でしょうか・・・・まさにお互いが、絶妙な「味のコントラスト」となっていて、お互いに相手を見事に引き立てあっています。

辛さのしっかりとしているホットなカレールーには、上品な甘味のある鶏肉はまさにベストパートナーですね。このメニューが人気No.1と言うのも大いに頷ける気がします。
ただ、全体的にはやや「肉」が多すぎると言うか・・・・・「肉々しい」感じにあふれていて、食べ盛りの若い人には大いに歓迎されそうですが、もう少しどこかに野菜の存在感が加わると、食事としてのバランス的にも良くなるような気もします。
もしくは、「さらし玉ネギ」や「ラッキョウ」などの、サッパリ系の薬味を置いて欲しいです。
まあ、ルーを「野菜セット」にして頼んだり、別途、「グリーンサラダ」を一皿付ける手もありますが・・・。



 スパイス感と肉の旨味が炸裂

ライスはやや硬めに炊かれているものの、「ふっくら」とした口当たりで、「ほんのり」と甘く、カレーと組合せるライスとしては、まさしく「ベスト」な仕上がり、実に見事な美味しさです。
無垢なライスの美味しさに、ルーが「溶き伸ばされて」、ライスと一緒に食べるとさらに一層、こちらのカレールーの美味しさが良く判ります。

特に「辛味の質」と言いますか・・・・単に「ピリリ」とするキレや清涼感のあるライトで表面的な辛さではなく、「ジワジワ」とゆっくり始まって、2〜3秒の後に「ドドドドドーン」と衝撃がやって来るヘヴィでパワフルな辛さです。
しかも、辛味がずっと出っ放しなのではなく、まるで潮の満ち引きのように・・・・現れては消え、押しては引く・・・・と言う、何とも見事な立ち居振る舞いぶりです。

さらに、パワフルに「辛い」ですが、同時に見事に均衡するようにダシ素材の分厚い「旨味」が感じられるため、「辛いけど旨い」という実に理想的な状態が現出しています。
そのバランスが見事なうえに、大変に高いレベルで均衡しているのは、「さすが」としか言いようがないです。

旨味自身も・・・・化学調味料のようなうすっぺらで人工的なものではなく、まさに、動物性「ガラスープ」のナチュラルで深い旨味による美味しさです。
食べていて思うのは、店内の説明書きどおり、本当に「作り立て」と言う感じで、フレッシュでパンチのある豊かなスパイス感にあふれている美味しさだと言うことです。

しかも、それでいて、肉や具がルーと馴染んでいない訳ではなく、しっかりと両者が融合し合ったルーの熟成感も感じられます。この辺りの調理方法は、さすがに「名店」と実に感心させられるものがあります。
そしてしっかりと辛いのですが、辛いのは「食べている間だけ」と言う感じで、まったく後に残らず、後口は非常にきれいさっぱりとして、「スカッ」としています。食べ終えた後も、妙な体調変化は微塵も見られません。

このとても「爽やかな辛さ」、非常に爽快感があり、キレがあり、クドくない辛味は・・・・言葉に表せないほどに、実に気持ちの良いものです。



(すべて完食)










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