01ch グルメ食べ歩き
バードランド
(東京都 中央区)

店名 地鶏焼 BIRD LAND(じどりやき バードランド)
住所等 東京都中央区銀座4-2-15 塚本素山ビル地下1階 【地図表示】
禁煙 タバコ完全禁煙
訪問日 2005年11月中旬 おまかせコース 6000円 + ぼんじり + ドリンク




〜Bird Land〜



2005年11月中旬 おまかせコース 6000円 + ぼんじり + ドリンク

今回は、都内でも超プレミアムな美味しさを誇る「焼き鳥店」と、巷で評判の「バードランド」(中央区・銀座駅or有楽町駅)さんを訪問してみました。

吟味されつくした素材の素晴らしさもさることながら、店主の和田氏の奥義を極めた「焼き」の技術を、「神業」と賞賛する声も少なくありません。

このお店と出会って「焼き鳥」に対する概念が変わったとか、軍鶏の美味しさに開眼したとか言う人もいるほど、高い人気を集めるお店です。
以前は阿佐ヶ谷にあったようですが、数年前に銀座に移転したようです。


 銀座駅の「C6」番出口

お店は数寄屋橋交差点の角地、ロッテリアのあるビルの地下1階の商店街にあります。
入口が少々判りづらいので、地下鉄銀座駅の「C6」番出口を目指して行くと良いでしょう。


 地下飲食店街の案内

地下飲食店街の看板です。右手へ行くと東京メトロの銀座駅です。
何と・・・・お隣は、日本有数の寿司店と評判の高い「すきやばし次郎」なんですね。
さすが、「銀座」「有楽町」のど真ん中と言うロケーションです。


 シックな店構え

お店はガラス張り、木製のドアを開けて入ります。夕方五時の開店とほぼ同時に入店しました。
伝聞から想像するに、かなりきらびやかでゴージャスな店舗を想像していましたが、ビル自体がやや古いこともあり、「昔ながらの銀座」と言う感じで、シックで落ち着いた雰囲気です。


 落ち着いたインテリア

ウッディな店内は完全禁煙です。「完全禁煙の焼き鳥店」は、私の知る限りこのお店だけです。雰囲気は「焼鳥店」と言うよりも「軍鶏料理店」に近いイメージです。
店内はコの字型のカウンターとやや大きめのテーブル席があります。この日は三人で訪問したのでテーブル席になりました。焼き場の奥が厨房のようです。

ちなみにこちらで使っている鶏は、茨城県産の「奥久慈軍鶏」(おくくじしゃも)という地鶏で、軍鶏のオスと、名古屋コーチンとロードランドアイランドレッドを掛け合わせたメスを交配した品種なのだそうです。
「軍鶏」と言うと肉が締まっていて、脂が少なく、旨味がすっきりとしている印象がありますが、逆に脂が豊富でコクがあり、旨味の濃い「名古屋コーチン」種をかけ合わせたことで、とても美味しそうに思えます。


 ドリンク類、他にワインも豊富

ドリンクはビール、ソフトドリンクはもちろん、ワイン類も充実しています。
飲み物のお値段は「銀座」としては、かなりリーズナブルではないでしょうか。


 コースは二種類

ちなみにメニューを見ると串の「単品」には価格が書かれていません。ひょっとしたらお寿司屋さん並に「時価」なのかも知れません。
コースは「おまかせコース」として、6000円と8000円の二種類があります。値段を気にしながら食べるのも嫌なので6000円のコースをオーダーし、追加で「ボンボチ」(ボンジリ)を注文しました。
飲み物はビールやウーロン茶などを注文します。

以下、登場したメニューを順を追って紹介していますが、あくまで「おまかせ」なので、日によって内容は変わるものと思われます。



 「先付け四種類」

まず、前菜です。それぞれホウレン草のおひたし、菊の花の和え物、鶏皮の二杯酢、砂肝の煮こごりです。
すべて冷製です。いずれも見た目どおりという感じのお味でした。



 人気の「レバーのパテ」

二品目は「レバーのパテ」。いきなり「エース」の登場です。
このパテはフランス料理界の重鎮「ジョエル・ロブション」氏が絶賛したと伝え聞いています。
確かに・・・焼き鳥店のメニューと言うよりも、うーん・・・まさに「高級フレンチ店」などで出てきそうなお味です。

レバーペーストに、まるで高級無塩バターを混ぜ込んだ「高級スイーツ」のような旨味と舌触りで・・・絶品のなめらかさ、やや硬めに仕上げた「ムース」や冷製の「チーズケーキ」を連想する滑らかな口解け感ですね。
味もレバー(肉)と言うよりも、ふんわりとして雑味の全くない旨味とコク、そしてデリケートな甘味があり、大人向けに仕上げたチョコレートペーストのような・・・美味しさです。



 「ワサビ焼き」

焦がさないように表面だけに熱を通した正肉に、ワサビをあしらった串です。
食べてみると、軍鶏肉の「ふんわり」とした「淡雪」のような軽やかな口解け感にびっくりです。中はピンクの見事な「半レア」状態で、それでいて中心まできちんと熱が通されています。

焼くところは見ていなかったのですが・・・何となくアルミホイルを巻いて、蒸し焼きにしたような印象です。
軍鶏肉は硬いと言う概念を完全に覆された衝撃的な一品。淡白な白身に塩とワサビが非常に良く合って実に美味しいです。



 「ウーロン茶とビール」

初めて見たブランドのウーロン茶ですが、これまた、茶葉のきれいな香りが素晴らしく良く立っていて、味もかなり美味しいです。今まで飲んだどのウーロン茶よりも美味しいのにびっくりしました。
あと、ビールが「缶」で出てきたのにはちょっと意表を突かれましたね。この辺はあくまで「焼き鳥屋」さんっぽい雰囲気を感じさせます。



 「レバー焼き」

鶏レバーです。タレではなく大粒の粗塩で味付けされています。
そのためレバーの純な旨味が、真っ直ぐに、ダイレクトに堪能できます。滑らかでホクホクする食感、レバー特有の濃い味でコクも豊かですが、豚と違い、さすがに鶏だけあってさっぱりと上品な味わいです。

粗塩のツブツブの歯触りと、スポット的に舌に溶け出るミネラル感が心地よいアクセントになって、美味しさを倍増させています。



 「鶏皮」

鶏の「皮」です。身がたっぷりと付いた状態の皮に僅かに山椒粉が振られています。
大抵の店の「皮」の串は、あの「ブヨブヨ」した食感と過剰な油が苦手なのですが、こちらの「皮」は歯応えも良く、油っこくなく、ほど良い山椒風味も手伝って、美味しく食べられました。



 「お豆腐」

「お豆腐」です。オリーブオイルと黒コショウをかけてあります。
動物性タンパク質ばかりでなく、植物性タンパク質で口直しと言う意図でしょうか・・・。

とても濃い味のお豆腐です。冷たい豆腐の食感が口中をサッパリさせ、舌をリセットしてくれますね。
しかも、あえてお豆腐に醤油を使わないのは、この後に続く、塩味の串の味を邪魔させないためなのでしょう。「うーん、なかなかやるな・・・」と言う印象です。



 オーナーシェフ(中央)

ちなみに早い時間はお弟子さんが焼き場に立っていましたが、途中からオーナーシェフが自ら焼き場に立ち、その後はすべての串を焼いていらっしゃいました。
すべての「焼き物」は、焼き方次第で、味が大きく変わります。

同じ素材でも、一つ一つその大きさや形、脂のノリ具合が異なります。さらに刻々と変化する炭火の火力などを常に見極めながら、神経を研ぎ澄まし、一瞬も気を抜けない「仕事」です。
それゆえ「熟練の業」「プロの経験と勘」がモノを言う世界と言われています。



 焼いた「銀杏」

「銀杏」です。香りも味も濃厚でびっくりする美味しさです。
一体、普通の銀杏とどこが違うと、こういう味になるのかと思います。「ホクホク」した焼き加減も素晴らしいです。



 「砂肝」

「砂肝」です。こちら二本と次の「ハツ」(心臓)一本を、お三人様で分けて下さいと言われました。
砂肝独特の「ザキザキ」「ムギュムギュ」する歯応えが凄いです。とてもパンチのある歯応えです。



 超絶品の「ハツ」

「ハツ」(心臓)です。今回の串の中でも、ダントツで美味しかったです。
とても芳ばしく焼けていて、肉質はホックリとしてふくよかで柔らか、優しく豊かな軍鶏の純粋な旨味が口中いっぱいにあふれかえります。

正肉などに比べてグッと味が濃く、それでいてクセがなく、とてもジューシーですね。
貴重な部分なので単品だときっと高価だと思います。



 「グリーンサラダ」

お口直しの、「野菜サラダ」です。
苦味のある葉野菜で唾液をたっぷりと出させ、再び口中をリフレッシュさせる意図のようです。
さすがになかなか計算されています。



 「つくね」

「つくね」です。今まですべて「塩」でしたが、今回、初めて「タレ」がかかっています。
ホグホグする感じの優しい口当たりで、ふっくらとした上品な旨味が詰まっています。

ただ、軍鶏ゆえか、やや汁気が少なく、ちょっとモッサリする感じもあります。
隠し味にほど良い香辛料が練り込まれているようです。



 「ボンジリ」(ボンボチ)

追加オーダーの「ぼんじり」(ぼんぼち)です。
鶏の尻尾の先の部分です。一羽から一つしか取れない貴重な部位です。一つのボンジリを縦に割って串に刺しています。
つまり、上の写真の串では3羽分のボンジリを使っている事になります。

歯を入れると「パキュッ!」と割れるような歯応えで、中から脂(油)が弾け出て来る感じです。
脂と旨味がギュッと詰まった美味しさです。脂が多いので、塩気を強めにして食べると味が一層際立つようです。
すっきりとしながらきれいなコクのある軍鶏の脂の美味しさを堪能するには最適の部位でしょう。



 サービスのお茶

無料の「お茶」です。
早い時間で空いていたせいもあるかと思いますが、なくなるとすぐにお替りを持って来てくれました。



 「山椒焼き」

「山椒焼き」です。山椒の木の芽が乗っていて香りが清々しいですね。
こんがりと照り焼きにされた皮がパリパリして美味しいです。皮ぎしの脂の美味しさが堪能できる一品ですね。

この辺で結構、お腹が膨れて来ました。



 「焼きマイタケ」

焼いた「舞茸」です。
「茎」の部分なので、最初見た時は何かと思いました(笑)。一緒に行った人のものは「傘」の部分でした。

これも焼き方が上手で中まできちんと火が通っています。遠赤外線の炭火で焼くからなのでしょう。
炙られた芳ばしいキノコの香りがとても食欲をそそります。



 「ねぎま」

「ネギマ」です。
これも「タレ」が使われています。塩とタレで、タレのものが後に出されるのは良いですね。

タレは濃い目の味で、ネギとともにしっかりと「焼き鳥」の典型的イメージを演出しています。
この「ねぎま」を食べると、あぁ・・・ここは、焼き鳥屋さんなんだなぁ・・・と思います。



 軍鶏の「親子丼」

いよいよ最後を飾る「親子丼」の登場です。
トロトロ、熱々の玉子に歯応えの異なる「モモ」と「胸」の二種類の軍鶏肉を使っているそうです。
大きさはハーフサイズと言うところでしょうか。



 「親子丼」のアップ

玉子は見事な「半熟状態」です。ふんわりとした口当たりで、旨味にあふれた玉子と、ふっくらした優しい旨味の軍鶏肉のコラボレーション。
親と子ですから、相性も最高ですね。コースの「締め」としての量も最適ではないでしょうか。

ただ、出汁の味や旨味が濃く、インパクトもあるので、絢爛豪華と言うか・・・どちらかと言うと「創作料理」と言う感じです。
それゆえ、あまりに「美味すぎる」と言うか・・・いわゆるノスタルジックな下町のほのぼのするような、素朴な親子丼の味とは異なるイメージです。



 「鶏のスープと香の物」

親子丼とともに提供された「軍鶏のスープ」と「香の物」です。
塩味のさっぱりスープです。旨味がゴテゴテせず、実にすっきりと感じられます。ラストには丁度良い仕上がりだと思います。



以上でコースは終了です。
訪問前はボリュームはどうなのだろうと思っていたのですが、いやはや、しっかりと満腹になりました。

ただ、「美味しい焼き鳥」と言うと、どういう味を思い浮かべるかは人それぞれだと思いますが、やはり「奥久慈軍鶏」とは言え、「軍鶏」の味は、どちらかと言えば脂が少なめで、口当たりは淡白でさっぱりとしています。
旨味もとにかく繊細で上品であり、したがって、濃厚で、ガツンッと来るような、判りやすい味ではないかも知れません。

実際、スーパーなどで売られている焼き鳥のほとんどは、どっさりと化学調味料を使った「強烈な味」ですので、こちらの「ふんわり」「ナチュラル」で上品な味付けの焼き鳥を、どこかしら物足りないと感じる人もいるかも知れません。
また、タレを使う串が少ないため、余計に上品で繊細な路線のイメージを受ける気もします。

ちなみにこちらの「Bird Land」ですが、いわゆる「焼き鳥屋さん」と考えると「高い」と言う声もあるようですが・・・・むしろ、「銀座の数寄屋橋」から徒歩1分以内で、夜にちょっとオシャレな雰囲気でそれなりのグレードのワインを飲めるお店なら、どこへ行ってもおそらく一人一万円前後はするでしょう。
「銀座」は、新宿や渋谷とは明らかに違う街です。喫茶店に入れば、コーヒーの一杯が800円するのが普通な街なのです。銀座には「銀座価格」と言う高いハードルが厳然として存在します。
実際、銀座は裏通りの小さな飲み屋さんでも、ちょっと飲んで焼き鳥を7〜8本も食べれば、すぐに一人5000円位は行ってしまいます。

「銀座」駅に直結と言う恵まれたロケーション、ゆったりとしたシックな店構え、そしてこれほどの高級な焼鳥と美味しい親子丼が、トータル6000円で食べられるなら、むしろかなり安いと思います。

ちなみに追加で頼んだ「ぼんじり」ですが、この日は一串1500円程でした。



(すべて完食)










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