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 01ch.コラム(第4回) 

「遺伝子組換え作物」

(ご注意)本コラムは、書籍やマスコミやインターネットなどで得た情報をきっかけとして、管理人レイイチの私的な体験や見解や考察を文章にしたものですが、出典や根拠や効果のあやふやな物、学説の分かれている物等も含まれていますので、誠に恐縮ですが記述内容についての一切の保証はできません。
本コラム内容に基づいた行動で、万一、トラブルや損害等を被った場合でも、一切関知できませんので予めご了承下さい。



なぜ「遺伝子組換作物」は騒がれているのか?
その驚くべき恐怖の真実とは?




 1.遺伝子組換えの何が問題なのか?

数年位前までは、なぜ納豆や豆腐に、くどいほどに「遺伝子組換え大豆は使用していません」と書かれているのか、いつも不思議に思っていた。
つまり、「遺伝子組換え作物」の何が問題なのか・・・・なぜ区別しなくてはならないのか・・・・一体どこが悪いのか・・・・よく判らなかった。
それまでは、「遺伝子組換え作物」と言うのは大豆やトウモロコシの遺伝子(DNA)を人為的に組み替えて、「成長が早い」とか、「実が大きく育つ」とか、「甘味が増す」とか、「病気に強くなる」とか・・・・そういった有益な新世代の農作物を作る素晴らしい画期的な新技術だと思っていたからだ。

まあ、確かに「神様」でもない一介の人間が、他の生物の存在意義そのものでもある大切な「遺伝子」を、そのエゴで勝手にいじくり回すという「倫理的な問題」はあるかも知れないが、食品に使っても別に実害はないのではないか・・・・と考えていた訳だ。
ただ、もし暴走すれば未知の危険な作物を誕生させる可能性があるということや、あくまで「新技術」なのだから作物の生育やそれを食べる人体に、何らかの未知なる影響があるかも知れない位の漠然とした不安は・・・・あるにはあった。

しかし、ある時、そんな漠然とした不安を、「現実」のものとする日がやって来た。
真夏のある日、仕事を終えて帰宅する途中、あまりにも暑かったので近くの酒屋さんで良く冷えた瓶(ビン)ビールを、二本だけ買って帰った。ちなみに私は・・・・・・「ある理由」から「アルミニウム缶(素材)」入りの飲料は極力買わないこととし、親しい周囲にもその旨を強く進言している。

そして、ひと風呂浴びて、いい気分でそのビールを二本飲んだのだが・・・・二本目のビンを飲み終わる頃に、次第に頭が「ガンガン」して来て、かなりひどい頭痛に襲われたのだ。
別に体調が悪い訳ではないし、ましてやアルコール度数の弱いビール二本程度で、悪酔いなどする訳もない。
まさか、急性の脳梗塞か、クモ膜下出血か?とも思ったが、ビールを飲む量に比例してジワジワと疼(うず)くように始まった頭痛であり、明らかに、今飲んでいるビールに原因があるとしか思えなかった。しかし、なにぶん初めての事なので、目の前のビールが原因であると確信するまでには至らず、ガンガンする頭を抱えてベッドに入り、ガンガンする頭を押さえながら、なんとか眠りについた。
翌朝はその頭痛がまだ少し残っていて何とも不快な目覚めとなったが・・・・数日もすると頭痛の事はすっかり忘れてしまった。

その後も、たびたびビールを飲んだが、二本以上飲んでも何ともない。
ところが、1ヵ月ほど後に、再び、ビールを二本飲んで、前回と同様に異様に強烈な頭痛に襲われたのだ・・・・。そしてなんとラベルを見れば、前回と同じ「某社」のビールだった・・・・。
一本だとはっきり判らないが、二本だとはっきりとキツイ頭痛症状が出る。まさに、ハンマーで「ガンガン」と脳を叩き潰されるかの如きイメージの、間違いなく「脳の細胞」が何百万単位で死滅させられている印象の、生命の危険さえ感じるほどの非日常レベルの頭痛である。

そこで、私が、私と価値観が似ていると思っている知人にその事を話してみると・・・・「俺もそう!同じだよ。某社のビールだろ?飲むと俺もすごく頭が痛くなってくるよ。」「でも、別なメーカーのビールだと頭痛にならないんだよな。何でだろう?」と言われた。この偶然の一致にはちょっと驚かされた。
それ以来、某社のビールは飲まないように避け、他社のビールを買って飲んでいた。すると例の頭痛は全く起こらない。

さらに数ヵ月後・・・・。
ある消費生活アドバイス関連の書籍を読んでいたところ、その本では、消費者にとって健康上の「問題」となる可能性のある商品を、その理由とともに特集していたのだが、なんと例の某社のビールが「問題商品」として掲載されており、その理由として「遺伝子組換えトウモロコシ」(コーンスターチ)を原材料に使っている可能性があるため・・・・というような事が書かれていたのだ。
そのページを読んで、あの頭痛の理由に「ピ−ン」と来た。

実は、それまでもその某社のビールは、過去、おそらく何百本と飲んで来ていたし、味に関しては一番美味しいとさえ思っていたほどだ。
そして、それまではあんな強烈な頭痛に見舞われたことは一度としてなかった。遺伝子組換え作物が出回り始めたここ数年で初めて現れた現象だし、他メーカーでは二本以上飲んでも頭痛はまったく起きない。
このように消去法で考えてゆくと、どうしてもその「遺伝子組換えトウモロコシ」とやらに、頭痛の何らかの原因があるのではないか・・・・という私的「推測」に至らざるを得なかった。
ただし、あくまで頭痛発生との真の因果関係は今でも「不明」である。また、その後、予想以上の消費者の「遺伝子組換え作物反対運動」や「反対署名キャンペーン」などを受け、その某社も今では「遺伝子組換えトウモロコシ」(コーンスターチ)は使用しないという宣言をしている。なかなか立派な「消費者第一」の優良企業である。

それにしても、なぜ「遺伝子組換えトウモロコシ」が消費者団体などにこれほど問題視されているのだろうか?
DNA組み換えのどこが問題なのか?
もし何かの問題があるなら、なぜ認可され、なぜ流通しているのか?

不思議でならず、興味を持った私は「遺伝子組換作物」について時間をかけて調べてみた。
すると、まさに想像を絶する「驚くべき真実」が判明したのである。





 2.遺伝子組換えで、なんと「殺虫トウモロコシ」誕生

その「驚くべき真実」とは、実は「遺伝子組換えトウモロコシ」とは、たくさんの実が成るようになったとか、成長が早くなったとか、味が甘くて美味しくなったとか・・・そういう話ではない事が判明したのだ。
なんと、それまでの無毒のトウモロコシに、遺伝子操作をして、害虫を殺す「毒素」を持たせたトウモロコシの事なのであった。

特殊なタンパク質性の「毒素」を出す細菌から、その毒素を作る遺伝子を取り出し、それをトウモロコシの遺伝子に組み込んだものが、世に言う「遺伝子組み替えトウモロコシ」の実体(真実)だったのである。
つまり、特定の虫から見れば「猛毒」のトウモロコシを、遺伝子操作でこの世に誕生させた訳だ。
な、なんと・・・・新型「殺虫トウモロコシ」の誕生とは・・・・。

なぜそんな事をしたかと言うと、トウモロコシに寄生する害虫の一種は、トウモロコシの「芯」(内部)に潜り込んで内部から食害してしまうため、外からいくら農薬をまいても殺す事が困難らしいのだ。
だから、トウモロコシの「実」そのものに殺虫成分(毒素)を組み込み、芯にもぐりこみ農薬から逃げた害虫も、トウモロコシの実をかじった時点ですべて死んでしまうようにしたと言う・・・・・。
実を全部食べられてから死んでも意味がないので、おそらく、ほんの少しかじった程度でも虫が死ぬ強いレベルの毒素なのだろう。

日本の厚生労働省・食品安全部などでは、これを遺伝子組換えにより誕生した「害虫抵抗性を有するトウモロコシ」などと呼称している。
「害虫抵抗性を有する」などと書くと、なんだか「とても丈夫に育つ優良なトウモロコシ」とか「害虫などに負けない強壮なトウモロコシ」などのプラスイメージを持ってしまうが、その実態は・・・・要は「超強力!!猛烈殺虫毒素で完全防備!!」な・・・・新型トウモロコシである訳だ。

さらに・・・・トウモロコシだけではない。今や「害虫抵抗性を有するジャガイモ」も作られている。
つまり、ジャガイモも土中に実がなるため、その実を食べてしまう害虫を、地上からでは農薬をまいて殺す事ができない訳だ。そのため、やはりジャガイモの実そのものに毒素遺伝子を組み込んで、「超強力!殺虫毒素!!」を組み込むようにしたのだ。
これで、地中のジャガイモの実を少しでもかじった虫は、その超猛烈な毒素により、すぐに「コロリ」と死んでしまう訳だ・・・・・。

ちなみに、遺伝子組換え作物のメーカーなどでは、作物自身に殺虫成分を持たせる(組み込む)ことで、今までの農薬を減らせるから、トータルではむしろ健康被害の心配が減ると述べている。
しかし一方で、実際の農薬散布量は必ずしも減っていないときちんとした根拠のある統計を出して反論している民間サイトも実在している。
そして何より、農薬は少しでも洗い流したり、時間とともに自然と揮発する成分もある。ところが、遺伝子レベルで組み込まれてしまった「殺虫毒素」は、洗い流したり、揮発したりという事がない、「取れない成分」「洗い流せない成分」であることが何より問題だろう。


そうなると、当然のように、「同じ生き物である虫が食べて死んでしまうトウモロコシを人間が食べて本当に大丈夫なのか?」という疑問が湧いて来る。
そこで、またまた少し調べてみた。
メーカーや研究機関、監督官庁などは、そのタンパク質性の毒素は、特定の害虫の特定器官(昆虫の消化管に存在する中腸管上皮)にのみ作用し、その器官を破壊する毒素なので、その器官を持たない人間には無害だと主張している。
また、加熱や胃液により分解されたり、消化されたりするから安全だと主張しているようだ。


しかし、前例のないもの、未知のものだけに、同じ地球上の生物である「虫」が死んでしまうのに、「人体」には本当にまったく何の悪影響もないのだろうかと、やはり消費者としてはどうしても不安になってしまう。
何しろ、もともと生命力の強い害虫が、ちょっとかじって死ぬ位なのだから・・・・いくら虫より体が大きいとはいえ、それを一度に何百粒も食べる人間の体に、本当に全く影響が無いのだろうか?
虫の特定の器官だけを破壊するとしても、人間にはその器官に該当する類似の組織体が本当に存在しないのだろうか?





 3.「安全なはずだった」「しかし・・・・」と言う過去の例

歴史的事実として、メーカーや研究機関、監督官庁などが「無害です」「安全です」「問題ありません」と主張して来たにもかかわらず、実際は「有害」「有毒」「危険」だったものは、過去、まさに枚挙にいとまがない。
すぐに思い出すだけでも、遠く以前は「チクロ」や「サリドマイド」、最近では「薬害エイズ」、「狂牛病」などである。
「安全であるとして認可された」→「被害者多数発生」→「実は有害・危険と判明」→「販売中止」・・・・歴史を見れば、常にこの繰り返しである。
実際に例をいくつか挙げてみたい。

■チクロ
チクロは、1956年に厚生省により「安全」だとして食品添加物に指定された人工甘味料だ。コストが安いうえに甘さが砂糖の30倍もあってお菓子やアイスキャンディーに大量に使われていた。
しかしその後、アメリカのFDA(食品衛生局)などで発ガン性が指摘され、日本の厚生省もあわてて1969年に食品添加物の指定から削除し、急遽、手の平を返すように「全面使用禁止」とした。

■サリドマイド
戦後の薬害事件の代表格。サリドマイドは、ドイツの製薬会社により「安全」な鎮静剤かつ睡眠薬として開発された薬で1957年から市販された。日本でも某製薬会社が1958年から売り出し、睡眠薬としてだけでなく、妊娠初期の女性が悩む「つわり」の沈静薬としても「推奨」されて使われたらしい。
しかし、実際には驚くべき事に、妊娠初期の女性が服用すると、手足が極度に短い奇形の子供が生まれてくるなど、実は非常に強い「催奇形性」がある事が判明したのだ。日本の製薬会社と厚生省はドイツからの警告を放置し、諸外国が販売中止や回収を決めた後も、約半年もの間、漫然と販売や認可を続け、被害を拡大させてしまった。

■薬害エイズ(HIV)
一体、日本人の何%がこの事件の「真実」「全容」を知っているのだろうか。ケガをすると出血が止まらなくなる「血友病」患者は「血液製剤」を定期的に注射しなければならない。その薬の原料は献血や売血によって集められた「人の血」である。ところがアメリカで集められて日本に輸入された血液の中にエイズウイルスが混じっていた。製薬会社も厚生省も学識者達も、その重大な危険を察知していながらこれを放置し、現場の医師達も「安全」と患者に説明し非加熱(未殺菌)の「血液製剤」の注射を長期に渡って続けたのだ。
そのため多くの血友病患者がエイズに感染したり、死亡してしまった大事件である。しかも、医師が「血液製剤」による血友病患者のエイズ感染を知っていながら告知しなかったため、その方の家族や恋人にまで二次感染でエイズが拡散してしまったケースまであると言う。

■狂牛病(BSE)
狂牛病はイギリスで発生し、汚染された牛を食べた100人以上の人が亡くなっている。人間の場合は潜伏期間が2〜10年と長いため(牛の場合は4〜5年)、感染の自覚がなく、しかも一度発病するとほぼ100%死に至る恐怖の病気である。狂牛病は牛の脳や脊髄などに多く含まれる「異常プリオン」という感染力のある「タンパク質」を「食べる」事で感染する。汚染されて死んだ牛を「肉骨粉」として粉砕し、牛の飼料(エサ)に混ぜたため、牛同士で感染が広まり、その牛を食べた人間にも「種」を超えて感染した訳だ。
イギリスでは1986年に狂牛病が表面化し、その2年後に肉骨粉を牛のエサとする事が禁止された。そのため行き場を失った危険な肉骨粉は外国へ「輸出」される事になった。これを受けアメリカは1989年に動物性飼料を全面的に輸入禁止している。しかし日本では、肉骨粉は輸入時に「加熱殺菌」しているから「安全」だとして大量に輸入し国産牛のエサに使っていたのだ。ところが異常プリオンは熱耐性が非常に高く、100℃程度の加熱では感染力は消えなかったのだ。
当然のように、2001年の夏に日本初の狂牛病が発生、政府はあわてて肉骨粉の輸入と製造販売を全面的に禁止した。しかし、狂牛病の潜伏期が「牛の場合4〜5年」であることを考えれば、発生してから急遽禁止しても、完全な「後手」であることは明白だ。この「後手」のため「国産牛」に対する不信感パニックが起き、数々の畜産農家や焼肉店、飲食店が倒産し、牛肉の政府買上や全頭検査で莫大な税金が浪費された。


なぜこのような悲劇が起こるのか・・・・普通の一市民としては本当に不思議でならないが、大企業としてみれば「大量の在庫」をかかえている事がその理由らしい。
有害と判った薬品にしても、毒性があると判明した食品にしても・・・・では全量「廃棄」となれば、何千万円、何億円レベルでの損害になってしまう。そうなれば・・・・何とかして官憲に利益提供し、在庫が「売り切られる」まで、「規制」の発動を遅らせる・・・のが、どうやら日本国企業の常套手段のようである。実際に、歴史を調べるほどに、どう考えてもそうとしか思えない事実に突き当たる。実に・・・・消費者としては、何とも恐ろしい事である・・・・・・・。

また、公害や薬害で被害にあっても、因果関係がはっきりし、かつ、加害者が国や大企業であるのなら、すぐに補償金や賠償金をたっぷり取れるだろうと思ったら、大きな間違いである。以下、日本の4大公害病の二つを例にとって、被害発生から和解解決までの期間を見てみたい。

■水俣病訴訟
熊本県で起きた「水俣病」は、有害重金属である「水銀」の含まれた「工業排水」が水俣湾へたれ流され、その水銀が水俣湾を汚染し、湾内の魚介類を食べた沿岸地域の人々に多数の脳障害者や死者を出した大事件だ。水銀のたれ流しは1932年から行われていたが、政府が水銀が原因であることをやっと公式に認めたのは、何とその「36年後」の1968年である。しかも、やっとの事で公式に原因を認めてからも、被害者との間で民事責任(損害賠償)の最終和解案が受け入れられたのは、何と1996年であり、この間、被害者側はさらに「28年間」という気の遠くなるような長期に及ぶ「訴訟」を争わねばならなかったのである。

■イタイイタイ病訴訟
また、「イタイイタイ病」は、富山県神通川の上流にあった鉱山から流れ出た「カドミウム」によって田畑が汚染され、そのカドミウム汚染米や野菜を食べた流域住民にカドミウム中毒が発生したものだ。カドミウムによる骨軟化症で全身の骨がきしみ、患者があまりに悲痛に「痛い痛い」と叫ぶことから「イタイイタイ病」と名付けられたと言う。
神通川流域では既に1940年頃からイタイイタイ病患者が多発していたにも拘らず、1972年の名古屋高裁判決による和解まで、被害者たちは実に「32年間」と言う驚くべき長期に渡って「原因解明」と「訴訟」を争わねばならなかった。

このように考えれば、公害や薬害の立証と損害賠償を求める事が、いかに想像を超えた時間と労力、人生の計り知れない犠牲を伴うものか、嫌と言うほど判ろうかと言うものだ。
まさに、事前に何とか「被害に遭わないようにする」しかないのだ。





 4.遺伝子組み換え作物は現実に「混入」し始めている

このように、過去、「現実に起きた」事例を踏まえて、改めて熟考してみれば、まさしく「海のものとも」「山のものとも」区別の付かない、全くの前例なき未知なる「遺伝子組換え作物」を、「無害」と言われて、「はいそうですか」と、私としてはすぐには信じる気になれない。
そうなると、当面の自衛策としては、「君子危うきに近寄らず」策しかないだろう。
しかし、何より恐ろしいのは、「組み換え」と「非組み換え」作物は、見た目では全く判別できないことだ。ましてや、トウモロコシやジャガイモは、お菓子やスナック類に加工されてしまえば、到底見分けなど不可能である。
2001〜2002年にかけて厚生労働省が、大豆、トウモロコシを用いた加工食品73商品を無作為にサンプリングし、DNA検査したところ、なんと大豆加工食品では47商品中13商品(27.7%)から、トウモロコシ加工食品では26商品中10商品(38.5%)から、遺伝子組換え原料が検出されたと言う実に驚くべき「実態」が報告されている。

やはり複雑な流通ルートを通って来るとなれば、「完璧な仕分け」は困難なのだろう。しかし、いずれも混入率5%未満であったので、5%未満であれば「遺伝子組換え作物使用」の表示義務は免除されるらしい。とは言え、「混じっていた」のは事実なのだし、今後どんどん時が経てばいつまで5%未満の水準を維持できるかは不透明だろう。さらに食用油や醤油など、加工製品の状態で、もうDNA判別ができないものは何十%混じろうと完全に不表示で良いと言う。

また、スーパーなどで売られているジャガイモを原料としたスナック類から、相次いで国内未承認の遺伝子組み換えジャガイモのDNAが検出されている。各菓子メーカーは海外からジャガイモ原料を輸入した商社などから、そのジャガイモについて「遺伝子組み換えではないことを証明する」という「証明書」をもらっていたらしいが、まさに単なる紙切れ一枚であり、実際には何の役にも立っていなかった訳だ。

また、2004年8月の農林水産省の発表によれば、某企業と某研究機関が茨城県で共同で実施していた遺伝子組換えトウモロコシの栽培試験において、国内での栽培許可が「未承認」の遺伝子組換えトウモロコシが勝手に栽培されていたと公表している。当然、その栽培試験は中止され、花粉飛散の防止措置も講じられて、生物多様性影響を生じるおそれはないと述べられているが、花粉など、顕微鏡世界のことであるだけに、本当に100%「影響なし」と言い切れるのだろうか。

また大豆やナタネなどは「除草剤耐性」という遺伝子組み換えをした物が開発され、流通している。これはつまり「農薬」をまいても、雑草は枯れるが、大豆やナタネは枯れないように「特殊な酵素」を遺伝子に組み込んだものだ。
健康食品の「筆頭」であったはずの大豆、サラダオイルの原料になるナタネ、多くの菓子類や加工食品に使われるトウモロコシ、カレーやシチューなど食卓にかかせないジャガイモ・・・本当に危険を侵してまで遺伝子組換えの必要があるのだろうか。今までどおりに「遺伝子組換えなし」ではやっていけないのだろうか。

遺伝子組み換え作物の普及は、将来の「人口増加」に備え農作物の生産性を上げるためだなどと、もっともらしい理由がメーカーや学者によって述べられているが、それはあくまで「バースコントロール」の方面で検討し解決されるべき、全くの別ジャンルの問題だろう。実際に中国などは「一人っ子政策」を上手に実施して、人口抑制を見事に成功させている。
それに何より、日本などは2004年5月1日時点の国民総人口が前年同期より約5万人も減少(総務省の推計人口確定値)するなど、出生率そのものの低下もあって、逆にこれから本格的な人口減少期を迎えると言われている。その日本が、遺伝子組み換え作物の輸入量トップだと言うのだから、「人口増加に対処するため農作物の生産性を上げる」と言う理由は、いかにも通らないのではないだろうか。
また、食べる対象を「畜肉」からもっと「穀物」へシフトすることで大幅な食料事情の改善も可能だ。例えれば牛肉1kgの生産には10〜11kgもの飼料が必要だと言う。つまり、「牛」「豚」「鶏」などの食肉の生産は「飼料効率」の観点で言えば優れているとは言いがたく、穀物を家畜生産の飼料に使わず、人間が「穀物」のまま食べれば、「肉」にする数倍の人間が養える計算になる。


昔、熱心に読んだ「夏子の酒」という長編マンガがあった。一切の妥協をせず本物の日本酒造りと米作りに若き情熱を燃やす主人公を描いた感動大作である。
その中で、稲の倒伏を防ぐために背丈の短い稲を作るクスリを薦める農業技術者に対し、主人公の夏子が、

「それは、稲の奇形を作ろうとしているのですか?」

と詰め寄るシーンがあり、「なるほど、確かに・・・・」と、実に深く考え込まされてしまった・・・・。
今や、私も、まさにこの夏子の心境そのものである。



→   厚生労働省 遺伝子組換え食品Q&A





(2004.11.24 up)








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